百合に挟まる訳ないだろ。(挟みに来た!?)   作:究極の闇に焼かれた男

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第3話/スパダリ女子と2人きりで話すってマジ!?

 

 

 

「い、生きてる……助かった、のか?」

 

「ほら、助かっただろ……。 なんてことは、なな、なんてことはないか」

 

「そんな震えた声で言われても説得力ねーよ」

 

 

屋上からまさかの命綱無しのバンジージャンプをする事となった奏汰は、真唯と共に落下地点にあった木に引っ掛かる形で命拾いしていた。

 

 

「下に木が生えているのは知っていたから、どうにか勢いをつければ助かると思っていたいたんだよ。 あとは私の運が良くてよかった」

 

「そう言う問題じゃないからな? と言うより、そんな生き方してたらいつか絶対に痛い目に遭うぞ」

 

 

奏汰は溜息を吐きながら、自分が生きている事実に安堵すると徐にスマホを取り出し屋上に居るであろうれな子に自分達が無事であるとメッセージを送る。

 

 

「とりあえず、生きてて良かった。 もう命綱無しのバンジージャンプは懲り懲りだ……」

 

 

奏汰の言葉に真唯はそうだろうと言わんばかりの表情をしながら頻りに頷く。

 

 

「ともあれ、気になって君とれな子を追ってきて正解だった。 こうして君を助けることができたんだからな」

 

「…何を勘違いしているのかは知らないが、別に俺もれな子も飛び降りるつもりは無かったぞ?」

 

「ん? では、どうして屋上に……」

 

「誰にも邪魔されず落ち着いて話せる場所が屋上だったから行ったんだ。 分かりやすく言うと、お悩み相談的なものだ」

 

「それで屋上に……しかし実際に君たちは、フェンスを乗り越えたじゃないか」

 

「いきなり鬼気迫る表情で来られてビビったれな子が落ちそうなのを助ける為に動いただけだ。 それに落ち掛ける寸前に鉄格子を掴んでたから真唯が来なければ落ちずに済んだぞ」

 

「つまり…」

 

「全部お前の早とちりだ」

 

 

奏汰がそう告げると、途端に真唯は顔を手で覆う。

 

 

「私が君たちを追いつめなければよかったんだな……君を危険に晒してしまってたのは、全て私のせいで……私のせいで危うく死ぬところだったのか……」

 

「ザックリ言うとその通りだ」

 

「そうか全ては私の勇み足だったのか……」

 

「その、ドンマイ……」

 

 

奏汰の言葉に2人の間に気まずい沈黙が流れる。

 

 

「でも、意外だな」

 

「意外?」

 

「いや何、あの王塚真唯が珍しく落ち込んでるなと……」

 

「私だって落ち込むことくらい有るさ」

 

 

そう言うと真唯は視線を斜め下に落としながら口を開く。

 

 

「私は見ての通り、王塚真唯だ。 環境にも恵まれているし、それに見合った努力もしている……つもりだ。 皆は私といると居心地がいいのだろう。 私もなるべくそういった場所を作ろうとしているからな。 皆が喜んでいるのを見るのは、気分がいい。 だが、こう思うときもある。 果たして皆は本当の私を見てくれているのだろうか、と……。 急に寂しくなる日だってある」

 

「……」

 

「私は求められている王塚真唯像を、ただ演じているだけなのかもしれないな」

 

(そうか。 真唯もれな子と同じ……)

 

 

真唯の独白に耳を傾ける奏汰は似た様な悩みを持つ少女の姿を思い浮かべていると、一瞬だけ真唯と目が合うも直ぐに視線を逸らされた。

 

 

「……すまないな、常に完璧を目指す王塚真唯が、こんな訳のわからないことを言ってしまっ「別に、常に完璧を目指す必要なんて無いだろ」え?」

 

「完璧を目指すのは構わないが、それを目指す理由が他人の為ってのは一見すると凄い様に思える。 でもな、そこに自分自身が無いんじゃダメだと俺は思うんだ。 頑張って、頑張り続けて、頑張り過ぎて……いつしか自分が何の為に頑張っているのかが分からなくなる。 俺の身近な人に今の真唯と同じような悩みをもって苦しい思いをした人がいるから尚更そう思う」

 

「私と同じような悩みを君の身近な人が……?」

 

「ああ……だから真唯、時には一旦足を止めて休んでも良いと思うぞ。 俺達はまだまだ高校生、人生はこれからなんだ。 何か悩みがある時は友人を頼れ。 大丈夫、どんな王塚真唯だろうと受け入れてやる。 友達を信じろ」

 

 

一通り言い終えた奏汰は「とりあえず、早く木から降りてれな子に無事を伝えに行くぞ」と、真唯の手を取って木から飛び降りそのままれな子の元へと向かうのだった。

 

れな子の元へ向かうあいだ真唯は終始無言だったが、その瞳は潤んでいたという。

 

 

 

その後、自分のせいで奏汰と真唯が屋上から落ちる事になったと自分を責めるれな子を慰めるのに四苦八苦する奏汰と真唯の姿が目撃されたとか……。

 




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