キヴォトスに来たおカシな先生   作:ナリカオル

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第5話「黒見 セリカの平凡にして非凡な1日」

「借金か……大変そうだな……。」

 

 アビドス高校が多額の借金を抱えている事を知ったショウマ。

 それを聞いて何か力になれる事が有ればとも思ったが、お金に関する知識が有る訳でも無く、何より足着く地が全く安定していない今の自分では、とても彼女達の助けになんてなれる筈も無く、こうして他人事のような台詞を、日を跨いでなお悔しい思いと共に虚空へ解き放つ他無い。

 それに、大変なのは借金だけではない。

 先日の、カタカタヘルメット団の襲来……頻繁に行われるというそれらに対処するだけでも、彼女達には大きな負担となっている筈だ。

 せめてそちらの方面だけでも手伝える事が有ればとも思うが、やはり前述の理由からどうしても自分に出来る事は無いという結論へ至ってしまい、ショウマの心の空模様には曇雲が掛かってしまう。

 そんな気分を紛らわせる為に、早朝から1人学校周りを出歩いていた時だった。

 

「ん?……あれ、セリカちゃん?」

「え?あ……ショウマさん……。」

 

 ふとした街角を曲がった先で歩いている、黒髪のツインテールと獣耳が特徴的な少女……間違いない、セリカだ。

 偶然の発見に乗じて声を掛けてみれば、彼女は驚いたのか一瞬びくりと身体を跳ね上がらせると、ゆっくりとショウマの居る方を向く。

 

「おはようセリカちゃん、こんな所で会えるなんて奇遇だね。これから学校に行くの?」

「あ、いや……そういう訳じゃないんだけど……しょ、ショウマさんこそ、こんな所で何してるのよ?」

「俺?俺はちょっと散歩。どれだけここに居るかは分からないけど、出来ればこの辺りの事も知っておきたいなって思って。」

 

 まさかこんな所で話し掛けられるとは思っていなかったのだろう……セリカの態度はこの2日間で見たような明朗快活としたものではなく、若干たどたどしい。

 しかしそんな彼女の態度は、ショウマの語った内容を聞いてすぐに元へ戻る。

 

「一応聞くけど……ショウマさん、銃とか持ってる?」

「銃?いや、持ってないけど……。」

「あのねぇ……ここ(キヴォトス)で銃も持たずに外を出歩くなんて自殺行為も良い所よ?特にこの辺りは治安も全然良くないんだし……それぐらい、この前ヘルメット団が襲ってきたのを見れば普通に分かる事でしょ?それなのに1人で銃も持たずに呑気に散歩だなんて、危機感無さ過ぎでしょ……。」

 

 まぁ、尤もな言葉である。

 一応自分は人間とグラニュートのハーフ……耐久面に於いては普通の人間以上であるとは自負しているが、実際に銃弾に対してどれだけの耐性が有るかは正直な所分からない。

 さらにヘルメット団は意外と近場で拠点を構えている事も多く、また彼女達は決して学校に攻め入る時だけ凶暴という訳でも無い。

 言うに、仮に道端で出会したらどうなるかはその時のヘルメット団の気分次第なのだとか。

 なのでもし最悪のパターンを引いた時、自衛出来る手段を持っていないと……と、大きな溜め息を吐くセリカ。

 あからさまに呆れたといった様子だ……ほんの少しの間気を紛らわせる為だったとはいえ、流石に迂闊が過ぎた行動であったか。

 

「仕方無い、途中までだけど学校まで送るわ。ノノミ先輩に連絡して……よし、行くわよ。」

「あ、うん……。」

 

 そして次第に見かねたといった風にその様子を変えながら踵を返し、学校までの道を行き始めるセリカ。

 その決定に有無を言わさせる気は無いようであり、ショウマも自らの行動に責があったと認している事から、何も言わずに彼女の後を付いていく。

 

「それにしても物好きよね、アビドスの事を知りたいだなんて……言っておくけど、期待するようなものなんて何も無いわよ?有るとすれば、見ての通りの砂山だけ。楽しい出来事(イベント)とか、暇を潰せる施設(アトラクション)なんてものも無い……終わってるのよ、この場所は。」

 

 学校までの道程は、碌な会話も無く固い雰囲気であった。

 途中一度だけ話し掛けられた内容も、全く明るい話題では無い。

 

「ま、そういう事だからさっさと学校まで戻るわよ。元居た場所……外の世界に帰る方法を探すんでしょ?だったら散歩なんて事してないで、アヤネちゃん辺りに声を掛けた方が良いわ。」

 

 まるで諦観としている彼女は、一体普段何を思って学生としての日々を送っているのか……ショウマの中で、それは密かな疑問となった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ごめんねノノミちゃん、外を出歩く事がそんなに危険な事だなんて知らなくて……。」

「いえ、私達も言っていませんでしたし、知らなかったとしても仕方がありません。ですが次にお散歩に行きたいと思ったら、その時は誰かに声を掛けてくださいね?」

 

 セリカの導きによって無事に学校へ戻り、ノノミと合流したショウマは、そのまま彼女と2人で委員会の部室へ向かう。

 2人でと言うと、セリカはどうしたのかと疑問に思われるかもしれないが、彼女は学校までショウマを連れた後、何故か足早にその場を後にしてしまったのだ。

 急いでいるからと言い、そそくさと去っていくその背に声を掛ける事は叶わず、一体何の用事が有るのかと、ショウマの中でまた1つの疑問となった。

 

「ただいまで~す。」

「お帰りノノミちゃん、ショウマさん。あとおはよー。」

「おはようホシノちゃん、それにアヤネちゃんも。」

「おはようございます、ショウマさん。お一人でお出掛けになられていたという事ですが……お怪我は有りませんよね?」

「うん、大丈夫。ごめんね心配掛けちゃって。」

「いえ……ところで、セリカちゃんはどちらに?一緒じゃないんですか?」

「それがですね、ショウマさんを私へ預けてすぐにどこかに行ってしまいまして。なにぶん急いでいたようなので理由も聞けず……。」

 

 その疑問についてはノノミも感じていた事でもあったらしく、問われてそのまま話題へと上げる。

 今日のアビドス高校は自由登校の日らしく、であればどこで何をしていようとも彼女の自由ではあるのだが、他の少女達も見当が付かないとなるとどうしても気が引かれるものだ。

 

「あー、セリカちゃんの行き先?知ってる知ってるー。」

「え、知ってるの?」

 

 そしてそれについては、意外にもホシノが心当たりが有るという。

 

「知りたいー?」

 

 そんなホシノの表情は、何故か悪戯心に溢れているように見えた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……柴関(しばせき)ラーメン?」

「そう、セリカちゃんここでバイトしてるみたいなんだよねー。」

「初耳です……!」

 

 昼時。

 ホシノ先導の下にやって来たのは、アビドスの市街地に佇む一軒のラーメン屋。

 彼女によればこの店でセリカが働いているとの事らしいが……。

 

「では早速……お邪魔しま~す☆」

「いらっしゃいませ!紫関ラーメンで……って、わわ!?」

「すみませ~ん!4人なんですけど~☆」

「あはは……セリカちゃん、お疲れ様……。」

「うへー、やっぱりここだと思ったよー。」

「み、皆……どうしてここを……!?」

「セリカちゃん凄いね、バイトなんてしてたんだ!」

「ショウマさんまで……ま、まさかあれから後を追っかけてきたっていうの!?何!?あんたもしかしてストーカーなの!?」

「えっ?ストーカー……?」

「違う違う、おじさんが教えたの。あんまり変な事言って困らせちゃ駄目だぞー?」

 

 扉を開けて店内へ入ってみれば、その真相はすぐに判明。

 さりげなくショウマの事を変態扱いしそうになった所を否定され、「ホシノ先輩かっ……!」と歯を軋ませる目の前の店員は、確かに黒見 セリカであった。

 

「アビドスの生徒さんか……セリカちゃん、お喋りはそれくらいにして、注文受けてくれな。」

「あ、うぅ……はい、大将。それでは広い席にご案内しま……。」

 

 そんなやり取りをしていると、厨房に立つこのお店の主、(しば)大将から一言。

 本当はもっとあれこれ言いたかったのだろうが、セリカも大将の言う事ならば無視する事は出来ないとして、渋々といった様子で一同に対して接客を行う。

 

「えっ……えええええ⁉⁉」

「な、何急に⁉」

 

 しかしここでショウマが突然大きな驚声を発したのだ。

 その腰を抜かす程の驚き様を見せる理由が分からずショウマ以外の者達は皆当惑するものの、それはこれまで互いの住む世界が違っていたが故の、必然の出来事であった。

 

「い、犬が喋った……っていうか、服も着てるし……立ってるし……⁉!?」

 

 何故なら柴大将の身姿が、であったからだ。

 

 そう、

 である。

 ショウマの目の前……彼の身長の半分程の背丈で直立し、服を着て、人語を話す、

 四足歩行のペット(愛玩動物)としての姿しか知らぬショウマにとって、それはあまりにも大きな衝撃であったのだ。

 

「あー……もしかしてショウマさんが居た所だと、犬人さんは居なかった感じ?」

「という事は、猫人さんや鳥人さん達もショウマさんにとっては見慣れない方々になるという事ですか。」

「猫とか鳥も居るの⁉」

「そうですね。恐らくショウマさんがこれまでに見た事のある犬や猫というのは、四足歩行で人語を喋らないペットとしての存在でしょう……ですがこのキヴォトスではペットとしての動物以外にも大将さんのような、所謂獣人と分類される方々がありふれて存在しています。ですので混乱されてるとは思いますが……これもキヴォトスの常なんです。」

 

 自身の血筋の片側面たるグラニュートも本来人間とかけ離れた見た目をしているので大概ではあるのだが、それはそれと言うか、このキヴォトスで少女達以外の住人との初対面がこうなるとは全く予想だにしていなかったと言うか……。

 とにかくそんな一悶着が有りながらも、やがてセリカによって再度店の奥の方へ案内され、少女達は思い思いに席へ座る。

 

「それにしてもセリカちゃん、バイトのユニフォームとっても可愛いですね!」

「いやぁーセリカちゃんってそっち系かぁ、ユニフォームでバイト決めちゃうタイプ?」

「ち、違うって!関係無いし!ここは、ほら……行きつけのお店だったから……!」

「あはは……ところでセリカちゃん、バイトはいつから始めたの?」

「え?に、2週間ぐらい前から……。」

「そうだったんですね!最近たまに姿が見えなかったのは、バイトをしていたからだったんですね☆」

「……も、もう良いでしょ!?ご注文は!?」

「ご注文はお決まりですか、でしょーセリカちゃーん?お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃー。」

「あぅう……ご、ご注文は、お決まりですか……?」

 

 ショウマもノノミの隣に失礼し、少女達が談笑で花を咲かせているのを見守る中、その視線は主にセリカの姿を捉えていた。

 朝、このアビドスの事を終わっていると言い、貶しているような様子さえ見せていた彼女。

 しかし今バイトに打ち込んでいる彼女の姿は、とても愛着心に溢れているように思える。

 その心は、一体どこに向けられているものなのだろうか?

 行きつけだというこの店に向けてであろうか?

 それとももっと別の何かに向けてであろうか?

 或いは、もしかして……。

 

「それじゃあ私はチャーシュー麺をお願いします!」

「えっと……じゃあ私は味噌で。」

「私はねー、特製味噌ラーメン!炙りチャーシュートッピングで!ショウマさんも遠慮しないでじゃんじゃん頼んでねー!このお店滅茶苦茶美味しいんだよー?アビドス名物、紫関ラーメン!」

「へぇ~そうなんだ……じゃあ、この醤油味のラーメン貰おうかな。」

「はい、ご注文承りました……って、待って、何か電話来たんだけど……えっ、明日のバイト先から!?」

「おいおいセリカちゃん、バイト中にスマホはご法度だぜ?」

「は、はい!すみません!も~何なのよ急に~!?電話なんて今出れないわよ~!?」

 

 黒見 セリカ……彼女の事を、ショウマはより深く知りたいと、そう思ったのであった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「はぁ……やっと終わった……目まぐるしい1日だったわ……全く、皆で来るなんて騒がしいったらありゃしない……。」

 

 その日の夜。

 今日の分のアルバイトを終え、身体を引き摺るようにして自宅までの帰路に着くセリカ。

 そんな彼女の脳裏には、昼間の時の様子が思い起こされていた。

 

 

 

 

 

─いやーゴチでしたー!

─ノノミちゃん、大丈夫なの?お会計全部ノノミちゃんが払ってたけど……。

─はい、カードの限度額まではまだ全然余裕が有りますから!

─もう‼くっちゃべってないで早く出てってよ‼仕事の邪魔だから‼

─あ、あはは……セリカちゃん、また明日ね……。

─えっと……セリカちゃん!ラーメン本当に美味しかったよ!ありがとね!大将さんにもよろしく言っておいて!

─うるさいうるさい‼二度と来んなーっ‼

 

 

 

 

 

「ったく、人が働いているってのに……ショウマさんまで連れてきてほんと迷惑、何なのあれ?」

 

 あの後注文したラーメンを堪能したショウマ達は、セリカの罵声を浴びながら店を後にしていった。

 今思い返しても彼女達の……特にショウマの事が忘れられない。

 

「どうせすぐに居なくなるっていうのに……何皆して仲良くなろうとしてるのよ……。」

 

 思いきり目尻の下がった、あのふにゃりとした笑顔が癪に障る。

 何の曇りも無い、何の陰りも知らないようなあの笑顔が……正直気に入らない。

 

「ふざけないで……私がそう簡単に心を開くと思ったら、大間違いなんだから……。」

 

 あの人と親交を深めた所で、アビドスの現状は何も変わりはしないであろうに……他の皆はそれを分かっていないのであろうか?

 まさか昼間のあれはそんな自分に対する当て付けなのであろうか?

 セリカはそう物思いに耽りながら夜道を行く。

 

「……あいつか?」

「はい、そうです。アビドス対策委員会のメンバーです。」

「よし……準備は良いか?次のブロックで捕獲するぞ。」

 

 それ故に、彼女は自身の身に迫り来る危機に気付く事が出来なかった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「そういえば、この辺も結構人が居なくなったなぁ……前はここまでじゃなかったのに……。」

 

 ふと気付けば、普段はあまり来ないような場所まで来ていた。

 帰宅ルートからも、自宅からも少し外れた場所……どうやら物思いに耽り過ぎていたようだ。

 想像以上に疲れているのだろうか……そう思うと何だか急に身体が鉛でも背負ったかのように重く感じ始め、その癖吹いた夜風に煽られてフラリと軽くよろけてしまう。

 そして同時に、またあの笑顔が……ショウマの笑顔が脳裏にちらつく。

 

「このままじゃ駄目だ……私達が頑張らないと……学校を立て直さないと……。」

 

 何故よりによって思い起こされるのが先輩達や同級生ではなく、あの人の姿なのか。

 セリカは自分でも分からぬ己の中の優先順位に辟易としながら、とりあえずバイト代が入ったら利息分の返済に充てて……と現実的な問題に目を向ける事で気を紛らわそうとした。

 

「……何よ、あんた達。」

 

 が、踵を返そうとした所で視界に写る人影。

 それはセリカにとって悪い意味で見慣れてしまっている、あの存在。

 

「黒見 セリカだな?」

「カタカタヘルメット団?あんた達まだこの辺うろついてたの?」

 

 先日学校から追い払った時にそれなりの痛手を与えたと思っていたが、まだ性懲りも無くこの辺りにたむろしていたらしい。

 そしてたまたま因縁の相手がテリトリーに入った事を知り、衝動的に報復に走ったといった所か。

 

「でもちょうど良かった、どうにも虫の居所が悪かったのよ……折角だから、二度とこの辺りに足を踏み入れられないようにしてやるわ……‼」

 

 5人、10人と目の前に群がる雑兵達(ヘルメット団)

 何にせよ、立ち塞がるのなら倒すまで。

 セリカは肩に掛けていた愛銃を降ろし、そんな相手の幼稚な復讐心に応じようとした。

 

「くっ!?うぅ……!?」

 

 が、先制の一手を打とうとしたその瞬間、後頭部に強い衝撃。

 それに続けて背中へ走る、幾つもの鋭い痛み。

 

「(背後にも敵!?)」

 

 不意を突かれた攻撃に膝を付きながら背後へ目を向ければ、そこにはやはりこちらへ銃器を構えて立つヘルメット団が。

 そしてここである可能性に気付いて周りを見てみれば、四方八方同じ様に展開している雑兵の群れ。

 

「(まさかこいつら、最初から私を狙って……!?)」

 

 そうだ、この襲撃は決して衝動的なものではなかったのだ。

 こちらが孤立するタイミングを計った、計画的な……。

 

「……捕らえろ。」

 

 その事実に気付いた時には既に遅く、前方に居るヘルメット団から掛けられた号令を合図に、周囲に凄まじい轟音が鳴り響く。

 

「ぐうっ!?うっ……!?」

 

 刹那、セリカが居た場所で起こる爆発。

 咄嗟にその場から跳び退いた事で直撃こそ免れたものの、爆発によって生じた風圧に晒されてしまい、彼女は付近の建物に身体を強く打ち付けてしまう。

 

「(い、今のは一体……!?)」

 

 あまりの衝撃に声が出せず、身体も動かせない。

 意識を繋ぎ止めるだけが精一杯のセリカは、せめて今の爆発を起こした物の正体を知る為に周囲へ目を凝らす。

 

「(あれは……Flak41改……!?)」

 

 すると見つける、ヘルメット団の背後に鎮座している影。

 それはかつて様々な問題を抱えていたとされる重機関砲、Flak41に自走機能等を始めとした改修が施されたモデルであった。

 と言ってもそれも昔の話、今は既に型落ちの兵器だと授業では習ったのだが……万全の状態でない生徒1人を制圧するにはそれでも十分過ぎる戦力である。

 

「……続けますか?」

「いや、生かさなければ意味がない。この程度で良いだろう……車に乗せろ、合流地点(ランデブーポイント)へ向かう。」

 

 セリカは己の誤算を理解した。

 そのような兵器を、ヘルメット団のようなそこらのチンピラが所有している訳が無いと。

 多少なりとも戦力を削られ縮小している筈のヘルメット団が、ここまで大胆な作戦を仕掛けてくるなどと。

 多少疲弊をしていようが、自分ならばヘルメット団如き楽に倒せるものだと、過信をしていた……侮っていたのだ。

 

「(まずい……こいつら、半端じゃ……な、い……。)」

 

 幼稚であったのは、自分の方だった。

 その事実を痛感させられながら、セリカの意識は遂に闇の中へ落ちてしまった……。

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