ー第三文明圏外列強日本国高知沖200kmー
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時速75kmの"
海上自衛隊の潜水艦隊第2潜水艦隊所属の"依10型"達22隻が行動していた。通常、潜水艦の役割とは敵艦を奇襲し、敵の輸送能力を削ぎ、素早く帰投する事を第一としている。しかし、そんな彼らが艦隊を組んで敵を迎撃するのは非合理的だ。しかし、相手は非合理的な大きさを誇る怪物だ。非合理には非合理で対抗すべく、彼らに一番槍の白羽の矢が立った。
彼らの後ろには潜水艦の攻撃を邪魔しないように水上艦隊や航空機、陸上には機甲師団が待機している。
そんな大役を担う彼らの中に、早速怪我をしている者がいる。それは、ソナーを担当する者の鼓膜だ。相手は静粛性など考慮する筈のない獣だ。
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相手は一国の首都を滅ぼした相手だ。緊張するなというのが無茶な話であり、潜水艦の中は静寂に包まれていた。
「距離70を切りました」
第2潜水艦隊所属の迅鯨の艦長である山城に報告する。彼はこの潜水艦隊の指揮官であった。
「距離60…50…40…30…」
既に魚雷の射程距離だが、彼は発射命令を出さない。そして、距離30を切った時に彼は命じた。
「面制圧雷撃を実施する!次弾装填完了次第発射せよ!全弾発射!」
指示によって潜水艦の魚雷が魚雷発射管から発射される一隻当たり計6発の魚雷、第2潜水艦隊計22艦。つまり、計132発にも及ぶ魚雷攻撃。
グラ・バルカス帝国の戦艦を数発で大破に追い込む事が出来る魚雷が132発。破壊の暴力が"
◆
日本神話にも登場する"
"20式魚雷"は"
132発もの魚雷は"
その影響は絶大だった。"
その直後、弾けた気泡が数千にも上る水圧によって水流の槍へと変化し、腹部を突き抜けた。
海中故に曇って聞こえるが、"
内臓を衝撃波で粉砕される。如何に強靭な鱗であっても海そのものが水流と言う凶器に変貌してしまっては体と外の圧力差に耐えられない。
傷口から流れ出る血液が爆発によって生じた高温によって沸騰し黒くなる。そこに追い打ちを掛けるように潜水艦隊の攻撃や海上自衛隊の戦闘機、哨戒機から発射される同時攻撃に海中は地獄となる。
自身の体が無視できないダメージを負っていると考えたのだろう。本能的に危機を察知した"
「ギョアアアアアッッッッッッ!」
◆
ー防衛省"
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「事前情報では頭を2つ程潰したと聞いたが…頭が8つあるな…」
「再生能力があるという事か?」
「頭を潰しても再生されるのなら、どう対処すればいんだ…」
次々と意見が出る中、下士官が報告する。
「目標、潜水艦隊を含めた雷撃攻撃を受けても健在!浮上します!」
偵察機から送られてくる情報を見た者達は驚愕した。海が盛り上がり、山より大きい存在が黒い血を垂らしながら浮上してくる様は異様だ。
「進路変わらず、凶暴化しています!」
魚雷によって空いた穴が再生されていくのが見える。
「周辺の航空自衛隊基地に連絡!無人戦闘機全機は攻撃を開始しろ!」
◆
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無人戦闘機や爆撃機"星影"は既に発進し、攻撃準備が整っていた。そして、防衛省に設立された対策本部からの連絡を受けた無人戦闘機を統括するコントロールルームが無人戦闘機を攻撃態勢に移行する。
このネットワークシステムによって無人戦闘機が一斉にハードポイントから対艦ミサイルを発射する。爆撃機"星影"も地中貫徹爆弾を使用する。
約40機もの無人戦闘機が4発の対艦ミサイルを発射する。計160発もの誘導弾だ。ミサイル群は白煙を出しながら急降下し、海面スレスレを飛翔する。そして、接近した所で急上昇からの急降下!
160発もの誘導弾による爆発が起こる。それに続くように、20機の爆撃機"星影"が爆弾を投下する。そして、2発の地中貫徹爆弾を。計40発を投下した。
その爆発に伴う衝撃と"
爆発によって生じた煙が"
煙から姿を現した"
日本が持つ火力を以てしても"
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◆
ー四国沖100km地点ー
第一次水上打撃部隊は"
更には多国籍軍(英米独豪)に支援要請をした。その際、石原総理は稲荷神の許可を受けた上でこの様に発言した。
「怪物を退治出来たら稲荷神様による訪問を行いたい」
その言葉に火が付いた各国は怪物退治に躍起になった。具体的には各国が備蓄していた武器弾薬、航空機や軍艦に資源を食い潰す勢いで出撃させたのだ。
日本国自衛隊の他にも多国籍軍がまるで映画のようにミサイルやら砲撃を繰り返す。その光景は怪獣映画も真っ青の鉄と火薬の量であった。
しかし、それでもなお"
何せ、背中は黒く光る粘着性液体によって強引に繋ぎ止められ、背中は必要最低限に首を再生させて攻撃を行っている。
そこに、海上自衛隊の艦隊による対艦ミサイル攻撃が行われた。
地中貫徹爆弾によって空いた背中の大穴を狙うように対艦ミサイルが命中する。強引に筋肉によって肉と骨を繋ぎ止めている場所が更に崩落し、"
先程までは空飛ぶ鬱陶しいハエを狙って熱線や電磁波で攻撃していたが、眼の前にはハエよりかは大きい邪魔者を見つけた。
己に攻撃をした愚か者を殺す為に、"
口内に収束したエネルギーは紫白色の光であり、禍々しい。艦隊のレーダーはあれが高エネルギーの熱源だというのが分かった。
「目標に高エネルギー反応を確認!」
「全艦退避行動!」
退避行動をする艦隊に向けて熱線が海水を蒸発させながら、至近距離に叩きつけられる。辛うじて回避出来た船体は津波の如き揺れに見舞われる。
"
必死に追い掛ける艦隊だったが、40ノットもの速力は健在だ。寧ろ、水中での抵抗がなくなった分速い。
"
◆
"
8つの首に一つの眼は同じだが、胴体部分は体内が見えるくらいに穴が空いている。それを強引に繋ぎ止めている様な状態であった。
周囲を飛行する戦闘機を叩き潰そうと"
だが、そんな"
「ギャァァァァァァ!」
怨敵を見つけたかのように目の前の神を滅ぼそうと"
ここに、神話の再現が始まる…
◆
稲荷神は"
そして、準備を整えた稲荷神は自身の相棒たる鳴狐を手に持つ。
「では、稲荷神出撃します!」
そう言って、"
「ここから先、上陸なんてさせません!」
そう宣言して稲荷神は刀を抜刀して海の上を駆ける。
"
しかし、全てのレーザーを稲荷神は紙一重で避けていく。そして、突撃してきた首に飛び乗り狐火で強化した鳴狐をその首に向けて振るった。
首は呆気ない程にずれ落ち、海面に着水…かと思われたが、背骨を繋ぎ止めている黒い粘着性の液体が体と首から発生し、粘着性液体同士がくっつき、首を元通りにしてしまった。
稲荷神はその様子に面倒臭げに「うわぁ…」と呟くが、残る7つの首が稲荷神目掛けて大口を開いて突撃する。稲荷神は刀を片手に持ち、首の突撃を一回転だったり、スライディングだったり、刀で斬ったりと様々な方法で回避しながら首の上を稲荷神専用防具である巫女装束と下駄で駆けていく。
稲荷神が戦っている間も、陸上自衛隊と海上自衛隊、航空自衛隊。そして、米英独豪の多国籍軍も攻撃に参加していた。
"
というのも、稲荷神は事前に攻撃許可をしていたのだ。本神曰く、「私はミサイルに当たろうが傷一つありません。なので、好きなだけ攻撃して下さい」とのことだった。それに従って、彼らは攻撃を続けていた。
陸上自衛隊の射程距離200kmにも及ぶ対艦ミサイルが、海上自衛隊の空母から発艦した戦闘機による対艦ミサイル攻撃と機関砲、航空自衛隊の無人戦闘機、爆撃機による対艦ミサイル攻撃と機関砲、そして地中貫徹爆弾攻撃。多国籍軍の機関砲から対艦ミサイル、数百、数千にも及びそうな爆弾の雨。
それらによって生じる爆風や"
そんな中でも"
だが、首は稲荷神が斬っても再生してしまう。そこで、切断面に狐火を纏わせる方向に考え方をシフトしてみた。つまり、狐火で強化した鳴狐で斬った切断面に狐火を纏わせたのだ。試しに背骨を無理矢理結合している箇所に切ってみると、切断面に狐火が纏わり、回復が起きなかった。
そこで、稲荷神は狐火のフルパワーで"
「絶対に!好き勝手させません!」
稲荷神が決意を一層固め、鳴狐を構えた時だった。稲荷神の目の前を視界が真っ白くなる程の眩しい光が覆い尽くしたのだ。
その光に稲荷神も"
〜コラム〜
ヤマタノオロチ
日本神話に登場する怪物、あまりにも有名であるがその起源は荒ぶる川や山々であるとする説がある。それ故に、全長は異なっており、15〜20kmとする説と日本列島並の大きさと言われている。鬼太郎のヤトノカミは間違いなく日本列島並の大きさだろう。
本作では15〜20kmを想定している。攻撃手段は火炎放射、ビーム、体当たり、噛み砕くなど。
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