稲荷様は平穏に暮らしたかった。   作:味八木

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今回は稲荷神様が戦うのですが…現代兵器に戦列艦レベルの技術じゃ出番を作るのにも一苦労です。


フェン王国の戦い

 

 

―フェン王国ニシノミヤコ沖約30キロ―

 

海に溶け込む為に青く塗られた戦闘機が10機が海面スレスレを飛んでいた。10機の【富士】戦闘機は空母から発進してパーパルディア皇国の竜母艦隊を殲滅すべく飛んでいた。

 

彼等は亜音速で接近して対艦ミサイルをくらわそうとしていた。レーダーにより竜母艦隊上空にはワイバーンロードが12騎いることも確認している。そのワイバーンロードは別の【富士】が対処する事になっている。

 

対艦攻撃を行うべく10機の【富士】戦闘機が対艦ミサイルによる攻撃を行った。ミサイルは正確に1隻1発で竜母を沈めていく。対魔弾鉄鋼式装甲が施され、簡単には沈まない竜母ですら簡単に沈んでいく…

 

対艦ミサイルというパーパルディア皇国にとって未知の攻撃により竜母艦隊は隊列を崩し、思い思いの方向に回避しようとする。しかし、対艦ミサイルは誘導によって多少の移動をものともせずに沈めていった。

 

上空にはワイバーンロードが護衛を行っていた。しかし、音速を超える速度の戦闘機に勝てるわけもなかった。ワイバーンロードは戦闘機から放たれる空対空ミサイルによって撃墜される…

 

彼等は何とかミサイルを回避しようと右へ左へ前や後に、上や下に動く。しかし、空対空ミサイルは狙った獲物を逃さない。急な旋回で逃げるワイバーンロードを操る竜騎士は回避できた事に喜ぶ。しかし、Uターンという考えが思いつかないパーパルディア皇国の竜騎士は後から迫ってくる空対空ミサイルを回避することは出来なかった。

 

結果として、竜母と搭載された竜、護衛戦列艦は日本国艦隊が出る間もなく全て撃沈された。

 

 

 

 

 

 

―フェン王国ニシノミヤコ沖パーパルディア艦隊―

 

パーパルディア艦隊の旗艦は最強の120門級超F級戦列艦【パール】である。ニシノミヤコを攻めた時に使用した艦隊に所属していた竜母20隻が偵察も兼ねて先んじて先行していた。しかし、艦隊が進んだ方向に大きな爆発が何度もあった。

 

その後、竜母20隻からの連絡が途絶えており、軍高官は不安に包まれていた。念の為、艦隊はすでに戦闘態勢に入っている。また、戦況把握の為に砲艦4隻が現場海域に向かい始めている。

 

彼等の破滅の時は近い…

 

 

 

 

 

 

―フェン王国首都アマノキ東海岸―

 

フェン王国での日本人保護と殲滅戦を宣言してきたパーパルディア皇国の脅威を除くために日本は多くの陸上戦力をフェン王国に派遣した。

 

内訳は以下の通りだ。

 

陸上自衛隊員…500名

トラック…75台

多連装ロケットシステム…5基

装甲戦闘車…5輌

自走榴弾砲…8輌

戦車…13輌

戦闘ヘリ…6機

稲荷神…1名

 

となっている。

 

彼等は揚陸艇を陸にあげて戦車等の陸上兵器をフェン王国アマノキ近くの海岸から上陸している。

 

その様子を稲荷神は王城の主たる剣王シハンと見ていた。

 

「これは…すごいな!船が陸上に登っているぞ」

「あれは揚陸艇と言って船の底に仕掛けが有るんですよ」

 

稲荷神は戦闘準備が整うまでは暇なので剣王シハンと共に雑談に興じていた。しばらく他愛もない会話をしているとフェン王国に派遣された陸上自衛隊戦闘団の天野が稲荷神の元に来て報告した。

 

「稲荷神様!揚陸作業完了しました!」

「お疲れ様でした。では作戦会議をしましょうか。シハンさんも参加されますか?」

「是非お願いしよう」

 

一同は場所を移して会議をする事になる…

 

場所を移してフェン王国王城の謁見の間にて剣王シハンの隣に座布団を重ねがけして今にも崩れそうな高さに驚異のバランス能力で正座する稲荷神の姿があった。

 

稲荷神は神であり国家元首に近い存在だ。だが、神である以上、同じ上座では駄目なので座布団を重ねがけして位を高く見せているのだ。

 

そんな稲荷神を気にもとめずに戦闘団団長天野は話し始める。

 

「質問があれば適宜挙手をお願いします。まずこちらの画像を見て下さい」

 

そう言って見せたのはフェン王国ニシノミヤコから首都アマノキに向かって進軍しているパーパルディア皇国の軍隊の姿があった。

 

「現在、パーパルディア皇国は歩兵3000、地竜32頭、ワイバーンロード12騎が山岳地帯を迂回してコウテ平野と呼ばれる平野に向けて進軍しているのを監視衛星により確認しています。しかし、民家が付近に存在する為、我々はコウテ平野にてパーパルディア皇国軍を迎え撃つ予定です」

 

天野は周りを見渡し質問が無いと判断し話を続ける。

 

「その際に、南の海上に20隻の戦列艦があります。この艦隊は念を入れて2隻の駆逐艦で排除します。その後、地竜を戦闘ヘリにて排除します。排除した後に戦車を使用して敵軍を包囲殲滅します。その際に新たに出現した敵航空戦力には空対空ミサイルではコスパが悪いので稲荷神様に対処をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

 

上座に座る稲荷神にフェン王国側や自衛官の視線が集まる。

 

「はい。その為に援軍として来たのですから任せて下さい!」

 

稲荷神は元気よく返事をした。

 

「ありがとう御座います。敵航空戦力は稲荷神様に任せ、その他歩兵については戦車や随伴歩兵で撃破します。以上が今作戦の内容です。質問のある方は?」

 

挙手をしたのはフェン王国の主たる剣王シハンだった。

 

「今回、日本国が前線を受け持つとの事だが、近隣の村々についてはどうされるのだ?」

「はい。近隣の村々についてはパーパルディア皇国が略奪をする可能性があります。ですので、略奪の危険がある村から村民を保護した後にトラックでここアマノキまで送るつもりです」

「感謝する」

 

この後、質問する者がおらずこの日の作戦会議は終了した。

 

 

 

 

 

 

―駆逐艦秋雨―

 

駆逐艦秋雨と雪風は南の海上に展開する20隻のパーパルディア皇国の戦列艦を撃沈すべく進んでいた。そんな駆逐艦秋雨の上に日本人ではない者が2名いた。

 

彼等はムー国から派遣された観戦武官だ。福岡に到着してから輸送船に直に乗り込みフェン王国までやって来た。そこで、彼等は海上戦闘を見学してた後に渡された双眼鏡で陸上戦闘を見学するつもりだ。

 

マイラスはこれから始まる海戦に興味と心配が入り混じっていた。この駆逐艦秋雨はムー国が誇る最新鋭艦【ラ・カサミ】級戦艦に比べて船体は長いが船幅は小さい。砲門も1門しかない。帆船等の動力ではなく機械動力だから戦列艦に追いつかれはしないだろうが下手をしたら戦列艦に集中攻撃を貰うのでは…と不安に思っていた。しかし違った。

 

1門の砲を持った計2隻の駆逐艦は。圧倒的な速射力と正確な射撃で一方的にパーパルディア皇国の艦20隻を破壊していた。自分達の戦術とはまるで違う…常識がガラガラと崩れる音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自衛隊の戦闘ヘリ6機はAIによる制御システムで敵軍に向けて進軍していく。今回の攻撃目標は地竜と呼ばれる戦車に相当する生物兵器だ。

 

しかし、地竜は戦車に比べて機動性や攻撃時間は悪い事が判明している。その為、戦車より容易に撃破が出来ると思われる。戦車とは空からの攻撃に弱い。第二次世界大戦時の航空機からの対戦車戦闘は急降下爆撃が主流な様に対空戦車や対空戦闘車でなければ戦車の撃破阻止は難しい。

 

冷戦期にはヘリコプターからの正確な射撃やミサイルによってより対戦車戦闘は容易になった。今回は機動性が悪い地竜が相手、しかも対空兵器はワイバーンロードしかない。これでは負けるのが難しい程だ。

 

戦闘ヘリは着実にパーパルディア皇国軍に向かっていく。やがて敵軍上空に展開するワイバーンロードを確認する。確認した戦闘ヘリは空対空ミサイルを発射する。発射された空対空ミサイルは偵察していたワイバーンロード12騎を全て撃墜した。

 

脅威となる敵航空戦力や対空兵器が無いことを確認した戦闘ヘリAIは地竜に対して機関砲による攻撃を加える。

 

機関砲による攻撃を受けた地竜は次々に悲鳴を上げ血を吹き倒れる。不幸な者は息絶えた地竜に押しつぶされる者もいた。あっという間に戦闘ヘリは地竜を撃破した。

 

地竜を撃破した戦闘ヘリはすぐ後をからやって来ている戦車の対地支援を開始する。

 

対空兵器を持たないパーパルディア皇国軍は戦闘ヘリの撃墜は出来ない。その為、戦闘ヘリの撃墜は諦めて牽引式魔導砲による一斉射撃を日本戦車に当てていく。しかし、当たったのは2発だけだった。1両の戦車が爆煙に包まれる。しかし、黒色火薬レベルの大砲では戦車は壊せない。戦車は無事だった。

 

更にパーパルディア皇国にとって困った事に、持ってきていた牽引式魔導砲が戦車による砲撃や青い狐火によって全て爆発四散した。パーパルディア皇国の歩兵部隊が持っている攻撃手段はマスケット銃のみ。だが、マスケット銃では戦車どころか歩兵も倒せない。何故なら歩兵は全員パワードスーツを着用している。彼等はパワードスーツを着ることで重たい武器もものともせず足も速い。歩兵以上戦車未満の速度で動くことができる。そして、防弾スーツの役割も果たすのだ。マスケット銃の弾位簡単に防げるのだ。

 

ここにパーパルディア皇国軍の攻撃手段はなくなった。第3文明圏での降伏の合図を彼等は隊旗を左旋回に振り始めた。

 

これを見た戦闘団の団長天野と後方からやって来ていた稲荷神はなんだろうと考えていた。

 

『なにをしてるんでしょうか?』

「恐らく武器を置いているので降伏の合図かと…」

『どうしますか?』

「本来なら降伏を受け入れる所ですが…彼等は恐れ多くも稲荷神を差し出せと抜けぬけと言い略奪をしているような国です…攻撃を続行します!」

 

無線での決定によりフェン王国に上陸したパーパルディア皇国軍は多連装ロケットによって殲滅された。

 

 

 

 

 

 

 

―駆逐艦秋雨―

 

観戦武官として来ていたマイラスとラッサンは驚愕していた。海上から双眼鏡で見学している為、鮮明ではないが戦闘の一部始終を見ることが出来た。

 

技術士官マイラスも見た回転翼機がパーパルディア皇国で良く用いられている地竜リンドブルムを軽々と撃破する。

 

そこに続いてムーより洗練され、巨大な砲身を持った戦車が回転翼機の対地支援を受けながら敵軍を攻撃している。

 

最後にムーでは考えもしなかった兵器…駆逐艦秋雨の乗組員に聞いた所、【ロケット】という兵器らしい。

 

マイラスは戦車の洗練された形状やロケットと呼ばれる兵器に俄然興味が湧いた。ラッサンも戦車は首都防衛等の防衛任務で使うという認識だった。しかし、戦車は攻撃にこそ真価を発揮すると気付かされた。また、空からの援護を密にする事で戦車は素早い移動を可能とする…戦車を使った根本的な戦術の見直しの必要性を痛感した。

 

 

 

 

 

 

 

 

―パーパルディア皇国皇都エストシラントムー大使館―

 

この日、ムー国大使館にパーパルディア皇国第1外務局職員ニソールが訪れていた。駐パ大使のムーゲは職員の対応をしていた。

 

「急な会談とはどうされました?」

「今回、我が国が戦っているフェン王国戦に日本国も参戦する見方が軍内部で高まっています」

「はい。貴国が日本国に殲滅戦を宣言したのが影響でしょう。我が国としても今回の戦争は非常に注視しています」

「では、貴国は日本国に観戦武官を派遣したとの情報を得た為、その真偽を確かめに来ました」

「我が国が日本国へ観戦武官を派遣したのは事実です」

 

ニソールは情報が正しい事に驚きと嘲笑を持ってこたえた。第三文明圏圏外の国が文明圏しかも列強相手に勝てる訳が無いと…しかし、情報をもっと得るために確認を取る。

 

「理由をお伺いしたい」

「私は軍人ではないので何とも言えません。しかし、我が国の軍部が客観的に判断した結果だと思っています」

「貴国は戦争に勝てる見込みのある国にしか観戦武官を派遣しなかった。今回の戦争は我が国が負けると?」

「それについては秘匿命令よりお答え出来ません。しかし、貴国に敵対の意思は無いです」

「理解しました」

 

ニソールは帰ろうとするとムーゲは声をかけた。

 

「これは1外交官としてではなく私人としての意見ですが貴国は日本国に勝てると思ったからこそ国家の威信を取り返すべく殲滅戦を仕掛けたのだと思っています。しかし、ムー国はそんな事は出来ません。我々は日本国に対して勝てる程の国力を有しておりません。ですので貴国の勇気に敬意を払いたいです」

 

ニソールはこの言葉を聞いて急いで報告文書の作成に取り掛かる…

 





―コラム―

稲荷神は身体能力は世界一でありソ連戦の中では真っ先に敵に突っ込み倒しています。しかし、今回は技術力に差がありすぎるので稲荷神様が戦うと出番が自衛隊は無くなるので良いところを見せようと稲荷神には対空任務だけを与えて安全な戦闘ヘリの中にいて欲しいと思ってる。

もっと稲荷神の戦闘シーンを描きたいけど…文才が無いからな…最大限には努力します。

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