稲荷様は平穏に暮らしたかった。   作:味八木

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世界の反応

 

 

 

ー神聖ミリシアル帝国帝都ルーンポリスー

 

神聖ミリシアル帝国の情報局局長のアルネウスは、部下から報告された情報に驚かされた。第三文明圏列強パーパルディア皇国と突如として現れた第三文明圏外国の日本国が戦争状態になった。

 

当初は、パーパルディア皇国の圧勝と思われた。しかし、フェン王国やアルタラス王国に派遣されたパーパルディア皇国の艦隊を殲滅してしまった。そして、日本国は、パーパルディア皇国の本土を攻撃、主力艦隊を同じく殲滅してしまったと言う。

 

つまり、日本は列強と言って差し支えない軍事力を持っていると言うことになる。

 

第2文明圏でグラ・バルカス帝国とか言う国が列強レイフォルを滅ぼしたと思ったら、今度は第三文明圏の列強パーパルディア皇国の本土攻撃を敢行した国が現れた。アルネウスは立て続けに起きた2つの事案に頭を抱えた。

 

アルネウスは部下であるライドルカに聞く。

 

「ライドルカ、この日本国をどう考える?」

「はい、軍事力については侮る事は出来ないと思われます。ムーでも使われている戦車をより洗練した物や、鉄の鳥、我が、ミリシアルの天の浮舟に似た航空機、人が搭乗可能なゴーレム、我々も知らない未知の魔法、そして、誘導魔光弾に似た兵器…私は日本国が古の魔法帝国の流れを汲んでいるのではないかと思われます」

「そうだな…それを言ったら我がミリシアルも魔法帝国の産物を流用しているから文句は言えんが、私も彼等の軍事力には目を見張る物がある」

「ですが、ここで情報を手に入れられたのは僥倖でした。パーパルディア皇国の二の舞にならぬ様、外交には注意を払う必要が有りますね」

「そうだな。日本国とはグラ・バルカス帝国以上に注意を払う必要があるな。第三文明圏の列強はパーパルディア皇国から日本国へと変わる事だろう。プライドの高い外交官共を相手にするのは面倒だが、日本国に不必要に刺激しない様に報告しておこう。また、国交開設の準備もしておこう」

 

こうして…日本国に関する情報集めは続く事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

―フェン王国首都アマノキ王城―

 

「その話…真か?」

 

剣王シハンはパーパルディア皇国の国家監査軍のワイバーンロードによって1部破壊され、再建されつつある王城で剣豪モトムから報告を聞いていた。

 

「真であります。日本国はパーパルディア皇国の主力艦隊のほとんどを撃破、立て直しに数年はかかるとの見通しです。また、陸軍に関してもパーパルディア皇国の兵力の3分の1が消失したとのことです」

「つまり…」

「パーパルディア皇国が再度、わが国へ侵攻することは事実上不可能と言うことです。また、失った戦力の穴埋めの為に属領統治軍を引き上げており、属領で一斉に反乱が始まったら日本国と反乱軍の攻撃でパーパルディア皇国は滅亡するでしょう」

「我が国は救われた…か。実感が湧かないな」

 

フェン王国はパーパルディア皇国から森林地帯の割譲の要求を断った。戦争になる可能性は濃厚だったが、これは非常に勇気のいる決断だった。しかし、フェン王国は歴史と伝統ある独立国、先祖の為にも属国になるわけには行かなかった。しかし、パーパルディア皇国との戦力差は歴然、水軍も大した損害も与えることもできずに殲滅されてしまった。

 

独立を失う所に一つの希望が現れた。

 

稲荷神と呼ばれる神が統治する日本国、彼らはフェン王国同様、第三文明圏に位置するのに、パーパルディア皇国以上の軍事力でフェン王国のニシノミヤコを占拠していたパーパルディア皇国を殲滅、パーパルディア皇国へ攻撃を行った。

 

剣王シハンは、稲荷神と面会した時に彼女に神としての威厳やカリスマの様な物は無いように見受けられた。しかし、彼女が持っていたのは、誰とでも優しく寄り添い民を気に掛けるそんな慈愛に溢れた神であることを知った。

 

彼は知らず知らず内に、稲荷神の魅力に取りつかれていた。これから、フェン王国は稲荷神を国を挙げて祀って行くことになる。それはつまり、稲荷神への信仰心の増加を意味するので…稲荷神が強化されていく事になる。

 

 

 

 

 

―アルタラス王国王都ル・ブリアス―

 

稲荷神はアルタラス王国国王ターラ14世の娘であるルミエス王女と共に緊急記者会見を開くことになった。世界各国の記者は今回のパーパルディア皇国と日本国との戦争に注視しており、初めての公的機関からの発表だ。(ルミエス王女の発表は無効)

 

各国の記者は勿論、この記者会見を見ている、或いは聞いている者は固唾を飲んで見守っていた。

 

「今回は日本国の許可を受けて日本国の最高統治者である稲荷神殿の同席の元、対パーパルディア皇国戦争の結果を報告します。では、稲荷神様、お願いします」

 

ルミエス王女は稲荷神に報告をお願いした。

 

「はい。先日、パーパルディア皇国エストシラント沖にて我が日本国はパーパルディア皇国の主力艦隊との海戦が行われました。今回の海戦には日本は駆逐艦8隻、巡洋艦2隻、航空母艦1隻を投入しました。一方、パーパルディア皇国は400隻以上の艦隊を投入しました」

 

記者達は特ダネを逃さないと記者会見場にペンの音が走る。たが、次の稲荷神の言葉に驚愕することになる。

 

「この海戦…エストシラント沖海戦ですが、パーパルディア皇国は400隻以上を撃沈、残りは撤退したそうです。一方、我が国は1隻の損害も1人の死者も出ていません」

 

稲荷神の言葉に会場はざわついた。

 

「また、エストシラント沖海戦と並行して、パーパルディア皇国の皇都エストシラント近郊の陸軍基地、及び海軍基地を空襲で破壊しました。尚、この空襲にはアルタラス王国の空港を使わせて頂きました」

 

話は終わり、稲荷神からアルタラス王国王女ルミエスに代わる。

 

「パーパルディア皇国の圧政に苦しんでいた人々の皆さん!今が動くときです!パーパルディア皇国よりも日本国が強いのは明白です!立ち上がり、パーパルディア皇国の圧政から国を取り戻し、パーパルディア皇国の息の根を止めるのです!」

 

会見内容を終えた二人は、記者たちが質問攻めにしている。

 

この衝撃的な事実に日本でいうラジオで聞いていたパーパルディア皇国の属領グースの反パーパルディア皇国組織ークーズ王国再建軍ーを始めとする各地の属領は反乱を開始した

 

 

 

 

 

 

 

ーパーパルディア皇国皇都エストシラントー

 

パーパルディア皇国軍最高司令官アルデは、頭を抱えていた。先日の御前会議で日本国攻略の今後の方針を決めた。その際に、工業都市デュロに武器弾薬の増産を指示した。しかし、その日のうちに日本国がデュロを爆撃したという。幸い、民家に被害は無かったものの、陸軍基地、海軍基地、工場は全て破壊されてしまった。

 

さらに追い打ちをかけるように日本国とアルタラス王国は世界のニュースを始めとする報道機関に、共同声明で属領の一斉蜂起を呼び掛けた。

 

これに呼応するようにクーズ、マルタ、アルークの三つの属領が反乱を起こした。この三つは、属領統治軍はいなかったので、素早く全土を掌握した。他にも、15か所の属領が反乱を起こした。属領統治軍は抵抗しているが、劣勢だ。

 

この事を他の属領が知れば、ますます反乱が起きる。パーパルディア皇国は属領に恐怖による属国ー植民地ー統治をおこなってきた。今までは、技術格差もあり抵抗勢力はあれど、それは少数だった。しかし、日本国によるパーパルディア皇国の大敗が世界に知られてしまった。つまり、恐怖を与える皇国軍という力が砕かれてしまった。恐怖による支配は手っ取り早いが、その分脆弱だ。今まではそれで許されていたのだ。しかし、日本国への大敗は脆弱な統治が崩れてしまった。

 

属領統治軍を反乱軍に充てる事も考えたが、それでは皇都エストシラント防衛が薄くなってしまう。

 

彼は、カイオス達第三外務局、その傘下の国家監査軍は皇国の恥だと思っていた。しかし、恥なのは自分だった。日本国の事を侮り、自分たちの都合の良い情報しか信じなかった。確かに、皇国が列強という事実が正しい情報を曇らせた。それは認めよう。だが、歴史上、文明圏外国が文明圏…それこそ列強に勝つなど事例は、グラ・バルカス帝国のみだ。この事例を参考にすべきだったのだ。だが、アルデは見誤った。(第一外務局の皇族のせいなのでアルデは悪くない)

 

日本国との戦闘においては、対魔弾鉄鋼式装甲を施した戦列艦、竜母艦隊、そして、ムーの最新鋭飛行機械【マリン】すら対抗可能なワイバーンオーバーロードを投入しても、日本国に損害らしい損害を与えられぬまま、本土への攻撃を許してしまった。

 

結果として皇国三大基地のうち二つが消滅した。

 

そこに属領の反乱に次ぐ反乱だ。彼は、戦力の振り分けに苦労することになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

―日本国近海―

 

日本国海上自衛隊が哨戒をしている近海で日本では見当たらない戦列艦数十隻が日本国の排他的経済水域に入ろうとしていた。

 

彼らは、パーパルディア皇国第七艦隊と国家監査軍東洋艦隊の戦列艦42隻、竜母一隻からなる混成艦隊だ。

 

彼らは、パーパルディア皇国に集中的に戦力を当てていると思われる日本国本土の湾口都市舞鶴を攻撃するべく艦隊を進めていた。

 

何故、パーパルディア皇国艦隊が本土防衛ではなく、攻勢に転じているのか、それは、デュロにいたパーパルディア皇国海軍東部方面司令官ルトスの戦術にあった。

 

ルトスは日本国の空襲が始まる前にワイバーンロードの哨戒部隊の発進を見届けた後、指揮官に命じてパーパルディア皇国皇都エストシラントを始めとした、皇国南部の都市に注意が向いており、本土攻撃が成功する可能性ありと判断して今回の作戦を実行した。

 

日本国主力部隊が留守にして居る隙に本土攻撃をする。考えは悪くない。ムーやミリシアル帝国なら一定の成果を見込めるかもしれない。

 

しかし、相手は日本国だ。ミリシアル帝国以上の技術力を誇り、人工衛星ー僕の星ーによる監視がある。彼らの動きは日本国防衛省に筒抜けだった。

 

すぐに、防衛省から排他的経済水域に侵入するパーパルディア皇国艦隊を殲滅するように指示を受けた舞鶴基地から駆逐艦や戦闘機が緊急発進する。

 

戦闘機はものの数分で離陸して敵艦隊を撃滅しに行く。

 

戦闘機富士の編隊は、敵艦隊へと向かっていく。無線で攻撃目標は竜母のみとのことだ。ミサイルの使用は戦列艦や時速400キロ以上の複葉機程度の速度の航空戦力に使うのは費用対策効果が悪いので敵航空戦力であるワイバーンロードやワイバーンロードを運用する竜母を撃破することで後からやって来る駆逐艦の被害を減らすのが任務だ。

 

やがて、敵艦隊が見えてきた。哨戒任務をしているワイバーンロードも見える。しかし、音速を超える航空機には無力だ。あっという間に、空対空ミサイルでワイバーンロードを撃墜していく。ワイバーンロードは大した被害も与えられぬまま、全滅した。

 

そして、後からやって来た駆逐艦による主砲による正確無比な射撃によって日本国本土、舞鶴への攻撃は舞鶴基地に停泊していた駆逐艦や航空機に損害も与えられぬまま、全滅した。

 

ここに、新日本海海戦は呆気なく終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―日本国首都東京防衛省―

 

この日、まだアルタラス王国に滞在している稲荷神とリモート会議でパーパルディア皇国に最後の一撃を与えるべく会議を行っていた。

 

「では、これよりパーパルディア皇国への最後の一撃を加える為の作戦会議を行います」

 

自衛隊幹部が司会進行を務める。最初に話始めたのは外務大臣だった。

 

「外務省から連絡です。パーパルディア皇国の属領72か国が反乱を起こしました。また、宣戦布告を受けたアルタラス王国とフェン王国、そして、秘密裏にですがパンドーラ大魔法公国がパーパルディア皇国に宣戦布告するとのことです」

 

外務大臣の話が終わると、稲荷神が伝えたい事があるとのことで、画面越しに見る稲荷神の姿に皆が注目する。

 

『私は、早くこの戦争を終わらせるべく、パーパルディア皇国皇都エストシラントを始めとする、主要都市に降下して電撃戦で終わらせるべきだと考えます」

 

稲荷神の言葉に自衛隊幹部は難色を示す。

 

「稲荷神様、その作戦は対ソ戦の際にも使われた手法ですが、今回の戦争には部分的に使うべきだと進言します」

『というと?』

 

稲荷神のクエスチョンに自衛隊幹部は答える。

 

「理由は、複数あります。

一つ目は、パーパルディア皇国の基地は事前に空爆で現在も定期的に破壊しています。故に、属領から引き揚げてきた軍の訓練もままなりません。

二つ目に、工業都市の事です。ソ連は国土が広く、工業都市が複数に分かれていました。しかし、パーパルディア皇国の生産拠点は一か所に集中しており元の生産能力を得るには数年がかかります。今なら、戦力分散をする必要はありません。

最後に、かの国の支配体制です。ソ連は共産主義とスターリンの性格等から考えて逃げ道を塞ぐべく主要都市に降下しました。しかし、パーパルディア皇国は帝政です。皇帝を捕えれば、あとは、死に物狂いになるか降伏するかの二択です。しかし、パーパルディア皇国内に我が国のインパクトを十分に与えました。後者の行動をとるものと考えます』

 

なんとか理解を示した稲荷神を心配している幹部は、休憩を挟みつつ、稲荷神の案を加筆修正して大雑把に纏めた。

 

「以上の事を踏まえ、稲荷神様の提案なされた原案に手を加えたものがこちらになります」

 

そう言って配られた資料を見ながら皆が幹部の話を聞く。

 

「まず、空爆やミサイルによってパーパルディア皇国皇都エストシラントに駐屯している陸軍を撃破します。その後、エストシラント近郊の砂浜に上陸作戦を敢行します。戦車を盾に歩兵は前進します。しかし、これは陽動です。本命はロウリア戦でも投入された第一空挺師団です。彼等に火力を集中させ、皇城にいる皇帝を確保。城に日の丸を掲げてパーパルディア皇国民の戦意を崩して今戦争を終わらせる予定です」

 

話はまだ続く。

 

「また、元属領によって構成された72カ国連合に関しては軍事支援が必要なら空爆などの航空支援をする予定です」

 

話を聞いていた稲荷神は話を聞く時に閉じていた目をカッ!と見開いて言った。

 

「日本を焼き付くす前にパーパルディア皇国を倒し、日本、そして第三文明圏に平和をもたらすのです!」

 

力強い言葉にリモート会議で映っている稲荷神に全員が平伏した。

 

そして、稲荷神も空挺師団と一緒に作戦を実施することになった。何故なら、稲荷神が作戦の言い出しっぺだからである。

 

日本にいたある師団が嬉しさの余り鼻血を出した奴が続出したとか、してないとか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





―コラム―

稲荷神が提案した降下作戦は対ソ戦で日本率いる連合国に稲荷神が提案した作戦―ライトニングフォックス作戦―でモスクワを始めとした主要都市に降下、稲荷神も一緒にモスクワで暴れまわったとか。

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パーパルディア皇国は滅ぼすべき?

  • 聖戦だ!滅ぼせ!
  • いやいや、講話でしょ
  • クーデター政権と講話
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