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―パーパルディア皇国北方都市アルーニ―
パーパルディア皇国がまだ【パールネウス共和国】という共和制国家だった頃は【パールネウス】という都市が首都であった。現在、この都市は【聖都パールネウス】と呼ばれていた。このアルーニという都市は、そんな都市を守るために、パールネウス共和国の北の要衝として建設された街だった。北部からの異民族や敵の侵入に備える為の防衛拠点として、パールネウス共和国軍が北伐に向かう時の補給拠点としての、重要な役割を担っていた。しかし、ここ、アルーニが防衛の前線になることはなかったが…
そして、領土を広げ、パールネウス共和国が名前を変えて、パーパルディア皇国と政体変更した後も、この北方都市アルーニは重要拠点として重視され続けた。その名残で、アルーニに皇国陸軍三大基地のうち一つが設置されている。
だが今回の日本国との戦争で、属領に対する恐怖での支配が揺らぎ、パーパルディア皇国属領になっていた73ヶ国が一斉に蜂起した。これが、理由で、パーパルディア皇国で内乱が発生、暫定的な国境線が、パールネウス共和国時代の国境線にまで下がってしまった。パーパルディア皇国の数十年の努力は全てが徒労になったのである。
国境線の変化に伴い、北方都市アルーニは数十年ぶりに前線の街へと変化したのだ。
パーパルディア皇国に反乱を起こした属領73ヶ国。北方都市アルーニの街からほど近いところに、それらの属領の一つである【カース】という国があった。この73ヶ国の旧属領は『73ヶ国連合』を結成、パーパルディア皇国に宣戦布告した。日本国や諸外国と共に、パーパルディア皇国に抵抗することを宣言したのだ。
◆
―パーパルディア皇国北方都市アルーニ陸軍基地―
アルーニ近郊で異変が確認されたのは、この日の朝方であった。哨戒飛行を行っていたアルーニ基地所属の竜騎士が、旧属領カース内にパーパルディア皇国の聖地付近に、3万を超えると思われる、武装している歩兵や騎兵が集まっているのを発見した。この集団はパーパルディア皇国軍兵が装備する武器、防具とは異なるチグハグな装備を持っていた。この武装集団が掲げていた旗も属領になる前の国家が掲げていた国旗があった事から、属領の反乱軍…つまりは、皇国の敵だと判断された。
たった一夜の内に、どうやって3万もの大軍を聖地に集めたのか不明だ。しかし、敵であることは確実だ。パーパルディア皇国北方都市アルーニ基地に駐屯するパーパルディア皇国陸軍は、反乱を鎮圧すべきと判断した。
当初、この反乱軍に対してワイバーンロードを使った空爆による攻撃が検討された。しかし、この反乱軍は聖地に陣取っている事を考えて、パーパルディア皇国皇軍はこの反乱軍を平野部で迎え撃つこととした。
昨晩は雨が降っていた。今は勢いこそ収まっているが、小雨が降っており、パーパルディア皇国軍兵士の士気は低下していた。
パーパルディア皇国軍が北方都市アルーニ北部の平野に展開した兵は約5000名だ。
地竜リンドブルムを前方に配置し、すぐ後ろに、第三文明圏の最新兵器のマスケット銃装備の歩兵が展開する。更に後ろに、けん引式魔導砲6門が展開する。この布陣は、日本国以外には破られたことが無い、無敵の布陣だ。
やがて、反乱軍は攻撃を開始した。
反乱軍はパーパルディア皇国軍に騎兵や歩兵で攻める。しかし、けん引式魔導砲や地竜リンドブルムが攻撃を行う。魔導砲は、すぐに発射される。しかし、地竜は初動が遅い。口内に火炎の光が灯り始めた。
魔導砲が反乱軍に命中して巻き込まれた兵士が打ち上がる。しかし、魔導砲の数は6門と少なく、爆発密度が小さい。故に、反乱軍の進撃は止まらない。やがて、歩兵の一団が立ち止まった。
彼らは、リーム王国の紋章を掲げていた。彼らは、銃をパーパルディア皇国のマスケット銃の射程より遠い位置から打ち込んだ。銃弾は地竜の脳天やその他部位に命中して叫び声をあげて絶命する。
リーム王国は日本国から第三国経由で手に入れた兵器の本からパーパルディア皇国のマスケット銃よりも高性能の銃の存在を知った。リーム王国は日本国から銃を輸入しようとしたが、新世界技術流出防止法により叶わなかった。しかし、日本国では型落ち品のボルトアクション式の銃だ。
余談だが、日本では自動小銃は当たり前。パワードスーツを着込めば、小銃とは言えないような重さや威力の銃も扱う事が出来る。
パーパルディア皇国側も負けじと、マスケット銃を打ち込む。しかし、リーム王国側は、盾を構えた。マスケット銃は、盾を貫通できなかった。この盾は、日本国から輸入した機動隊などで使われるジュラルミン製の盾だ。そこに防御魔法をかけたわけだ。
パーパルディア皇国の主力武器の銃を防ぐことが出来ると知った属領から構成された73か国連合の士気はうなぎ上りだ。いざ、突撃!と、しようとした、その時だった。
アルーニの滑走路から援軍としてやってきたワイバーンロードの編隊が来たのだ。パーパルディア皇国の空の覇者だ。ワイバーンより高性能なワイバーンロードは地上の73か国連合を攻撃する。
73か国連合の兵士は、ワイバーンロードの攻撃にさらされる。だが、リーム王国しか航空戦力はもっていない。しかし、ワイバーンの姿は見えない。だが、ワイバーンは北の空からやってきた。その数、100騎。
だが、リーム王国側のワイバーンが来なかったのは理由がある。
戦場近くとなっている聖地には高濃度の魔力が溢れている。そのため、魔力を探知する魔力探知レーダーは役に立たない。故に、リーム王国のワイバーンは、隠れていたのだ。リーム王国のワイバーン隊はパーパルディア皇国のワイバーンロード隊に向けて、火炎弾を放つ。しかし、当たったのは、12発だった。残りの火炎弾は地上の73か国連合の兵士に命中する。
ワイバーン100騎という量とワイバーンロード21騎という質の戦い。如何に質が勝っていようと、突出した個がない限り、量は倒せない。結果として、リーム王国はワイバーン50騎、パーパルディア皇国はワイバーンロード21騎を喪失してのリーム王国側の辛勝だった。
結果として、73か国連合が多数の犠牲を元にアルーニは陥落した。
◆
―パーパルディア皇国皇都エストシラント―
軍最高司令官アルデはここ最近、胃に穴が開く勢いで働いていた。
理由は言わずもがな、日本国との戦争だ。日本国がパーパルディア皇国の陸海軍の大部分を殲滅した事を知った属領が次々と独立、内乱が発生した。属領統治軍は皇都エストシラント防衛の為に出払っている。属領をもう一回叩き潰す事も出来なかった。悩んでいる所に、また新たな難題が訪れる。
それは、北方都市アルーニの陥落だった。
「アルーニが陥落しただと!また、日本国か!」
「いえ、敵軍は我が方よりも高性能な銃を使ってきた事により劣勢になりました。そこで、ワイバーンロードを投入した結果、優勢になりましたが、リーム王国のワイバーンの奇襲を受け、ワイバーンロードは全滅しました」
「リーム王国だと?あの北東の文明圏の国が?」
「間違いありません」
「あのハイエナ共め!」
アルデの苦悩は続く…
◆
ーパーパルディア皇国皇都エストシラントカイオス邸ー
カイオスは悩んでいた。それは、パーパルディア皇国の存亡に関わるものであった。
彼は、生粋の愛国者だ。故に、部下からの情報だけでなく、商人などを通じて独自にパーパルディア皇国の現状を調べていた。そして、行き着いた結論は彼の考えを根底から覆すものだった。
パーパルディア皇国は第三文明圏随一の繁栄都市だ。これは間違いない。ただ、この繁栄が属領からの搾取と圧政、そしてその状態を良しとする国上層部の存在による物だった。彼は、この状態を良しとせず、現状の属領統治の見直しなどするべく権力闘争を水面下で進めていた。
そんなある日、フェン王国の一連の懲罰結果に登場する赤い丸や狐の旗を掲げた、戦列艦より巨大な船を所有する日本国について興味が沸いた彼は、上記と同じく、商人を通じて情報を集めた。
結果として、日本国はパーパルディア皇国以上の国力と技術、軍事力を持っている事を見抜いた。そこで、彼は集めた情報を提出しようか考えたが、「一蹴されるのがオチだ」と、考えて権力争いの手札の一つとして温存しておいた。
彼の計画では、どうにかして日本国と接触してパイプを構築、その後、パーパルディア皇国上層部には教育を日本国に対して行ったと嘘の説明をして、時間を稼ぎ、権力争いの基盤を整える…というのが彼の計画だった。
しかし、日本国は一向にパーパルディア皇国の外交窓口に来ない。こちらから使者を送ろうにも、公的な人物を送れば計画がばれかねない。故に、商人を通じて行う必要があった。しかし、一商人が、人口がパーパルディア皇国以上ある国の政府高官を探すのは至難の業だ。これらの理由により、計画を進める事が出来なかった。
どうしようかと悩んでいるとき、あの狂犬の皇族レミールが盛大にやらかしてくれた。
フェン王国に侵攻した際、日本国民は捕えた一般人の中にはいなかったが、あろうことかレミールは自国と日本国の差を皇国の病気とも言える根強い差別意識で、一方的に決めつけ、フェン王国人を処刑して、日本国に脅迫を行ったのだ。さすがに日本国が科学で起こせるとは思えない技術をもって皇城に攻撃を行ったのは驚いた。しかし、フェン王国人は全員解放された。
そのせいで、頭に血が上ったレミールは殲滅戦を日本国に対して宣言してしまう。
つまりは、カイオスの計画が完全に破綻した事を意味した(そもそも、日本国とのパイプも無かったが)
カイオスはパーパルディア皇国で唯一、日本国に対する正しい認識を持っていた。だからこそ、腐敗したパーパルディア皇国上層部の頭の悪さが彼の危機意識を高めた。現に第三外務局の所有する国家監査軍東洋艦隊の一部壊滅、本国艦隊の壊滅、極めつけはパーパルディア皇国の歴史上初めての本土攻撃だ。
さすがにここまでくれば腐敗した上層部も理解したのか、軍最高司令官アルデは頭を抱えているらしい。
彼は、パーパルディア皇国の未来のために奔走を開始する。
◆
ーパーパルディア皇国皇都エストシラント皇城ー
パーパルディア皇国の行政に携わる政府高官達は、会議室にて会議を行っていた。まずは、軍最高司令官アルデが話始める。
「現在の皇国軍の状態を報告します。現在、工業都市デュロが日本国の攻撃を受けて壊滅的な被害を受けています。幸いにも、住宅地には被害はありません。しかし、陸軍基地や工場地帯がすべて攻撃により壊滅しています。再建しようにも、日本国の継続的な攻撃によって遅々として進みません。海軍基地も同様壊滅しており、現地司令官の判断で行われた日本国都市舞鶴攻撃も同艦隊は殲滅されました。
これにより、皇国軍への補給状態が悪化しています。また、湾口都市レノダについては健在ですが、武器弾薬量が少なく戦列艦を建造しても運用できる艦数に限りがあります。
そして、極めつけは属領の反乱です。皇国軍の日本国による連敗が世界に報じられ、勢いづいた属領72か国は反乱を起こしました。各地の臣民統治機構は壊滅状態であり、再び属国にするのは現有戦力では不可能です。そこに、アルタラス王国も加わり73か国連合は北方都市アルーニを攻撃しました。尚、この攻撃には北東の文明国リーム王国の関与が確認されています。彼らは、現在聖都パールネウスに迫っており、厳しい戦いが予想されます」
報告を終えてアルデは力なく椅子に座った。かつての自信など見る影も感じられない。この報告を受けて、慌てた様子で農務局長が話始める。
「属領の反乱やアルーニの陥落など軍に言いたいことは山ほどありますが、今はそんなときではない!今すぐ軍を出して頂きたい」
アルデは首を横に振った。
「無理です。皇国軍は日本による攻撃によって壊滅状態です。無理に再建しても補給がおぼつきません」
「それはいつなのだ!」
白熱していく会議、第二外務局局長リウスが窘める。それで落ち着いた農務局長は続ける。
「失礼。しかし、穀倉地帯でも一刻も早く取り返して頂きたい。我が国は、農業を属領に頼っており、その属領が反乱を起こしたために食料の搬入が止まっている。持って6か月、配給制にしても8か月が限界です」
この言葉に参加者は息をのんだ。この会議に参加するものは、農務局長の言葉の意味を正しく理解していた。
パーパルディア皇国の産業形態は日本人からすれば歪の極みだ。一次産業、二次産業は属国任せで、パーパルディア皇国本土は三次産業が中心だ。これは、属国を経済的に支配するのは有効だが、このような事態を想定するハズもなく、農地はパーパルディア皇国には少ない。外国から輸入しようにも、わざわざ戦争当事国に行こうとする商人は少ない。空輸についてもワイバーンは成人二人がやっとで、空輸に向かない。だが、フィルアデス大陸には火喰い鳥という輸送にむいた鳥がいるが、時速110キロと低速で日本国の飛行機械にすぐに追いつかれる。
つまりは、パーパルディア皇国の食料の供給先は無いに等しいということだ。農務局長は話始める。
「日本国と休戦して穀倉地帯を取り戻すことは出来ないのですか?」
アルデは農務局長の無知さに呆れた。こちらから殲滅戦を宣言しておきながら休戦など出来るはずがない。戦争とは人の嫌がることを積極的にやるのだ。日本国が手を緩める事は絶対にない。
「第一外務局局長エルト殿と話し合いましたが、無理です」
「では、いつ穀倉地帯を取り戻せるのでしょうか!たかが、蛮族の集まりでしょう!」
アルデは先程、皇国軍の戦力の大部分が使い物にならないと話したのにも関わらず、こちらの苦労も知らずにとんでもないことを言う。アルデは農務局長の顔をひっぱたきたくなってきた。が、この会議は御前会議である。その様な狼藉は許されない。
そんな時、机を叩く音がした。その音の主は皇帝ルディアスだった。彼は、パーパルディア皇国の現状を再認識させられ、日本国への怨嗟の念を抱いていく…
◆
ー日本国佐世保基地ー
この日、九州の佐世保基地には艦隊の姿があった。艦隊は、空母1隻、巡洋艦3隻、駆逐艦5隻の計9隻の艦隊だ。他にも輸送艦が数十隻いる。彼らは、これからパーパルディア皇国の皇都エストシラントに攻撃を行った後、近郊の砂浜に上陸するのだ。
だが、これは陽動だ。彼等が砂浜の敵に注目している内に第一空挺師団が皇城に突入、今現在、政府首脳陣が集まっているとの情報を得ているので、彼らを確保して今戦争を終わらせるのだ。
彼等は佐世保市民に見送られて佐世保港を出港した。
◆
―アルタラス王国王都ル・ブリアス―
日本が改造を施した空港に大きな飛行機達が待機していた。この飛行機達は第一空挺師団が乗り込む飛行機であり、彼等は空港である神物を一糸乱れぬ整列をして待っていた。
「皆さん、宜しくお願いしますね」
そう言って姿を現したのは稲荷神だ。第一空挺師団は重度のペロリストの集まりだ。稲荷神を直に目にすることができて感動のあまり涙を流す者さえいる。しかし、稲荷神の耳はそんな事も聞こえる。若干自分が悪い事をしたかな?とも考えた稲荷神だったが、気にせず話始める。
「今回の作戦で、パーパルディア皇国への最後の攻勢を行います!各員は一番難しい任務を請け負います。しかし、その為に今まで訓練をして来たと思います。1名も欠けることなく生還しましょう!」
「「「は!」」」
そう言って稲荷神含めて第一空挺師団は飛行機に乗り込んだ。
目指すはパーパルディア皇国皇都エストシラント、皇城、政府首脳陣の捕縛。
【サンフォックス作戦】開始!
―コラム―
第一空挺師団
ロウリア戦の時にも説明したが、彼等は全員重度のペロリストであり、今戦争のオオトリを担えると知って光栄に思っている。しかも、今回は稲荷神と肩を並べて作戦を実行出来る。その効果は推して然るべき…
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パーパルディア皇国は滅ぼすべき?
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クーデター政権と講話