稲荷様は平穏に暮らしたかった。   作:味八木

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誤字脱字報告助かってます。

高評価、お気に入り登録ありがとうございます!

今回はとある(インデックス系ではない)ゲームのネタを入れてます。


パーパルディア皇国の終焉

 

 

 

ーパーパルディア皇国皇都エストシラント近郊ー

 

パーパルディア皇国は初めて受ける本土攻撃に加え、空からの攻撃で重要都市は壊滅状態だった。第三文明圏列強の都とは思えない有様であり、本来なら灯火が灯っているが、今は異様な程寝静まっている。日本国の攻撃で灯火管制を受けている。その街に接近する、複数の艦船があった。

 

それは、日本国の艦隊であった。彼らはエストシラントを攻撃すべく歩みを進めていた。

 

彼らは陸地から一定の距離を保っており、輸送船が揚陸艦を浜辺に接近させるべく、艦隊の援護を受けながら接近していた。肉眼ではっきり見える距離まで船が近づいているので、さすがに前近代的な装備をしたパーパルディア皇国でも分かる。本来は魔力探知レーダーで接近すれば分かるのだが、その魔力探知レーダーは日本の爆撃によって建物ごと壊滅しており使用できなかった。

 

パーパルディア皇国は湾口都市レノダで建造された戦列艦を送り込もうにも、魔導砲の砲弾は工業都市デュロの壊滅によって満足に使用できない。よしんばあったとしても、射程外からの攻撃を食らい、次々と海の藻屑になった。

 

揚陸艇という、パーパルディア皇国の船よりも洗練された巨大な船を、パーパルディア皇国には止める手段がなかった。ワイバーンロードは滑走路が破壊され攻撃を行う事が出来ず、地竜リンドブルムはその巨体と機動性の悪さから爆撃で既に大多数が撃破されている。生き残りがいても上記の理由で止める事は出来なかった。けん引式魔導砲はけん引する地竜がいないため、同じだった。

 

こうして、陸上自衛隊自衛官約3万人は無事にパーパルディア皇国エストシラントの土を踏んだ。

 

ここで、日本が今作戦に投入した戦力をみてみよう。

 

戦車…10輌 

自走砲…8輌

コンバットフレーム…3機

無人戦闘ヘリ…10機

 

強化外骨格(パワードスケルトン)を今作戦では全自衛官が着込んでいる。これは、移動を軽くするだけでなく、重たい武器も持てる代物だ。それに、防弾効果もある。海上からの艦砲射撃がある。

 

一方、パーパルディア皇国の戦力は、以下の通りだ。

 

即応戦力2000名

魔導砲数門

 

結論からいってワンサイドゲームだ。しかし、パーパルディア皇国は戦線を少しずつ押し上げられていた。理由は、日本がこの作戦は陽動であり本腰をいれていない。そして、市街戦は被害が増加すると知っているので、ゆっくりと進んでいるからだ。

 

パーパルディア皇国軍は、手当たり次第に民家から家具を徴収してバリケードを構築していく。しかし、そんな即席のバリケード等、戦車砲や自走砲から放たれる砲弾には無力だ。作ったバリケードは破壊される。パーパルディア皇国軍は、マスケット銃を戦車に撃ち込もうとするが、無人戦闘ヘリが戦車の援護のために、皇国兵を機関砲でハチの巣にしていく。パーパルディア皇国に戦闘ヘリを落とす兵器はないうえに、AIは無慈悲に仕事をこなす。戦闘ヘリの目を搔い潜ってマスケット銃を撃ち込む者もいるが、対戦車火器でもない兵器が戦車を破壊出来るハズがない。(シモヘイヘさんは例外です)

 

それに、陸上部隊3万人に比べて、パーパルディア皇国軍は2000名だ。質も数も劣っている。数が少ないのに、パーパルディア皇国民の避難にも人員を割かなくてはならない。使える戦力はもっと少ない。パーパルディア皇国西部守備隊は本部に援軍を要請する。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーパーパルディア皇国皇都エストシラント防衛基地本部ー

 

皇都エストシラント西部に上陸した日本軍はゆっくりと、皇城に進軍していた。援軍の要請を受けた本部は敵の進軍速度と戦力に慌てていた。

 

報告では、空飛ぶ鉄の鳥、鉄の地竜、見たことも無いゴーレム…どれをとっても対処法が分からない。しかし、仕事を放棄するわけにはいかない。すぐさま、現有戦力30万の内、パーパルディア皇国臣民の避難誘導に5万、残る25万を現地に派遣する。しかし、派遣するにも装備を着込み、徒歩で戦場に移動する。これは、大変なことであった。重い装備とマスケット銃は、兵士の移動速度を奪った。戦場にいけば、避難する皇国民の波に飲まれて思うように動けなかった。

 

結局、たどり着いた援軍は各々が分散して集まってしまったが故に、各個撃破され大して戦局に影響はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーパーパルディア皇国皇都エストシラント上空ー

 

パーパルディア皇国軍の注意が上陸してきた陸上自衛隊に注目していたころ、上空には巨大な飛行機が進んでいた。この飛行機は自衛隊の最恐部隊、第一空挺師団が搭乗していた。

 

「稲荷神様!間もなく降下地点です!」

 

第一空挺師団長中山が稲荷神に報告する。

 

「ありがとう御座います。皆さん!間もなく降下地点との事です!私もついていますから、今までの訓練の成果を見せてください!」

「「「はい!」」」

 

稲荷神の号令に第一空挺師団隊員は元気良く返事をした。

 

「降下!」

 

そう言って稲荷神は降下していく。それに続いて団長中山が、そのあとにほかの隊員達が降下していく。彼らは、小銃等の武器が主流でパラシュートすら着用していない。だが、問題ない。稲荷神はパラシュート無しで降下しても無傷だ。他の隊員はスラスターユニットを着用している。これは、空挺師団用に調整された代物だ。

 

小型化された強化外骨格のスラスターによって全員が無事に降下地点である皇城の中庭に着陸した。そして、中山の指示のもと政府首脳がいると確認がとれている謁見の間に中山を先頭に向かっていく。

 

夜にも関わらず、彼らは正確に進んでいく。何故なら暗視ゴーグルを身に着けているからだ。稲荷神は昼間と変わらず見えてるので着ける必要はない。

 

さすがに、戦力が低下しているとはいえ、皇城の警備は多い。稲荷神一行は警備兵や近衛兵に発見される。しかし、報告される前にレーザーサイト付き自動小銃や軽機関銃で始末していく。それに、灯火管制で皇城の明かりも最低限なのが警備兵たちに不利に働いた。彼らの基本装備は剣や槍、マスケット銃が主流であり、剣や槍では自動小銃に勝てるわけがない。マスケット銃も単発でリロードも長く射程も短い。こちらも勝てるわけがなかった。

 

また、稲荷神も負けじと人間の耳よりはるかに高性能な耳で敵兵を確認すると狐火を放った。狐火は見えない敵兵を焼き、順調に進んでいった。警備兵は戦力を分け、政府要人を避難させようとする。しかし、警備兵を撃破して進軍する速度が速すぎて早くも、謁見の間にたどり着いた。

 

しかし、そこはもぬけの殻だった。だが、机に置かれた紅茶が熱を帯びている。稲荷神の耳で秘密の通路を発見した。そこを通っていくと避難していく政府要人の一行がいた。稲荷神は狐火で進行方向を塞いで要人を確保、フェン王国人を処刑しようとしたレミールや第1外務局長、軍最高司令官、皇帝ルディアスの姿もあった。第一空挺師団は彼等を確保。パーパルディア皇国は頭を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

―パーパルディア皇国皇都エストシラント皇城―

 

時間は日本のパーパルディア皇国本土上陸前に遡る。夜になっても日本国への対応会議が行われたが、一向に結論が出ず時間だけが過ぎていった。そんな時、伝令が御前会議に乱入した。

 

局長の一人が伝令を叱責しようとするが、伝令の表情は真面目と驚愕が入り混じっており、口を紡ぐには十分だった。

 

「現在、皇都エストシラント西側に日本国の上陸を確認しました!現在、ゆっくりと進軍しています!」

 

この言葉に皇帝ルディアス含め、政府首脳は凍り付いた。本土に空からの攻撃は受けてきたが、今回は本土上陸だ。列強パーパルディア皇国の本土の土を敵国の軍が踏んでいる。この報告を受けて何名かが窓から外の様子を見る。そこには、火が回ったのか、日本国の軍隊を朧気ながら見る事が出来た。

 

彼らの意見は真っ二つに割れた。ひとつは、皇城に残って戦うか、もう一つは秘密の通路から脱出するかの二択である。だが、彼らは皇城にいれば安全…というなんの根拠もない推論から、逃げずにその場に留まっていた。彼らは、負け続けているにも関わらず、自国の軍ならば大丈夫。という考えと、くだらないプライドが彼らの考えを鈍らせた。しかし、それが間違いであった事をこの数十分後に知る…

 

 

 

 

数十分後、やってきた伝令にパーパルディア皇国上層部はさらに凍り付く事になる。その伝令とは、「日本国、空から兵隊を送り込んだ模様」

 

この一報に慌てたのは軍だった。アルデは、皇帝がいるにも関わらず叫んだ。

 

「警備兵は何をしていた!」

 

叫んだところで事実は変わらない。謁見の間に敵の軍が向かってきているのだ。皇帝ルディアス含め、その場にいた政府首脳は皇城から脱出する事に決めた。彼等は玉座をずらすと現れる秘密の通路の入り口を開けて逃亡を図る。これで、すこしは時間を稼げると思った。しかし、稲荷神の耳は僅かな足音ですら感知する。秘密の通路を見破った稲荷神達は中に突入、空挺師団は首脳陣を捕え、パーパルディア皇国は事実上滅亡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーパーパルディア皇国皇都エストシラント皇城ー

 

 

第三文明圏列強パーパルディア皇国…その姿は今や無かった。皇国の空を飛ぶのはワイバーンロードやワイバーンオーバーロードではなく、日本国の戦闘機や戦闘ヘリだ。地上は陸上自衛隊自衛官が闊歩しており、皇国兵はなすすべもなく倒れていく。誰もが、パーパルディア皇国の終焉を予感していた。そんな時、皇都エストシラント中に声が響いた。

 

幼子の女の子の声だ。戦場に似つかわしくない声に皇国民ところか、皇国兵ですら声の主を探した。そして、声の主は皇城のバルコニーにいた。

 

この幼子とは勿論、稲荷神の事だ。稲荷神は拡声器をもって話し始める。

 

「パーパルディア皇国兵及び、皇国臣民に告ぐ!皇帝及びその他要人は日本が確保しました!今すぐ武器を捨て、両手を挙げなさい!さもなくば、不穏分子として排除します!ここに、皇都エストシラント陥落を宣言します!」

 

そう言って稲荷神は、空挺師団の一人から受け取った日章旗をバルコニーに突き刺した。

 

風によってたなびく日章旗を見た皇国兵や臣民は理解した。日本の力を。そして、自分たちは負けた。生殺与奪の権利を握られたことを…

 

逆に、自衛官の士気はうなぎ上りだ。自分達が崇める存在が、ハッキリとパーパルディア皇国への勝利を宣言したのだ。彼等は勇んで降伏しない抵抗勢力へ苛烈な攻撃を進めていく事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーパーパルディア皇国聖都パールネウス近郊ー

 

北方都市アルーニを落とした73か国連合軍はリーム王国の支援を受けて聖都パールネウスへと軍を進めていた。

 

リーム王国の使者カルマと将軍ミーゴが話していた。

 

「さすがにパールネウスを落とすのは大変だろう?」

「確かにその通りです。しかし、パーパルディア皇国の力は衰えている!一撃でも大きな損害を与えるべきだ」

 

カルマの熱弁にミーゴは不思議に思った。リーム王国が参戦したのは驚いたが、彼らが今戦争に参加するメリットは無いはずだ。

 

「貴殿は何をそんなに焦っているのだ?」

「…いいですか。日本国の力は今回の戦争を見ても明らかだ。仮に文明圏外国家や文明圏の国でもかの国の技術を得れば飛躍できる。軍事技術以外にも各種技術がそこらの本屋で手に入る。神聖ミリシアル帝国をも超える国に取り入り、技術を得る事がリーム王国の行く末を左右するのだ!」

 

軍事知識にしか詳しくないミーゴは相槌をうつだけだった。そんな時に機械音が木霊した。それは、リーム王国で使われている魔力通信機だった。

 

「え!パールネウスは目前なのに!しかし、はい。分かりました」

 

カルマは悔しさに満ちた様子でミーゴに話しかけた。

 

「日本国にパーパルディア皇国は降伏したらしい。それに伴い戦闘は中止だ。日本国の心情を損ねる分けにはいかない。北方都市アルーニからも撤退だ」

 

リーム王国は日本国からの勧告を受けてパーパルディア皇国から撤退。講和会議に呼ばれることとなった。

 

 

 

 

 

 






ーコラムー

強化外骨格は対独戦前に構想段階にあったもの。開発のきっかけは対ソ戦時に後続部隊を置いてきぼりにして行くのを見た兵士が、稲荷神に戦車等の機械では追いつけないと実感。肉体強化に舵をとって開発されたもの。近衛も自衛隊も現在は着用している。だが、この強化外骨格でも追いつく事は出来ていない。

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パーパルディア皇国は滅ぼすべき?

  • 聖戦だ!滅ぼせ!
  • いやいや、講話でしょ
  • クーデター政権と講話
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