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―第一文明圏列強神聖ミリシアル帝国カルトアルパス―
第一文明圏の国々の艦隊が集い始めて数カ月、ここカルトアルパスでグラ・バルカス帝国によって先進11カ国会議に参加していた国々の各国護衛艦隊の数多くが沈没している。しかし、反撃の狼煙もここから上がった。
第一文明圏の国々を中心とした連合艦隊は、カルトアルパスに集結していた。アガルタ法国やトルキア王国、中央法王国にギリスエイラ公国等、様々な国々が集まっている。
以下が連合艦隊の戦力だ。
アガルタ法国…魔法船団70隻
中央法王国…大魔導艦2隻
トルキア王国…戦列艦80隻
ギリスエイラ公国…魔導戦列艦隊98隻
神聖ミリシアル帝国…魔導戦艦3隻
魔導巡洋艦6隻
小型艦4隻
である。この数多くの艦隊を見たカルトアルパス臣民は考える。これ程の戦力を相手に戦える筈が無い。必ずやグラ・バルカス帝国艦隊を撃破するだろうと。
彼等は、出港の合図に従い神聖ミリシアル帝国から順々にカルトアルパスからフォーク海峡を出て、第二文明圏、ムー大陸南東部マギカライヒ共同体に向かう。そこで、第二文明圏連合艦隊と合流するのだ。
時を同じくして、神聖ミリシアル帝国帝都ルーンポリスでも、有史以来滅多に見ることが出来ない艦隊が集まっていた。クリング提督の指揮下にある第1〜第3魔導艦隊である。艦隊数は108隻と連合艦隊に比べれば数は少ないが、質は上回っている。34.3センチ砲のゴールド級魔導戦艦や38.1センチ砲のミスリル級魔導戦艦。双胴艦という日本人からすれば、SFチックなロデオス級航空魔導母艦。シルバー級魔導巡洋艦やプラチナム級重装甲魔導巡洋艦。小口径の長砲身砲を持ち、円筒状の形をしている奇妙な装置を持っている小型艦。そのどれもが、神聖ミリシアル帝国の威光を知らしめる艦ばかりだ。目指すは、グラ・バルカス帝国艦隊の撃破。並びに旧レイフォルの解放だ。彼らの出港に帝都の臣民は彼らの勝利を疑わない…
◆
―第二文明圏圏外グラ・バルカス帝国帝都ラグナ―
国が転移してからというもの、その版図を急拡大しつつある帝国。グラ・バルカス帝国の帝国ラグナの一角にある軍本部の会議室に帝国軍幹部が集まり、会議を行っていた。
帝国の三将と呼ばれる
帝都防衛隊長ジークス少将
帝国海軍東部方面艦隊司令長官カイザル中将
帝国海軍特務軍艦隊司令長官ミレケネス中将
も参加していた。特にカイザルは帝国の軍神とも呼ばれ、彼の発言は軍部の中でも強い影響力を持つ。
軍の若手幹部が説明をしていた。
「…神聖ミリシアル帝国に潜入しているスパイの情報ですが、本日異界の連合軍が出港しました。カルトアルパスから旧式艦約250隻。ルーンポリスから空母を含む約100隻以上の出港を確認しています。更に、第二文明圏の国々も連合軍を結成しているらしく、敵艦隊の規模は相当な物になると思われます。連合軍は、レイフォル沖を目指していると思われます」
軍部に多少の緊張が走った。取るに足りないと思われた国々に、帝国は思わぬ損害を受けたのだ。無理もないだろう。そんな雰囲気の中、ミレケネスが手を挙げる。
「本来なら帝国海軍特務軍艦隊の出番ですが、敵の数は多い。その上、神聖ミリシアル帝国もやって来る。我が軍だけでは荷が重いですね」
「問題無い」
ミレケネスが意見を述べると、カイザルがその意見を否定した。
「帝国本土は帝都防衛隊と西部方面軍に任せ、敵は我々…帝国海軍東部方面艦隊の力を以て叩き潰そう」
カイザルは、敵の主力艦隊を一気に殲滅するつもりだった。
「東部方面艦隊が出るならムー国や神聖ミリシアル帝国の主力艦隊は喪失するてしょうね」
「前世界以来ですね。東部方面艦隊の出撃は」
幹部が早くも戦勝モードだが、その雰囲気にカイザル自身が待ったをかけた。
「だが、目下の問題は我が軍の主力戦闘機を多数撃墜し、グレードアトラスター級戦艦を鹵獲していると考えられている日本国の動向だ。日本国の艦隊は参加しているのか?」
その問いに、若手幹部が答える。
「いえ、参加は確認されていません」
「たが、日本国の艦隊は脅威だよ。あの国は、フォーク海峡で多数の航空機を撃墜している。魔法と思われる攻撃もしているそうじゃないか。それに、第2潜水艦隊司令部が数日前から連絡を絶っていて、確認すれば全滅しているそうじゃない。当基地にいた地方艦隊も消息を絶っているし、これは危惧する事態じゃない?」
ミレケネスが言う。事実、この会議の数日前に日本国はグラ・バルカス帝国の第三文明圏及び第三文明圏圏外の通商破壊拠点を制圧している。無線封鎖も行われており、外部との通信が取れなかったが為に発見が遅れたのだ。
「はい。その可能性は十分にあります。対潜能力、対空能力共に高いと思われますが、それに対応する戦術も考案済みです。何より、日本国は敵連合艦隊に参加しておらず、日本艦隊も発見したとの報告はありません。ですので、現時点ではそこまで考慮する事は無いと思われます」
会議は終了した。カイザルは日本国が気になっていた。同じ転移国家でありながら魔法を有し、グレードアトラスター級戦艦を鹵獲してのける様な国だ。もしも、決戦を挑むならどう戦うべきか…カイザルは思案する。
◆
―第一文明圏列強神聖ミリシアル帝国帝都ルーンポリス―
世界の中心である神聖ミリシアル帝国の帝都ルーンポリスにあるアルビオン城では、皇帝が住んでいる。そこに足を運ぶ人物がいた。彼の名はヒルカネ。神聖ミリシアル帝国対魔帝対策省古代兵器分析戦術運用部の部長である。
彼は、緊張した面持ちで皇帝ミリシアル8世がいる部屋に向かう。皇帝直々の呼び出しとあって緊張するのも当然だ。皇帝の従者の指示に従って入室するとそこには、紅茶の良い香りが広がっていた。そして、彼の視線の先には神聖ミリシアル帝国皇帝ミリシアル8世の姿があった。
「座るがいい。茶でも飲みながら話そう」
皇帝の指示通り座る。
「緊張することはない。この紅茶は旨いぞ」
一国の皇帝に対して一介の部長が直々に面会する事など滅多にない。異例中の異例だ。緊張しない方が無理な話だ。
「陛下、此度はどの様なご要件でしょうか?」
とは言いつつも、彼は古代兵器絡みであることは当たりを付けていた。ヒルカネが所属する"対魔帝対策省古代兵器分析戦術運用部"とは、古の魔法帝国の遺跡から発掘された兵器を解析し、運用方法を模索する謂わば研究職だ。しかし、運用可能な状態で発見された兵器の修理、分析、運用を行うため高度な魔導知識、軍略をマスターしなくてはならないため、比較的エリートが所属する部署である。つまりは、魔帝との戦いで重要視される部署の1つである。また、機密保持も必須なので、国家への忠誠心も高いのも配属の条件だ。
「余が卿を呼んだ理由は予想できているのだろう?」
「魔帝復活の予兆があったのでしょうか?」
「いや、グラ・バルカス帝国の件だ」
彼は予想外の答えに面食らう。魔帝ではなく、一文明圏外国の為に自分を呼ぶ意味が分からない。彼は、困惑してしまった。しかし、彼は持ちうる情報で皇帝に問う。
「カルトアルパスを襲撃した野蛮国家ですね。確か、アグラ国防省長官が3個艦隊を派遣し、更に世界連合艦隊がレイフォル沖に展開すると聞き及んでいますが」
ミリシアル8世は、ヒルカネは「うむ」と答えた上で熟考する。その後、ヒルカネに告げた。
「余は心配性でな。今作戦には古代兵器を投入しようと思っている。グラ・バルカス帝国の艦隊を殲滅するために空中戦艦パル・キマイラを…そうだな。2隻ほど派遣せよ」
「なっ!」
皇帝の御前であるにも関わらず、ヒルカネは声を出してしまった。空中戦艦"パル・キマイラ"古の魔法帝国の遺跡から発掘された兵器だ。これは、現在までに7隻が発掘されているが運用可能な状態なのは5隻だけだ。その内の2隻を文明圏外国に派遣する。この対応は少し過剰に思えた。
「しかしながら陛下!パル・キマイラはまだまだ解析できていない点が多いです!万が一撃沈されたら新しく建造する事は出来ないのです!どうかご再考を!」
ヒルカネは、声を荒げる。しかし、そのことにミリシアル8世は事を荒立てることも無く告げる。
「作れないことも、代わりが効かない事も承知している。だが、嫌な予感がするのだ」
「と、言いますと?」
「アグラは、3個艦隊で戦力として十分と判断している。しかし、我が国は古の魔法帝国との戦いに備えて彼奴らの遺産を研究する事で他国と大きな軍事力の差が生まれているのだ」
「それは良いことなのでは?」
「その通り、国としては最高であろう。しかし、我が国が無敵と臣民はもとより軍人までもが、その思想を持っている。それが、大きな油断になりうる。アグラは、日本国が鹵獲したグレードアトラスター級戦艦の性能を見て、唯の文明圏外国とは思っていないだろう。しかし、どこか心の底で油断がある様に見えるのだ。科学文明…侮ってはいけない敵だ」
「陛下の懸念、理解致しました。古代兵器、空中戦艦パル・キマイラ2隻、派遣致します」
「頼んだ。万が一撃墜されたら直に撤退させよ」
「古代兵器が撃墜されるとは思えませんが、了解致しました」
その後、少しの問答をした後、ヒルカネは退出した。ミリシアル8世は、窓の外の繁栄を見ながら呟く。
「傲慢な異界の帝国は殲滅せねば…」
かくして、神聖ミリシアル帝国はグラ・バルカス帝国に対して、古代兵器空中戦艦パル・キマイラ2隻を派遣する運びとなった。
◆
―第二文明圏列強ムー国商業都市マイカル―
この日、マイカルにはムー統括海軍の軍艦が所狭しと並んでいた。その内訳は以下の通りだ。
航空母艦…5隻
戦艦…4隻
巡洋艦…12隻
駆逐艦…16隻
補給艦…5隻
空母には、艦上戦闘機【マリル】や九九式艦上爆撃機を元に作られた【マウン】がある。戦艦には、ドレットノート級戦艦を元に作られた【ラ・ドレット】もある。
ムー国の艦隊は、グラ・バルカス帝国艦隊を撃破する世界連合艦隊と合流する為に商業都市マイカルを出港した。マイカルの市民は今回の戦いについて反応は様々だったが、司令官や艦長クラスの人物は厳しい戦いになる事を予感していた。
◆
―第二文明圏グラ・バルカス帝国領パガンダ島―
神聖ミリシアル帝国が主導して第一文明圏と第二文明圏の国々が連合艦隊を結成し、出港した事は既に知れ渡っていた。そして、その連合艦隊がムー大陸から一番近いレイフォル沖に向かっていると判明している。
そこで、グラ・バルカス帝国は空母機動部隊による航空戦力や戦艦、重巡洋艦を中心とする水上砲戦部隊を動員し、敵艦隊を撃破するべくパガンダ島に集結していた。
そして、何より世界最強の戦艦であるグレードアトラスター級戦艦1番艦である【グレードアトラスター】も特務軍艦隊から移籍され東部方面艦隊に移されている。つまりは、この戦艦も敵艦隊撃滅に向かうということだ。
グラ・バルカス帝国の集めた戦力は以下の通りだ。
戦艦…10隻
空母…9隻
重巡洋艦…18隻
軽巡洋艦…20隻
駆逐艦…112隻
潜水艦…64隻
計233隻の艦隊だ。補給艦も含めればその数は更に膨れ上がるだろう。航空戦力も500機は優に超えるだろう。
グラ・バルカス帝国艦隊は、レイフォル西部沖に集結して艦隊決戦を行う可能性が高いバルチスタ海域に向けて出港した。
この数日後、世界連合艦隊はマギカライヒ共同体沖に集結しレイフォル沖に向けて出撃した。艦隊数で言えばグラ・バルカス帝国にも迫る艦隊だが、その実情はお寒い限りであった。
内訳は以下の通りだ。
神聖ミリシアル帝国…魔導戦艦や航空魔導母艦、魔導巡 洋艦、小型艦を含めた地方隊13隻
トルキア王国…戦列艦隊80隻
アガルタ法国…魔法船団72隻
ギリスエイラ公国魔導戦列艦隊98隻
中央法王国…大魔導艦2隻
ムー国…機動部隊63隻
マギカライヒ共同体…機甲戦列艦隊28隻
ニグラート連合…竜母機動部隊30隻
パミール王国…豪速小型砲艦隊115隻
以上の艦隊だ。数は凄まじいのだが神聖ミリシアル帝国やムー国、以外は戦列艦や地球世界の黒船である為に戦力不足は否めない。また、これとは別に神聖ミリシアル帝国の別動隊総勢108隻もムー大陸西部に向かっていた。
◆
―第一文明圏列強神聖ミリシアル帝国立入禁止区域―
第一文明圏の連合艦隊が第二文明圏の連合艦隊と合流し、世界連合艦隊を結成してムー大陸南部に向かっている頃、神聖ミリシアル帝国南東部バネタ地区の対魔帝対策省古代兵器分析運用対策部直轄の秘密基地【エリア48】にて、数多の建造物がある中2隻の古の魔法帝国の古代兵器が出撃しようとしていた。
それは、中央部に円形の構造物が広がっており、三菱のマークがリング状に付いたような物体だ。中央部には円形構造物の上に艦橋構造物があるのが窺える。
皇帝の命を受けて空中戦艦パル・キマイラ2隻が高度を上げていく。その様子を、部長であるヒルカネに副部長が話しかける。
「部長、異界の軍相手に世界連合艦隊だけでなく古代兵器を投入するなんて…陛下の決断に文句を言う気は有りませんが、少々やり過ぎな様にも思えます」
「確かに、やり過ぎなのかも知れない。しかし、陛下はこの機に魔法文明の優位を示したいのだろう。日本国は第三文明圏を中心に軍事技術を含めた科学技術を輸出して影響力を高めていると聞く。それを踏まえて、陛下はグラ・バルカス帝国戦においても絶対の優位性を保ちたいのだろう」
彼はそう言いながら空中戦艦パル・キマイラを見る。空気力学を無視したその姿は驚くべき物だ。軍部や情報部の者でさえ実物を見るものは殆ど居ない。
対空魔光弾に耐えうる装甲を有し、最高時速200キロの速度で移動するために対艦砲撃は当たらない。半径130メートル、全長260メートルもある異質な巨大な物体が、2隻も連続して出撃する様はグラ・バルカス帝国に対する不安を吹き飛ばしてくれる。
レイフォルやパーパルディア皇国であれば、この2隻ですら過剰戦力だ。パル・キマイラ2隻はあっという間に戦闘海域に追いつき、搭載された兵器を以て瞬く間に敵艦隊を撃破するだろう。
神聖ミリシアル帝国は、国家と魔法文明の威信を掛けて古の魔法帝国―ラヴァーナル帝国―の古代兵器…空中戦艦パル・キマイラ2隻はレイフォル沖へと向かっていった。
〜コラム〜
日本の医療の歴史
始まりは、稲荷神様が京都の稲荷大社の一室を借りて花子さんの兄弟を風邪を治してあげたところからだった。その話を聞いた延暦寺の僧たちは「稲荷神に頼めば病を治してもらえる」と風潮し患者が殺到。稲荷神は妖怪として退治されない為に全ての患者を受け入れ、医科学校を開いた。内容は、座学や解剖など。また、前世で使われていた看護師や内科、外科の名称が定着。完全に史実の医学歴史を変えてしまった。江戸時代の解体新書には電気ショックや心肺蘇生法まで記載され、現代と遜色無いほどに。第二次大戦頃には、簡易的な手術が出来る持ち運び手術室的な技術まで開発された。
尚、稲荷神の手術の腕は微小な神経を見ることが出来るので、世界最高峰レベル。ただし、知識はそこらの小娘程度てある。
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