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クリスマスプレゼントをどうぞ!
神聖ミリシアル帝国の切り札の1つである空中戦艦パル・キマイラはグラ・バルカス帝国艦隊の艦隊を壊滅させる事に成功した。
それから暫くして、第二文明圏連合艦隊の連合竜騎士団は竜母からワイバーンロード約300騎が発艦した。狙いはグラ・バルカス帝国艦隊である。圧倒的なワイバーンロードの群れは圧巻の一言だ。これだけのワイバーンロードならば、グラ・バルカス帝国の飛行機械も敵ではない。と、竜騎士達は思っていた。しかし、それは違った。
グラ・バルカス帝国艦隊を目指していると、迎撃に現れたアンタレス07式艦上戦闘機36機が接敵した。ワイバーンロードは、各国ごとに連携してアンタレス07式艦上戦闘機を狙う。しかし、エモール王国の風竜騎士団で互角なのに、その下位種のワイバーンロードでは性能が違い過ぎた。初撃の攻撃で一気に数十のワイバーンロードが撃墜される。しかし、性能差があり過ぎると言っても、300のワイバーンロードを36機で相手するのは時間がかかる。第二文明圏の竜騎士団は、多少の犠牲を覚悟で視界に映っているグラ・バルカス帝国艦隊に狙いを定めて、ワイバーンロードの攻撃手段である導力火炎弾を発射した。しかし、貫通力もない単発式の火炎弾が鋼鉄製の軍艦に効くはずもなかった。(上部構造物にいた数名は命中したが…)
お返しとばかりに、グラ・バルカス帝国艦隊から対空砲火が上がる。それは、面白い様にワイバーンロードに命中する。近接信管が搭載された弾幕は黒い火花を空一面に散らし、ワイバーンロードは血を噴き出しながらバタバタと撃墜される。その数分後に、第二文明圏の竜騎士団所属のワイバーンロード300騎は全滅した。
ワイバーンロードが絶望的な状況にいる中、世界連合艦隊も絶望的な状況だった。グラ・バルカス帝国による航空攻撃によって、多数のワイバーンロードやムー国の戦闘機が撃墜され、数多の戦列艦が撃沈されていた。しかも、そこに第二文明圏連合竜騎士団を全滅させたグラ・バルカス帝国艦隊が世界連合艦隊の前に姿を現した。これに、世界連合艦隊の将兵はグラ・バルカス帝国の強さを認識し、絶望的な雰囲気が漂っていた。
しかし、ゴゴゴゴゴと言う重苦しい音と共に、神聖ミリシアル帝国の切り札の1つ、空中戦艦パル・キマイラの1隻が現れたのだ。これには、世界連合艦隊、グラ・バルカス帝国艦隊共に驚愕した。グラ・バルカス帝国はアンタレス07式艦上戦闘機やシリウス型爆撃機による攻撃を敢行するべく近づいた。だが、空中戦艦パル・キマイラに搭載されたアトラタテス砲は海上自衛隊の近接防空システムに遜色ない性能だ。そんな、アトラタテス砲の前にグラ・バルカス帝国の航空機はあっという間に撃墜された。その後、15センチ連装魔導砲を初弾から命中させた。グラ・バルカス帝国側は、必死に対空砲火を放つが威力が足らず、攻撃は弾かれる。主砲を撃とうにも角度の問題で撃つことが出来なかった。
グラ・バルカス帝国艦隊の艦数が少なくなると空中戦艦パル・キマイラは敵旗艦である戦艦上空に移動、そのまま超大型魔導爆弾ジビルを投下した。これにより、勝敗は決し、グラ・バルカス帝国艦隊は殲滅された。
その後、空中戦艦パル・キマイラ2号機の艦長メテオスは、神聖ミリシアル帝国魔導艦隊に対して何処か見下す様な口調で魔信を行った。彼は、グラ・バルカス帝国艦隊の座標を教えると『後は好きにしろ』と言って空中戦艦パル・キマイラは敵艦隊に向けて針路をとった。
これを聞いた神聖ミリシアル帝国魔導艦隊は軍のメンツに掛けて、航空戦では負けたが、艦隊決戦では負けないとばかりに空中戦艦パル・キマイラの後を追っていく。しかし、時速200キロを保って動く空中戦艦パル・キマイラに魔導艦隊は追いつかず、どんどん距離が離れて行く。
其処を見逃すグラ・バルカス帝国ではなかった。魔導艦隊が空中戦艦パル・キマイラに意識を向けている隙に同海域に潜んでいた潜水艦が魚雷を発射したのだ。魚雷と言う兵器を身を持って味わった魔導艦隊は必死に回避行動に務める。潜水艦等という兵器が有るのは知っているが、碌な対潜装備を準備出来なかった魔導艦隊は魚雷の物量にやられていった。
◆
神聖ミリシアル帝国の古代兵器空中戦艦パル・キマイラ2隻は、グラ・バルカス帝国東方艦隊に向けて針路を取っていた。
しかし、対空レーダーに映る全長約260メートルの物体の接近に気付かない筈もなく、グラ・バルカス帝国は対空中戦艦パル・キマイラ用に第一次攻撃隊80機を派遣した。しかし、圧倒的な射撃性能に全滅。第二次攻撃隊を送り込むも同様に全滅した。
グラ・バルカス帝国東方艦隊旗艦【グレードアトラスター】では、対空中戦艦パル・キマイラとの戦闘に向けて急ピッチで準備が進んでいた。
空中戦艦パル・キマイラ2号機艦長のメテオスは無線でグラ・バルカス帝国東方艦隊に対して、レイフォルまでの即時撤退を勧告した。しかし、グラ・バルカス帝国としては、帝王様の勅命を「はい。そうてすか」と振り下ろした拳を戻す訳には行かない。グラ・バルカス帝国東方艦隊司令長官であるカイザルは空中戦艦パル・キマイラ2号機に『お前は馬鹿か!?』と入電した。これに、艦長メテオスは静かにキレた。交渉は決裂し伝説同士の戦いが始まった。
空気力学の及ばない力をもって飛行する空中戦艦パル・キマイラ2隻。それに対して、グラ・バルカス帝国東方艦隊はありったけの対空砲火を浴びせた。しかし、威力が低く、魔素で装甲を通常より強化したパル・キマイラには火花を散らす事しか出来ない。逆に、空中戦艦パル・キマイラに搭載された15センチ3連装魔導砲はその圧倒的な射撃速度と射撃性能で東方艦隊の駆逐艦や軽巡洋艦を次々と沈めていく。
しかし、圧倒的な射撃性能があろうと、2隻の空中戦艦に対して、グラ・バルカス帝国東方艦隊は100隻以上に昇る。これ程の艦があれば、全滅させるのに時間がかかり過ぎる。空中戦艦パル・キマイラ初号機艦長ワールマンは、同じく2号機艦長メテオスに対して、敵旗艦であるグレードアトラスターを攻撃しての短期決戦を主張した。しかし、メテオスは慎重だったのだが、ワールマンは神聖ミリシアル帝国の威信回復の為に目に見える成果を求めて超大型魔導爆弾ジビルを投下するべく、グレードアトラスターに接近した。
しかし、超大型魔導爆弾ジビルによって戦艦を数隻沈められているグラ・バルカス帝国東方艦隊旗艦グレードアトラスターの艦長ラクスタルは、2隻の空中戦艦パル・キマイラの内の1隻が自分達が乗るグレードアトラスターに爆撃を行うべく向かっていると看破した。ラクスタルは、主砲徹甲弾の使用を決断した。彼は、近接信管が搭載された対空射撃でも効かないなら榴弾でも意味が無いと判断したのだ。グレードアトラスターの砲術士フラグストンに艦内無線にて主砲徹甲弾の使用を命令した。
空中戦艦パル・キマイラを撃墜し、グラ・バルカス帝国が生き残るか、自分達東方艦隊がやられて、植民地に住むグラ・バルカス帝国の人々がやられるのかの運命の一撃はフラグストンに託された。
砲術士フラグストンは主砲を空中戦艦パル・キマイラに照準を定めて徹甲弾を発射した。46センチ三連装砲の斉射は運良く1発が空中戦艦パル・キマイラに命中。徹甲弾は装甲を破り、戦艦内部に侵入。侵入した徹甲弾は機関部に侵入した事により機関部は爆発。更には液状魔石燃料にも引火して大爆発を起こした。空中戦艦パル・キマイラ1号機はバラバラに砕け散った。
これには、パル・キマイラ2号機艦長メテオスは激しく狼狽えた。そして、ミリシアル8世からの命令である『万が一、パル・キマイラが撃墜されたら、すぐさま撤退せよ』との言葉を思い出し、尻尾を撒いて逃げ出した。
ついさっき亡くなったパル・キマイラ1号機の艦長ワールマンを擁護すると、無謀な賭けに出たのではなく、確固たる自信があった。空中戦艦パル・キマイラに搭載された魔帝製の魔導演算機は、損傷率1パーセントと算出されていたからだ。しかし、突撃と言う無謀な行動や物理攻撃への耐性が魔素の強化無しでは低いのか、或いは、魔帝は魔法文明であるからして、物理攻撃を想定していなかったのか、はたまたワールマンが素人だったのかは誰も知る由はない。
◆
それから数時間後、度重なる航空攻撃と潜水艦による攻撃で戦力を失った魔導艦隊はその数を減らしながらも、どうにかグラ・バルカス帝国東方艦隊を捕捉する事が出来た。
グラ・バルカス帝国の潜水艦隊は、主兵装である魚雷を撃ち尽くしたのか撤退していた。実は、浮上して攻撃する案もあったが、ケイン神王国やそれすら劣る新世界国家とは異なり、脅威になりうる兵器を搭載した艦隊だ。それへの攻撃は危険度が高いと、東方水上艦隊に任せて彼等は撤退していた。
グラ・バルカス帝国東方艦隊は神聖ミリシアル帝国の思わぬ超兵器により、想定以上に艦を減らしていた。しかし、それは駆逐艦や軽巡洋艦、一部の重巡洋艦と言った物であり、戦艦や一部の空母は無事だった。しかし、空母は艦載機が空中戦艦パル・キマイラ迎撃に向かい全機撃墜されてしまい、その数を大きく減らしている。故に、艦同士の殴り合いになる。
どちらの艦隊も相手によって大幅に戦力を減らしており、どちらに軍配が上がるかは分からなかった。
結果として、どちらも主砲を撃ち合う熾烈な艦隊決戦を4時間も繰り広げた。しかし、神聖ミリシアル帝国は、日本国から提供された魔導魚雷を元に開発した魔帝製では無い、自国で開発した魔導魚雷で多くの艦を沈めることに成功した。
この魔導魚雷は、日本国が『風神の涙』を元に試作した魚雷だ。現在日本国が使用している過酸化水素魚雷や昔使っていた酸素魚雷同様に航跡を残さない物だ。しかし、この魚雷は科学製の魚雷と異なり威力が物足りない。コストは安いので採用の検討はされたが、生産ラインの整備など、魔法という未知の存在の影響もあり難航した結果、見送られた。しかし、魚雷を持たない神聖ミリシアル帝国に試作として技術提供を行ったのだ。
しかし、伊達に魔法文明の長と言うべきか、今まで培ってきた魔帝の魔導技術を応用し、誘導魚雷ではないものの、酸素魚雷に相当する威力の魚雷を手に入れたのだ。その構成は、簡単に言うと『風神の涙』起動燃料と炸薬の為の燃料の2つで水を押し出して進む。そして、神聖ミリシアル帝国の魔導技術があれば、旧パーパルディア皇国の『風神の涙』を作成出来る。これにより、射程の長い魚雷を手に入れたのだ。
それが、新兵器の正体だ。この魚雷のお陰で、神聖ミリシアル帝国には魚雷が無い事を知っていたグラ・バルカス帝国は、油断した上に魚雷の航跡も無かったので面白い様に被雷した。結果として、原作よりも大きな被害を受けた。
最終的にどちらも主砲弾を撃ち尽くしたのか、数少ない艦隊はそれぞれ引き上げた。
結果として、バルチスタ沖海戦は制海権を守り通したグラ・バルカス帝国の辛勝に終わった。しかし、神聖ミリシアル帝国の秘密兵器である空中戦艦パル・キマイラを撃墜した事は、現地国家が世界に冠たる神聖ミリシアル帝国でさえ勝てない相手だと認識させる事が出来たグラ・バルカス帝国の勝利だろう。
この戦いは、グラ・バルカス帝国の世界征服の第一歩となったのだ。この事実は、世界に波紋を広げて行くことになる。
◆
―第二文明圏列強ムー国商業都市マイカル―
マイカルの海軍基地の一室には、ムー国へ派遣された日本国の臨時司令部が設置されている。そこに、バルチスタ海域に派遣されていた原子力潜水艦【依10型】から一報が舞い込んできた。
『世界連合艦隊、グラ・バルカス帝国に壊滅的被害を受けた。神聖ミリシアル帝国も両者共に多大な損害を受けた模様』
この事実は、基地にいた稲荷神含め驚愕…する事は無かった。
世界連合艦隊とは名乗っている物の、その実態は帆船や戦列艦、良くて前弩級戦艦が主体の艦隊だ。第二次大戦時の技術を持つグラ・バルカス帝国に敵う筈もない。神聖ミリシアル帝国も、空中戦艦と言う規格外な兵器がある事には驚いたが、所々の技術がグラ・バルカス帝国に劣っており、勝つのは難しいだろうと考えていたからだ。この反応は自然だった。稲荷神も無理ゲーと考えていたから間違い無い。
しかし、あの空中戦艦が撃墜されたのは衝撃だった。あの空中戦艦の耐久力がどれ程の物かは分からないが、46センチ砲1発で撃墜される程装甲が薄いのか、まぐれなのか、判断が難しい所だ。
しかし、さらなる連絡が原子力潜水艦【依10型】から齎された。
なんと、金剛型戦艦1隻、翔鶴型空母1隻、小型空母1隻に重巡洋艦3隻その他駆逐艦の合計25隻からなるグラ・バルカス帝国艦隊がムー大陸東岸を北上していると言うのだ。その先には、ムー国の首都オタハイトや商業都市マイカルも含まれる。どちらも、日本国艦隊が駐屯している。更には、マイカルには稲荷神が滞在している。「稲荷神の御心を惑わしてなるものか!」と海上自衛隊幹部はヤル気を出すのだが、それに稲荷神は若干引いていた。だが、いつものペロリストだと言い聞かせてポーカーフェイスを保ったのは別の話。
〜コラム〜
魔導魚雷
日本が『風神の涙』を利用して試作した魔法製の魚雷。生み出した圧力で水を押し出す事で進む。しかし、空気魚雷と違って水と反応する事は無いので無航跡である。だが、態々新しい魚雷を装備するのも手間の為、友好国に売却する事に。性能テストも含めて、神聖ミリシアル帝国に交換条件で、魔導技術を少しでも教えて貰うかわりに神聖ミリシアル帝国との共同研究にした。研究は直に終わり、実戦配備されたのが今回の魚雷である。(誘導魚雷の事を日本は隠している)これは、後に第三文明圏含めた全世界に配備されるのだが、それは先の事だ。
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