嘗て、聖書に記されし神が存在した。そして人間へと転生し、悪魔へ転生した弟と共に波乱万丈な人生を送るどころか、様々な出会い、更には世界の命運をかけた壮絶な戦いを繰り広げた。
しかし、それらの出来事は一切知られてないどころか、世界中にある歴史の記録にも一切記されていなかった。
何故そんな当たり前な事を言うのだと誰しも疑問を抱くだろう。
理由はある。人間へと転生した筈の神が、またしても人間へと再転生したという異常事態が発生したのだ。
それは二度目の死を迎えた神としては、全く予想だにしない誤算であった。それどころか、自分の知る世界でない。
神は存在するが、天使や堕天使などの超常的存在は一切いない代わりに、人間以外にも
更には
そんな奇妙な世界に再転生した元神は、
女性
更には彼女にとって嬉しい誤算が起きていた。
「ふぅっ。この世界は色々刺激があっていいけど、それでも
周囲の風景を楽しみながら旅をしている女性
「うふふ。フリーゼちゃんの気持ちは分からなくも無いけど、ワタシは
妙齢の女性――ローゼ・グランドは大して気にしてないように答えた。
ドワーフでありながらも、170
実は彼女、嘗て兵藤隆誠の協力者だった筋骨隆々なオカマ――自称ローズだった。
「私もローゼと同様ですね。新しい世界で生まれ変わったのであれば、
絶世の美男子――リヴァル・リヨス・アールヴは申し訳なさそうにしながらも、ローゼと同じ返答をした。
彼は王族の『ハイエルフ』と呼ばれる種族であり、世界中のエルフ達から崇拝されている。これまでは里で鍛錬の日々を送るも、引き籠もり同然な生活に飽きて、姉と同じく里を飛び出してフリーゼ達と出会う事になった。
もう察したかもしれないが、リヴァルも二人と同じく転生者だ。嘗て司祭枢機卿で聖剣デュランダルの前所有者――ヴァスコ・ストラーダ。
嘗て崇拝していた聖書の神だと分かった際、ハイエルフとしての立場を忘れ、人目も憚らずに涙を流して
そう言う事もあってフリーゼは彼等と出会い、こうして一緒に旅をしている。その際に彼女が
「まぁ確かに、貴方達の言う通りだな」
二人の返答を聞いたフリーゼは、
そんな中、三人は今回の目的地である都市が視界に入った。
「アレが有名な迷宮都市オラリオ、か。確かあそこにはお二人の家族がいると言ってましたね」
「ええ。
「同胞が大袈裟に誇張してましたが、何でも私の姉は最大派閥の副団長を務めて大活躍しているらしいです」
フリーゼがオラリオに来る目的としては観光だけでなく、二人の身内もいると聞いたから是非とも寄ろうと決意したのだ。
「それとフリーゼ様、現在のオラリオは大変治安が悪いと聞いております。
リヴァルとしてはフリーゼに万が一の事が起きないようオラリオに行って欲しくなかったが、主が行くと決めた以上、何が起ころうと絶対に守ると誓っている。
「もう、リヴァルちゃんは心配性ね。フリーゼちゃんが可愛い
「確かにそうかもしれないが、貴殿は少しばかり緊張感を持つべきかと――」
「お二人とも、そろそろ検問に着くので一先ず後回しにしましょう」
楽観が過ぎるローゼに真面目なリヴァルが指摘しようとするも、フリーゼが二人の話を中断させようとするのであった。
この時の転生者三人は、まだ知らない。
迷宮都市オラリオに来て早々、非常に厄介な事件に巻き込まれてしまう事を。
再転生した元神が女性
ついでに他のキャラ二人も元神の協力者として転生させています。