再び転生した元神はダンまち世界へ   作:さすらいの旅人

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遅くなりました。

まだ調子が出なくて内容が短いです。


動き出したフリーゼ達①

 フリーゼ達が突如姿を消して数日経ち、【ロキ・ファミリア】の眷族達が闇派閥(イヴィルス)を迎撃する合間を縫って捜索するも一向に見つからなかった。騒いでるエルフの中で最も心配してるのはリヴェリアで、勝手にいなくなった(リヴァル)に対して『見つけたら只では済まさんぞ……!』と怒りを露わにしてるのを、一緒に行動していたアイズは『今のリヴェリア、凄く恐い……』と呟く程だったとか。

 

 三人の行方知れずとは別に、闇派閥(イヴィルス)の方でも異変が起きていた。悪い方の意味として。

 

 先日の掃討作戦で参戦した【暴喰】のザルドと【静寂】のアルフィアによる勝利に加え、邪神エレボスの宣言でオラリオを絶望のどん底に叩きつけた事で闇派閥(イヴィルス)の士気は最高潮に上がっていた。その勢いで市壁を占拠してオラリオを包囲し、民衆が住まう各区を襲撃して精神的に追い詰めようと圧倒的有利な状況……の筈だったが、今は全く異なる展開になっている。

 

 各区を襲撃をする予定だった民衆に襲い掛かろうと動き出す直前、外套を纏った謎の覆面によって悉く阻止されてしまう。反撃する暇を一切与えられず、全員あっと言う間に倒される光景を冒険者達や民衆が多く目撃している。

 

 目撃者達からの話を合わせれば、襲撃者達を簡単に屠っているのは約三名で、それぞれ異なる得物を以って撃退していた。

 

 一人目は黒い金棒を持った長身の覆面。その者が一度振るう事で多くの闇派閥(イヴィルス)の信者達を吹っ飛ばし、建物などの壁にめり込ませるほどの怪力の持ち主。

 

 二人目は青い刀身の片刃大剣を持った長身の覆面。刃はあるが、主に峰打ちをしてることで切り傷は一切無くとも、相手に骨を粉砕するほどの威力を振るう。

 

 三人目は赤い棒を持った単身の覆面。一人目の覆面が使う金棒と違って短い筈なのに、何故か急に棒が急激に伸びて相手を容赦無く叩きのめしていた。

 

 以上の三名は誰一人殺していないが、簡単に立ち上がる事が出来ない程の激痛を味わわせており、その後には駆け付けた冒険者を見た瞬間に立ち去っている。それによって周囲は闇派閥(イヴィルス)だけを狙う彼等を『覆面狩人』と称される事になり、冒険者に対する不満を抱いていた民衆も多少だが和らいでいた。

 

 当然、このような状況に闇派閥(イヴィルス)側としては面白くない。追い詰める為に襲撃を仕掛けても、まるで自分達の動きが筒抜けのように何度も阻止されてしまう事で、参謀を務める【殺帝(アラクニア)】ヴァレッタ・グレーデの苛立ちが募っていく。調子に乗ってる『覆面狩人』をさっさと黙らせようと襲撃を画策するも、素性や潜伏先が全く不明な為に余計苛立って歯軋りする事しか出来なかった。

 

 苛立つヴァレッタとは別に、首魁の邪神エレボスは『覆面狩人』に対して興味深そうに耳を傾けていた。正体不明であろうが、何の対価を求める事も無く民衆を助ける行為をするのだから、彼としては三人が掲げる正義について是非とも問いたいと密かに考えている。

 

 冒険者や闇派閥(イヴィルス)とは違う第三者の介入で困惑する状況が続くも、事態は大きく動き出そうとする。

 

 

 

 

 

 今まで小規模な襲撃を仕掛けていた闇派閥(イヴィルス)だったが、急に流れが大きく変わることになった。幹部の一人――オリヴァス・アクトが多くの信者達を連れて暴れているのだ。

 

 突然の変化に指揮を取っていたフィンは向こうの行動に違和感を抱きながらも、すぐに鎮圧するよう指示を出している。

 

 ドワーフのガレス・ランドロックと、【ガネーシャ・ファミリア】の団長シャクティ・ヴァルマが急行するも、予想外の相手によって阻まれていた。

 

「くっ、相も変わらずじゃのう……!」

 

「二人掛かりでこのザマか……!」

 

 果敢に挑むガレスとシャクティだが、目の前にいる相手に一切通用しなかった。

 

「どうした、その程度か?」

 

 二人が戦っているのは、漆黒の全身鎧を身に纏っている巨漢の大男。名はザルドで、嘗て【ゼウス・ファミリア】に所属して【暴喰】の二つ名を持つ【Lv.7】の戦士。

 

 八年前に『三大冒険者依頼』の一角だった【陸の王者(ベヒーモス)】を討伐するも、その後には一線を退いていた筈が、今はオラリオを滅ぼす側に回っている。何故そうなったのかは理由は未だに不明だが、敵として回った以上は戦うしかない。

 

 先日の掃討作戦では、現オラリオ最強冒険者である【フレイヤ・ファミリア】の団長【猛者(おうじゃ)】オッタルを倒した事で、闇派閥(イヴィルス)の士気を高めた。それもあってか、数日経っても一斉に討って出ようとしない事に業を煮やしたオリヴァスが独断で暴走する要因となってしまったが。

 

「前に相手をした糞ガキといい、お前達といい、どこまで俺を失望させれば気が済む」

 

 ガレスとシャクティの攻撃をいなした後、軽く撫でた程度の反撃をしただけで傷を負うのを目にして呆れ混じりの声を発した。

 

「言うてくれるではないか……!」

 

「我等はまだ諦めてはいないぞ!」

 

 それでも二人は諦めようとはせず、再び立ち上がって武器を構えようとしてるところ――

 

 

「漸く出てきたわね、【暴喰】のザルド」

 

「流石はベヒーモスを討ち取った英雄、と言うべきか」

 

 

 突如、第三者である女と男が乱入してきた。

 

 二人の声を耳にしたガレスとシャクティ、そしてザルドが振り向くと、外套を身に纏う覆面の二人組がいる。

 

「お主等、まさか……」

 

「『覆面狩人』……!」

 

 聞き覚えのある声に反応したガレスとは別に、シャクティは闇派閥(イヴィルス)を狙う正体不明の二人を見て驚愕していた。

 

「ほう、この数日の間に色々動き回っていた奴等か」

 

 ザルドも既に聞いていた。【恩恵(ファルナ)】持つ信者達を相手に一切傷を負う事無く倒し続ける『覆面狩人』達の事を。

 

「一応訊いておくが、この俺に何の用だ?」

 

「そんなの決まってるじゃない」

 

「我等と手合わせ願おうか」

 

 確認も含めて問うザルドに、二人は答えながら外套と覆面を脱いで正体を現した。

 

 黒い金棒を持った長身で端整な顔立ちをしてる女性ドワーフ。

 

 青い刀身の片刃大剣を持った長身の美しい男性ハイエルフ。

 

 見目麗しい男女は戦闘服を身に纏い、とても似つかわしくない両手用の武器を片手で軽々と持っている。

 

「ローゼにリヴァル、やはりお主等だったか!」

 

 声を聞いた事で『覆面狩人』が誰なのかを察していたガレスだったが、案の定、数日前に行方不明となった連中だと確信した。もうついでに、今この場に居ないもう一人の小柄な『覆面狩人』の正体は、女性小人族(パルゥム)のフリーゼ・ウィステに間違いないと。

 

「……糞ガキがいるファミリアの女ドワーフと、あのハイエルフによく似ているな」

 

「当然よ。私はローゼ・グランドで、ミア・グランドの姪だもの」

 

「我が名はリヴァル・リヨス・アールヴ。我が姉リヴェリアの実弟だ」

 

「成程な。道理で似ている訳だ」

 

 二人の名を聞いたザルドは納得するように頷いていた。

 

「だが奴等の身内とは言え、この俺と戦うとは随分良い度胸をしているではないか……!」

 

 ザルドはそう言いながら途端に殺気を放つ。

 

 並みの冒険者がまともに浴びたら一瞬で戦意喪失してしまうのだが、ローゼとリヴァルは全く堪えた様子を見せていない。それどころか涼しげな表情をしている。

 

「あらあら、凄い殺気ね。リヴァル、無理そうならワタシ一人でやるわよ」

 

「それは此方の台詞だ、ローゼ」

 

 殺気を受けた事で笑みを浮かべるどころか、闘志が増そうとするドワーフとハイエルフ。

 

 予想外な反応をされた事でザルドは思わず唖然としてしまう。

 

「ウフフフ、それじゃあ早速……ハァッ!」

 

『!?』

 

 すると、ローゼが構えながら叫んだ瞬間、全身から魔力らしきものが放出した。

 

 突然の事にガレス達が目を見開くも、彼女の隣にいるリヴァルは全く動じていない。

 

「ふんっ!」

 

 それどころか、リヴァルも同様に全身から魔力を放出している。

 

 違いがあるとすればローゼは赤、リヴァルは青と対照的な色であった。

 

「おいガレス、あの二人は一体何をしているんだ!?」

 

「そんなのワシが知る訳なかろう!」

 

 余りの光景にシャクティが思わず説明を求めるが、ガレスも全く分からないので答えようがなかった。

 

「面白い! そこの老け顔ドワーフ達と違って少しは楽しめそうだ!」

 

 ザルドも困惑していたが、そんな事は如何でも良いと言わんばかりに口角を上げた。二人から発する魔力は尋常でなく、闇派閥(イヴィルス)末端(ザコ)共では勝負にすらならないと。

 

「お前達の実力、この【暴喰】のザルドが見極めてやろうではないか!」

 

「それは光栄ね! ぶるわぁぁぁッッ!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

 突進しながら得物を振るうローゼとリヴァルにザルドが漆黒の大剣で受け止めた瞬間、周囲を巻き込むほどの衝撃が発生する。




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