リヴェリアが弟の無事を確認した後、彼女も含めたエルフ達は迅速に行動していた。
襲撃してきた
今回の件でリヴェリアは、改めてフリーゼ達を自身が住まう
因みに【ガネーシャ・ファミリア】の方で三人に襲撃された際の聴取をしたかったが、【ロキ・ファミリア】に任せる事にした。襲撃された一行の中にハイエルフがいるからか、彼を守ろうとしてるエルフ達が物凄く神経質な状態になってる所為で、少しでも対応を誤れば絶対面倒な事になると分かっているから。
リヴェリア達と一緒に『黄昏の館』へ向かうフリーゼ達は、オラリオに来て一日も経ってないのに厄介な事に巻き込まれたと内心嘆息するのであった。
再び『黄昏の館』に訪れたフリーゼ達は、今回の襲撃について詳しく聞こうと応接室へ案内された。
今回はリヴェリアだけでなく、他の者達も同席している。
一人目は
二人目はドワーフの男性で、胴長短足で筋骨隆々の体付きをしており、茶色の瞳と髪を持ち、長い髭をしている。同派閥の幹部ガレス・ランドロックで、『
最後は男神と間違えてしまう女神であり、【ロキ・ファミリア】の主神ロキ。緋色の髪を持ち、露出の多い服装を着てても全く色気が感じられない。女性にも拘わらず胸が余りにも無さ過ぎるからなのかは分からない。その数秒後、理由が分かった。
『ハイエルフのイケメン、
ロキがそう言いながら、フリーゼとローゼに卑猥な目つきで見ていたから。客人に対して余りにも失礼過ぎるからか、リヴェリアの方で頭を叩かれてしまったが。
思わず空気が白けてしまうも、【ロキ・ファミリア】の三人は一旦咳払いをしてから、改めてフリーゼ達に自己紹介をした。
フリーゼ達も倣って自己紹介した後、今回の襲撃について話す。
「リヴァルを捕らえようとしてただと!?」
「ええ、向こうがそう言ってました。尤も、
一緒に聞いていたフィン達も不快な表情になっていながらも、如何にも奴等がやりそうな事だと納得している様子だ。
「目的は人質だね。そんな大胆な事を考えたのは――間違いなくヴァレッタだろう」
「それはうちも同感や」
フィンとロキは襲撃の首謀者が、少し前の小競り合いで取り逃がした
ハイエルフを人質にするなど世界中のエルフを敵に回す行為も同然だが、そんなの心底如何でも良いと考える
「しかしお主等、よく無事だったな。奴等に襲われたら怪我をしてもおかしくない筈なんじゃが」
ガレスはフリーゼ達の姿に疑問を抱く。
『恩恵』が無くてもリヴァルとローゼが圧倒していたと言ったところで簡単に信じられないと思う為、フリーゼは咄嗟にこう言い返そうとする。
「【フレイヤ・ファミリア】が助けてくれたんですよ」
「何じゃと?」
フリーゼ達を助けてくれた者が予想外な派閥だった為、ガレスは信じられないような表情になった。
【フレイヤ・ファミリア】は基本的に主神の命以外の事は動かない眷族の集団だから、一般人である筈のフリーゼ達を助けるなど普通に考えて有り得ない。フレイヤ本人が命じればやるかもしれないが、自由奔放な性格をしてるあの女神が積極的に人助けするのはあり得ないと思っている。
しかし、その派閥には例外な者達もいる事にリヴェリアはすぐに察した。
「その者はもしや、
「ええ。他にもヘグニ・ラグナールと言う
両派閥が対立してるのを理由に立ち去った事も含めて教えると、フィン達はすぐに納得した。
「確かにエルフの彼等なら、神フレイヤが命じなくても率先して救助に向かうだろうね」
「あの色ボケが関わらなくとも、貸し一つ出来たと勝手に思っとる筈や」
ヘディン達が独断で動いたとはいえ、【フレイヤ・ファミリア】の眷族がリヴェリアの身内を助けた事に変わりない。強請りネタにはならないにしろ、交渉する
(この世界のフレイヤって、あっちと違って狡賢い性格してるんだな)
フリーゼが兵藤隆誠だった頃の世界にいたフレイヤは、平然と人を振り回す傍迷惑なところがあれど素直な性格だった。尤も、それは彼女が隆誠に惚れて一途になっただけに過ぎないが。
聴取は以上となり、襲撃については後ほどフィンの方でギルドに報告する事になった。そこにいるギルド長が今回の件を知れば、絶対に大慌てするだろうと思いながら。
そして次が本題と言わんばかりに、リヴェリアから話を切り出そうとする。
「リヴァル。
彼女がフリーゼ達を保護すると言ったのだから、【ロキ・ファミリア】の
「姉上が良くとも、神ロキや他の団員達はご迷惑になるかと思いますが」
さり気なく断ろうとするリヴァルだが――
「うちは別に構わんで」
「僕の方から周知しておけば問題無いよ」
「そうじゃの。まぁ例え他の団員が不満を述べたところで、ワシ等の所のエルフ達が絶対黙っていないがな」
ロキやフィン、そしてガレスも全く問題無いと言わんばかり返答したので、断るのが無理な雰囲気となっていた。
結局のところ、フリーゼ達が『黄昏の館』で寝泊まりするのが決定となったのは言うまでもない。
「リヴェリアさん。先に言っておきますけど、『ルーン魔術』について訊かれても黙秘しますからね。当然リヴァルも同様に」
「……わ、私とてそれくらい弁えているぞ」
(は? ルーン魔術やと? あの子、オーディンが独自に開発したアレ使えるんか?)
フリーゼが前以て『ルーン魔術』の質問は受け付けない事をリヴェリアに警告してる際、偶然耳にしたロキが思わず足を止めても誰も気にしてない。
☆
「全滅だと? 一体どう言う事だ。何でテメェ等が『恩恵』の無い雑魚共に負けてんだよ、あァ?」
ハイエルフを捕らえると言う吉報を待っていたヴァレッタだが、全く予想外な報告を聞いた事で一気に気分が悪くなっていた。
戦いを見届けていた斥候は殺されそうな雰囲気を見せる彼女に怯えながらも、ありのままを伝えようとする。
「そ、それが、ハイエルフとドワーフの抵抗が予想を遥かに超え、まるで第一級冒険者のような強さでした……!」
「……何訳の分かんねェこと言ってやがる。テメェ等の方で調べた時、『恩恵』が無い事をアタシに報告した筈だろうが!」
「わ、我々もそう確信したのですが、手間取ってる間に【フレイヤ・ファミリア】の『白黒の騎士』が現れがはっ!」
予想外の反撃を受けていただけでなく、救援に駆け付けた者達も現れた事でヴァレッタはもう聞く気が無かったのか、持っていた大剣で斥候を遠慮無く斬り捨てた。
「ったく、どこまでも使えねェなクソが……! おい、さっさと片付けろ!」
「は、はい!」
物言わぬ
(死んだ
作戦に失敗した腹いせに信者を斬り殺した彼女だが、多少の発散が出来た事で溜飲が下がり、参謀としての頭が働いて状況を整理していた。
直接現場に行けば状況が変わっていたかもしれないが、もし斥候の言う通りであれば自身もタダでは済まなかったかもしれない。
次に襲撃する場合は幹部を向かわせるつもりだが、当面無理だと少しばかり諦めている。駆け付けた【フレイヤ・ファミリア】の眷族達とは別に、【
(
一先ずは時間を置く事に決めたヴァレッタは、次の襲撃に備えようと改めて情報収集させるよう命じるのであった。
【ロキ・ファミリア】の世話になるフリーゼ達でした。
次回はその眷族達の絡み話にしようと思います。
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