もしもVの知力が0. 1だったら   作:正拳突き

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今回は日常回です。
飛ばしても問題ありません。


03 傭兵たちの休日

ナイトシティにおいて傭兵とは、ある意味1番自由な職業であるとも言える。サラリーマンやバイトの様に定時やシフトに縛られる事なく自由に働け、毎日何時に起きたって責められる事はなくそれこそ昼間から酒を飲んでもいい。

 

だからこそ傭兵のライフスタイルには個々人の個性が強く表れる、コーポに勤める人間の様に週に5日働き2日休む者もいれば。1ヶ月のうち半分は全力で仕事をしもう半分は遊んで暮らす者もいる。

 

働き方等十人十色であるが、ジャッキーとVは勤勉と遊び人の中間に位置すると言うべきだろう。

2人は普段は休みなく働きつつも、疲れを感じたら全力で休む。次の仕事に疲労を持ち越さない事が彼らのマイルールだ。

 

そんな傭兵ライフをエンジョイしている2人だが、今日は休みを取り昨日サイバーサイコを生け捕りにしたお陰で懐もそれなりに温まったので、ジャッキーの恋人のミスティも連れて3人で買い物をする予定だ。

 

「V!こっちだ、早く来いよ」

 

「V…また戦って来たのね…オーラが荒れているわ」

 

「遅れて悪いな、実は来る途中にタイガークロウズがいてさ___」

 

_____待ち合わせ時刻に10分遅刻したVに小言を言いつつも、既に慣れっこな2人は説教を終えるが、彼が腰にぶら下げているモノを見た瞬間に遅刻の事など頭から吹っ飛んだ。

 

「ってV!お前その腰にぶら下げてるの…生首じゃねーか!?」

 

そうVの腰には男と思われる生首がロープで巻き付けてあったのだ。切断されてからさほど時間が経っていないのか、断面からはポタポタと血液が流れていた。恐らく、来る途中にVに襲われたというクロウズの連中の1人だろう。

 

「コレか?コイツけっこう強かったから家の保管庫に飾ろうと思って。ハンティングトロフィーみたいな?」

 

「いやいやいや全然、ちっとも理解出来ねぇって!つーかそういうのは動物の剥製とかを飾るんだよ!!どこの世界に人間の生首飾る奴がいるんだよ!?」

 

ポカンとした顔のVにジャッキーが強烈なツッコミを浴びせる。

これまでVの奇行を見てきたジャッキーだが今度とばかりは流石に許容範囲外だ。

ミスティはドン引きして言葉すら出ない。

 

「とにかく…ソレ持ってちゃ買い物なんて出来ねぇし、さっさと捨てちまえよ」

 

「…まぁジャックが言うなら仕方ない」

 

Vは渋々生首をカバンの中にしまった。ジャッキーは内心

(捨てて欲しかったんだけどなぁ…)と思ったが口には出さない事にした。

 

 

とわいえジャッキーもミスティもナイトシティの住人だ、最初は一悶着あったものの結局は買い物という名のデートを存分に満喫した。

 

アクセサリーを取り扱う店ではジャッキーが

「好きなのを選べよ、何でも買ってやるからな!」

と言ったばかりにミスティが30分近く選び続けたり

 

「なぁミスティ…もう次の店に行こうぜ俺たちゃじれしまったよ〜」

 

「もうちょっと待ってダーリン。このピアスを選び終えたらすぐ行くから」

 

ミスティが選び終えたのはそれから10分後だった。

そして次の店では、突然ジャッキーとVが

「負けた方が奢りな」

というルールで焼きそばの大食い対決をし

 

「もう食べられない…クソっまたジャッキーに負けた…」

 

「ハハ!まだまだ修行が足りねぇなチューマ。そんなんじゃヴァレンティーノズの元大食いチャンピオンには敵わねぇぜ!」

 

最後の店では3人でフライパンの値切りをした。

 

「なあ頼むよおっちゃん、フライパン1つに1000 エディーなんてボッタクリもいいとこだろ、300でどうだ?」

 

「いいや、俺は1エディーだって値下げはしねぇ。気に食わなきゃ他所へ行くんだな。もっとも他じゃあこれ程のフライパンは買えないだろうがな」

 

強情な主人を前に交渉は一歩も前進しない。ジャッキーは半分諦めかけているのだが、Vがどうしてもコレがいいと聞かないので仕方がなく交渉を続ける。

 

「お願い友達がどうしてもソレが欲しいて言ってるの、割引してくれたら今度タダで占ってあげるから」

 

「ミスティのタロットはよく当たるぞお、ここで逃したら一生後悔するぜ」

 

「いらねぇわ気持ち悪い」

 

占い作戦すら通じず途方に暮れた2人は互いに空を眺める。気づけば朱く染まった空は、夜が近い事を知らせていた。

 

「こりゃあダメだわ、まあフライパンなんてどこでも売ってるしまた今度買おうぜ」

 

「そうだな…マスター今度は金持って来るから、それまでコレ取っておいてくれないか?」

 

ジャッキーとミスティは長きに渡る交渉に疲れ飲み物を買いに行っている間も交渉をしたが、Vもとうとう諦め、しょんぼりとした顔で店の主人公に尋ねた。

 

「おいおいちょっと待てや。値切りはしねぇが物物交換ならいいぜ。そこの兄ちゃんのカバン、ずいぶんと膨れているが何か金目の物とか入ってないか?」

 

店主が指を差したのはVが持っているバックだ、確かにソレはずっしり膨れている。見るからに傭兵の男が持っているバックの中身には銃やナイフがたんまり入っていると思ったのだろう。

 

「別にいいけどこのカバンの中にはコレしか入ってないぞ」

 

Vが取り出したのはそう生首である。既に死後数時間が経過しているため、出した瞬間血の匂いが余りに漂った。

 

 

「え?ん?ん?っえ何だコレ?」

 

「タイガーグロウス」

 

困惑する店主にVは一歩も引かない。もしかしたらこの生首とフライパンを交換してもらえるかもしれないからだ、今の自分にはこれ以上の物は差し出せない。

 

「なあ、今俺が渡せる物なんてコレしかないんだ。だからそのフライパンを____」

 

「____こんなもんくれてやる!どうせゴミ捨て場で拾ったもんだしな、二度と来んじゃねぇ!」

 

店主は勢い良くフライパンをVに投げる、この場にジャッキーとミスティがいれば彼の気持ちを理解出来ただろうが、あいにく2人は飲み物を買いに行っている。

 

「マジかよ、ありがとな。ほら、コレやるよ」

 

「いらねぇ!いらねぇから、さっさと出てってくれ!!」

 

タダでフライパンをくれるなんて太っ腹な店主と思ったVは、そのまま生首を店のカウンターに置き、フライパンを片手にスキップをしながら店を出た。

後ろから

「おい!こんなもんどうしろってんだよ!」

 

という声が聞こえた。タダで物を売ろうとするだなんて、何と欲の無い男だと感激したVは帰ったらこの店に☆5の評価を付けようと心に誓った。

 

「Vお前、フライパン買えたのか?」

 

店の前でペットボトルを持ったジャッキー達と合流する。

2人の目線はVが右手に持つフライパンに釘付けだ。

 

「あのクロウズの首と交換してくれたんだ」

 

「ウッソだろ?アレを欲しがるヤツがナイトシティには2人もいんのかよ」

 

「ジャッキー趣味は人それぞれよ、気味悪がったりするのはいけないわ」

 

喉を潤したジャッキーとVはミスティを家まで送り届けた後、エルコヨーテまで歩いて来た。

本当はミスティにも来て欲しかったのだが

「私は今日は疲れたから家で休むことにするわ、2人とも本当にありがとう」

 

と言われたので断念した。

 

 

「しっかしVがフライパンなんて何に使うのかと思ったらお袋にプレゼントなんてな」

 

「ママ • ウェルズにはいつもご馳走になってるからな、たまにはお礼の1つや2つはしないとだろ?」

 

「その言葉を聞いただけでお袋は泣いて喜ぶぜ」

 

ジャッキーの言った通り、Vからフライパンを渡されたママ • ウェルズは2人をギュッと抱きしめ

「貴方達は最高の息子よ」

 

と言った後、早速フライパンを持って厨房に行き最高の夕食を振る舞ってくれた。

優しい母の味の堪能したVとジャッキーはその晩は思いっきり飲み明かすのだった。

 




???「生首を家に飾るだ?こんな知性も倫理の欠片もねぇ奴の頭に入れっていうのかよ!?この俺が?」


余談ですがサイバーパンク2077の製作会社のCDプロジェクトの代表作【ウィッチャー3】には主人公が倒した怪物の生首を、馬の鞍に飾り付けたりする事が出来ます。

人間のはないです。
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