もしもVの知力が0. 1だったら   作:正拳突き

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バージョン3.0で修正して欲しいバグ
1、タケムラとのロマンスイベントがない
2、ヨリノブ共闘ルートがない
3、ニューゲー厶+がない

運営さんアプデ待ってます。


07 伝説への一歩

あの後泣いているバリーを部屋に返したあと、Vには1通の電話がかかってきた。

 

「あんた誰だ?」

 

『タケムラだ、もう話せるほどまで回復したのか。最初ゴミ捨て場でお前を拾った時はだめかと思ったが…タフな男だな』

 

ホロコールに写ったのは、獣の様な鋭い目によく通る良い声の男、自分を殴り飛ばしたあとそのままアラサカに連行すると言っていたあの男だ。

 

「何で俺を助けたんだ、道に迷っちまったのか?」

 

『お前と一緒にするな、とにかく今からトムズダイナーに来い。お前の家からなら5分で来れるはずだ』

 

タケムラは重苦しい顔で命令を突きつける。恐らくアラサカでも部下にはこの様な横暴な対応をしているに違いない。

 

「何でアンタの言う事聞かなくちゃいけないんだよ?」

 

『俺がお前の命を救ったからだ、それにお前はまだ助かってはいない。死にたくなければおとなしく言う通りにしろ』

 

タケムラは言いたい事だけを言うと一方的にコールを切った。Vとしてはモヤモヤするが、自分が死にかけているのも事実である。ちょうど腹も減ったし食事がてらダイナーへ向かおうとドアを開けた時だった。

 

またコールが鳴る、あの高飛車なコーポマンかと思ったが今度は違う。その相手はVにとって決して無視してはいけない人だ。

 

「ママ・ウェルズ…」

 

ホロが写し出されたのは、今は亡き親友の面影のある初老の女性、ジャッキー・ウェルズの母親グアダルーペ・アレハンドラ・ウェルズ夫人である。

 

『V、ようやく繋がったわ。まったくいつまでも電話に出ないで、人を心配させるのもいい加減にしてちょうだい』

 

ママ・ウェルズは少しだけで怒った声でVに語りかける。しかしその声色にはとても隠しきれない優しさで溢れていた。

 

「ママ・ウェルズ!本当にごめん…俺がもっとちゃんとしてれば…ジャッキーは」

 

本当はもっと早く電話しなければいけない事なんて分かってはいたが、とてもVには出来なかった。彼女の顔見て声を聞く度に自分の無力さを思い知らされるからだ。

 

『V、よく聞きなさい。大切な人が亡くなったとき、泣いてはいけないの。泣いていいのはお葬式の時だけ、それで涙を流しきったら今度は泣いた分だけ笑いなさい。あなたが悲しんでばかりだと、ジャッキーも天国に行けないわ』

 

ママ・ウェルズは聖母の如き優しさをVに向ける。本来恨まれてもおかしくない人に背中を押されたVはようやく、心の内側にしまい込んでいた元気を取り出す事が出来た。

 

「ありがとう、本当にありがとう…!ジャッキーのお葬式はいつするんだ?俺も出させてくれ」

 

『そう言ってくれると嬉しいわ、お葬式は明日の3時からよ。絶対に来てちょうだいね』

 

最後に少し微笑むとママ・ウェルズはコールを切る。Vは先ほどまでと同じ部屋なのに、今は少し広くなった様に感じた。

 

『ジャッキー・ウェルズ、お前のチューマにして頼れる兄貴分ってところか』

 

「うわっ、お前そんな感じに出るんだ!」

 

突如出現したジョニーにVは驚き尻もちをつく。自分がジョニーになるとは聞いていたが、まさか姿が見えて話す事まで出来るとは予想外だった。

 

『たく、人をゴキブリみてぇに扱いやがって。そんでお前はこれからどうするんだ?まさか、あのコーポ野郎のとこに行くとか言わねーよな?』

 

「いや、それよりも金を稼ぐべきだ」

 

『ああ?』

 

ジョニーは口をパカっと開けながら唖然としている。このまま放っておいたら、確実な死を迎える人間にしては随分と呑気な発言だと。

 

『何いってんだテメェ?金稼いでどうするつもりだ?』

 

「まず、ヴィクにクロームのツケを返さなくちゃいけないし、ジャッキーの葬式に出るなら香典だって必要じゃないか」

 

Vはどうしてこんな当たり前の事を聞くんだ?と言いたげな顔で答える、ジョニーの顔が少しニヤけた。

 

『おいおい、さっきのタケムラとか言う奴との約束はすっぽかしてもいいってのか?』

 

「約束も何も向こうが勝ってに決めつけて来たんだろ。アイツよりもみんなの方が大事だし、それに」

 

『それに?』

 

ジョニーが早く続きを言えと言わんばかりにまくし立てる。一度息を吸うとVは口を開いた。

 

「アイツなんかムカつく」

 

『ぷっ、ハハハハ!!』

 

Vの返答を聞いたジョニーは、まるで笑い終わったあとに死ぬのかと思うくらい盛大に大きな声を上げ爆笑する。Vは知らないがジョニーにとっては50年ぶりに笑ったのだ。

 

『そうだよなあ、あんないけ好かねぇ男の命令なんか嫁を人質に取られても聞けねぇよなぁ!』

 

「何だよ急に笑いやがって、とにかく俺は好きにするからアンタは口を出すなよ」

 

『オーケー、オーケー、お前が何をするのか、この俺がしっかりと見届けてやる』

 

と意気揚々と言ったジョニーだが数分後には地獄を見た。正確にはジョニーではなく、Vと対峙したギャング達が地獄を見たのだ。

 

 

 

 

「ヒィィィ!なんで銃が効かねぇんだよ!バケモンかコイツは!?」

 

タイガークロウズの名も無いチンピラは涙を流しながら、襲撃者に向かってアサルトライフルを乱射する。しかし、相手はその弾を空中でヒラリと回避し、避け切れない弾丸は所持している刀で弾き、目にも止まらぬスピードで自分へと突撃して来る。

 

この男が装着しているのは、ダブルジャンプが可能になる強化腱と空中での高速移動、通称空中ダッシュが可能になるサイバーウェアだ。1言で説明するとどれも強そうに聞こえるが、実際は扱うのが非常に難しい。

 

何せ強化腱は普段よりも高く跳べるからと、調子に乗ってダブルジャンプをしては高所からの落下による骨折や、後頭部を強く地面に打ち付け死亡。空中ダッシュは言わずもがな、後先考えずダッシュした先が壁だったり、車が突っ込んできたりと強化腱よりも、更に悲惨な死を迎える者が後を絶たない。

 

だから基本的にはこの様なクロームを入れる者は少ないし、仮に入れたとしてもどちらか1つに留めておくのが常識だ。しかしこの男は違う、扱うのが非常に困難なインプラントを2つも入れながらも、壁を巧みに使い一切地面に足をつけぬまま空中を走るかの如くコチラを翻弄する。

 

その姿には一瞬ではあるが、恐怖を忘れ美しさを感じる程であった。

 

「ああ!弾切れた、弾切れちゃった!お母ちゃああん!!」

 

しかし、楽しい時間は長くは続かない。いよいよマガジンの弾も底をつき、ナイフで決死の反撃を試みるがそんな遅いナイフが銃弾を躱す相手に当たるわけがなく、頭のてっぺんから股間までを綺麗に真っ二つにされる。

 

「ふぅ〜コレにてこの辺りのクロウズ共は全滅だな!よし写真送るか」

 

タイガークロウズを壊滅させ、返り血を全身に浴びたVは目のインプラントであるキロシを使い、辺りの凄惨かつ残虐極まりない事件現場の写真を取る。一見すると猟奇的殺人にしか見えない光景たが、これにはキチンと正当な理由がある。

 

Vが今しているのはNCPDスキャナーという、平たく言えば警察からの業務委託である。晩年人手不足かつ、ギャングや企業との癒着が指摘されるNCPDは基本的に職務を全うしない。

 

仮に強盗に襲われたと通報したところで現場に警官がつくのは、運が良くて1時間後だ。それを皮肉ってかナイトシティで流れる銃の広告には、ハンドガンの見た目をしたマスコットが

「NCPDを呼ぶよりも僕を使った方が早く済むよ!」と言う広告が流れていた程である。

 

その後、この広告プロデューサーが何者かに襲われ、昏睡状態となり今も目覚めていないのはナイトシティでは有名な話だ。

 

そういう事もあってかNCPDも一応、仕事には全力で取り組んでいるという事をアピールするため、傭兵たちに業務委託として自分たちの仕事を分担していると市民に説明する。

もっとも、傭兵たちが仕事をしている間彼らがキチンと働いているかには疑問が残るが。

 

Vはこの辺りで麻薬の取引があると聞き、現場に赴けばタイガークロウズとメイルストロームが取引をしていたため、そのまま刀1本で連中に突撃し見事蹴散らした。

 

後は証拠の写真を送れば、それに見合った報酬が自分の口座に振り込まれる様になっている。

 

「うお、8000エディーも入ってきた!アッツいな、ホント」

 

この仕事はだいぶ金になる。何ならNCPDスキャナーを専門にしている傭兵もいるくらいだ、Vは別にこれだけで食っていくつもりはないが今は手っ取り早く金が欲しいため率先して引き受けている。

 

『お前いくら何でもやり過ぎだろ』

 

ジョニーが呆れた顔でVに野次を飛ばす。彼の目線の先にあるのは真っ二つにされたクロウズの死体だ。

 

「何だよ、見てるだけの奴がずいぶん偉そうなこと言うんだな」

 

『そりゃあお前、コレを掃除する奴の気持ちを考えてみろよ。どうせこんな小規模な取引を1つ潰したくれーじゃ、この街の麻薬はちっとも減りやしねぇんだ』

 

実際今回Vが見つけた麻薬は50キロ程度。ナイトシティに流通している違法麻薬の0.1%にも満たない。それどころか、警察は押収した麻薬や武器を闇市で売却しているという噂さえある。もしそれが本当なら、穴の空いたバケツで水をすくっている様なものだ。

 

「でも金が必要なんだ、何であれ俺は稼ぐぞ」

 

『そうかよ、ならご自由にどうぞ』

 

自分のお気持ち表明だけをするとジョニーは消える。言いたいだけ言って、都合が悪くなったら消えるとは便利な能力だとVは思った。

 

「まあ気を取り直して、次行くか」

 

殺戮は日が暮れるまで続いた。

その日ギャング達は思い出した、自分よりも強い相手に襲われる恐怖を。人の命を小遣いとしか見られない屈辱を。

 

 

 

『グッモーニンナイトシティ!昨日の死亡者クイズの結果は 

ななな、なーんと!92人!!しかもその殆どがギャングだって話だ。巷じゃあNCPDが本気でギャング撲滅に乗り出したんだじゃないかって、噂になってるぞ。

そりゃあ平均の3倍以上に死んでるからな!!今日の午後、NCPDの副所長が記者会見をするらしいぜ!こりゃあ見るっきゃねーな!!』

 

『はっ記者会見で何を話すんだ?

「私達はテメェらの税金分キチンと働いています」とでも言うつもりか?バカバカしい』

 




オマケ : 何故来ない

トムズダイナーにて

タケムラ「…………」

ウェイトレス「あのーご注文は?」

タケムラ「…………」

ウェイトレス「ですからあ、ご注文は?」

タケムラ「………ろ」

ウェイトレス「え?」

タケムラ「俺の前から消えろ」

ウェイトレス「は、はひぃ!すいませんでした!!」

タケムラ「………V」

タケムラ「……………なぜ来ない」



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