もしもVの知力が0. 1だったら   作:正拳突き

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ゲームでは戦闘する選択肢がある場合優先して選んでました。


08 クラウド壊滅

「で、何故ダイナーに来なかったんだ…V?」

 

正座をしているVの前でタケムラはドスのきいた声で話す。怒った時に逆に静かになるタイプの男、タケムラは目を細めただVを睨みつけている。

 

彼の怒りも無理はない、結局2時間待ったがダイナーにVは来なかった。その後タケムラは重い腰を上げVの部屋の前まで来たはものの、誰も居らずドアの前でVが帰って来るのを1人で待ち続けるハメになったのだ。

 

タケムラが待っているあいだ、あらかた金を稼いだVはその足でエル • コヨーテまで赴き、一晩そこで泊まったあとそのままジャッキーの葬式に参加した。

 

Vが部屋に帰って来たのは、タケムラと電話をした翌日の午後8時だった。その時のタケムラの顔をVはしばらく忘れないだろう、彼がインプラントを剥奪されていたから良かったものの、もし万全の状態であれば確実にこちらがヤラれていた。

 

「悪かったよタケムラ…ちょっと急用を思い出して」

 

「だったらメールで一言伝えればいいだろう。それとも、その暇さえなかったのか?」

 

「いや、その…ホントごめん」

 

Vは頭を下げて精いっぱいの謝罪をした。普通に怖かった。

何とかタケムラの怒りは静まったものの、安心するとVは無性に夜食が食べたくて仕方がなくなった。

 

「あ〜何かビビったら腹減ってきた…タケムラ、何か冷蔵庫から取って来てくれないか?」

 

「自分で取りに行けばいいだろ」

 

「頼むよ…俺今日はジャッキーの葬式の後も仕事したりして疲れてるんだ…」

 

Vの舐め腐った態度に再び怒りが湧き出きたタケムラだったが、それを必死に抑える。

(俺の目的のためにはこの男の協力が必要不可欠だ、今のうちに恩を売っておくのも悪くない)

 

タケムラは渋々と冷蔵庫まで歩き、扉を開けた。

 

「なんだコレは!?二コーラしか入ってないじゃないか!」

 

冷蔵庫には二コーラのペットボトルが12本入っているだけであり、他にはカビの生えた食べかけのパンが1つだけだ。仮にもアラサカのエリートとして長年勤めてきた彼にとって、これ程酷い冷蔵庫は見た事が無かった。

 

「ああ、そっかそういや全然買い物行ってなかったな〜戸棚にカップ麺があるからソレ作ってくれよ」

 

「クソ、もっとマシな物を食え…」

 

Vの生活力の低さに軽く引いたタケムラだったが、気を取り直し戸棚からカップ麺を取り出しお湯を注ぐ。

(そういえば、俺も腹が減ったな)

 

ダイナーではコーヒー1杯で2時間粘り、Vの家の前では更に一晩待ち続けたタケムラは自分が空腹である事に気付き、戸棚からもう一つカップ麺を取り出すとそれにもお湯を注いだ。

 

「うお!いい匂いしてきたな」

 

3分ほど経ち、ラーメンの匂いに釣られたVが早速フォークで麺をすする。美味い!美味い!と言いながら食べる姿に食欲を刺激されたタケムラも彼と同じくフォークで食べ始めた。

 

「うん、うん、食えなくはないな、しかしこのラーメン…妙に酸っぱい様な気がするのだが」

 

「ソレここに引っ越す前に買ったのだからな、もしかしたら賞味期限が切れてるのかも」

 

突然告げられる恐ろしい言葉にタケムラはカップ麺の容器を確認する、そこには

 

消費期限 2076年という文字があった

 

「オェ!オロロロロロ!!」

 

口の中や飲み込んだ麺を全てトイレに吐き出す。まさか消費期限が去年の物とは思いもよらなかった。

 

「おいタケムラ、食べ物を粗末にするのはよくないぞ」

 

「黙れ!消費期限以内で食べないお前が1番粗末にしてるだろ!!」

 

 

 

タケムラはその後口内を水で洗い、口の中のラーメンを全て出し切ってたらVに何故自分を助けたのかを話し始めた。

 

「サブロウ様を殺したのはヨリノブなんだろう?ヨリノブは毒殺だと言っていたが、そんな情報誰が信じられる」

 

タケムラは元々Vをアラサカタワーに連れて行く気は無かった。Vの口から真実を聞くために一時的に保護しようとしたのだったが、ヨリノブはソレに気付き彼に刺客を送った。その殺し屋を返り討ちにしたはいいものの、自分はサブロウ殺しの犯人を庇ったという濡れ衣を着せられ、会社をクビになりインプラントや金を失った訳だ。

 

「お前…すっごい苦労してるんだな」

 

Vはタケムラの肩をポンと触る。嫌な奴だと思っていたが、まさか本当に自分の命の恩人でもあり、ここまでの苦労人だとは思わなかった。

 

「同情などいい。それよりも、お前にはサブロウ様の死の真実を証言して欲しいんだ」

 

「ああ、任せてくれ!何なら今ここで、ヨリノブがサブロウの首を絞めたって動画を上げてやろうか?」

 

『絶対にそれだけはするなよ、んな事すりゃあすぐにアラサカの殺し屋がここに遊びに来るからな』

 

Vの短絡的な案をジョニーは瞬時に否定する。まだ出会ってから1日程度しか経っていないが、彼は自分が宿っている男がどれだけの低脳かを嫌という程見てきたからだ。

 

「それじゃあ誰も信用してくれない、しかるべき場所で証言する機会を設ける。お前にはそれまでの間、このナイトシティを出ないでくれ」

 

「勿論、俺だって死にたくないからな。でも俺はエブリン• パーカーに賭けてみようと思う」

 

「今回、お前とウェルズに仕事を依頼した女か…」

 

再びタケムラの顔が曇った。大胆にもアラサカからのこそ泥を指示した張本人なのだから、当然と言えば当然だ。

 

「まあいい、俺は俺で勝手にやる。お前も好きにすればいい」

 

そう言うとタケムラは部屋を出て行き、Vとジョニーだけが残った。

 

『そんじゃ、まずはそのパーカーとかいうネェチャンを探す訳だが、当てはあるのか?』

 

「ああ、ジュディっていう娘がエブリンと仲が良かった。彼女に聞けば何か分かるはず」

 

Vは早速エブリンとジュディに初めて会った場所、リジーズ • バーへと向かう。あとついでに勿体ないのでタケムラが残したラーメンも完食した。

 

 

 

「なんの用?エブリンに仕事の責任を押し付けに来たの?」

 

ジュディ•アルヴァレスは突如やって来た傭兵を睨みつける。彼女からしてみれば親友が失踪した直後に、その原因を作った人物がやって来たのだ。警戒するに決まっている。

 

「エブリンに聞きたいんだ、俺たちがアラサカのチップを盗んだとしてソレをどうするつもりだったのかを」

 

Vは頭を深く下げ、ジュディに頼み込む。もし彼女に断られたら打つ手がない以上、彼も誠意を見せお願いをした。

 

「そこまで言うのなら…いいわ、でも1つだけ約束して。もしエブリンの情報があったら私にも知らせるって」

 

「ああ、任せろ!絶対に教えるから!」

 

Vが約束をするとジュディは机の引き出しから、タバコのケースを見せた。そのケースには『クラウド』と書かれた名刺が貼り付けてある。

 

「クラウド?」

 

「エブが昔働いてた…平たく言えば風俗、彼女が逃げれる場所といったらそこくらいしか思い付かない。でもあそこのマネージャーに聞いても彼女は居ないって言うの」

 

そう話すジュディの顔は複雑そうだ。もしかしたらこの店で嫌な事があったのかも知れない。

 

「本当にそこにいるのか?」

 

「さぁね、でもそこで働いてるドールたちに聞けば何か分かるかも」

 

正直望みは薄いが、これ以外に手掛かりなない以上。Vはジュディにお礼を言った後、名刺に書いてある住所までバイクを走らせた。

 

 

目的地に行くとそこにはVが住むアパートよりも更に大きいビルがあった。ジュディによればクラウドまではエレベーターで行くしかないらしい。

 

『いいか、警戒を怠るな。ここへ来るまでにクロウズを2人見た』

 

エレベーターの中で二コーラの広告を見ていたVにジョニーが話しかける。いつも不機嫌そうな顔は更にしかめっ面になっていた。

 

「大丈夫だって、何かあれば全員ボコってやるよ」

 

『それしか解決方法が無いのかよ。たく、俺は忠告したからな』

 

「そんなに俺が不安か?」

 

『お前は加減ってものをしらないからな』

 

ジョニーの不安は見事的中した。

 

 

 

 

「おい!早く増援を送ってくれ!!店の中でサイバーサイコが暴れてんだよ、このままじゃ全員殺されちまう!」

 

クラウドのマネージャー ウッドマンは、通話相手に怒鳴りつける。分かっているだけでも既に5人が殺されている、初めは受け付けに変な客がいると連絡があり、直ぐに警備を2人向かわせた。

 

なんて事はない、この業界ではトラブルなんて日常茶飯事だしそれに対処するマニュアルもある。揉め事を嫌う彼はいつも通りの仕事をしたのだが、今回は上手くは行かなかった。

 

突然銃声が聞こえたかと思えば、今度は女性の悲鳴が響き渡り何事かと監視カメラを見れば、刀を持った男が警備に当てていたクロウズに斬り掛かっているのだ。

 

彼もこの店に勤めてそこそこ経つが、こんな事は過去一度も無かった。何せ公にはしていないがクラウドのバックにはタイガークロウズがいるのは周知の事実であり、そんな店に強盗をするバカはいない。

 

では強盗でなければなにか、そんなの決まっている。サイバーサイコしかない。恐らく新しいチンプラントを入れた変態がよりにも寄って、この場で発症したのだ。

 

『ウッドマンさんよお、サイバーサイコが相手ともなりゃあウチも精鋭を出さなくちゃいけない。俺が言いたい意味分かるよな』

 

(クソっ金が欲しいなら勿体ぶらずに言えばいいものを…というか、今ここを警備してる連中だってとびっきり優秀な連中だって言ってたじゃないか…!!)

 

心の中で悪態をつくウッドマンだか、もはや自分には選択肢は1つしかなく渋々だか受け入れるしかなかった。

 

『毎度あり、あと5分もすりゃあサイコはスクラップ。明日には営業を再開できるさ♪』

 

満足した様子で相手は通話を切る、正直腸が煮えくり返りそうな思いだ。それでもふー、ふー、と深呼吸をし息を整える。

 

(落ち着け…あと5分であのクズは終いだ。コトが終ったらまたあのオモチャで遊べばいい)

 

ウッドマンは最近手に入ったオモチャの事を考えながら、銃を手に取る。もう5人殺られたがそれでもまだ警備はいる。流石に5分くらいなら持ちこたえられるだろうと。

 

「よお、アンタがここのマネージャーだな」

 

いきなり事務所のドアを蹴り飛ばし、右手に刀を持った男が入ってくる。カメラで見た風貌とそして血で真っ赤になった刀、あのサイバーサイコだ。

 

「エブリンって女ここにいるんだろ?教えるまで帰らないからな」

 

「黙れ!死にやがれ!!」

 

ウッドマンは唯一持っていたピストル、ヌエで男を撃つだが相手は跳んでくる弾を全て刀で受け止めたあと、そのままこちらへ弾き返して来た。

 

跳ね返って来た弾丸のうち1発がウッドマンの腹に命中する。

 

「ぐあ……!」

 

余りの痛みに思わず銃を手放してしまう。昔から裏方で事務作業をしている彼にとってこの手の痛みは耐えられるものではない。

 

抵抗する手段を失った彼の首に、刀身の先端がチクっと突き当たる。もう1センチでも押し立てれば動脈が切れ傷口から大量の血液が流れるだろう。

 

ドクン、ドクンと心臓が痛いくらいに鼓動するのが聞こえる。

 

「落ち着けよ、俺は話をしに来たんだ。エブリン • パーカーはどこだ?」

 

男は猛禽類の様な冷酷な目で問いかけた。

 




オマケ : 俺の方が…

ジョニー「お前の凶暴さには呆れを通り越して敬意すら感じるぜ」

V「ありがとなジョニー!」

ジョニー「バカには皮肉も通じねぇのか?」

V「でもよく考えると俺たちって結構似てるのかもな、お前だってアラサカタワーを核で吹っ飛ばしただろ」

ジョニー「一緒にするんじゃねえ、お前には信念もなきゃ大義もねえ。何より俺みたいに立派なイチモツもな」

V「イチモツなら俺だって」 スチャ ボロン

ジョニー「やめろ!汚いもん見せるな!」

通行人「いやああ!もしもしマックスタック!?通りで独り言を喋りながら陰部を露出する変態がいます!!」
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