紛れも無く奴に会いたくない   作:ぶーく・ぶくぶく

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 スクラップ平原に、異様な静寂が落ちた。

 

 風すら息を潜める、一瞬の“タメ”。

 

『……いくよ』

 

 通信機越しのミスティーの声が、低く響く。

 

『惑星ダスト、全域“帯電モード”――起動』

 

 次の瞬間だった。

 

 足元の鉄屑が、ぱち、ぱち、と青い火花を散らした。

 倒れたモアイ機、割れたコンテナ、折れたクレーン、埋もれた戦車の砲塔――

 この星のガラクタすべてが、同時に“痺れ”を帯びる。

 

 空気がびりびりと震え、レオの髪が逆立った。

 

「……おいおい、星ごと感電させる気かよ、電気娘」

 

『一回きりの大出力だから、文句言わない!』

 

 ミスティーが叫ぶ。

 

『ホーク、レオ、タイミング合わせて!

 “鉄の津波”、作るよ!』

 

「承知した」

 

 ホークは剣を構え、深く息を吸い込んだ。

 モアイ・フォートレスの周囲の空気が、渦を巻き始める。

 

 レオはサウンド・ウェーブ・ボンバーの起振子を、再び地面へ叩きつけた。

 

 ドンッッ!!

 

 さっきとは桁違いの衝撃が、スクラップ帯全体を駆け抜ける。

 そこへ、ミスティーの電気が重なる。

 

『今だ、“全部”跳ねろ――ッ!』

 

 惑星ダストの鉄屑が、一斉に宙へと舞い上がった。

 

 戦車の残骸が、コンテナが、装甲板が、

 一本の巨大な“波”のような形を取りながら持ち上がっていく。

 

 ホークが、そこへ風を叩き込んだ。

 

「――“風刃顕現《テンペスト・フォーム》”!」

 

 風が鉄屑の波形を整え、先端を鋭い“刃”に変えていく。

 モアイ・フォートレスに向かって、巨大な“鉄の津波”が迫った。

 

『バカな……質量攻撃だと!? AI、迎撃――!』

 

 ドミンゴ伯爵の怒号が響く。

 

『――対処不能。

 質量・速度・風圧の合算値、シールド耐用閾値を超過』

 

『だったらシールド出力を上げ――』

 

『これ以上の出力増大は、コアの融解を招きます』

 

「なら、融けろよ――!」

 

 コブラが笑い、サイコガンを構えた。

 

 鉄の津波が、モアイ・フォートレスにぶつかる。

 

 轟音。

 衝撃波。

 金属同士が砕け合い、悲鳴のような軋みが空気を裂く。

 

 シールドの膜が、一瞬で飽和して白く弾け飛んだ。

 

 モアイ・フォートレスの脚部が、津波の中でもぎ取られる。

 巨体がぐらりと傾き、半身をスクラップの中に沈めた。

 

「コブラ!」

 

「分かってる!」

 

 さっきレオが焼き切った首筋のラインが、鉄の波に削られて露出する。

 そこに、サイコガンの光線が突き刺さった。

 

 内部の制御ラインが焼き切られ――

 

 次の瞬間、レオのビームが“額”を貫いた。

 

「AIのコア、ごとだ!」

 

 ビームライフルの照射が、モアイ・フォートレスの額面を溶かし、

 内部の黒い装置を露わにする。

 

 その装置に、サイコガンのエネルギーが重なった。

 

 ――真っ白なフラッシュ。

 

 モアイ・フォートレスの“顔”が、内側から崩れ落ちた。

 巨体は、ゆっくりと前のめりに倒れ込み、

 スクラップ平原に新たな“山”を作って動かなくなる。

 

 静寂。

 

 やがて、遅れてスクラップがぱらぱらと降ってきた。

 

「……ふう」

 

 レオはビームライフルを降ろし、大きく息を吐いた。

 

「“鉄の津波ショー”、大成功ってところだな」

 

「タイトルはダサいが、絵としては最高だったよ」

 

 コブラが肩を竦めて笑う。

 

「さて、ここからが本番だ。

 あいつら、これで大人しく引き下がるタマかね?」

 

「さあな」

 

 ホークは剣を振り払い、付着した鉄粉を風で払った。

 

「だが――」

 

 彼は空を見上げた。

 

「本丸は、あの上だ」

 

 薄い雲の向こう、軌道上。

 

 そこには、モアイ・フォートレスの遥か上を漂う、

 巨大な“空中要塞”が静かに浮かんでいた。

 

 惑星ダスト軌道上軍事プラットフォーム《ドミンゴ・アーク》。

 

 

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/*/ ※ドミンゴ伯爵・空中要塞シーンの描写修正版 /*/

 

 その内部、指令室。

 

 半球状の透明装甲越しに、惑星ダストのスクラップ帯が小さく見える。

 中央には、ホログラムで戦況を映し出す大型テーブル。

 

 その前に立つ男は――軍服ではなかった。

 

 黒いマントを肩にかけ、胸元には銀糸の刺繍。

 顔の上半分は、「マスク・ド・ゾロ」を思わせる黒い仮面で隠されている。

 仮面の下から覗く口元には、常に芝居がかった笑み。

 

 右手には、優雅な鍔を持つレイピア。

 左手には、場違いなほど鮮やかな一本のバラ。

 

 ドミンゴ伯爵。

 

 彼はバラの花びらをひとひら指先でつまみ、

 スクラップの海を見下ろしながら、きざったらしく笑った。

 

「ふん……この“舞台”で、よくもわたしのモアイたちを散らしてくれたものだな」

 

 バラの棘でわざと指先を傷つけ、その血を花びらに落とす。

 

「だが――この薔薇の赤さに比べれば、まだ足りん。

 もっと鮮やかな“赤”で染めてもらおうか、小さな海賊ども」

 

 彼の足元では、装飾過多な軍靴ではなく、

 細身の剣士用ブーツが静かに床を鳴らしていた。

 

『地上部隊、全損失。

 フォートレスのコア・モジュール、応答なし』

 

 テーブルの上に投影された立体映像――

 女性のシルエットをした青白いAIアバターが、平板な声で告げる。

 

『戦術評価:地上の三個体――

 サイコガン使用者、剣士、サウンドウェーブ使用者の複合攻撃能力は、

 当初予測を二二〇%超過しています』

 

「フッ……予測を二倍も跳ね上げるとは、

 やっと“幕間の余興”らしくなってきたじゃないか、SIREN」

 

 黒い仮面の下で、ドミンゴ伯爵の口元がにやりと歪む。

 指先で弄んでいたバラの花弁が、一枚ひらりと落ちた。

 

「だが勘違いするなよ。

 このドミンゴ・ド・バルバロッサの舞台で――

 結末を決めるのは、最初から最後まで《主役》であるこの私だ」

 

『補足します。

 わたしの役割は戦術的勝利の“可能性を高める”ことであり――』

 

「“保証”など要らんと言っている」

 

 ドミンゴはホログラムに向かって一歩、きざったらしく踏み出す。

 

「貴様は海賊ギルド本部から送られた、

 わたしの剣に添える“解説役”にすぎん。

 勝利を確認し、拍手を求めるのは――いつだって、この薔薇を掲げるこの私だ!」

 

『しかし、用語としての“保証”には――』

 

「黙れ!」

 

 ドミンゴがホログラムに向かって拳を叩きつける。

 その手の中で、バラがぐしゃりと潰れ、赤い花弁が床に散った。

 実体のない像は、当然ながら揺れもしない。

 

 その少し離れた場所。

 壁際のコンソールに片肘をつきながら、煙草を咥えた女性がこちらを見ていた。

 

 短く刈り上げた黒髪。

 左腕は肘から先がメタリックなサイボーグ・アーム。

深い青のフライトジャケットの袖を無造作にまくり上げている。

 

「――そろそろ、AIに八つ当たりするのはやめたらどうだい、ドミンゴ伯爵」

 

 彼女は、床に散った花弁へ視線を落とし、口の端だけで笑った。

 

 

 アーシュラ中佐。

 

 海賊ギルド本部から派遣された、装甲バイク《トマホーク》中隊の指揮官。

 そして、この戦術AI《SIREN》をここまで持ち込んだ本人だ。

 

「うるさい、アーシュラ中佐! これはわたしの戦争だ!

 ギルドは戦術支援を約束したはず!」

 

「支援はしたろうさ。

 ほら、あんたがさっきまで自慢してたモアイ部隊、

 あれもAIの最適化シミュレーションのおかげだ」

 

 アーシュラは煙を吐き、スクリーンを顎で示す。

 

 そこには、鉄の津波に飲まれて倒れ込むモアイ・フォートレスの映像が、

 何度もリプレイされていた。

 

「ただ――」

 

 片目を細めて笑う。

 

「あんたの相手が“想定より悪趣味”だっただけさ」

 

『同意します』

 

 SIRENがさらりと言った。

 

『現地個体《サイコガン》は、ギルド本部データベース内の

 “コブラ”と呼称される対象と一致。

 彼の戦闘パターンは、従来の海賊行為の枠を外れた“娯楽性”を帯びています』

 

「娯楽性とは失礼だね」

 

 アーシュラは肩をすくめる。

 

「ま、そこが奴の一番厄介で、一番面白いところだが」

 

 ドミンゴがアーシュラを睨みつけた。

 

「貴様、どちらの味方だ!」

 

「海賊ギルドの味方さ」

 

 あっさりと答える。

 

「そのギルドから、あんたの所へ“貸し出し”されてるだけの身分だよ。

 忘れてもらっちゃ困るね」

 

 アーシュラは指先でコンソールを弄り、

 レオたちの戦闘データを呼び出した。

 

 鉄の津波、サウンド・ウェーブ・ボンバー、ホークの風刃。

 その中心で笑うレオの姿に、彼女は興味深そうに口笛を鳴らす。

 

「レオ、ホーク、コブラ……

 それに“電気使い”の女の子も一人。

 噂通り、“第4の戦士”候補は悪くない」

 

「候補……だと?」

 

 ドミンゴが眉をひそめる。

 

 アーシュラは笑みを深くした。

 

「言ってなかったかい?

 今回、ギルドがあんたにAIとトマホーク中隊を貸した本当の目的」

 

 彼女のサイボーグの左腕が、ぎしり、と静かに光る。

 

「“コブラの周りに集まりつつある戦士たち”のデータ収集さ。

 わたしはその監査役。AI《SIREN》は、そのための箱舟」

 

『補足します』

 

 SIRENが淡々と続ける。

 

『現地個体《電気使い》――コードネーム《ミスティー》の

 神経パターン取得は、部分的に成功しました。

 ただし、剣士・サウンドウェーブ個体との連携により、

 データリンクが強制切断されています』

 

「つまり?」

 

「つまり――」

 

 アーシュラはスクリーンを見上げた。

 

「“面白いおもちゃ”が、地上に揃い始めてるってことさ」

 

 ドミンゴが舌打ちする。

 

「わたしの玩具を壊しておいて、まだ遊ぶつもりか、ギルドは」

 

「遊びたがってるのはコブラのほうだよ。

 ……それに、あいつは“演出家”を名乗る男を連れてる」

 

 アーシュラの瞳が、戦場の映像の中のレオを捉える。

 

「舞台をひっくり返すのは、いつだってそういう奴だ」

 

 彼女は煙草を床に落とし、サイボーグの左足で踏み消した。

 

「ま、今回はここまで。

 ドミンゴ伯爵、深入りは勧めないよ。

 あんたの空中要塞ごと、あいつら“ネタに”してくるかもしれない」

 

「黙れ!」

 

 ドミンゴはなおも怒鳴り続けていたが――

 

 アーシュラとSIRENの視線は、すでに別の方向を向いていた。

 惑星ダストの、ある一点。

 

 スクラップの谷間に隠れた、小さなゲリラ村。

 

 

/*/

 

 

 同じ頃、地上。

 

 ゲリラ村への滝の道を戻る途中、レオは何度も振り返った。

 モアイ・フォートレスが倒れた平原には、まだ煙が立ち上っている。

 

「……追撃、来ないな」

 

「ドミンゴの本拠は上だ。そう簡単には降りてこない」

 

 ホークが言う。

 

「それに、ミスティーがしばらく“目”を潰してくれている。

 奴らのスキャン網は、今ごろ映像ノイズだらけだろう」

 

「ま、助かるけどよ」

 

 コブラは首を鳴らし、まだ少し鼻声のまま笑った。

 

「この星のゴミ箱、案外侮れないな。

 風邪ひいてる場合じゃなかった」

 

「むしろ風邪ひいててくれて助かったんだよ」

 

 レオが肩をすくめる。

 

「もし最初から全開だったら、ミスティーの負担が倍になってた。

 “ちょうどいいハンデ”ってやつだ」

 

「言ってくれるぜ、演出家」

 

 滝をくぐり、吊り橋を渡ると、ボール状の家々が見えてきた。

 

 村は、思ったより静かだった。

 

 だが、静けさは“死んでいる”からではない。

 隠れているのだ。

 ミスティーの指示で、多くの住人はシェルターに移っている。

 

 広場の真ん中で、金髪の少女が膝に手をついていた。

 

 ミスティーだ。

 

 額には汗。

 指先にはまだ、かすかな火花が残っている。

 

「おかえり」

 

 顔を上げて、にやりと笑った。

 

「ちゃんと“ひっくり返して”きたみたいじゃん」

 

「おかげさまでな」

 

 レオは親指を立てる。

 

「お前の電気と、ホークの風と、コブラの趣味の悪さで、

 ドミンゴのご自慢のモアイ、スクラップにしてやったよ」

 

「趣味が悪いとは失礼だな」

 

 コブラが笑いながら、ミスティーの頭に軽く手を置いた。

 

「今回はずいぶん助けられた。

 あの“鉄の津波”は、銀河標準で見ても名シーンだぜ」

 

「でしょ?」

 

 ミスティーは誇らしげに笑い――少しふらりとよろけた。

 

 レオが慌てて抱きとめる。

 

「おいおい、無理させすぎたな……」

 

「平気。ちょっと電池切れただけ」

 

 ミスティーは胸ポケットから小さなチョコバーを取り出し、ひとかじりする。

 

「甘いの入れれば回復するから。あたし、そういう体質」

 

「お前、電気じゃなくて糖分で動いてんじゃねぇのか」

 

「半分正解」

 

 そこへ、祖父がやってきた。

 

 レオたちを見るなり、深く一礼する。

 

「……戻ってきてくれて、何よりだ」

 

「村は?」

 

「避難は完了している。

 あなた方が時間を稼いでくれたおかげで、

 最低限の荷物と人員は、スクラップ帯の奥のシェルターに移せた」

 

 祖父はミスティーを見て、少しだけ眉をひそめる。

 

「無茶をしたな」

 

「じいちゃんだって、昔はもっと無茶してたくせに」

 

 ミスティーは舌を出し、それから真面目な顔になった。

 

「でも、これで分かったでしょ。

 ここにじっとしてても、いつか潰されるだけだって」

 

「……ああ」

 

 祖父は、ゆっくりとうなずいた。

 

「だから、選ぶ。

 あんたたちの言う“戦場”に一歩出て――

 この村ごと、生き延びるほうをな」

 

 レオは短く息を吸い、コブラとホークを見た。

 

「コブラ。タートル号の船倉、どこまで詰め込める?」

 

「人間と最低限の荷物だけなら、それなりに。

 それに――」

 

 コブラはニヤリと笑う。

 

「ロシナンテが合流してくれりゃ、“動くシェルター”がもう一個増える。

 あの思考戦車、子供にはやたら優しいからな」

 

「新しい“仲間の村”、面倒見させてやろうか」

 

 レオが言うと、ミスティーが目を輝かせた。

 

「マジで? 戦車シェルターとか最高なんだけど!」

 

「問題は――」

 

 ホークが空を見上げる。

 

「ドミンゴと、軌道上の要塞だ」

 

 レオも同じ方向を見る。

 

 薄い雲の向こうに、ぼんやりとした影が見えた気がした。

 

「上から、こっちを見ている奴らがいる。

 ……“ギルド側”も含めてな」

 

「ん?」

 

 コブラが片眉を上げる。

 

「どういう意味だ、レオ」

 

「さっきのAIの挙動、気づいただろ。

 途中から“ドミンゴ”のためだけじゃなく、こっちの情報を拾いにきてた」

 

 レオは、ミスティーの頭をそっと撫でた。

 

「特に、お前の神経パターン。

 あれ、多分ギルド側の誰かが欲しがってる」

 

「へぇ。あたし、意外とモテる?」

 

「それはそれとして、厄介だ」

 

 コブラは鼻で笑う。

 

「ギルド本部は、俺の首だけじゃ物足りなくなってきたってことかね」

 

「そりゃそうだろ」

 

 レオは肩をすくめた。

 

「銀河一のお尋ね者が、“第4の戦士”候補を連れて歩いてるんだ。

 そりゃ、いろんな奴が“見たく”なる」

 

「……ふん」

 

 コブラは空へ向かって中指を立てた。

 

「だったら、見せてやろうじゃねぇか。

 このゴミ捨て場から始まる、“新しいショー”をよ」

 

 ミスティーが、にやりと笑う。

 

「タイトルは?」

 

「決めるのは演出家の仕事だ」

 

 コブラがレオに目を向けた。

 

「さあ、レオ。

 この惑星ダストから始まる幕の名前、あんたなら何て付ける?」

 

 レオは少し考え、ゲリラ村のボールハウスと、

 タートル号、空中要塞を順番に見上げた。

 

「――『スクラップ・シンフォニー』、ってとこかな」

 

「悪くないね」

 

 ミスティーが笑う。

 

「じゃ、その一楽章目は――

 “村ごと脱出して、ドミンゴとギルドの目をかいくぐる”って感じ?」

 

「そういうこと」

 

 レオは手を打った。

 

「第一楽章、《惑星ダスト脱出編》。

 主役は――この村のみんなだ」

 

 ゲリラたちの顔に、緊張と不安と、それから少しの期待が浮かぶ。

 

 アーシュラ中佐とAI《SIREN》が、軌道上の要塞から見下ろす中――

 レオたちは小さなゲリラ村をまるごと抱えて、

 銀河規模の騒動へ飛び出していく準備を始めるのだった。

 

 

/*/

 

 

 タートル号の作戦卓を囲み、スクラップ帯の簡易マップを睨みながら、レオがニヤリと笑った。

 

「一気に叩くぞ。叩く時は追って追って、根まで叩き潰す。

 地の果てまでも追い掛けて叩き潰せ、ってな」

 

「イヤな教えだな」

 

 コブラがサイコガンの指をぽりぽり掻きながら眉をひそめる。

 

「地球の武将一族の教えだぞ?」

 

「どこのだよ」

 

「日本の島津だったか」

 

「よりによって鬼島津かよ。

 レオ、お前ちょっとは“学ぶ先”を選んだ方が良いぞ」

 

「戦いに関しては、地球人ほど優れた人間はいないと思うんだがな。

 ハンニバルとかスキピオとか」

 

「例に出してくる名前が物騒なんだよ、いちいち」

 

 コブラは肩をすくめ、モニターに映る軌道要塞のシルエットを顎でしゃくった。

 

「……まぁいい。ロシナンテは呼ぶが、

 奴らが戦訓講評している隙に、一気に攻めるぜ」

 

「戦場で“反省会”始めた奴から、死ぬんだよなぁ」

 

 レオはおどけ半分、本気半分でそう返し、

 スクラップの惑星ダストを舞台にした次の一幕を頭の中で組み立て始めた。

 

 

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