4月中旬、雄英に入学してからあっという間に半月が過ぎた。
「……オールマイト出勤がてら5件の事件を解決」
流石は平和の象徴と呼ばれる人物だと感心していると教室の扉が開き相澤が入ってくる。
「早速で悪い、今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトそしてもう一人の3人体制で見ることになった」
「はーい何するんですか?」
「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ」
「レスキュー……今回も大変そうだな」
「これこそヒーローの本文だぜ!鳴るぜ!!腕が!!」
「水難なら私の独壇場ね」
「おい、まだ途中」
相澤が髪を逆立たせ威圧すると、一瞬で静かになるクラス。入学してから何度か見る光景だが、クラスの皆が順応してきたのか静かになる時間が短くなっている。
「今回、戦闘服の着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定する戦闘服もあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく、以上準備開始」
「鳳は戦闘服着るんだな」
更衣室にて瀬呂に話しかけられる。
「当たり前だろう」
「装飾品邪魔じゃない?」
「王である俺様がこの程度で動きが阻害されるわけないだろう」
「皆、先生方を待たせないよう早く準備したまえ!」
「おめーだけだよ」
飯田は自分以外の男子が戦闘服に着替えている中で、急ぐようにと声をかける。委員長になってから空回りする所をよく見るが、浮かれているのだろうか。
「緑谷は、体操服なのだな」
「私も気になってた。戦闘服はどうしたの?」
「戦闘訓練でボロボロになっちゃったから……」
更衣室を出てバスに向かう途中で緑谷の格好について気になったため話しかける。
「修復をサポート会社がしてくれるらしくてね、それ待ちなんだ」
「なるほどな」
「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に2列で並ぼう」
「……張り切っておるな」
「うん……フルスロットルだ」
更衣室から出てきた飯田が、皆を整列させるがまた空回ってしまう。
バスは前半分が横に長いベンチのような座席で、後ろ半分が2席ずつ並んでいた。
「こういうタイプだったかくそう!!!」
「イミなかったなー」
落ち込む飯田に芦戸が追い討ちをかける横で蛙吹が緑谷の個性について話していた。
「私思ったことをなんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん、あなたの【個性】オールマイトに似てる」
「ッ!!!?」
それに対して緑谷は上手く答えられず狼狽えていた。憧れの人物と似た【個性】を持って、嬉しさと否定したい気持ちで言葉が出ないのだろう。
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねぇぞ。似て非なるあれだぜ。しかし、増強型のシンプルな【個性】はいいな!派手で出来ることが多い!」
動揺した緑谷に代わり切島が助け舟を出し、皆の【個性】について話題が変わる。
「俺の【硬化】は対人じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよなー」
「僕は凄くかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する【個性】だよ」
「プロなー!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ!?」
「僕の【ネビルレーザー】は派手さも強さもプロ並み」
「でもお腹壊しちゃうのはヨクナイね!」
切島は自身の【個性】に思うとこがあり、派手な【個性】を羨ましがっていた。青山が自身の【個性】を自慢すると芦戸が痛いところを突き撃墜した。
「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪、あと鳳だよな!」
「鳳くんの【個性】ってなんでもできるよね」
「流石の俺様でも無理なものは無理だ。出来ることが多いだけで特別凄いわけではない」
「この感じで嫌味に聞こえないの流石だよ。プロになったらすぐに人気になりそうだよなー」
「爆豪ちゃんはキレてばかりだから人気でなさそう」
「んだとコラ出すわ!!」
「ホラ」
図星をつかれた爆豪がブチギレるが、皆怖がることもなくいじっている。
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」
「低俗な会話ですこと!」
「でもこういうの好きだ私」
爆豪をいじる上鳴を、お嬢様な八百万が少し引き学生らしい会話だからか麗日が肯定する。そして調子に乗った峰田がえげつない下ネタを口にして、女子に制裁を与えられていた。
「もう着くぞ。いい加減にしとけよ……」
「「「「「ハイ!!」」」」」
バスを降りて巨大なドームの中に入ると、様々な災害に対応できるように造られた演習場。
この施設をつくったのは宇宙飛行士のような戦闘服が特徴の13号だ。
「
その名前は色々と不味くないか。色んな意味で危ない演習場の辺りを見渡すが、オールマイトの姿がどこにも見当たらない。
「それでは授業を始める前にお小言を1つ2つ……4つ」
「「「「「「増える」」」」」」
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の【個性】はブラックホール。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その【個性】でどんな災害からでも、人を救ったんですよね」
「えぇ……しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもこういう【個性】を持った方がいるでしょう。超人社会は【個性】の使用を資格制にし厳しく規制することで、一見成り立っているようには見えます」
「しかし一歩間違えれば容易に人を殺せるいきすぎた【個性】を個々が持っていることを忘れないでください。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では心機一転!人命のために【個性】をどう活用するかを学んでいきましょう」
「君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、救けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな」
13号はご清聴ありがとうございますとお辞儀をし、クラスメイトは素晴らしいお言葉に拍手する。その後、13号が授業の流れを説明する時だった。
中央の広場から黒いモヤが現れ次第に大きくなる。大きくなるモヤから、全身に人の手を纏った男が出てくる。
「一かたまりになって動くな!!」
相澤が叫ぶと同時にモヤから脳をむき出しにした大男を筆頭に多数の人が現れる。全員が獲物を狙う獣のようにこちらに視線を向ける。
「なんだありゃ!?また入試ん時みたいにもう始まってるパターンか?」
「動くな!!敵だ!!」
まだ状況を理解できていないクラスメイトに相澤は何が起きたかを端的に報せる。
「13号にイレイザーヘッド……先日頂いたカリキュラムではオールマイトがいるはずなのですが」
「なんだよ……オールマイトいないのかよ」
主犯格と思われる敵の発言で、この前の一件が此奴らの仕業だったことが判明した。
「
この日、俺様たちはプロが相手にする敵というものを理解する。
劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。
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どちらでもいいよ