人命救助訓練のために、校舎から離れた演習場に来た俺様たちを待ち受けていたのは、突如現れた謎の敵集団だった。
「敵ッ!?バカだろ!?ヒーローの学校に乗り込んでくるなんてアホすぎるぞ!!」
「先生侵入者用のセンサーは!」
「もちろんありますが」
「校舎の方にも侵入しているかわからんが……センサーが反応してないな。彼奴らの中にそういう【個性】がいるのだろうな」
状況を理解し始めパニックになるクラスメイトがいる中、俺様は逆に冷静になっていた。
「校舎から離れた隔離空間、そこに俺様たちが入る時間を知っている。確かに馬鹿ではあるが阿呆ではない。用意周到に計画された奇襲だな」
「13号避難開始!学校に連絡試せ!上鳴お前も【個性】で連絡を試せ!」
相澤は的確に指示を出し、臨戦態勢をとる。
「先生は一人で戦うんですか!?」
「あの数じゃいくら【個性】を消せても!!先生の戦闘スタイルは敵の【個性】を消してからの捕ッ「静まれ!」ッ……」
「誰が聞いてるかわからん中で味方の手の内をベラベラと話すな」
相澤を案じる緑谷だったが、パニックから余計なことまで言いかけたので口を塞ぐ。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号!任せたぞ」
広場に繋がる階段を飛び降り相澤は敵の集団に突入する。着地狩りを狙った遠距離持ちの敵が、一斉に攻撃を仕掛ける。しかし、その攻撃は不発に終わる。
既に相澤が
【個性】が発動せず隙ができた敵に相澤の捕縛布が巻きつき、慣れた動きで敵同士の頭をぶつけ戦闘不能にする。
続けて異形型の【個性】持ちが攻撃を仕掛けるが、特に苦戦することもなく次々に倒していく。
「すごい……!多対一こそ先生の得意分野だったんだ!」
「状況を考えろ!分析してる場合か!」
性分なのかプロヒーローの戦いを分析する緑谷の手を掴み13号が先導する列に強引に引き入れる。
「させませんよッ「王の道を遮るな!!」ぐはッ!?」
広場の戦闘で相澤が戦っている一瞬間に消えていた黒いモヤ、仕掛けてくるなら今だと予測し、事前に羽を用意していて正解だった。
「モヤで隠しているつもりだろうが、王の目は誤魔化せん!13号!」
【個性】により強化された視覚はモヤの中にある本体を正確に見抜く。羽により隙ができたので13号にあとを任せる。
「お任せ下さい!捕物には一家言あるんです!」
13号の戦闘服の指先が開き、とてつもない吸引力がモヤの敵を襲う。
「当初の予定から外れましたが問題はありません」
俺様たちの背後から声が聞こえる。
「まさか私が攻撃を受けるとは、流石は雄英……優秀な金の卵。ですから……散らして嬲り殺す」
腕を翼に変え羽を飛ばすが、遅かった。モヤは大きくなり俺様たちを呑み込んだ。
「ハハハッ!ガキ共がきたぜ!」
「女はいるか!」
「お前はそればっかりだな!」
「どっちでもいいから壊したくてしかたねぇ!」
モヤが晴れ周りを見ると、燃え盛る建物の中に俺様はいた。敵が俺様を囲んでいるが、お世辞にも強いとは言えない。獲物を前に舌なめずりし、隙だらけな此奴らは数だけの雑魚でしかない。
「女は?」
「残念、いねぇみたいだ」
「このガキ殺したら、他の奴らと合流すればいいだろ!まぁその頃には
下品に笑う雑魚を前に俺様は冷静に
「なるほどな……なんとも杜撰な策だな!
両手脚を変化させ、羽による遠距離攻撃で周りの敵の顎を穿ち意識を飛ばす。異形型は羽では決め手に欠けるので接近し、強化した蹴りで倒す。
僅か数秒でほぼ全ての敵を戦闘不能にした俺様は、わざと残した敵に近づく。
「ひっ!?や、やめてくれ」
「王の力を思い知ったか?貴様の知っている情報を全て話せ」
「わかった!なんでも話す!だから命だけは」
「誰が余計なことを喋ってよいと言った?聞かれたことだけ話せ。奴らはオールマイトを殺すと言ったその策はなんだ」
「ひ、広場にいた黒い大男だよ!死柄木さんが言うには切り札だって、これ以上は知らない!ほんとだ!」
腰を抜かし、ベラベラと喋る敵をよそに俺様はここを出た後を考える。
「お、鳳!大丈夫か!?」
「お前もいたのか……丁度いい、着いてこい」
「え?あぁ……わかった」
「ちょっと待ってくれ!?俺も助けてくれ!」
尾白を連れこの建物から出ようとするが、先程の敵が話しかけてくる。俺様は奴に近づき顎を蹴る、意識を失った敵を後にする。
「容赦ないな」
「当たり前だろう。王に刃を向けたのだ、万死に値する」
「話は変わるが、尾白……貴様は壁に沿って入口の方に向かえ。途中で皆と合流できるなら固まって行動しろ。いいな」
「鳳はどうするんだ?」
「ここから飛び広場に向かう」
「無茶だ!」
「……あの黒い大男、敵の話では対オールマイト戦の切り札らしい。相澤だけでは不安なのでな」
「駄目だ!それなら俺もッ「俺様は王になる男。ヒーローすら俺様の民だ。民を守るのが王の務めだ」……行くんだな」
尾白は俺様の意思が変わらないことを悟ったのか、掴んでいた戦闘服を離し弱々しくこちらを見る。
「約束してくれ……死ぬな」
「当たり前だ!」
翼に変化した腕を羽ばたかせ天井付近まで飛び上がる。広場に目を向けると、相澤が大男に組み伏せられていた。
「……愚か者が」
“火鳥・射紅流”
全身を変化させ一気に急降下し、大男に向かって全力で突撃する。
「あ、相澤先生」
水難ゾーンの敵たちを撃破した僕たちは、助けを呼ぶために出口に向かっていた。
そんな僕たちが見た光景は、先程の戦いでついた自信をへし折るものだった。
「み、緑谷……駄目だ」
大男に組み伏せられた相澤が、一方的に痛めつけられていた。
「黒霧……13号はやったのか?」
「……行動不能にはできたものの、生徒の一人に逃げられました」
「は?」
「黒霧……お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしてたよ。何十人ものプロヒーロー相手じゃかなわない……ゲームオーバーだ」
ストレスからか首や頭を掻きむしる手だらけの男が、まるでゲームをするかのように話し始める。
「……帰ろっか」
「……!?」
「今、帰るって言ったのか?」
「そう…聞こえたわ」
「俺たち助かるんだ!」
「……その前に、平和の象徴としての矜恃を少しでもへし折っておこう」
気づかれてた。僕たちに近づく手だらけの男が手のひらをこちらに向ける。こいつの【個性】は触れたものを壊す。蛙吹さんに触れるのを阻止するため僕は無我夢中で拳を放つ。
「SMASH」
腕が壊れていない……でも。
「危なかった……SMASHってオールマイトのフォロワーかなんかか?」
僕の拳は大男が壁になって防がれてしまった。再び蛙吹さんを、壊そうとする男を大男ごとなにかが吹き飛ばした。
「俺様が来た」
翼を広げ、圧倒的なオーラを放つ鳳くんがいた。
「敵共よ。王の庭を荒らしたのだ……覚悟は出来ているな」
劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。
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やってくれ必要だろう
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本編だけで大丈夫
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どちらでもいいよ