キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第18話

 騎馬戦が終了し、1時間程の昼休憩に入った。

 俺様は騎馬戦で共に戦ったチームメイトを、炎で回復し最終種目で戦うことを約束し解散した。

 

 この後、食堂にて昼食をとる予定だったが轟に呼び止められていしまう。

 やけに真剣な顔だったので、唯に財布を預け俺様は同じく呼ばれた緑谷とともに、会場の裏口に向かった。

 

「俺様がわざわざ出向いてやったんだ。つまらん話なら帰るぞ」

 

「お、鳳くん!?」

 

「……そう時間は取らせねぇ」

 

 そう言って轟は自身の話を始める。

 

「……俺の親父が『エンデヴァー』だってことは知ってるよな」

 

「うん」

 

「まぁ苗字と【個性】で推測はできるな。だが、その事実と貴様のくだらん制約になんの繋がりがある」

 

「鳳くん、言い過ぎだよ!」

 

「うだうだと身の上話を聞くためだけにここに来たんじゃない。はやく結論を言え」

 

「……親父は極めて上昇志向の強い奴だ。ヒーローとして名を馳せたが、オールマイトが目障りだったんだろうな。自分じゃオールマイトを超えることができないと悟ると、次の策に出た。アイツはオールマイトを超えるために俺を作った」

 

「個性婚か」

 

「それって」

 

《個性婚》超常が起きてから、第2~3世代で行われた、自身の【個性】を強化しより強くするためだけに配偶者を選び結婚を強いる。社会問題にもなった倫理観が欠落した前時代的発想だ。俺様も中学の道徳の授業で習ったことがある。

 

「実績と金だけはある男だ。親父は母の親族を丸め込み、母の【個性】を手に入れた。俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自身の欲望を満たそうって魂胆らしい……鬱陶しい、そんなクズの道具にはならねぇ」

 

「記憶の中の母はいつも泣いている。『お前の左側が醜い』と母は()()()()()()()()()()

 

「ッ!?」

 

「……」

 

 顔の火傷跡を押さえ、自身の過去をなぜ炎を使わないのかを話す轟。

 

「ざっと話したが、俺がお前らに突っかかんのは見返すためだ。クソ親父の【個性】なんざなくたって

 

いや、使わず1番になることで奴を完全否定する

 

 復讐に囚われた轟の目には、ドス黒い執念が宿っていた。結局長々と自分の話をする轟に、俺様はくだらん以外の感想がでてこなかった。

 

「オールマイトに目をかけられてる緑谷、俺を負かした鳳……俺はこの体育祭でお前らに勝って証明する。……時間取らせたな」

 

 言いたいことを言ったのか轟はこの場を離れようとする。俺様はその態度に苛立ちを覚え羽を飛ばす。

 

「なにしやがる!」

 

 羽は轟の横を通り過ぎ、纏う炎によって焼失する。当てるつもりはなかったが、轟はいきなりのことに怒りを露わにする。

 

「実にくだらん話だった。貴様の過去を聞いて結局なんになる。同情でもして欲しいのか?愚かにも程がある。確かにエンデヴァーに対する印象は変わった、だがそれだけだ」

 

「あぁ!?」

 

「鳳くん!轟くん!ダメだよ!」

 

 緑谷の静止を無視し轟は俺様の胸ぐらを掴む。

 

「俺が愚かだと」

 

「愚かだ。なぜそれほどまでに、エンデヴァーを恨んでいて()()にいる。わからんようだから教えてやる。エンデヴァーの【個性】を使わないことが、復讐になるとでも思っているのか」

 

「なんだと」

 

「簡単な話だ……貴様はヒーローにならなければいい。エンデヴァーの理想ともいえるその【個性】を持っていながら、ヒーローにならないことが奴にとって、最も効果的な復讐だろう」

 

「ッ!?」

 

「まさかこんな簡単なことに気づかなかったのか?それともヒーローになりたい理由が他にあるのではないのか?まぁ俺様からすればどうでもいいがな。復讐などというくだらんものに取り憑かれた貴様に()()にいる価値は無い。次に俺様と戦う時にもう一度問う、少しはまともな回答を用意しておくのだな」

 

 轟の手を払いのけ、裏口の奥に進む。

 後ろでは、緑谷が轟に何か言っていたが俺様の興味を引くことはなく、食堂に向かうのだった。

 


 

 食堂に着くと、沢山の生徒たちでごった返していた。

 

「ん」

(こっちだよ)

 唯が手を振り、席を教えてくれる。

 俺様は唯の隣に座り、買ってくれた昼食をいただく。

 

「ん?」

(用事ってなんだったの?)

「俺様がわざわざ時間をとる必要もなかった些細なことだ」

 

「……ん」

(……そういうことにしてあげる)

 唯は何か言いたげだがこれ以上は何も言わず俺様とともに食事をとった。

 

「それにしてもあそこの席、やけに喧しいな」

 

「あ」

 

「どうかしたのか?」

 

「んん」

(言うの忘れてたけど、あそこにおばさんがいるよ)

 唯の言葉を聞き、席から飛び出しすぐさま件の席まで走る。

 席の周りにはA組の連中が集まっており、俺様が来たことに気づくとニヤニヤしながら道をあける。

 席には、桃色の髪を肩まで伸ばし、上品に笑う女性がいた。俺様の母親……鳳笑梨花(おおとりえりか)だ。

 

「それでね、ひーくんったら大好きなアップルパイを食べすぎてお腹痛めちゃったの」

 

「なぜここにいるのだ!母さん!!」

 

「あら?ひーくんじゃない、丁度良かったわ♪験担ぎのアップルパイを届けに来たのよ♪クラスのお友達と仲良くしてるみたいで良かったわ♪」

 

 上品に包まれたアップルパイをこちらに向けながら、母はにこやかに微笑む。

 

「それはありがたいが余計なことを話すな」

 

「お……鳳ぃ……落ち着けよw」

 

「なぜ笑っている」

 

「べ、別にw」

 

 クラスメイト……とくに峰田や上鳴、瀬呂が笑いをこらえるように俺様に話しかける。

 

「母さん、此奴らに何を話したんだ」

 

「小さい頃の話しよ。私たちのことをパパ上、ママ上って呼んでたこととか。逆上がりができなくて夜遅くまで公園で練習してたこととか。可愛かった話しよ」

 

「ブッw」

 

「フ、フフw」

 

「……スゥー」

 

 俺様の中にあるナニカが壊れる音がした。俺様はこれまでに見せたことのないような笑顔で今笑った3人に告げる。

 

「今度()()に付き合ってやる」

 

 3人どころか近くにいたクラスメイトの顔色が青くなったことは、想像にかたくないだろう。

 ハプニングはあったが、昼休憩は終わり。午後の部が始まるのだった。

劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。

  • やってくれ必要だろう
  • 本編だけで大丈夫
  • どちらでもいいよ
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