キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第20話

心操と緑谷の試合が終わり、二試合目が始まる。

結果は轟の圧勝だった。

瀬呂は【個性】で轟を拘束し場外に出そうとしたが、一瞬で逆転される。

轟の氷結によりスタジアムごと凍らされ、身動きが取れなくなり、呆気なく敗北した。

あまりの展開に会場からドンマイとコールがわき起こってしまう程だった。

 

「……だいぶイラついているな」

 

「ここにいたのか」

 

選手入場口で、凍りついたスタジアムが元に戻るまで待っていたが、後ろから声をかけられる。

 

「親父か」

 

「えらく淡白だな。お前の親父が応援に来たんだぞ」

 

「さっき母さんにあったからな」

 

「あぁ~」

 

俺様の言葉に色々と察したのか、親父はあちゃーと言い顔を押える。

 

「母さんも別に悪気があったわけじゃないんだ。許してやってくれ」

 

「構わん。母さんがどんな人か理解している。そこまで気にしてはいない」

 

「俺の前でよく理解してるとか言えたな~」

 

「張り合うつもりはない。そんなことが言いたいなら、疾く失せよ」

 

「悪かったって。できれば昼休憩に会いに行こうと思ってたんだけどな。一応社長だからさ、観に来てる他の会社の偉いさんに挨拶回りしてたんだよ」

 

「別に来なくてもよい」

 

「相変わらず冷たいな」

 

ヘラヘラと笑う親父に、俺様はふと疑問に思ったことを伝える。

 

「まだかかりそうだな……親父は俺様の【個性】が敵向きだったらどうする」

 

「いきなりだな!?……どうするって言ってもよ、変わらず愛したと思うな」

 

親父は俺様の頭を撫でながら、迷うことなく言葉を発する。その目は真っ直ぐで嘘をついていないことがわかる。

 

「お前はさ、特別だよ。俺たちの家系のどれにも当てはまらない【個性】を持ってさ。頭も良いし、運動神経もいい、顔も母さんに似てカッコ可愛いしな。……俺たちは例えお前が【無個性】でも頭が悪くても、運動音痴でも、不細工でもちゃんと愛すさ。だって大事な子供なんだから」

 

「……そうか」

 

「お!お前~照れてるな」

 

「止めよ。……時間だ」

 

溶けた氷で濡れたスタジアムも乾いたようで、プレゼント・マイクの最終種目を再開するアナウンスが流れる。

 

「…先程の質問だが、暇つぶしだ他意はない」

 

()()()()()()

 

「……ならよい。では行ってくる」

 

「おう!頑張れよ!ちゃんと応援するからな!」

 

「あぁ、俺様が勝利するところをその目に焼き付けろ」

 


 

『さぁスタジアムも乾いたことだし、次の試合だぁ!』

 

『予選本選1位通過!ここでも魅せてくれるか王の威光!ヒーロー科A組鳳火鳥!!』

 

『対するはスパーキングキリングボーイ!ヒーロー科A組上鳴電気!!』

 

「……」

 

「お、終わった……」

 

『スタート!!!』

 

プレゼント・マイクの合図で試合が始まる。俺様は及び腰の上鳴にある提案をする。

 

「上鳴、賭けをしないか?」

 

「は?」

 

「お前の全力を受けてやる。最後まで耐えたら俺様の勝ち、倒れたらお前の勝ち」

 

「……マジで言ってるのか」

 

「ただ負けるより、少しでもプロにアピールしてから負けた方がいいだろ?」

 

『傲慢!!鳳まさかの提案を持ちかける!!上鳴はどう返すのか!!?』

 

「……やっぱなしとか言うなよ」

 

「王に二言はない」

 

さっきまでビビっていた上鳴の顔が真剣なものに変わる。普段、チャラチャラしているがやはりナメられると怒るのだな。

 

「お望み通り俺の全力ぶつけてやる!!」

 

“無差別放電130万V”

 

上鳴から放たれる強烈な電気を俺様はその身で受ける。

電撃は俺様の身を焦がし、いたる所が火傷する。だが俺様の【個性】で、火傷は瞬時に炎に焼かれ治っていく。

 

「マジかよ!?だったら150万Vだァ!!」

 

上鳴は驚愕するが、放電を止めずさらにVを上げる。

先程より早く傷ができ、体内にも損傷が生じる。それでも俺様を倒すにはまだ足りない。

傷ができても瞬時に炎によって再生し、イタチごっこになる。

 

「どうした?俺様はまだ倒れんぞ」

 

「ウェ……なら最も上げるだけだ!200万V!!!」

 

許容量が限界に近いのだろう、脳がショートし始めアホになりつつある。

俺様も電撃を喰らい続け慣れてきたのだろう、痛みで顔を歪めることもなく、再生し続ける。

 

「……ウェイ」

 

しばらくすると電撃が止まる。上鳴は完全にショートしアホになった。

俺様は体に傷こそないが体操服は所々黒く焦げ、ボロボロになっていた。

 

「上鳴くん行動不能!鳳くん二回戦進出!!」

 

ミッドナイトが試合の結果を伝えると、俺様はアホになった上鳴に近づく。

 

「俺様の予想を上回っていたぞ、誇るがいい」

 

「ウェ~イ」

 

次の試合が始まるので、上鳴を回収し保健室に送り届ける。

その途中で新しい体操服を受け取り控え室で着替える。

控え室のテレビでは四試合目が始まっていた。

 

「テレビショッピングか」

 

そこに映っていたのは、様々なサポートアイテムを身につけた飯田とサポート科の女子生徒が、追いかけっこしながら、自作のアイテムの解説を行っていた。

 

「商売根性たくましいな……親父も見ているんだろうな」

 

俺様は新しい体操服に着替え、自分のクラスの席に戻ると、飯田が二回戦進出していた。

 

「次の相手は飯田か」

 

たまたま空いていた席に座ると、緑谷が話しかけてくる。

 

「鳳くんおつかれさま」

 

「緑谷か」

 

「だいぶ無茶したみたいだけど大丈夫?」

 

「心配するな。傷は既に治っている」

 

指に包帯を巻いた緑谷は、先程の試合で電撃を浴びた俺様を心配する。

 

「お前こそ無事なのか?心操との戦いでまた指を折ったのだろう」

 

「う、うん……心操くんに締められて意識が朦朧とした時に暴発したみたい」

 

「何はともあれ、勝ちに繋がったんだ。運が良かったな」

 

「うん……心操くん強かったよ」

 

指を見つめながら、心操との試合を振り返ったのであろう緑谷はつぶやく。

 

「……次の試合について考えないのか?」

 

「考えてる……でもどうすればいいのか」

 

「対策……ではないな」

 

「うん」

 

スタジアムでは尾白と芦戸の試合が始まる。

尾白は尻尾というリーチを活かして接近するが、芦戸の酸による攻撃で上手く攻めきれていない。

 

緑谷は周りを確認し、小声で話し始める。

 

「鳳くんが言ったこと、多分正解なんだと思う。仕返しがしたいならヒーローにならないのが、一番簡単な方法なんだって」

 

「でも轟は雄英(ここ)にいる」

 

「うん、だからきっと仕返し以上の理由があるんだと思う」

 

「……お前がどうするか勝手だが自己犠牲は程々にしろよ。お前がなにも感じなくても周りは違う……親や友達、お前が傷つけば悲しむ人間がいることを忘れるな」

 

「……うん」

 

「……尾白の勝利か」

 

試合は、冷静に攻め続けた尾白が芦戸の隙をつき尻尾で場外に押し出したことで終了した。

B組の席に視線を移すと唯の姿はなかった。

 

「俺様は唯に声をかけてくる」

 

「え!?……うん行ってらっしゃい」

 

「色々言ったが結局はお前がどうするかだ。後悔せんよう足掻くがいい」

 

俺は控え室に向かった。

 


 

俺様が控え室に入ると、唯は精神統一をしていた。邪魔になると思い外に出ようとするが、唯に呼び止められ椅子に案内される。

 

「次だな」

 

「ん」

(うん)

「相手は切島……強いぞ」

 

「ん」

(勝算はあるから大丈夫)

「ならいい」

 

「ん?」

(それだけ?)

「……」

 

唯は首を傾け俺様を見つめる。

前からそうだが、俺様は他人……特に唯を褒めたりするのが苦手だ。いつも王を意識している分、素直な気持ちを伝えるのに抵抗があるのだ。

 

「ん?」

(なにも言ってくれないの?)

「わかったからそんな顔をするな」

 

「頑張れ……決勝で待ってる」

 

「頑張ってくる待っててね」

 

唯は俺様に笑顔を向け、入場口の方へ行ってしまった。

俺様も唯の活躍をしっかりと観戦するために席に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……顔が熱いのはきっと電撃のせいだ。

劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。

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