『一回戦最終試合!!スタート!!!』
爆豪と麗日の試合が始まった。
麗日は爆豪相手に接近を仕掛け、爆発で吹き飛ばされる。
「ほう」
爆破の煙で爆豪の視界が遮られるが、体操服が見えたことで追撃する。しかしそのに麗日の姿はなかった。【個性】で浮かせた体操服を囮に爆豪の背後を取る。
「……まずいな」
「え?」
BOOOM
地面を抉るように、爆豪の爆破が麗日を襲う。性格も態度も悪い爆豪だが、その才能は本物だ。天性の戦闘センスで麗日の接近を察知し迎撃する。
「……」
「麗日さん……」
囮による奇襲が失敗した麗日は闇雲に攻撃を仕掛けるが、全て爆豪の爆破で吹き飛ばされる。
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
接近爆破
麗日は何回も何十回も攻め続け、吹き飛ばされる。何度も爆破をくらい満身創痍の麗日に対して、爆豪は傷一つなく疲れを感じさせない。
誰がどう見ても勝敗は決まったようなものだ。
クラスメイトの中にも目の前の光景に目を背ける者もいる。
それでも、麗日の目は死んでいない。
「見てらんねぇ……!おい!!それでもヒーロー志望かよ!そんだけ実力差あるなら早く場外にでも放り出せよ!!」
この試合を観ていたプロヒーローの1人が、正義感からか目立ちたいだけか、真意はどうあれ爆豪を批判する。
その声は会場全体に響き、一人また一人と爆豪を批判し始める。
大量のブーイングに俺様は苛立ち、観戦席から身を乗り出しブーイングし続けるヒーローに殺気をぶつける。
「黙れ!!!」
俺様の声は会場全体に届き、ブーイングしていたヒーローたちもこちらに視線を向ける。
「あの場にいる2人はここまで勝ち上がってきた猛者だ!それ故に警戒し油断も手加減もできんのだ!!それを外野がとやかく言うのはなど愚の骨頂!!ヒーローなど辞めてしまえ!!!」
「ふざけんな!」
「お前こそ何様だ!」
「貴様らこそ何様だ!この程度のこともわからんなら即刻出ていけ!」
『鳳!』
俺様の言葉を聞いたヒーローたちは口々に俺様に怒りをぶつける。ヒーローたちのヘイトが爆豪から変わり俺様に移ったことでこの場は混沌と化す。
あちこちなら罵詈雑言が飛ぶ中、スピーカーから相澤の声が響く。
『そこまでだ。鳳が今言ったことは、言い方はともかく内容は正しいぞ。爆豪はここまで上がってきた麗日を警戒してんだ。それでも遊びだなんだ言うなら、もう見る意味ないから帰って転職サイトでも見てろ』
収拾がつかない状況を相澤が収める。ヒーローたちはまだなにか言いたそうだったが、周りの目を気にして黙って席に座る。
それを見て俺様も席に戻る。クラスメイト(特に瀬呂や上鳴)から色々言いたそうにしていたが、圧をかけ黙らせる。
「……あの場にいる爆豪が気づかないのは仕方がないにしろ、ここで観ているプロが気づかんとは随分と質が低いな」
スタジアムでは、麗日がこの時まで蓄えた武器が一斉に降り注ぐ。
『流星群!?』
「低姿勢で突撃したのはヤケになったからではない。爆豪の打点を下げ一矢報いるための武器を用意していたのだ。さらに連続で接近し爆破させることで爆豪の視野を狭め、悟らせなかった」
「勝ぁぁぁぁあつ!!!」
「そんな捨て身で!?」
大量の瓦礫が降り爆豪が対処する隙をつき一気に距離を縮める麗日。
誰もが彼女の勝利に期待する。
だが
BOOOM
爆豪の両手から放たれた特大の爆破によって全て粉々に吹き飛ばされる。
『会心の爆撃!!麗日の秘策を正面突破!!!』
奥の手まで失敗に終わった麗日だったが、それでも諦めず爆豪に向かっていく。
しかし
麗日の体はとうに限界を迎えていた。
力が抜けスタジアムに倒れる麗日は、最後まで諦めず這いずってでも爆豪に向かうが、主審のミッドナイトがそれを止める。
「麗日さん……行動不能。爆豪くん二回戦進出!」
麗日と爆豪の試合が終わり、スタジアムの修繕等もあり小休憩を挟んで二回戦が始まることを告知される。
試合が終わってから緑谷は席に座ったまま俯いたまま動かない。
「……」
「何を黙っている。さっさと麗日のところに行けばいいだろう」
「行っていいのかなって」
「俺様が知るか」
「……」
「はぁ……さっさと行ってこい」
煮え切らない緑谷を椅子から立たせ、麗日がいるであろう控え室に向かわせる。
「……それにしても爆豪か」
「幼なじみの次の対戦相手だね」
「耳郎か……そうだな」
「アンタも心配だったりする?」
「心配か……」
耳郎の言葉で先程の試合を唯に置き換えて、想像してみると少し……いやかなり爆豪に腹が立ってくる。
「対戦相手がどうであろうと俺様は唯を信じるさ」
想像した光景を頭から消し、二回戦に意識を向ける。二回戦最初の試合は轟と緑谷。
轟の話を聞きどうするか悩んでいる緑谷だがなにか策はあるのだろうか。
「ん」
(難しい顔してるね)
「うわっ!?」
「耳郎どうした?」
「どうしたもなにも、その子いつから居たの」
「んん」
(幼なじみの対戦相手ってところから)
「ごめん、なに言ってるかわかんない」
「ん?」
(おかしいな?)
「1週間も話していればなんとなく理解できるぞ」
「いや無理でしょ」
いつの間にかそばにいた唯に耳郎が驚いていると、隣のB組の観戦席から誰かが叫んでいる。物間だ。
B組の観戦席から身を乗り出しこちらを見下ろしている。
「小大ィ!なんでそっちにいるのかな!?」
「また彼奴か」
「ん」
(ごめんね)
「喧しいぞ」
「君に言われたくないねぇ!さっきの試合で悪目立ちした鳳クン!!」
「唯……彼奴落としていいか?」
「ん」
(いいよ)
「ダメでしょ!?」
「今のは理解できたみたいだな」
「なに無視してるんだい!?」
「ん」
(戻らないとうるさいから……じゃあね)
「あぁ……次も頑張れ」
「ん」
(まかせて)
こちらにピースを向けて唯は自分の席に帰って行った。それと同じタイミングでプレゼント・マイクから最終試合を再会する放送が流れる。
『さぁ二回戦始めるぜ!!最初の試合は両者ともに予選本選でトップクラスの成績!!まさしく両雄並び立ち今!!』
『緑谷対轟!!』
『スターーート!!!』
開始の合図と同時に、轟は瀬呂との戦いでみせた氷結を、緑谷は指を壊して超パワーをぶつける。
凄まじい衝撃とともに氷が砕け散り、冷気が会場に流れる。
「自損覚悟の打ち消しか」
俺様が緑谷との特訓で10%までなら腕を壊さず打てることが判明したが、今のはそれ以上でないと相殺できないと判断したんだろう。
付け足すなら10%がノーリスクというわけではない。10%では腕は壊れないが連発はできない、ここぞという時の切り札として、発動するように言いつけている。
「まだだ!!」
試合開始から僅か1分、轟は超パワーを警戒してか氷結による物量戦を仕掛け、その度に緑谷は指を壊して相殺し続ける。
「すげぇーな、轟も鳳もお前もあんだけ強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからな」
「ポンポンじゃねぇよナメんな」
「ん?」
「筋肉酷使すりゃ筋繊維が切れる。走り続けりゃ息が切れる。【個性】だって同じだ、奴にもなんらかの限度はある……そうだろ鳳」
試合を見ていた切島が爆豪と話していた。確かに俺様たち3人はクラスメイトの中でも優れた範囲攻撃技を持っている。
俺様の許容量は再生に使用する体力のみで炎による攻撃に制限はなく、爆豪はある程度予想はできるが確証はない、だが少なくとも轟には限界がある。
「そうだな、戦闘訓練で一度見たからな。貴様も気づいてるだろう」
「あぁ、試合が始まってから奴の体に少し霜が降りてる。あれが目印なんだろうな」
「じゃあ緑谷はこのまま耐え続けたら……」
「そう上手くいくかよ」
スタジアムでは右手の指を全て使い果たした緑谷がいた。
「両手合わせて10発、腕も使うなら12発……あまりにも分が悪い賭けだ」
右手が全滅したことで有利と悟った轟は氷で加速し緑谷に蹴りを放つ。ギリギリで避けた緑谷は左腕で空を殴り衝撃波で轟を吹き飛ばす。
腕が壊れていないところを見ると10%を使ったようだ。
『試合開始から圧倒的に攻め続けた轟!!緑谷にとどめの氷結を』
「どこ見てるんだ!!」
迫り来る氷結を壊れた指で相殺する。痛みで発狂してもおかしく状態で緑谷は正気を保ち……怒っている。
それは全力を出さない轟に対してだ。
「……っ!!皆本気なんだ!!勝って目標に近づくために!
「
痛む拳を握り締め、緑谷は轟に本気を出せと叫ぶ。
試合はまだ終わっていない。
劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。
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やってくれ必要だろう
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本編だけで大丈夫
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どちらでもいいよ