これからも頑張ってまいりますので応援よろしくお願いします。
また皆様の感想等、モチベーションに繋がりますので書いていただけると、とても有難いです。
「……ん」
(ごめん負けちゃった)
「……」
「んん」
(決勝で戦いたかった)
俺様は控え室で落ち込んでいる唯の傍にいた。
飯田との試合が終わり、Bブロックの二回戦が始まった。
尾白対常闇の試合は、リーチに分がある常闇が終始優勢で、ダークシャドウの攻撃で尾白を場外に押し出し勝利した。
続く唯対爆豪の試合は、爆豪が圧倒していた。
騎馬戦や一回戦で見せた唯の【個性】を分析し、武器を作らせないよう器用に立ち回る。唯も負けじと体操服を巨大化させ視界を遮り寝技に持ち込むが、自身を巻き込んだ爆破で強引に技を解き、体勢を崩したところを爆破で場外に吹き飛ばされてしまい、爆豪が勝利した。
「……」
「ん」
(なにか言ってくれないの)
「どう声をかければいいのか悩んでいた。慰めるのが正解か、発破をかけるのが正解か」
「……ん」
(……じゃあ暫くこうしてて)
唯は俺様に抱きついて顔を胸にうずめる。微かに聞こえる泣き声や鼻をすする音に気づかないふりをし頭を撫でる。
唯が落ち着くの待ちながら次の試合について考える。
「唯……そろそろ小休憩も終わる」
「ん」
(あと5分)
「不戦敗になってしまうな」
「ん」
(じゃあ10分)
「増えてどうする」
なかなか離れようとしない唯と取っ組み合いになり、余計な体力を使ったが気がするが、微々たるものなので特に影響はない。
「では改めて……行ってくる」
「ん!」
(私の分まで頑張ってね!)
「任せておけ!お前たちから託されたものは俺様が優勝まで持って行ってやる」
控え室を出て、選手入場口まで続く通路を歩いていると俺様を待ち構えていたかのようにとある人物がそこにいた。
「……エンデヴァー」
「君が鳳くんだね。活躍観させてもらった」
俺様の目の前に現れたのは、オールマイトに次ぐNo.2のフレイムヒーロー:エンデヴァーだった。
万年2位と揶揄されるが、逆に言えばオールマイトに次ぐ実力者であり、『事件解決数史上最多』という輝かしい実績を持ち、その点だけならオールマイトを超えていると言ってもいいのかもしれない。
「そうか……それで本題はなんだ?」
「……君の【個性】は素晴らしいと思ってね。同じ炎熱系に加えて変身と回復もある。両親も誇らしいんじゃないかな」
「はぁ……王である俺様から助言をしてやる。もっと腹芸を学べ。言葉の節々から俺様の【個性】が欲しいと聞こえるぞ」
「なッ!?」
「貴様のくだらん話に耳を貸したのだ。今度はこっちの番だ」
試合まであまり時間はないが、No.2と直接会って話す機会などここを逃せばいつになるか分からないので、言いたいことは全て言うことにした。
エンデヴァーは俺様の態度と図星をつかれたからか、体の炎の揺らめきが激しくなっている。
「轟から聞いたが、相当なことをしたらしいな。別にリーク等するつもりもないからそこは安心しろ。……話が逸れたな。俺様が聞きたいことは一つだ」
「氷結と炎、この二つを持った轟が本気でオールマイトに勝てると思っているのか?」
「なんだと!」
「オールマイトは規格外だ。1年ほど前の事件だが拳一つで天候を変えたこともある。そんな超人相手にたった二つの【個性】で勝てるわけがないだろう」
「それに、轟とオールマイトでは年齢だって離れている。仮に轟がプロになるまで、オールマイトが現役だったとしよう、それでも老化や身体機能の低下で全盛期よりかなり劣っているだろう。そんな老兵相手に轟が勝ってお前の野望は叶ったと言えるのか?」
「それは……」
「野心を持つこと悪とは言わん……だがそれに囚われる貴様は滑稽に映るぞ」
エンデヴァーは何も言わなかった、俺様が横を通り過ぎても呼び止めもせずただ呆然と立ちつくすのだった。
『Aブロック準決勝!A組の中でも上位の実力を持つ2人が戦うぜ!』
「轟、昼休憩の時に言ったことを覚えているか」
「なぜ
「あぁそうだ。改めて聞こう……なぜ貴様は
「なりてぇもんになるために……他の誰でもない自分の力で一番になるためだ!」
「良い……ならば俺様も本気で相手しよう」
『スタート!!!』
轟は開幕から全力の氷塊をぶつけてくる。俺様は翼に変えた腕を振るい炎で跡形もなく溶かす。スタジアム全体を白い煙が包み込み、俺様たちは互いの姿を見失う。
俺様は両手を翼に変え煙の上に向かうが、地面から迫ってきた氷柱が俺様を襲う。
危なげなく回避した俺様は、煙で視界が遮られている轟に向けて弾幕を降り注ぐ。
“
勢いよく放たれた羽は氷柱を砕き、地面に突き刺さっていく。
煙が晴れると、氷を盾にして俺様の攻撃を防いだ轟が氷柱よる攻撃を仕掛けてくる。
「先程から氷ばかりではないか。せっかくの炎はどうした?俺様という手本が相手なんだ使ってみよ!」
「それはお前も同じだろ!」
「ほう」
「お前はこの最終種目で一度も全力を出してないだろう」
「気づいたか」
スタジアムに降りると、変身を解き轟の観察眼を賞賛する。
「なぜそう思った」
「お前なら上鳴の試合も飯田の試合ももっと早く終わらせたんじゃねぇかなって……それに今もわざと先手を譲ったろ」
「その通りだ」
轟は探偵のように俺様の試合の違和感を言い当て、俺様が手加減していることを突き止める。
「予選と本選はプロに魅せるため全力を出した。だが一対一の最終種目では俺様一人が目立つより、対戦相手の限界以上を引き出した上で勝利した方が互いに利があるだろう」
「なるほどな……だからさっき
「それでお前はどうする」
「全力で迎え撃つ!お前も手加減なんかするな!」
「いいだろう!俺様も全力でお前を阻む壁となろう!」
俺様と轟は互いに炎を出し、スタジアムの大半を覆い尽くす。
一見互角に見える炎同士のぶつかり合いだが俺様はこの状況に少し焦りを覚える。
「……やはり回復の派生では純粋な攻撃の炎には劣るか」
長年自身の炎と向き合ってきた俺様だからこそわかるが、轟の炎はエンデヴァーの【個性】から引き継いだもので、ベタ踏みながらその火力は恐ろしいものだ。
対する俺様の炎は、発現当初再生にしか使えなかった炎を攻撃に転用するため試行錯誤の末に編み出したものだ。最初から本質が違う炎であり、俺様が押される状況に繋がっている。
「それでも王が負けることなど万に一つも有り得んのだ!!」
その時だった。
俺様以外の時が止まったかのように世界が急速に色褪せ、スローになっていく。
轟もセメントスも気づいていないようで、俺様だけがこの状況を知覚している。
「何が起きた」
周りを見渡すも、皆時が止まったかのようにゆっくりと動いている。
『キシャー!!』
上空からなにか生物の鳴き声が聞こえ見上げてみる。
そこには全身に炎を纏った巨大な鳥が、こちらを見下ろしていた。
「お前は【フェニックス】なのか」
『……』
「一体何が起きているのだ!答えよ!」
『……』
この謎の現象に関係しているかもしれない【フェニックス】に問いかけるが返事は返ってこない。
「貴様は……いや俺様の【個性】なのか」
『キシャー!!』
【フェニックス】はけたたましい鳴き声と共に一気に急降下し俺様の胸に飛び込んでくる。
「な!」
【フェニックス】が俺様の胸にぶつかった瞬間、痛みはなく身体の中に吸い込まれていったようにも見えた。
「今のは……ッ!?」
『おおっと!?ここに来て鳳の炎が轟に押し負けたぞ!!まさかまさかの下克上なるのか!!』
急に世界は元に戻ったようで、俺様は対応できず轟の炎に片腕を焼かれる。
即座に再生し、次に備える。
「どうした?」
「気にするな……それよりこれで終わりではないのだろう」
「当たり前だ」
先程と同じように互いの炎がぶつかり合う、やはり威力はあちらが上のようで押され始める。
だが
瞬間、俺様は目に違和感覚える。
「これはッ!?」
俺様の見ていた世界が一変した。轟の体に流れる粒子がはっきりと視える。
それだけじゃないセメントスやミッドナイト、観戦席のA組の皆、会場にいる観客たち、全ての人から同じようなものが視える。
「【
先程の光景といい原因は【フェニックス】だろうと断定し、状況を整理する。
「なら今視えているものは【個性因子】か」
轟たちの体に流れる粒子の正体を推測し、よく観察する。
やはりベタ踏みなのか炎にムラがあることがわかった。
「感謝するぞ!轟、お前のおかげで俺様はPlusUltraしたぞ!」
「なんだいきなり!?」
「故に全力だ!死ぬ気で受け止めろ!!」
“
一点に集められた炎が圧縮され勢いよく翼の砲身から放たれる。強力な炎はレーザーのように真っ直ぐ轟に向かいその炎をかき消していく。
「ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」
炎が無力化され氷壁で守りを固めるがそれすら簡単に破壊し轟を吹き飛ばす。
「轟くん場外!鳳くん決勝戦進出!!」
轟音と共に煙が会場全体を隠す。
煙が晴れると観戦席の壁に激突していた轟が気を失っていた。
俺様は試合に勝利したことに対する安堵と同時に、なぜこのタイミングで【個性】が成長したのかが分からず複雑な気持ちのまま観戦席に戻って行った。
劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。
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やってくれ必要だろう
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本編だけで大丈夫
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どちらでもいいよ