キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第26話

 体育祭が終わり、休暇が明け俺様たちは日常に戻っていた。

 

「ん」

(めちゃくちゃ声かけられてたね)

「これも俺様のカリスマ故だな」

 

「ん」

(そうだね)

「そういうお前も声をかけられていたではないか」

 

「ん」

(うん、嬉しかった)

 

 雄英までの道中で体育祭を見ていた人達から声をかけられ、日常が少しづつだが変わったことを自覚する。

 

「んん」

(火鳥も珍しく浮かれてたね。サインまで書いちゃうんだもん)

「それはサインをねだられたからな。ファンの思いを無下にするわけにもいかんだろう」

 

「ん」

(じゃあ私もサインちょうだい)

「……後でな」

 

「ん」

(忘れないでね)

「あぁ……またな」

 

 唯と別れ教室に入ると、体育祭の話題でもちきりだった。俺様と同じように声をかけられた者もいれば、どんまいと慰められた者もいた。

 

「お!鳳お前も声かけられたりしたか!」

 

「当たり前だ」

 

「だよなぁ~。俺なんか小学生にどんまいコールされたぜ」

 

 話に盛り上がったっていたが、HRを知らせるチャイムと共に教室に入ってきた相澤を見ると、全員静かになり着席する。

 

「おはよう」

 

「「「「「おはようございます!」」」」」

 

「さて体育祭が終わってすぐだが、今日のヒーロー情報学は特別だぞ」

 

 相澤の言葉で声には出さないが、不安になる生徒が続出した。相澤の言う特別なんて大抵テストかなにかだと、クラスメイトの一部は思っているだろう。

 

「《コードネーム》ヒーロー名の考案だ」

 

「「「「「胸ふくらむヤツきたぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

 席を立ち上がり大喜びするクラスメイト。しかし、相澤は睨みを利かせてそれを黙らせた。生徒たちは一瞬で静まり返って姿勢を正すと、再び相澤の話に耳を傾ける。

 

「というのも、先日話した《プロからのドラフト指名》に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力と判断される2年や3年から……。つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくある」

 

「大人は勝手だ!」

 

「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」

 

 葉隠の言葉に頷き、相澤はリモコンを操作してスクリーンに俺様たちの指名件数をグラフに表したものを映し出す。

 

「そうだ。で、その指名の集計結果がこうだ」

 

 

A組指名件数

 

 鳳 :4827

 轟 :3461

 爆豪 :2264

 常闇 :332

 飯田 :328

 上鳴 :202

 八百万:88

 尾白 :61

 切島 :54

 緑谷 :27

 麗日 :18

 瀬呂 :9

 

 

「例年はもっとバラけるんだが、今年は3人に偏った」

 

 その一覧を見たクラスメイトが思い思いの声を上げた。まぁ、約半数は指名が来ていないので沈痛な声が多く、指名を貰った者たちも俺様たちトップ3の圧倒的な指名数に驚きを隠せないでいるようであった。

 

「だー!白黒ついちまった!」

 

「2位と3位逆転してるじゃん」

 

「チッ!」

 

 ザワザワとうるさくなる教室内だったが、相澤がまた睨むとクラスメイトは慌てて口を閉じた。相澤は静かになった事を確認すると話を続ける。

 

「これを踏まえ……指名の有無に関係なく職場体験に行ってもらう。おまえらは一足先に経験してしまったが、プロの活動を実際に体験してより実りある訓練にしようってこった」

 

「それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになってきた!」

 

「そういうわけでお前らにもヒーロー名が必要になってくる。仮ではあるが適当なもんを付けたら……」

 

「地獄を見ちゃうよ!この時の名が世に認知されてそのままプロ名になってる人は多いからね!」

 

「ミッドナイト先生!!」

 

 教室に入ってきたミッドナイトは教壇に立ち、代わりに相澤は寝袋に取り出した。寝る気満々である。

 

「その辺のセンスはミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうの出来んからな。将来、自分がどうなるのか。名を付けることでイメージが固まり、そこに近づいていく。それが名は体を表すってことだ。《オールマイト》とかな」

 


 

(俺様のヒーロー名か)

 

 正直な話、考えたこともなかった。元々ヒーローに興味がなかった俺様は、同年代の子がやっていたヒーローごっこ等に触れてこなかったこともあり、苦戦していた。

 結局、いい案も思いつかず安直なものになってしまったが、シンプルイズベストという言葉もあるんだからこれでいいと開き直る。

 

「じゃあ、そろそろ出来た人から前に出て来て発表してね」

 

 ミッドナイトが発したその言葉にクラスメイトがざわめいた。まさか皆の前での発表形式だとは思っておらず、皆は尻込みしている。

 

「ならば俺様が行こう」

 

「流石、鳳くんね!じゃあどうぞ」

 

 ミッドナイトに教壇まで案内され、フリップに書いた俺様のヒーロー名を発表する。

 

「不死鳥ヒーロー……ザ・フェニックスだ」

 

「「「「「まさかの王様要素無し!!!?」」」」」

 

「貴様らは俺様をなんだと思っている」

 

 俺様のヒーロー名を聞いてクラスメイトが驚く。

 

「お前のことだからてっきり、王様ヒーローキングヒートとか言うと思ってたわ」

 

「あ!俺も同じ!」

 

「なんだその小学生が考えたヒーロー名は」

 

「ザ・フェニックスってそのまんまだね」

 

「もうちょっと捻ってみたら?」

 

 俺様が安直なヒーロー名を発表すると思わなかったクラスメイトからヤジが飛ぶ。

 

「ザ・フェニックス……良いじゃない!鳳くんの【個性】にちなんでるし、まさに名は体を表すを体現したヒーロー名ね」

 

 クラスメイトから散々言われた俺様のヒーロー名だが、ミッドナイト的にはアリだったようで俺様のヒーロー名はこれに決まった。

 

「じゃあ次は僕だね☆」

 

 俺様に続いて青山が教壇に立つ。

 そこはかとなく嫌な予感がするのは気の所為だろうか。

 

「輝きヒーロー I can not stop twinkling☆」

 

 だろうな。

 この後、芦戸もふざけたヒーロー名を発表したせいで大喜利みたいな空気になってしまった。

 解せないのは、俺様もこの空気を作った原因の1人として数えられたことだ。とんだとばっちりである。

 蛙吹がしっかり考えりたヒーロー名を発表したことで流れが変わり、一部を除き各々ヒーロー名が決まっていく。

 

「Can't stop twinkling」

 

「ピンキー」

 

「フロッピー」

 

「……テンヤ」

 

「ウラビティ」

 

「ティルマン」

 

「チャージズマ」

 

「烈怒頼雄斗」

 

「アニマ」

 

「シュガーマン」

 

「テンタコル」

 

「イヤホン=ジャック」

 

「セロファン」

 

「ツクヨミ」

 

「ショート」

 

「インビジブルガール」

 

爆殺王

 

「デク」

 

「グレープジュース」

 

「クリエティ」

 

 クラスメイト全員(爆豪は除く)がヒーロー名を決めたことで、相澤が寝袋からモゾモゾと出てくる。教壇に立つと職場体験について本題の説明を始める。

 

「職場体験は一週間。肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストを渡すから、その中から自分で選択しろ。指名のなかった者は予めこちらからオファーした全国の受け入れ可のヒーロー事務所40件。この中から選んでもらう。それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なるからよく考えてから選べよ」

 

 相澤は今週末……つまり2日後にまでに提出することを伝えると、チャイムが鳴り教室を出ていった。

 俺様は渡されたリストの厚みに微笑み、誰が指名したのかをパラパラとめくりながら確認していく。

 クラスメイトも指名があった者は、自分を指名したヒーローが誰かで盛り上がり、なかったものは職場体験先をどうするか相談している。

 

「あんたのリスト凄いね」

 

「俺様だからな、この程度造作もない」

 

「なぁ!見てもいいか?」

 

「構わん。なんならお前らの意見も聞きたいところだ」

 

 俺様が許可を出すと、近くにいた上鳴や耳郎がリストを手に取り見はじめる。

 

「すげぇ!オールマイト以外のトップ10全員から指名きてる!」

 

「まじか!」

 

「流石王様!」

 

 リストを返してもらい、1ページ目を見る。

『エンデヴァーヒーロー事務所』

 1ページ目に記されたエンデヴァーの指名をみて俺様の職場体験先は八割ほど決まっていた。

 体育祭で出会い、あんなことを言った俺様を指名するエンデヴァーが何を考えているのか興味を持った。

 おそらく轟もここを選ぶだろう。

 

 一応、俺様にあった事務所がないかリストを全て確認はするが、結果は変わらないと思う。

 

 1週間後、俺様の職場体験が始まる。

劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。

  • やってくれ必要だろう
  • 本編だけで大丈夫
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