キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第27話

 1週間はあっという間だった。

 職場体験当日、俺様たちは駅に集合していた。

 

「葉隠、戦闘服ちゃんと間に合ったようで良かったな」

 

「うん!鳳くんのおかげだよ!ありがとう!」

 

「俺様は親父に頼んだだけだ。後は優秀な技術者がやったことだ。礼なら彼奴らに言ってやってくれ」

 

 葉隠は戦闘服の入ったケースを振りながらぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んでいる。こんなに喜んでくれるなら開発者冥利に尽きるだろうと後で親父に伝えておくことにする。

 

「全員、コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」

 

「はーい」

 

「伸ばすな「はい」だ芦戸。……くれぐれも失礼のないようにじゃあ行け!」

 

 相澤が解散の号令で俺様たちは、それぞれの職場体験先に向かっていった。

 

「鳳、こっちだ」

 

 俺様の職場体験先はやっぱりエンデヴァーに決めた。同じ炎の【個性】を持ちオールマイトに次ぐ実力者から技術やヒーローとしての在り方等、学びが多くあると思い選んだ。

 

「……少し待て」

 

「おう」

 

 俺様は轟に案内され電車に乗ろうとホームに移動しようとしていたが、緑谷と話す飯田の顔を見て立ち止まる。

 登校中に見たネットニュースでプロヒーローのインゲニウムが襲われる事件があった。

 飯田はインゲニウムの弟だ。食堂で兄の話をする姿を見て、並々ならぬ憧れを抱いていることは知っていたが、あの顔は少し前の轟のような復讐に囚われた者の顔だった。

 

「飯田のことが気になるのか?」

 

「あぁ……だが緑谷の言葉もあまり意味がないみたいでな……お前ならどうする」

 

「わかんねぇ……俺自身この前まで同じような状態だったからな」

 

「そうか……だがあの様子では俺様の言葉も届かんだろうな」

 

 俺様たちは電車に乗りエンデヴァーヒーロー事務所に向かうのだった。

 


 

「ここがエンデヴァーヒーロー事務所か」

 

 都内の一等地に建てられたビルを見て俺様たちはヒーローとしてのエンデヴァーの実績がどんなものか感じた。

 

「さて、入るとするか」

 

「あぁ」

 

「轟焦凍様、鳳火鳥様。お待ちしておりました。到着次第、戦闘服に着替えて社長室に来るようにと社長から申し付けられています。それでは更衣室にご案内いたしますどうぞこちらへ」

 

 ビルの中に入ると、受付の女性が俺様たちに近づき深々と頭を下げた。

 彼女に連れられ、俺様たちは更衣室でコスチュームに着替え、エンデヴァーの待つ社長室に向かった。

 

「2人ともよく来たな。歓迎するぞ」

 

 エンデヴァーを中心に多数のサイドキックが俺様たちを出迎えてくれる。轟の顔は険しくとても自己紹介という雰囲気ではないので俺様が空気を作るとする。

 

「雄英高校1年、鳳火鳥だ。よろしく頼む」

 

「……轟焦凍です」

 

 俺様は普通に自己紹介したが、轟はまだエンデヴァーに対して嫌悪しているのか会釈ですませた。此奴の家庭事情を知らない者からすれば反抗期なんだなと思われるのだろうが、粗方知っている俺様は気まづさを感じていた。

 

「早速だが、お前たちのヒーロー名を教えてもらおう。職場体験とはいえ戦闘服を身につけた以上、お前たちはヒーローだ。その自覚を芽生えさせるためにも職場体験中はヒーロー名で呼ぶように」

 

「……ショートだ」

 

「なるほどな、いいじゃないか!」

 

「俺様はザ・フェニックス」

 

「わかった」

 

 俺様たちのヒーロー名を共有し、次にサイドキックたちが自己紹介をする。それが終わるとエンデヴァーは俺たちを訓練室に連れて行く。

 

「さてお前たちは体育祭にて優秀な成績を収めた即戦力として今回の職場体験に取り組んでもらいたい。具体的には軽めの敵犯罪をお前たちに解決させようと思っている」

 

「学生、それもインターンでもない俺様たちにか?」

 

「……覇道ってやつか」

 

 エンデヴァーの話を聞き心当たりがあった轟はエンデヴァーを睨みつける。

 

「数多くのヒーローがいるこの現代、なかでもトップヒーローは学生時から逸話を残している。焦凍、お前に覇道を歩ませると言っただろう」

 

「俺様はオマケか」

 

「勿論、お前にも経験してもらう。体育祭で俺に向かってあれだけのことを言ったんだ、その度胸を買って俺自ら鍛えてやる。……話が逸れたが、差し当ってお前たちの実力を測って起きたい」

 

「なるほどな、だから訓練室か……轟、嫌いな親父を殴るチャンスができたぞ」

 

「お、おう」

 

「……そういうことだ。今から10分間のうちに俺に一撃当ててみろ。それを指標とし今後の予定を伝える」

 

 今後の予定、つまり何かしらの事件を対処しに行くのだろう。直近の事件で大手が出張るとなると、《ヒーロー殺し》が頭に思い浮かぶ。

 

「ショート!俺様が援護する。思いっきり殴ってやれ!」

 

「任せろ!」

 


 

「負けたな」

 

「クソ!」

 

 10分後、訓練室の床に倒れ伏す俺たちの姿があった。

 流石と言うべきかNo.2の実力は伊達ではないことが改めてわかった。

 

「お前たちの実力がどの程度なのかわかった。今後の予定だが明日から保須市に出張だ。目的は言わずともわかっているな」

 

「ヒーロー殺し及びそれに便乗する敵の確保だろ」

 

「その通りだ。今日はこのまま夕方まで稽古をつけてやる!」

 

「わかった」

 

「あぁ」

 

 結局この日はエンデヴァーに一撃与えるだけで終わってしまった。最後の稽古でまぐれみたいな形で攻撃を掠めたが、それ以外は俺様たちの完敗だった。

 

「だが収穫もあった」

 

「なにがだ?」

 

 食堂で遅めの夕食をとっている俺様たちは稽古の反省会をしていた。その中で俺様はエンデヴァーの炎の仕組みを僅かながらに掴んでいた。

 

「彼奴の炎のことだ。お前も知っての通り俺様の炎は回復の派生だ。故に純粋な火力勝負では分が悪い。だからそこ火力の上げ方をエンデヴァーから盗めないかと思ったのだ」

 

「……赫灼熱拳」

 

「あれはそういう名なのか」

 

【個性】の成長でエンデヴァーの個性因子の動きは視ることが出来た。後はその技術を俺様の技に落とし込むだけだ。

 

「轟、また特訓に付き合ってくれ」

 

「あぁ、俺の方こそお願いしたい。……今日見ただけでも親父はヒーローとしては完璧だった」

 

「ならこれから超えればいい」

 

「そうだな」

 

 夕食を食べ終わると俺様たちは宿舎で眠りについた。

 俺様は轟が眠ったことを確認し、訓練室に戻る。

 

「溜めて放つ、点で放出……駄目か」

 

 流石はエンデヴァーが生涯をかけて作り上げた技だ。一度視た俺様が簡単に会得できるものではなかった。

 

「それでも俺様が強くなるにはこの技が必要不可欠だ」

 

「そこでなにをしている!」

 

 赫灼熱拳を会得するためにひとりで特訓していると、訓練室の扉が開かれエンデヴァーが俺様を見て声を上げる。

 

「見てわからんのか、特訓だ」

 

「そうだな。明日から出張に行くと言ったのだ。なぜ休まずにここにいる!」

 

「俺様の【個性】なら一徹程度の疲労なら回復できる」

 

「それが原因でミスを犯したらどうする」

 

「……」

 

「仕方ない、一度だけ見せてやる。今日はそれで満足しろ」

 

「いいだろう」

 

 俺様がここを離れないことを察したエンデヴァーは訓練室に入り、ターゲットに向けて拳を放つ。

 

 “赫灼熱拳・ジェットバーン”

 

 腕に込めた炎が一気に放出され数メートル先のターゲットを焼き尽くす。

 

「……もういいな。明日も早い、眠れなくても寝るんだ!」

 

「わかった」

 

 俺様は訓練室の扉に手をかけ振り返る。

 

「感謝する」

 

 俺様は宿舎に戻り、スマホに届いていた唯からのメッセージに返信し眠ることにした。

 

 翌日、俺様たちは保須市に来た。

劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。

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  • 本編だけで大丈夫
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