キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第31話

「ハハハハハ!!! マジか!! マジか爆豪!!アッハハハハハハハ!!!」

 

「笑うな! クセついちまって洗っても直んねえんだ!!」

 

「ぶっっはははははは!!」

 

「おい笑うなぶっ殺すぞ!!」

 

「やってみろよ8:2坊やぁ!! アッハハハハハハ!!!」

 

 一週間の職場体験が終了し日常に戻ったのだが、登校すると爆豪の頭が面白いことになっていた。

 

()()()()だと?俺様との賭けをもう忘れたのか」

 

「クッ!!……わかっとるわ!」

 

「ならよい」

 

 暴言を吐いていた爆豪は慣れないのか喋りにくそうに、髪型を笑った二人に文句を言う。

 俺様は自分の席から周りを見渡すと、各々職場体験でどんなことをしたのかと盛り上がっている。

 

 基本はパトロールとトレーニングばかりだったが、耳郎は敵退治に後方支援や避難誘導で参加し、蛙吹は隣国からの密航者と戦い捕まえたらしい。

 

「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間」

 

 クラスメイトの話を聞いていると、達人の様な覇気を感じ視線を向ける。

 

「……仕上がってるな」

 

「とても有意義だったよ」

 

「目覚めたのねお茶子ちゃん」

 

「バトルヒーローのとこ行ったんだっけ」

 

「……麗日のトレーニングメニューに組手も加えてみるか」

 

 バトルヒーロー《ガンヘッド》の下で格闘術を学び覚醒した麗日は、独特な呼吸法で女子たちの会話に参加していった。

 その様子を見て、爪を噛み小刻みに震える峰田。……此奴は職場体験先で何を見てきたんだ。

 

「ま、一番変化というか、大変だったのはお前ら四人だよな!!」

 

「心配しましたわ」

 

「そうそう!ヒーロー殺し」

 

「命あって何よりだぜマジでさ」

 

 上鳴が集まっていた緑谷たちの方を向き、あの一件について話し始める。

 

「エンデヴァーが救けてくれたんだよな!さすがNo.2だぜ!」

 

「……そうだな、()()()()()な」

 

 警察を信じていないわけではないが、一応テレビや新聞で確認していたが、やはりエンデヴァーが倒したことになっているようだ。

 

「でもさ……ヒーロー殺しの最後の動画みたか。俺さアレ見てカッケェーって思っちまったんだ」

 

「上鳴くん!?」

 

「でもさ、その後の鳳の言葉聞いてさ、ハッとしたつーかそうじゃんて、なんでカッコイイとか思ったんだろうてなってさ。やっぱり鳳はスゲェよ」

 

「……そうだな。確かに信念の男ではあった。クールだと思う人もいるだろう。しかし、信念の果てに粛清という手段を選んだ。どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ」

 

 飯田がいい感じにヒーロー殺しの話題を締めると、今度は俺様に話題の矛先が向いた。

 内容は言わなくてもわかると思うが蒼炎の脳無についてだ。

 HRが始まるまで職場体験の話で盛り上がっていたが、相澤が教室に入ってきたことで落ち着くのだった。

 


 

「ハイ、私が来た」

 

 ネタ切れか。

 オールマイトがいつもと違うテンションでヌルッと始まめた午後のヒーロー基礎学、俺様たちは複雑な密集工業地帯を模した運動場γに来ていた。

 

 他の生徒にもネタ切れとツッコまれていたが無尽蔵と返し、今日の授業の説明を始める。

 まとめると、複雑な構造のこの運動場のどこかでオールマイトが信号を出す。それをランダムで決められた5~6人一組の中で誰が一番早くオールマイトの元に辿り着けるか競うというものだ。

 

「もちろん!建物の被害は最小限にな!」

 

 オールマイトが指さしで前科のある爆豪に注意する。

 

「ふむ」

 

 レースが始まると俺様は、興味本位で職場体験で完全に制御可能になった瞳の力……“王の瞳(ヒートアイズ)”と名付けた能力を発動しクラスメイトの個性因子の流れを視る。

 個性因子を視ることでその者の持つ【個性】とその状態を知覚できる。

 例えば、瀬呂がテープを発射する時、肘にある器官に個性因子が集中していることがわかるため、それを合図に回避や迎撃のタイミングが掴めるというわけだ。

 

 もうすぐ始まる期末テストに向けて、職場体験で成長したクラスメイトの情報を更新するためにも“王の瞳”を使っていると、緑谷の個性因子が他の者と違うことに気づいた。

 

 エンデヴァー事務所のサイドキックたちを見た時は、大量の粒子が1本の線のように全身を駆け巡っていたのだが、緑谷の場合は常人の何倍もある粒子が肉体という器に、限界ギリギリまで詰め込まれていた。

 

「なんだ……これは」

 

「ん?どうした?」

 

 近くにいた切島に声をかけられるが、なんでもないと誤魔化し、再び視線を戻す。

 ゴールした緑谷たちがオールマイトとから講評をもらっていた。

 

 俺様は緑谷時以上に衝撃を受けることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オールマイトに個性因子が()()()()

 この目で視た情報に動揺するが、内容が内容なだけに誰かに話すことも出来ない。

 

「……あれは」

 

 緑谷とオールマイトの体の周りに同じオーラが視える。よく視ないとわからないが、ほんの少しずつオールマイトのオーラは小さくなっていき、緑谷のオーラはそれに比例して大きくなっていく。

 

 これまでの情報の点と点が結ばれて一本の線になる。

 

 緑谷とオールマイトの【個性】は似ている。

 緑谷はオールマイトに目をかけられている。

 緑谷とオールマイトのオーラ。

 

 俺様は一つの仮説を立てる。

 緑谷の【個性】は本来オールマイトのもので、何らかの理由から緑谷に貸し与えた……いや今までの状況から譲渡したのだろう。

 馬鹿げた話ではあるが辻褄が合う。

 

 これまで若者の教育などあまりやってこなかったであろうオールマイトが、()()()()雄英の教師として赴任してきたこと。

 似ている【個性】だからよくアドバイスや相談にのって貰っていたこと。

 

 二人について延々と考えていると俺様の名前が呼ばれる。

 時間を忘れて、考えに耽っていたようだ。

 俺様は一旦推理を辞め“王の瞳”も解除する。これ以上疑問を増やさないために今は授業に集中するのだった。

 


 

「久々の授業で汗かいちゃった」

 

「俺機動力課題だわ……」

 

「戦闘力だけーってのも問題だよなあ」

 

「情報収集で補うしかあるまい」

 

「それでも後手に回っちまうけどな。お前とか瀬呂とか羨ましいわ」

 

 授業が終わり、更衣室で制服に着替えていた俺様たちは、今日の授業の反省点など話し合っていた。

 特に多かったのは機動力についてだった。

 切島や上鳴、砂糖等は特にそれを痛感したらしい。

 

 そんな中、更衣室に峰田の声が響く。

 

「……!おい緑谷!やべえ事が発覚した!!こっちゃ来い!」

 

「ん?」

 

 近くにいた緑谷を呼んだ峰田は、更衣室に貼られていたポスターを指さす。

 いつ貼ったのかわからないがテープの粘着がなくなってきたのだろう、一部が剥がれておりこれまで隠していた()()が露になる。

 

「見ろよこの穴!ショーシャ〇ク!!恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう!!」

 

「隣はそうさ!わかるだろう!?女子更衣室!!」

 

 峰田は完全に性欲に支配され暴走する。

 

「峰田くんやめたまえ!!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!!」

 

「オイラのリトル峰田はもう立派なバンザイ行為なんだよォォォ!!」

 

「八百万のヤオヨロッパイ!芦戸の腰つき!葉隠の浮かぶ下着!麗日のうららかボディに蛙吹の意外オッパッあ゛あ゛あ゙!!?

 

「……轟、救急車を呼べ」

 

「え、救急車ー!」

 

 バカ(峰田)は覗き穴から出てきた耳郎のイヤホンジャックに目を潰され、爆音の心音を流され粛清される。

 この後、報告を受けた相澤から反省文の提出を命じられるのは、また別の話だ。

 


 

 放課後、俺様は緑谷たちの【個性】について聞くため帰りのHRが終わると気配を消して緑谷の後をつけた。

 談話室に入っていくのを確認し、俺様も談話室の前まで近づくと微かにだが、緑谷とオールマイトの声が聞こえる。

 二人がいることを確認すると、俺様は扉を開ける。

 

「ッ!?」

 

「お、鳳少年!?」

 

「密談中失礼する。お前たち二人に聞きたいことがあってな」

 

 俺様が部屋に入ると、緑谷と痩せ細った金髪の男がいた。先程の声からして多分オールマイトなんだと思うが一旦置いておくことにする。

 

「今じゃ駄目なのかな」

 

「あぁ今でないと無理だ。それにとても重要なことだ」

 

 扉を閉めた俺様は二人に聞く。

 

「二人の【個性】についてだ」

 

 二人の顔が青くなり部屋の空気が張り詰めていく、俺様は午後の授業について視たものについて話し始めた。

劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。

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