「街への被害などクソくらえだ」
「試験だなんだと考えていると痛い目見るぞ」
「私は敵だ」
「ヒーローよ真心込めてかかってこい」
ステージの出口から一直線上にビル群が吹き飛び、煙の中からオールマイトが現れる。
普段の優しい雰囲気と打って変わり、恐ろしい敵としての威圧感が俺様たちの足を竦ませる。
「緑谷!爆豪!一旦引くぞ!」
「かっちゃん正面戦闘はまずいって!!」
「俺に指図すんな!!」
「「かっちゃん!!/爆豪!!」」
こちらに接近するオールマイトを前に俺様たちは、体勢を立て直してステージから脱出するために、後方へ逃げることを提案したが、爆豪は微動だにせずオールマイトを迎撃する構えを取る。
“
「オールマイト!言われねぇでも
爆豪はオールマイトの目を光で眩ませ、一気に距離を詰める。
しかし、相手はNo.1ヒーローだ。オールマイトは爆炎から飛び出した爆豪の顔を掴む。
「
「あ痛たタタタタタ」
顔を掴まれた爆豪はひるむことなくオールマイトに爆破を浴びせる。
的確に顔と腹を狙う爆豪だが、オールマイトは痛いと言いながらも爆豪を地面に叩きつける。
「全く……私をマジで倒す気
「ッ!?」
「そんな
「カハッ……!?」
「そして……君達もだ」
背中から強く叩きつけられ地面に倒れる爆豪に背を向け、俺様たちに狙いを定めるオールマイト。
「チームをおいて逃げるのかい?」
「うわっ!?」
爆豪が独断専行した時点で、俺様たちはオールマイトから距離をとりステージの出口に向かっていたが、一瞬で追いつかれる。
「馬鹿者ッ!!それは悪手だ!」
「バッ……どけ!!」
「かっちゃッ!?」
目の前に現れたオールマイトの圧に恐怖を感じた緑谷は再び距離をとるためにフルカウルで後方に飛んだが、視野が狭くなっていたのだろう、後ろから爆破で飛んできた爆豪と激突する。
「さて次は君だね」
緑谷たちが自滅したのを確認しオールマイトは俺様の前に立つ、正直【個性】有りでも此奴に勝てるビジョンが見えんがやるしかない。
「行くぞ!オールマイト!!」
腕を翼に変えオールマイトから距離を取りながら上空に飛び一気に急降下する。
急降下した勢いでオールマイトの周りを高速で飛ぶ。一定の距離を保ってビルの壁等を蹴り方向転換し、周りを飛ぶ俺様がオールマイト動きを封じる。緑谷たちのために少しでも時間を稼ぐ。
「確かに当たれば一溜りもないね、流石の私でも迂闊に動いたら最後、致命傷を負ってしまうかもな。でも……」
余裕の笑みを浮かべるオールマイトは、俺様の体を張った時間稼ぎにコメントすると、腕を振り上げる。
「
SMASH!!!
飛び回り続ける俺様の隙を狙い、強烈な拳が炸裂する。当たるギリギリで翼で防御し受身を取ったが、オールマイトの力はこの程度では緩和できず近くのビルの壁を貫き、中の柱にぶち当たる。
「ゴハッ……!?」
いくら再生ができる俺様でも痛覚はある。昔から特訓で怪我することが多く痛みに慣れてはいるが、それでも精神的なダメージは蓄積する。
「化け物がッ……!」
口に溜まった血液を吐き出し、緑谷たちの援護に向かう。
「だから!正面からぶつかって勝てるハズないだろ!」
「喋んな」
「勝つんだよ。それが……ヒーローなんだから」
ビルの壁にできた穴から二人を探していると、言い争っている声が聞こえる。未だにオールマイトを打倒するか、逃げるかで揉めているようだった。
緑谷はオールマイトの憧れが強すぎて逃走を選び。
爆豪は1番になるという強い思いから打倒を選ぶ。
「爆豪……お前は何を焦っている」
爆豪の表情から焦りを見抜くと、俺様はオールマイトの動向を確認する。
先程いた場所にはおらず、辺りを見渡すと二人に向かって落下していた。
「早く逃げろ!!」
ここからでは間に合わないと悟った俺様は二人に向かって叫ぶ。
しかし、俺様の声が届くよりも早くオールマイトは引きちぎったガードレールで緑谷を捕縛する。
続けて爆豪が攻撃するよりも早く腹に拳を当て吹き飛ばす。爆豪は吐瀉物を吐き散らしながら数メートルを転げ回る。
「緑谷!時間は稼ぐ!!」
“炎鳥・鋭弓矢”
爆豪に近くオールマイトの足下に羽を飛ばし、ビルから急降下し接近する。
「……一度あんたとは戦いたかったんだ」
【個性】を解除してオールマイトに近接戦を仕掛ける。
「直接攻撃は禁止と言ったはずだけど」
「それは【個性】を使った場合だろう……それとも自信がないのか?」
「無茶と無謀は違うよ」
俺様のあからさまな挑発に乗ったオールマイトは、俺様の攻撃を防御しながら拳を放ってくる。
俺様は最小限の動きで回避し、隙を突くように攻撃を繰り出していく。
オールマイトの攻撃は一発一発が敗北に直結する威力を持っている。俺様はこれまでの経験で培った、対人戦闘の技術を総動員して避け続ける。
「もう……いい」
「はぁ?」
オールマイトと戦っている後ろで爆豪の弱々しい声が聞こえる。
「お前らの力借りるくらいなら……まだ……負けた方がマシだ」
「彼はこう言っているが……それでも君は助けるのかい?」
「当たり前だ。俺様は王だ!誰かを見捨てるなど有り得んのだ!!」
俺様は叫ぶと腰から【個性】で尾羽を生やす。
“
尾羽から放たれた炎が俺様とオールマイトをドーム状に包み込み、即席のリングを創り出す。
「今だ!緑谷!」
オールマイトがドームから出ようとするが俺様が抑え、ガードレールから脱出した緑谷に叫ぶ。
「……ッ!!」
緑谷は爆豪のもとまで真っ直ぐに突き進むと、その頬をフルカウルで強化した拳で殴った。
「負けた方がいいなんて……君が言うなよ!!」
この光景にはオールマイトも驚いたのだろう、力が抜けた瞬間を見逃さず、ドームの中に押し戻す。
「……それでこの状況は不利じゃないかな?」
「それは同じだろう……この熱さは老体に響くだろう」
「今、私のことナチュラルにお年寄り扱いした?」
「気にするところはそこではないだろ!!」
俺様は二人が戻ってくるまでオールマイトをこの場に引き止める。
先程より範囲が狭まったせいで避けるのも一苦労だが、俺様は二人を信じてこの
「それにしてもいつ考えたんだい?こんな技をさ!」
「今さっき出来た新技だ。あんたをこの場に引き止める為だけの技さ!」
「それにしてはよく考えられてるね!」
俺様たちを閉じ込めたこの技は、俺様を中心に炎でドームを作り相手を閉じ込める技だ。
時間が経つにつれて炎の熱で意識を手放すように作ったが、オールマイトに効くかどうかは全くわからない。
むしろオールマイトなら、閉じ込められても拳一つで簡単に吹きとばせそうだが、それをしないということは……これが試験だからだろう。
「鳳少年はこの試験どうするつもりだい!」
「いきなりなんだッ」
「緑谷少年は逃避、爆豪少年は打倒を選んだ。君はどうするのかと思ってね」
互いの攻撃の手が緩まることはないが、俺様はオールマイトの質問に答える。
「どちらもなにもないだろう!どっちもだ!!」
「二兎追うものは一兎も得ずて言うけどッ!!」
「俺様は王だぞ二兎追うどころか全兎追って得を得る道を選ぶだけだ!!」
「君のそういうところ……おじさん眩しくて直視できないよ」
「老眼鏡でも買ったらどうだ!」
「またお年寄り扱いしたな!」
軽口を叩き合いながら近接戦を続ける。
オールマイトの攻撃を避けならが、緑谷たちの動きを“王の瞳”で確認する。
あと数秒といったところか。
「そろそろ暑くなってきたし……ここを出ようか!」
SMASH!!!
地面を殴った風圧で炎がかき消され、俺様に大きな隙ができる。
オールマイトがそこを見逃すつもりもなく、俺様は首を掴まれ地面に叩きつけられる。
「私を留めておくにはあの程度じゃ足りないね」
「いや……あれで充分さ」
俺様はコスチュームのマントを引きちぎりオールマイト顔に向かって投げつける。
マントはオールマイトの顔を覆う前に片手で払われてしまったが、一瞬隙を作ることに成功した。
「オールマイトッ!!!」
路地裏から飛び出した爆豪が叫びながら飛び出す。
オールマイトに接近し、俺様を掴んでいる右手側から顔面に爆破を浴びせ視界を奪う。
俺様を掴むオールマイトの力が僅かに緩んだので、強引に振りほどき両足で腹を蹴り体勢を崩させる。
「「緑谷!!!/デク!!!」」
体勢を崩したオールマイトの背後から緑谷が爆豪のコスチュームの篭手を装備して現れる。
あの篭手には爆豪の爆破する汗が溜め込まれており、照準はオールマイトに向けられていた。
「撃て!!!」
「ごめんなさい!オールマイト!!」
FABOOOM
次の瞬間、強力な爆発がオールマイトを襲う。
俺様たちは出口に向かって走り始めた。
劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。
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やってくれ必要だろう
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本編だけで大丈夫
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どちらでもいいよ