読みにくいかもしれませんが、小大唯のセリフは今後もこのようにしますのでご理解いただけると幸いです。
雄英高校から試験の合否が送られてきた。結果は語るまでもないが首席合格だ。筆記試験は満点、実技試験も歴代最高点を更新したと伝えられた。
両親に伝えると、大喜びし今夜はお祝いだと張り切っていた。
話を戻すが、試験の結果には驚くことはなかったが、意外な人物の登場に俺様は興味を持った。
「オールマイト……まさか雄英の教師になるとはな。ヒーローの頂点に立つ者、俺様が挑むに相応しい男だ」
雄英からの封筒に入っていた投影機から映し出されたオールマイトを見ていると机に置いたスマホから連絡がくる。画面を確認すると、唯からだった。
「俺様だ」
『ん?』
(私だけど今、大丈夫?)
「構わぬ……だが、要件は言わずとも分かる。合格したのだろう」
『ね』
(なんでも分かるんだね)
「王たるものの務めだ。お前がこの3年間どれだけ努力したのかは、俺様が1番知っている」
『んん!』
(火鳥のおかげだよ。ありがとう!)
「俺様は特別なにかしたわけではない。よって礼は不要だ」
『ん』
(またそういうこと言う)
『んん?』
(もうひとつ、話さないといけないことがあるんだけどいい?)
「構わぬ」
珈琲を口に含み、唯の言葉を待つ俺様だったが、次の瞬間オールマイトよりも驚くことになる。
『んん?』
(お母さんとお父さんと話してたんだけど、4月から火鳥とルームシェアするって知ってる?)
「ブッ!?」
突然のことに、飲み込んだ珈琲が変なところに入り思い切り吹き出した。
「ゴホッゴホッ……ルームシェア!?誰と誰がだ?俺様と唯がか?どう考えても大丈夫じゃないだろう!何を考えているのだお前の両親は!」
『ん』
(おばさんたちも賛成してるって聞いたけど)
「彼奴らも噛んでいるのか!……話を聞いたらすぐにそちらに向かう、お前の両親に伝えておけ」
通話を切り、俺様は自室を出る。俺様の雄英合格記念のパーティーの準備をしている両親の元に向かうのだった。
あれから1ヶ月がたった。
結局、俺様たちは静岡にある親父の元事務所兼住居を借りて住むことになった。俺様はこの1ヶ月の間に何度も抗議したが、最後は唯の意見を尊重しルームシェアすることが決まった。当然ながら俺様たちの両親は着いてこないが、実家で世話になった家政婦が引越し先に来てくれることになっている。
俺様は必要ないと言ったが、家政婦から「No.1ヒーローになるためのお手伝いをさせてください」と懇願され、無下にできなかった。
「というわけで俺様はもう行くぞ。長期休暇には一度帰る」
「もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「そうだぞ。入学式までまだ3日はあるじゃないか」
「3日しかないのだ。貴様らがもう少し、もう少しと駄々をこねるから今日まで
3月もあと少しで終わり、雄英高校の入学まであと3日だと言うのに、俺様の両親は玄関で未だに駄々をこねている。
「本来なら、1週間前から新たな城に移る予定だったのだ。それを寂しいからと引き伸ばしよって」
「だって寂しいだもん」
「その年齢の男がだもんとか言うな気色悪い」
「忘れ物とかない?あ、お腹すいてないかしらお弁当作りましょうか?」
「大きな荷物は既に城に送っている。それに弁当は必要ない。さっき朝餉を食したばかりだ。昼は駅弁で済ますと言っているだろう。これも何度も説明したぞ」
かれこれ30分は、この問答を続けている。時間に余裕があるとはいえ、いい加減諦めてほしい。
「出来る限り連絡はすると何度も言っているだろう!悪いが唯を待たせているのでなもう行くぞ!」
「……わかったわ」
「そうだな」
「……」
やっと諦めたのか、2人は俺様から手を離し笑顔で出発の門出を喜んだ。
「では、行ってくる」
「「行ってらっしゃい」」
俺様は、2人に背を向け玄関を出る。唯との待ち合わせ場所である、近くの公園に向かう。
「おうさま~!」
「おうさまだ!」
「おうさま!おうさま!」
春休みということもあり、近所に住む子供たちとすれ違い俺様に挨拶をする。今更ながら此奴らとも暫く会えなくなるのかと考える。
「俺様は暫くの間、この街から離れる」
「えーなんで」
「さみしーよ」
「もうあそんでくれないの?」
「フハハッ!案ずるな、時間はかかるが必ず帰ってくる!その時までに俺様が驚く程に成長してみせろ!」
「わかった!」
「さかあがり!がんばるよ!」
「ピーマンたべる!」
俺様の言葉に、子供たちは思い思いに自分の目標を語ってくれる。俺様は子供たちと別れ、公園までの道を進む。
しばらくすると中学時代、よく放課後に立ち寄った商店街に入る。
「王様!雄英でも頑張ってください!」
「王様、うちのコロッケ持っていきなよ!」
「王様向こうでも俺たちのこと忘れないでくださいよ」
俺様が商店街を通ると、店から人が出てきてコロッケや漬物、団子等渡してくる。俺様たちのために作ってくれたのだ、ありがたく貰っておく。
「貴様らも、俺様がいないからといってショッピングモール等に負けるなよ」
「当たり前さ、王様が一生懸命に盛り上げてくれた
「だから王様も簡単に諦めるんじゃないよ」
「誰に言っている!瞬く間にNo.1になり、ここを更に大きくしてやる!」
「そりゃ有難いね!」
「楽しみにしておくよ!」
「あぁ、また来る……元気でな」
「王様こそ元気にしなよ」
「体育祭、皆で応援するからさ」
「頑張りな!」
商店街の臣下たちに背中を押され俺様はこの場を後にした。商店街をぬけると目的地の公園が見えた。
俺様に気づいた唯がこちらに近づいてくる。
「ん」
(相変わらず人気者だね)
「見ていたのか?」
「んん」
(見てなくてもわかるよ、いつも時間通りの火鳥が遅れてくるもん)
「そうか」
俺様たちは、公園を離れて駅を目指す。これから数時間は新幹線の中だ。生まれ育った街を出て俺様たちは夢に向かって歩みを進める。
「ん」
(そうだ)
「どうかしたのか?」
「んん」
(改めて言っておこうと思って。首席合格おめでとう)
「……ありがとう」
「ん……ん!?」
(うん……えっ今ありがとうって言った!?)
「言ってない」
「ん!ん!!」
(絶対言った!ちゃんと聞こえたもん!!)
「冗談も程々にしろ、置いていくぞ」
「ん!」
(待って走らないでよ!)
……なんてこともあったなと思い出にふけっていたがいい加減、現実に向き合わなければいけないらしい。
「トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう」
「「「「「はぁ!?」」」」」
雄英最初の関門が迫っていた。
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