キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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今回、小大さんが普通に喋ります。
登場人物が全員小大さんが何を言っているか理解しているからという表現です。

また、感想でご指摘を受けましたのでこの場で改めて説明させていただきます。
小大さんのセリフの下をコピペするか、誤字報告を使用すると「ん」とか「ね」で何を言っているか分かります。
分かりにくくて申し訳ございません。


第39話

 期末試験が終わり数日が経った。

 

 教室は一部の生徒たちが発する悲しみのオーラでどんよりとしていた。

 

「皆……土産話っひぐ……楽しみに……ぅぅ、してるっ……がら!」

 

 芦戸が泣きながら俺様たちに林間合宿を楽しんでと言うが、こんな姿を見せられたら合宿中にフラッシュバックするだろう。

 

「ま、まだわかんないよ!どんでん返しあるかもだし!」

 

「緑谷……それは口にしたらだめなやつだぞ」

 

 緑谷が精一杯フォローしてみるが、逆効果で上鳴が叫び出す。

 

「試験で赤点取ったら林間合宿に行けずに補習地獄!そして俺らは実技クリアならず!これでまだわからんのなら、貴様らの偏差値は猿以下だ!!」

 

 怒りなのか、悲しみなのかテンションがおかしくなった上鳴がキェェェと奇声をあげ緑谷に攻撃していた。

 

「上鳴、落ち着けって。合格かどうかは俺だってわかんねぇよ。峰田のおかげで試験に復帰できたけど、前半は寝てただけだぜ」

 

 瀬呂も話に参加し、試験の条件をクリアできなかった四人に声をかける。

 近くに座っていた峰田が自分の活躍が話題に出たことで、これみよがしにドヤ顔して聞き耳を立てている。

 

「とにかく採点基準が明かされていない以上は……」

 

「同情するならなんかもう色々くれ!!」

 

「予鈴が鳴ったら席につけ」

 

 上鳴はなおも叫ぶが、教室の扉が開き相澤が入ってきたことで一瞬で静かになった。

 入学してから半年も経っていないが、皆相澤が怖いのか、どれだけ席から離れていてもすぐに着席できるようになっているな。

 

「おはよう、今回の期末試験だが……」

 

 相澤の言葉に四人が反応する。

 特に上鳴は色が抜け落ちて真っ白に燃え尽きていた。

 

 

 

 

 

「赤点は出なかったので林間合宿は全員で行きます」

 

「どんでんがえェェェェェ!!!?」

 

 四人が叫ぶ。

 それもそうだろう、赤点だと思っていたら普通に合格していたんだ。

 

「筆記も実技も赤点はゼロだ」

 

「先生!いいんですか!?俺たち試験クリアできなかったんですよ!?」

 

「落ち着け順を追って話す。今回の演習試験、気づいてる奴もいるが、我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るように動いた。でなければ課題うんぬんの前に詰む奴ばかりだったろうからな」

 

「なるほど」

 

「本気で叩き潰すと仰っていたのは……」

 

「もちろん追い込むためさ、そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点を取った奴こそここで力をつけてもらう必要がある」

 

 尾白の質問に答えた相澤は一息つき口を開く。

 

「合理的虚偽ってやつさ」

 

「ゴーリテキキョギー!!」

 

 いつものである。

 クラスメイト……とくに四人が喜んでいる中、飯田が相澤に物申した。

 

「またしてやられた……しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」

 

「わぁ……水差す飯田くん」

 

「確かにな省みるよ。ただ全部が嘘ってわけじゃない」

 

 飯田の言葉に相澤は赤点を取っていた場合どうなるのか説明を始める。

 

「赤点を取った奴は林間合宿のカリキュラムとは別途に補習時間を設けていた」

 

「……切島、砂藤、上鳴、芦戸、瀬呂そして麗日、青山。今読んだ七名は赤点ではなかったがギリギリだった。30点が赤点なら35点くらいだ、合宿で気を抜くようなら補習地獄が待ってると肝に銘じておけ」

 

 相澤にそう言われ、七名の顔色が青くなる。

 瀬呂は羞恥からか顔を隠していた。……青くなったり赤くなったり忙しい奴だ。

 

「それじゃ合宿のしおりを配るから後ろに回していけ」

 

 しおりを配られるとその後のHRは林間合宿の説明で終了した。

 


 

「何はともあれ、全員で行けて良かったね」

 

「一週間の強化合宿か!」

 

「けっこうな大荷物になりそうだね」

 

「暗視ゴーグル」

 

「お前それ持ってきたら俺様が直々に壊すからな」

 

「俺、水着とか持ってねーや、色々買わねぇとな」

 

 放課後、俺様たちはしおりを見ながら林間合宿について話をしていた。

 上鳴が言うように用意する物が多くあり、一同はどうするか相談していると、葉隠が口を開く。

 

「あ!じゃあさテストも終わったことだし、明日みんなで買い物行こうよ!」

 

「おお良い!!何気にそういうの初じゃね!?」

 

「おい爆豪!お前も来いよ!」

 

「行かねぇ」

 

「轟くんも行かない?」

 

「悪い休日は見舞いなんだ」

 

 葉隠の提案から早速何時に集合するのかなどの予定が立てられるが、爆豪はもちろんこと轟も参加できないと断っていた。

 

「鳳くんは明日どう?」

 

「突然、両親がこっちに来ると言ってきてな……家を借りている手前無下に出来んのでな。スマンが参加することはできない」

 

「ノリが悪いよ空気読めやKY男共ォ!!」

 


 

「久しぶりねひーくん!!」

 

「火鳥、少し大きくなったんじゃないか?」

 

「やめろ暑苦しい」

 

 翌日、俺様は両親にもみくちゃにされていた。

 いつもの事だから諦めているが……爆豪が自分の両親に同じことをされたらキレそうだな……なんて現実逃避しながら離れてくれるのを待っている。

 

「おじさん、おばさんお久しぶりです」

 

「あら唯ちゃん!元気にしてたかしら♪」

 

「また一段と可愛くなったね!息子が羨ましいよ!」

 

「あら?それじゃ私はもういらないの?」

 

「そんなわけないだろう、今のは言葉の綾さ。俺の愛する女性は君だけだよ」

 

「もうあなたったら♪」

 

 両親が離れるのを待っていると唯が二人の前に来て挨拶をすると、どういうわけか寸劇が始まりバカップルみたいにイチャイチャし始めた。

 二人から抜け出せたのはいいが、実の息子の前でこれを見せるのはやめて欲しい。

 

「それで突然こっち来るなんてなにかあったのか?」

 

「ん?特に理由は無いぞ。強いて言うならお前の顔が見たかったからかな」

 

「そうか、なら要は済んだな早く帰ってくれ」

 

「ひーくんこっちに引っ越してから、私のアップパイ食べれてないでしょ?だから沢山作ってあげようかなって♪」

 

「……何をしている早く上がるといい。今、お茶を用意する」

 

「王様が現金でいいのかよ」

 

 親父の呆れた声が聞こえたが無視する。俺様にとって母さんの作るアップパイは特別なんだ。

 二人を家に上げると、母さんは家政婦の佐熊とキッチンでアップパイを作り始めた。

 母さんたちを待っている間、俺様は親父に戦闘服の改良案を相談していた。

 

「オールマイトと戦ったのか!?」

 

「あぁおかげでコスチュームはボロボロだ」

 

「最初聞いた時は驚いたよ……体はもう大丈夫?」

 

「まだ少し怠いが怪我は治っている」

 

 隣に座る唯が心配そうにこちらを見てきたので腕を捲り、火傷した箇所を見せるが傷は無い。

 

「それでコスチュームのどこを変えたいんだ」

 

「……具体的には俺様の炎に耐え尚且つ、排熱をそのままエネルギーに変換できるアーマーだな」

 

「おいおい無茶なこと言うなよ」

 

「あくまで第一希望だ。現実的な話をするなら、今のイメージのまま装飾品を減らして、【個性】に干渉しないプロテクターが欲しいな」

 

 そう言ってコスチュームのイラストが描かれた紙を親父に渡す。

 親父はしばらく考えたあと、これならいけるといいオールマイトとの戦いで損傷したコスチュームの改修を引き受けてくれた。

 そうこうしていると、母さんのアップパイができたようで、皆でティータイムを楽しんでいた。

 

 クラスメッセージから緑谷が敵連合と接触したことを知らされるまでは……。

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