キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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あまり関係のない話ですが、チェンソーマンレゼ編を観てきました。
特に戦闘シーン作画が凄かったです。

……心にぽっかりと穴が空きました。


第41話

「ここが『I・アイランド』か」

 

「ん」

(すごいね)

「あぁテーマパークに来たみたいだな、気分が上がるな」

 

「ん?」

(そんなに楽しみにしてたの?)

「未知の素材、最新の技術を用いて造られたアイテムの数々、俺様の理想を叶えてくれる開発者に出会えるかもしれない……考えただけでワクワクが止まらないな」

 

「んね」

(そういえばおじさんのところで働いてるアイテムの開発者に色々教えて貰ってたんだよね)

「そうだな……家電程度は普通に直せるし、ヒーローアイテムも造るのは無理だが構造くらいなら理解している」

 

「ん」

(昔からなんでもできるよね)

「なんでもは無理だ。できることが多いだけだ」

 

 俺様たちは飛行機を降りると、ムーヴィングウォークに乗り最新鋭のAIによる入国審査を受ける。

 この『I・アイランド』の警備システムはタルタロスに匹敵すると言われており、この最新鋭の設備にも納得がいく。

 

「この後だが、親父がホテルをとっていると言っていた。まずは荷物を預けて『I・エキスポ』を楽しむとしよう」

 

「ん」

(後でおじさんにお礼言わなくちゃね)

「別に必要ないだろう……唯が喜んでくれるなら親父も満足だ」

 

「ん!」

(そういうのはちゃんとしないとダメ!)

「悪かった……俺様もちゃんと礼は言っておく」

 

「ん」

(よろしい)

 そうこうしてるうちに、入国審査が完了しアナウンスから『I・エキスポ』の案内を聞く。

 

「ここは日本と違って【個性】の使用は自由だ。エキスポ内に【個性】を使ったアトラクションもあるらしいし後で行くか?」

 

「ん!」

(早く行こう!)

 唯とこれからの予定を確認しながらホテルに荷物を預けると、『I・エキスポ』の会場に入る。

 プレオープンなのに人が多く、あちこちから楽しそうな声が聞こえる。

 

「んん!」

(すごいね!テレビで見たことあるヒーローもいるよ!)

「そうだな」

 

 唯が普段見せないようなテンションでパビリオンやヒーロー達に目を輝かせている。

 俺様はそんな唯を写真に収める。親父たちに送る用だが、俺様個人としてもこの写真は残しておきたいと思い、アルバムアプリのお気に入りフォルダーの中にしまっておく。

 

 早速、パビリオンを見学しに行こうとエキスポ内を移動していると、オールマイトが来たという話が聞こえてくる。

 

「ん?」

(どうしたの?)

「いや、オールマイトがここに来ているという話が聞こえてな。もしかしたら知り合いも来てるんじゃないかと思ってな」

 

「ん」

(会えたらいいね)

「そうだな」

 

「そういえば、今日の夜に関係者を集めたパーティーもあるぞ。俺様たちも親父の代理兼体育祭優勝者として参加することになってる」

 

「ん!?」

(え!?ドレス持ってきてないよ!?)

「安心しろ、俺様が既に用意している」

 

「ん!?」

(いつのまに!?)

「常に準備を怠らないのが王という者だ。…………俺様が選んだドレスを着て欲しいなんて口が裂けても言えんがな

 

「ん?」

(なにか言った?)

「ただの独り言だ。それよりもデヴィット・シールドの発明したアイテムを見に行きたいんだが、唯はどうする?」

 

「ん」

(私も着いてくよ)

「無理しなくてもいいんだぞ」

 

「ん!」

(火鳥の興味がある物を私も知りたいの!)

「……わかった」

 

 珍しく頬を膨らませムッとした唯を宥め、俺様たちは多数のアイテムが展示されたパビリオンへ向かった。

 


 

「いやぁ……最新の技術はすごいな!俺様もうかうかしていたら、ついていけなくなるかもしれんな!」

 

 デヴィット・シールドの特許を元に開発されたアイテムの数々を見た俺様は、珍しく興奮していた。

 飛行はもちろん水中行動も可能な多目的ビークル、深海7000mまで耐える潜水スーツ、36種のセンサーが内蔵されたヘルメット型のゴーグル。どれもこれも素晴らしい発明で俺様の好奇心を大いに刺激した。

 

「ん」

(楽しそうだね)

「あぁ!とても満足だ!」

 

「んん」

(それにしても火鳥が機械が好きって珍しいね。音楽とか絵画ばっかり見てたから知らなかったよ)

「男は皆ロボットが好きなんだ。俺様はそこから細々とした機械に進んでいっただけさ」

 

「んん♪」

(そっか……火鳥の好きな物が知れて良かった♪)

「ん?」

(次はどこに行くか決めてるの?)

「いい時間だし、カフェにでも寄るか?」

 

「ん」

(ちょっとお腹減ってきたもんね)

 俺様たちはパビリオンを後にして、エキスポ内にあるカフェに向かった。

 


 

 俺様たちはパビリオンの見学で少し疲れたので、エキスポ内のカフェに来たのだが……

 

「噂をすればと言うが、まさか本当に会えるとはな」

 

「鳳くん!来てたんだ!」

 

 緑谷たちと出会った。

 このカフェには、緑谷の他に麗日、耳郎、八百万がおり、金髪の女性と楽しげに話していた。

 

「デクくんこの子たちは?」

 

「僕の友達の鳳火鳥くん、隣はその幼なじみの小大さんです」

 

「初めまして鳳火鳥と申します」

 

「ん」

(小大唯です)

「二人とも初めましてまして、私はメリッサ・シールド。今、デクくんにパビリオンを案内していたの」

 

 金髪の女性ことメリッサ・シールドと自己紹介し俺様はあることに気づく。

 

「もしかしてデヴィット・シールドさんの」

 

「えぇそうよ。デヴィット・シールドは私のパパなの!」

 

「通りで見たことがあったんだ。先程アイテム展示のパビリオンを見てきたところだったんです。素晴らしい発明ばかりではしゃいでしまいました」

 

「ふふ、ありがとう」

 

「……唯ちゃんあれええの?」

 

「浮気ってやつなんじゃないの?」

 

「二人とも鳳さんに失礼ですわよ」

 

「ん」

(火鳥はそんな事しないってわかってるから大丈夫)

 

「……これが正妻の余裕」

 

 メリッサと発明品について語っていると、後ろの方で女性陣から冷ややかな目を向けられた。……耳郎、正妻ってなんだ正妻って、俺様たちは結婚どころか付き合ってすらいないんだぞ。

 

「おうおう!幼なじみだけじゃ飽き足らず他の女性に声をかけるなんて……紳士の風上にも置けないな!」

 

 女性陣とは違うところから声をかけられた俺様は、声の方向に顔を向ける。

 そこにはウェイター姿の峰田と上鳴がいた。

 

「お前たちもいたのか」

 

「おう!ここのバイトでな!」

 

「お金も貰えて美女との出会いもある!サイコーだぜ!……じゃない!!お前!幼なじみがいる分際でなに他の女と楽しげに話しとんじゃ!!」

 

「男の嫉妬ほど醜いものはないぞ」

 

「なんだと!!」

 

 峰田が俺様に突っかかっている後ろで、緑谷がメリッサに此奴らの紹介をしている。

 峰田は俺様の胸ぐらをつかみ血涙を流しながら説教しているが、別に口説いていないし、浮気でもないので右から左へと受け流している。

 

「峰田くん!なに油を売っているんだい!バイトを引き受けた以上、労働に励みたまえ!」

 

 俺様を詰める峰田にいつの間にか来ていた飯田が注意し、仕事に戻らせる。

 

「皆も来ていたんだね」

 

「飯田くんもなんだね」

 

「あぁ俺はヒーロー一家だからね。招待状を頂いたのさ!皆はどうしてここに?」

 

「ウチらはヤオモモから招待状を譲ってもらって」

 

「ぼ、僕はオールッ!?じゃなくてええっと!?」

 

「はぁ……体育祭優勝者兼親父の代理である俺様の付き添いだ。緑谷とはここにオールマイトが来ていると聞いて別行動していたんだ」

 

「う、うん!そうなんだ!」

 

 飯田にここに来た経緯を説明していると緑谷が慌てていたので、なんとなく状況を理解して助け舟を出してやる。

 上手く誤魔化せたようで、それ以上の追求はなかった。

 

 メリッサと明日以降の一般公開に参加する、プレオープンに来れなかった残りの女子たちの話をしていると、どこからか轟音とともに土煙が上がった。

 


 

 土煙が上がった場所に来ると、オープン会場の中で切島が仮想敵を破壊してそのタイムを測っていた。

 

 全ての仮想敵を倒すと、司会の女性がタイムと順位を発表していた。

 

「切島!無事来れたみたいだな!」

 

「お!鳳に皆も奇遇だな!」

 

 タイムアタックが終わり観客席に来た切島と合流し、談笑していると、次の挑戦者が現れる。

 

「かっちゃん!?」

 

「彼奴もちゃんと来たんだな」

 

「おう!俺が連れて来たぜ!」

 

 などと会話しているうちに爆豪は暴言ではないが叫びながら全ての仮想敵を破壊していた。

 なお、俺様がいることに気づくや否や観客席まで爆破で飛びキレてきたがどうでもいいので無視する。

 

「……なにがどうなって緑谷がやることになったんだ」

 

 どうやら俺様が爆豪にキレられている間に、女性陣や飯田にメリッサから挑戦してみなと背中を押されたらしい。

 

 緑谷がスタートの合図と共に仮想敵を破壊していく。

 俺様はその姿を見るメリッサの目が気になり声をかける。

 

「緑谷が気になるのか?」

 

「鳳くん!?……えぇなんだか力を意図的にセーブしているみたいに見えて」

 

「実際そうだからな。緑谷の【個性】はシンプルな身体能力の強化だ。ただ強化率が高いのか制御を誤ると体が自壊するんだ」

 

「そうなのね……だからか」

 

 メリッサは一人で考え込んだので、邪魔するのも悪いと思いその場を離れる。

 

 緑谷の挑戦が終わると、爆豪が突っかかっていていたが、轟がチャレンジしその記録を見て標的を変えた。

 飯田を筆頭に切島と緑谷が暴れる爆豪を止めていると、唯が俺様の肩を叩いてくる。

 

「ん?どうした?」

 

「ん?」

(火鳥は参加しないの?)

「結果は見えてるからな」

 

「……ん」

(……火鳥のいいとこ見てみたい)

「おい……」

 

「ん!ん!」

(火鳥のいいとこ見てみたい!火鳥のいいとこ見てみたい!)

「わかったから!その飲みサーのコールみたいなのをやめろ」

 

 唯のワガママを聞き俺様は観客席から飛び降りてステージに着地する。

 司会の女性に飛び入り参加は可能かと問うと大丈夫だと言われたので、チャレンジに参加する。

 

『それでは飛び入り参加のチャレンジャー!どんな記録を見せてくれるのか!ヴィラン・アタックスタート!!』

 

 合図と共に腕を翼に変えると、炎を圧縮し一気に放つ。

 

 “炎鳥・鋭弓矢”

 

 ほぼ同時に全ての仮想敵を羽が撃ち抜き爆発する。

 轟よりも速く撃破したことで、司会も観客も驚いて声が出ていない。

 

『き、記録3秒です!!トップの14秒を超えてトップに君臨しました!!』

 

 司会の発表で会場は大いに盛り上がり歓声が響き渡る。

 清々しい気分で観客席に戻ると、唯がふんすとドヤ顔して緑谷に自慢していた。

 そんな姿を見て参加した甲斐はあったと誇らしくなった。

 

 ……当然だが爆豪はキレたので、全員でチャレンジ会場から引きずり出したことは、語るまでもないだろう。

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