キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第42話

『本日は18時で閉園になります。ご来園ありがとうございました』

 

 アナウンスが『I・エキスポ』の終了をお知らせする。

 ヴィラン・アタックの後、爆豪たちと別れた俺様たちは様々なパビリオンの見学や【個性】を使ったアトラクションを堪能した。

 

 エキスポから出る前に峰田たちの様子を見に行くことになり、俺様たちはカフェに戻ってきた。

 

「あぁ……」

 

「……プレオープンでこの忙しさってことは……明日からどうなっちまうんだ」

 

「やめろ……考えたくない……」

 

 カフェの前で、疲れ果てた二人を発見した俺様たちは声をかける。

 

「峰田くん!上鳴くん!お疲れ様!」

 

「労働よく頑張ったな」

 

「ん?なんだこれ?」

 

 緑谷と飯田が労いの言葉をかけ、ある物を二人の前に差し出す。

 

「それはレセプションパーティーへの招待状ですわ」

 

「パーティー?」

 

「俺らに?」

 

「メリッサさんが用意してくれたの」

 

「せめて今日くらいわって!」

 

「余ってから、良かったら使って」

 

 メリッサが用意した招待状に感激した二人は、抱きしめ合い今日の労働を頑張ったことに意味があったと、泣きながら喜んでいた。

 

「パーティーにはプロヒーローたちも多数参加すると聞いている。雄英の名に恥じないためにも、正装に着替え団体行動でパーティーに出席しよう!18時30分にセントラルタワーの七番ロビーに集合!時間厳守だ!」

 

 ここにいる全員がパーティーに出席することになっているので、委員長である飯田が張り切って仕切り始める。

 

「飯田、女性陣は色々と支度があるだろう。18時30分で大丈夫か?」

 

「む!そうか……八百万くん!女性陣の方は任せてもらってもいいかな?」

 

「わかりましたわ」

 

「集合時間は18時30分から19時の間とする!轟くん、爆豪くん、切島くんには俺から連絡しておく!」

 

「では解散!」

 

「飯田くんフルスロットル!」

 

 連絡事項を伝えると飯田は【エンジン】を噴かし、颯爽とエキスポを後にした。

 

 俺様たちも解散し、正装に着替えるため各々ホテルに戻り始める。

 緑谷はメリッサに連れられてどこかに行ってしまった。

 

「俺様たちも行くとするか」

 

「ん」

(そうだね)

 


 

「よし……いいんじゃないか」

 

 正装に着替えた俺様は、ホテルの部屋にある姿見でおかしなところがないか確認している。

 黒を基調としたスーツに、胸元に赤い一輪の薔薇の刺繍が入ったベストを着た俺様は、何時もより大人びて渋く輝いている。

 普段上げている髪はあえて下ろし整髪料でいい感じにセットし、黒縁の伊達メガネをかけて身支度を整える。

 

 唯は八百万に頼んでドレスに着替えているので、どんな風になるか少しドキドキしながら、集合場所に向かう。

 

 

 

 集合場所のロビーに着くと飯田がいた。

 真面目な飯田らしいしっかりとした青を基調としたスーツを着ていた。

 

「鳳くん!とても似合っているね!」

 

「お前こそしっかり着こなせているな」

 

「お、お前ら早いな」

 

 俺様の後に続いて、白のスーツに身を包んだ轟もロビーに到着する。

 

「轟くんもとても似合っているぞ!」

 

「おぉ……ありがとな」

 

「イケメンは良いよな!何着ても似合うから!」

 

「峰田そう僻むなって、折角のパーティーなんだから楽しもうぜ!」

 

 後ろから、峰田と上鳴が喋りながらロビーに来た。

 二人はバイトで着ていたエプロン以外の仕事着を、そのまま流用してきたようだ。

 

「鳳!お前なんだよその髪型!普段上げてるくせにパーティーだからってカッコつけてんじゃねぇーよ!」

 

「そう褒めるな!俺様は常に完璧だからな!」

 

「褒めてねぇーよ!!」

 

「久々に見たなナルシスト鳳」

 

「二人とも余り大きな声で騒がないように!他の方もいらっしゃるんだぞ!」

 

 峰田が俺様に嫉妬し文句を言ってくるが、俺様にとってその言葉は褒め言葉にしかならんので快く受け取ってやる。

 

「それにしても緑谷はいないのか?」

 

「彼奴がここまで遅くなるとは珍しいな」

 

 腕時計で時間を確認するとまだ19時にはなっていないが、緑谷にしては遅すぎると皆が口々に言い始める。

 

「俺が連絡してみる」

 

 飯田がロビーを少し離れて緑谷に連絡を取ると、スピーカーの向こうから慌てた声が聞こえる。

 

 しばらくすると、緑谷が慌ててロビーに来た。

 

「ごめん遅くなって!?あれ……他の人は?」

 

 緑谷は遅れたことを謝罪すると、女性陣がまだ来ていないことについて飯田に聞いていた。

 

「まだ来ていない。いくら支度に時間がかかるとはいえ団体行動をなんだと思っているんだ」

 

「こればっかりは仕方がないだろう。八百万は慣れているかもしれんが、麗日や耳郎はドレスを着るのが初めてかもしれんだろう。それにメイクだって色々時間がかかったりするものだ」

 

「それはそうだが」

 

「オイラそれよりも鳳が詳しすぎてちょっと引いてるんだけど……」

 

「母さんの友人がスタイリストをしているんだ。昔、母さんとお茶会をしている時に聞いたのだ」

 

「改めて鳳の人脈って凄そうだよな」

 

「実際凄いからな。わざわざ言う必要が無いから言ってないだけでな」

 

 などと会話していると、扉が開き桃色のドレスに身を包んだ麗日が現れる。

 

「ごめん遅くなってしもた」

 

「「うおぉ!!」」

 

 普段の麗日とは違う姿に峰田と上鳴は興奮していた。

 

「申し訳ありません……耳郎さんが」

 

「オーイェス!オーイェス!」

 

 大人びたドレスに身を包んだ八百万と、ドレスにジャケットを合わせた耳郎がロビーに到着する。

 峰田たちは視線的に八百万を見て盛り上がっていた。

 

「ウ、ウチこういう格好はその……なんというか」

 

 照れているのか、普段のサバサバした物言いが鳴りを潜め乙女らしくなっている耳郎に上鳴と峰田が一言。

 

「馬子にも衣装ってやつだな!」

 

「女の殺し屋みてぇ」

 

 失言した。

 

 上鳴の性格的に褒めたのだろうが、絶望的に言葉選びが悪かった。普通に似合っていると言えばいいものを、変に知的な言い回しをしようとことわざを用いたが、それはこの状況にふさわしくない。

 

 峰田はそもそも最初から褒めていない。

 露骨にそういところがあるからお前は駄目なのだと思うが、口にしたところで余り意味が無いと思い黙っておく。

 

 二人は当然、耳郎のイヤホンジャックで制裁を受けた。

 

「お待たせ」

 

「お、唯か」

 

 三人がわちゃわちゃしている後ろで、俺様の後ろから唯が現れる。

 唯は赤を基調としたドレスに身を包み、普段下ろしている髪をシニヨンにしていた。

 

「……ッ」

 

「ん」

「なにも言ってくれないの」

「悪い……とても綺麗だったから驚いてしまってな。……似合っている、今夜は俺様にエスコートさせて欲しい」

 

「ん!」

(ありがとう!)

「お前ら!どさくさに紛れてイチャコラすんな!!」

 

 唯は俺様の差し出した手を握り、二人の世界に入っていると、峰田が後ろから叫んでくる。

 そうこうしていると、また扉が開いた。

 

「「うひょー!!」」

 

 扉から出てきた金髪の美女を見て二人は今日一番の盛り上がりを見せる。

 

「デクくんたちまだここにいたの?パーティー始まってるわよ!」

 

「真打ち登場キター!!」

 

「やべぇよ俺どうにかなっちまうよ!!」

 

「どうにでもなれ」

 

 トリを飾ったメリッサに峰田は感涙し、上鳴もテンションがおかしくなる。そんな二人を見て耳郎は呆れながらツッコミを入れる。

 

 ともあれ全員が揃ったのでパーティー会場に向かおうとすると、突然タワー内のスピーカーからアナウンスが流れる。

 

『I・アイランド管理システムからお知らせします』

 

「な、なんだ!?」

 

「なにが起きたの!?」

 

「落ち着け!まずは放送を聞いてからだ!」

 

 いきなりの出来事に驚く皆を落ち着かせアナウンスの続きを聞く。

 

『警備システムによりI・エキスポエリアに爆発物が仕掛けられたという情報を入手しました』

 

『I・アイランドは現時刻を持って厳重警戒モードに移行します。島内に住んでいる方は自宅または宿泊施設に。遠方からお越しの方は近くの指定避難施設に入り、待機してください』

 

『今から10分後以降の外出者は、警告なく身柄を拘束されます。くれぐれも外出は控えてください』

 

『また、主な主要施設は警備システムによって、強制的に封鎖します』

 

 そのアナウンスが流れるや否や、俺様たちがいるロビーの窓の防火シャッターが閉じられ入口が塞がれてしまった。

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