キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第50話

 色々あったが無事に合宿施設に到着した俺様たちは各々自由な時間を過ごした。明日に備えて軽い運動をしたり、友人と森を散策したり、部屋で休むんだり各々自由にしていた。

 日暮れ頃に施設に到着したB組たちと一悶着(物間)はあったものの、夕食の時間になる。

 一応昼食は用意されていたが、育ち盛りの高校生の食欲を舐めてはいけない。

 

「美味しい!!米美味しい!!」

 

「五臓六腑にしみわたる!!ランチラッシュに匹敵する粒立ち!!いつまでも噛んでいたい!!」

 

 うちのクラスの男子陣のテンションがおかしくなっていた。

 それもそのはず、用意してもらった昼食は、三時間で到着するとは思われていなかったこともあり、おにぎり数個と味噌汁という質素なものだった。

 とても美味しかったのだが、直前に魔獣と戦いながら長時間足場の悪い森の中を走り回った俺様たちからすれば物足りなかったのだ。

 

「土鍋……!?」

 

「土鍋ですか!?」

 

「うん……つーか君たち妙なテンションになってんね」

 

 結果、切島と上鳴を筆頭にテンションが上がり食堂は賑やかになった。

 

「まー色々世話焼くのは今日だけだし食べれるだけ食べな。あ、洸汰そのお野菜運んどいて」

 

 俺様たちはプッシーキャッツの皆が用意してくれた夕飯をいただき、飢えを満たしたのだった。

 


 

「まぁまぁ……飯とかはねぇ……ぶっちゃけどうでもいいんスよ。ぶっちゃけ求められてんのってそこじゃないんスよ。その辺わかってんスよオイラぁ……」

 

 夕食を終えると風呂の時間となり、風呂の時間となる。

 俺様たちは今日の疲れを取るために温泉に入り、リフレッシュしていたら、峰田が壁を見ながら皆に聞こえるように独り言を喋っていた。

 

「求められてんのはこの壁の向こうなんスよ……」

 

「一人でなに言ってんの峰田くん?」

 

 緑谷も様子がおかしい峰田にツッコミを入れるが当の本人はそれを無視し、壁に耳を当て向こうから聞こえる音に意識を集中していた。

 

「気持ちいいねぇ」

 

「温泉あるなんてサイコーだわ」

 

 壁の向こう側つまり女風呂から聞こえる女子たちの声は、湯船に浸かっている俺様たちにも聞こえ、体制のない緑谷は顔を赤くし他の男子も気にしないようにしているが、チラチラと視線を向けている。

 

「ホラ……いるんスよ。今日日、男女の入浴時間ズラさないなんて。事故……そうもうこれは事故なんスよ……」

 

 こちらからは見えないが、おそらくお茶の間には出せないような顔をしている峰田は一線を越えようとしているのだろう。

 

「峰田くんやめたまえ!君のしていることは己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」

 

 流石委員長、峰田がやろうとしていることを察した飯田が止めに入る。

 

「やかましいんスよ……」

 

 峰田は静かにそして力強く飯田の注意に返すと、【個性】を使い一気に壁を登っていく。

 

「壁は超える為にある!!“Plus・Ultra”!!!」

 

「速っ!!」

 

「校訓を穢すんじゃないよ!!」

 

 峰田は目にも止まらぬ速さで壁を登っていく。『I・アイランド』でも同じように壁を登っていたが、あの時は駄々をこねていたくせに性欲が絡んだ瞬間この調子である。

 

「オイラはやるぜ!」

 

 峰田はたった数秒で壁を登りきるまであと一歩というところまで迫っていたのだが、男風呂と女風呂の壁の間に少し空間があったようでそこから洸汰が出てくる。

 

「ヒーロー以前にヒトのあれこれから学び直せ」

 

「くそガキィィィ!!?」

 

 峰田は洸汰に押されて壁から手を離し、地面に落ちていく。

 それと同時に洸汰も鼻血を出して地面に落ちていく。

 

「……歪んだな」

 

「急にどうした?」

 

 洸汰はおそらく峰田から女子たちを守ったことでお礼を言われてのだろう……そして振り返ってしまった。

 コスチュームでなんとなくわかっていたが、発育のいい女子たちの裸をわざとじゃないにしても見たことで、その刺激に脳がショートしたのだろう。

 それにしてもあの歳で、あんな刺激を受けたら確実に性癖に影響が出るだろう……俺様にはどうすることもできないので、心の中で合掌し洸汰のこれからに幸があらんことを祈る。

 

「ナイスキャッチだな」

 

 落ちてきた洸汰を緑谷が受け止め、そのままマンダレイのところまで運んで行った。

 峰田は下にいた飯田の顔面に着地していた。……メガネは無事だろうか。

 

「上がるか」

 

「マイペース過ぎない?」

 

 俺様は男性陣に詰められている峰田を後目に温泉から上がるのだった。

 


 

「なぁ……なんか話さね?」

 

「なんかとはなんだ」

 

「いや……暇でさ。トランプとか持ってきたけどそういう気分じゃなくてさ」

 

 風呂から上がり、消灯までの僅かな時間、俺様たちは大部屋で布団の上で各々自由にしていた。

 そんな中、上鳴が近くにいた俺様に話しかける。

 

「だったら話題くらい振れ」

 

「お、乗ってくれる感じ?」

 

「ただの暇つぶしだ他意はない」

 

 折角なので上鳴に乗ってやるが、話したいという割には話題を用意してなかったらしく頭を捻っている。

 

「じゃあ、ありきたりだけど気になる人とか!」

 

「お前は耳郎か?」

 

「いきなりすぎん!?……いやよく話はするけどそんなんじゃねーよ」

 

「違うのか?」

 

「違ぇよ……あいつとはなんつーか友達……親友みたいな感じだ」

 

 上鳴がベタな話題を出したので、普段一緒にいることが多い耳郎について聞いてみだが、本人は意識していないようだ。

 

「そういう鳳はどうなんだ?幼なじみの……小大だっけ?出発前もそうだったけど好きだったりして」

 

「好きだぞ」

 

「だよな……えっ!?

 

「うるさいぞ」

 

 次は俺様の番だと上鳴が小大についてどう思っているのか聞いてくるが、普通に好きだと教えてやる。

 

「どうした!?」

 

「上鳴くん!疲れて寝たい人もいるんだ!大声は控えるように!」

 

「おめぇもだよ」

 

 突然、上鳴が叫んだため俺様たちの周りに男子たちが集まり始める。

 

「悪ぃ……でも鳳が急に変なこと言うから」

 

「変でもなんでもないだろう。俺様が唯のことが好きなのがそんなにおかしいか?」

 

「誰が?」

 

「俺様が」

 

「誰を?」

 

「唯を」

 

「好きなの?」

 

「あぁ」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「「「「「マジか!?」」」」」

 

 上鳴以外の男子たち(爆豪、轟以外)も顔を見合わせしばらく沈黙したかと思えば、叫び出した。

 

「お前そういうのあったんだ!」

 

「俺様をなんだと思っているんだ?普通に異性を好きになることくらいあるだろう」

 

「いつから?」

 

「……初めて会った時からか……な?」

 

「もうヤッ「それ以上言ってみろ……殺すぞ」……すんません」

 

 俺様は男子たちから詰められ色々と質問される。

 それは唯も同じだったようで……

 


 

「小大、ぶっちゃけ聞きたいんだけど……鳳のこと好きなの?」

 

「……ん///」

(……うん///)

 

 私たちB組の女子たちはお風呂から上がると、お菓子を持ってA組の部屋に遊びに来ていた。

 芦戸の提案で恋バナをすることになり、まっさきに私に白羽の矢が立った。

 

「ひゃあぁ……恋だ!」

 

「いつから!?どんなところが好きなの!?」

 

「ちょっ……あんたらがっつき過ぎ唯も困ってるよ」

 

 私が火鳥のことが好きだと知ると芦戸を筆頭に一気に詰められる。

 皆、こういうのに飢えているのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……仕方ない。特別に話してやる」

 

「んん」

(私たちが出会った時の話)

「「……あの日は確か……」」

 

 俺様たちは、初めて出会ったあの日のことを話し始める。

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