雄英高校ヒーロー科のカリキュラムは、午前に必修科目に英語等の普通の授業があり、午後からヒーロー基礎学がある。
「んん」
(入学式に1クラス分、席が空いててびっくりしたよ)
「全くだ。俺様の素晴らしいスピーチが披露されないなんて、雄英高校始まって以来の損失だぞ」
「ん」
(張り切って準備してたもんね)
「当たり前だ。何事にも万全を期すのが王というものだ。臨機応変に対応できるように、8パターンほど考えていたからな」
「んん」
(火鳥って変なところでバカだよね)
「明日の弁当のトマトはないと思え」
「んん!」
(それはダメ!)
「……話は変わるがそっちはどうだ?友は得たか?」
「んん」
(お父さんみたいだね。友達はできたよ)
「ならよい」
昼休みに、俺様は唯と昼食を取りここ数日の出来事を話していた。
唯にも友達ができたらしい。俺様は特に思ったことは無いが、唯は無口で無表情らしいので、小中とよく誤解されていたから心配だったが、どうやら杞憂のようだ。
「今日から本格的に、ヒーロー基礎学が始まるが楽しみだな」
「ん」
(B組もワクワクしてた)
「どんな授業になるかわからんが、お前なら大丈夫だろう」
「ん?」
(心配してくれないの?)
「俺様が鍛えたんだ。心配する必要がないだろう」
「ん」
(それはそうだけど)
「もうすぐ昼休みも終わる、俺様はもう戻る。お前も遅れんようにな」
「ん」
(頑張ってね)
「あぁ、お前もな」
昼食を取り終えた俺様は、大食堂を後にする前に後ろの席に座っていた、
「王の交友関係が気になるのは分かるが、後をつけるのは不敬ではないか?」
「い、いやこれは」
「た、たまたまだぜ」
「……一度は赦す。二度目はないと心得よ」
「「はい……すいません」」
オイラは峰田実、今年から雄英高校ヒーロー科に入学したピカピカの1年生だ。
そんなオイラのクラスメイトは、癖のあるやつが多くて困っちまうぜ。特に鳳火鳥って奴は頭一つ抜けていた。
自分のことを王様だって自称しててイタイ奴かなって思ったけどよ、アイツのオーラ的なものが凄くて何も言えなかった。
かといって、暴君みたいなやつかと言われると全然そうじゃない。
例えば……。
「何?この俺様とともに食事がしたいだと?」
つい先日のこと、クラスの中でもコミュ力の高い
「あ〜無理にとは言わねぇぜ。来てくれたら嬉しいなくらいだからさ」
「よい、貴様に俺様と食事をともにする権利をやろう」
そう言って、鳳は上鳴と食堂に行った。
帰ってきた上鳴にどうだったか聞いたら、流行りの音楽の話や好きなヒーローの話で盛り上がったらしい。
他にも……。
「なぁ鳳、お前って胸派?尻派?」
「峰田……貴様は喧嘩を売っているのか?」
「なんでそうなんだよ」
「女子のいる場で品のない話題を振ってくるな、気になるのならせめて場は選べ」
休み時間、王様の性癖が気になったオイラは、鳳に聞いてみることにした。
結果は、怒られちまったがこれからもチャンスを伺いつつ、性癖を聞き出してみせると意気込んでいた。そんな矢先、たまたま鳳とトイレで一緒になった。
「……峰田、この前の質問、胸か尻だったな?」
「……は?いや、え?」
「なんだ?俺様がどちらが好きか気になったんだろ?」
「でも怒ったじゃん」
「あれは場を選ばんことに対してだ。俺様も男だそういう話だって普通にするぞ」
「えぇ……じゃ、じゃあどっちが好きなんだ」
「強いて言うなら尻だ」
こいつ無敵か?オイラはそう思った。いくらトイレでもオープンに自分の性癖を堂々と明かす鳳にオイラは戦慄した、と同時にオイラはコイツと仲良くできると確信した。
更には……。
「ス〇バの新作か」
「えっ!?鳳ス〇バ知ってるの!?」
A組の中でも特に明るい女子、
なんでアイツ、ス〇バの話から芦戸が愛用してる化粧品とかブランドの話に繋げられんの?そんでもってなんでメイクとかブランドとか詳しいの?オイラはちょっと怖くなった。
まぁそんな感じて、態度や口調、纏ってるオーラで誤解されがちだった鳳はすっかりクラスに馴染んでいた。
そして今日、オイラと上鳴は鳳と昼飯を食べようと誘ったんだけど……。
「悪いが今日は先約がある。またの機会にしろ」
そう言って断られちまった。でもオイラたちは見ちまった。いつも学食の鳳が鞄から弁当袋を2つ持って教室から出るところを……瞬間オイラたちの間に言葉は必要なかった。
((鳳と一緒に弁当を食べる奴が気になる))
オイラたちは鳳に気づかれないように後をつけた。まぁ結果は最初からバレてたけど。
でもびっくりしたぜ。とんでもない美少女と飯食ってんだから、でも女の方がずっと「ん」としか言ってなかったから会話の内容はあんまり理解できなかった。
それにしてもあの美少女との関係が気になるぜ。今度聞いてみようと思う。
……でも鳳が尻派な理由はわかった気がする。
昼休憩が終わり、午後の授業が始まる。今日は一段とクラスメイトがソワソワしていた。それもそうだろう、何故ならば……
「わーたーしーが!!!」
「普通にドアから来た!!!」
オールマイトが授業をするからだろう。
陽気に笑いながら教室に入って来たこの男こそ、俺様が挑むべき壁であり、超えるべき存在だ。
纏うオーラが凄まじく画風すら違って見えるオールマイトは、張り切って今日の授業内容を説明し始める。
「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練だ!!」
オールマイトがそう言うとクラスメイト、特に爆豪が興奮した様子で沸き立つ。
「そしてそれに伴ってこちら!」
オールマイトが端末を操作すると、教室の壁が動きタスのケースが収納された棚が現れる。
「入学前に送ってもらった《個性届》と《要望》に沿ってあつらえた……
皆が一気に立ち上がり興奮を隠しきれないようだ。それもそうだろう、皆が昔から思い思いに考えたヒーローとしての姿が今、現実になるのだから。かくいう俺様も楽しみにしている。
「着替えたら順次、グラウンド・βに集合だ!!」
「「「「「はい!!!」」」」」
「鳳!?それがお前のコスなのか?」
「すっげぇ……」
「全て俺様の【個性】に合わせたオーダーメイドだ。王の威光を感じるだろ?」
「いやまぁ感じるというか」
「視覚に訴えかけてくる感じというか」
「目が痛てぇ」
更衣室で男子が俺様の戦闘服を見て、驚いているようだ。それも仕方がないだろう、何故ならば王にしか着こなせない至高の逸品なのだからな。
白を基調とした王を思わせる衣装。ファー、肩章、チェーンに複数の宝石といった装飾品を身につけた俺様は、輝いて見えるのだろう。
「格好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!!自覚するのだ!!!今日から自分はヒーローなんだと!!」
戦闘服に着替えた俺様たちは、グラウンドに集合する。開けた場所に出たからか、更衣室では分からなかったクラスメイトの姿がはっきり見える。
「さぁ!!始めようか有精卵共!!」
俺様たちの訓練が今、始まる。
劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。
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やってくれ必要だろう
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本編だけで大丈夫
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どちらでもいいよ