キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

70 / 80
第69話

 色々あったが、俺たちは会場に入りコスチュームに着替えると説明会が行われる部屋でその時を待っていた。

 

「多いな……!」

 

「多いね……!」

 

 説明会が行われる場所では沢山の受験者がおりごった返している。

 

「えー……ではアレ、仮免のヤツをやります。あー……僕、ヒーロー公安委員会の目良です。好きな睡眠はノンレム睡眠よろしく。……仕事が忙しくてろくに寝れてない……!人手が足りてない……!そんな信条のの下、ご説明させていただきます」

 

(((((疲れ一切隠さないな大丈夫かこの人)))))

 

 ヒーロー公安委員会の目良の自己紹介を聞き、会場全員が不安になる。

 そんな会場の空気を気にせず目良は試験の説明を始める。

 

「ずばりこの場にいる受験者1540人一斉に勝ち抜けの演習を行ってもらいます」

 

「ザックリだな」

 

「まじか」

 

「まずはふるい落としの試験か、ボーダーは何人だ500~700辺りか」

 

 例年の受験者の半数は落ちているらしいので、おおよその人数を考えながら、説明の続きを聞く。

 

「現代はヒーロー飽和社会と言われ、ステイン逮捕以降ヒーローの在り方に疑問を呈する向きも少なくありません」

 

 緑谷と飯田の顔が少し険しくなる。

 俺は直接対峙した時間はごくわずかだったがあの二人は違う。何か思うところでもあるのだろう。

 

「まァ……一個人としては動機がどうであれ命がけで人助けしている人間に何も求めるなは……現代社会において無慈悲な話だとは思うワケですが、とにかく……対価にしろ義勇にしろ多くのヒーローが救助・敵退治に切磋琢磨した結果……事件発生から解決に至るまでの時間は今……ヒクくらい迅速になっています」

 

「君たちは仮免免許を取得しいよいよその激流の中に身を投じる。そのスピードについていけない者……ハッキリ言って厳しい」

 

「よって試されるのはスピード!」

 

「条件達成者、()()100名を通過とします」

 

 目良の宣言により会場はどよめいた。

 それもそうだろう、例年合格率は五割だったのに対して今回は1割にも満たないだろう。

 時の運とはいえ、こうも高い壁を提示されると俄然やる気が湧き口角上がってしまうな。

 

「何笑ってんだよ鳳!」

 

「この状況……実にイイ!ここにいるヒーロー公安やプロヒーローに俺の価値を示すのに丁度いいと思ってな!」

 

「ダメだ、いつものが始まった!」

 

 隣にいた峰田が不安そうに俺の顔を見ていたが、俺が緊張や不安からではなく、この状況に高揚していることに笑っていると気づき頭を抱えた。

 

「さて、では条件について話しますね……。コレです」

 

 他の受験者の叫びをのらりくらりと躱した目良は、通過のための条件を説明し始める。

 取り出したのはボールとターゲットとようなものだ。

 

「受験者はこのターゲットを3つ、体の好きな場所。ただし常に晒されている場所に取り付けてください。そしてこのボールを6つ携帯します。ターゲットはこのボールが当たった場所のみ発光する仕組みで、3つ発光した時点で脱落とします。3つ目のターゲットにボールを当てた人が()()()こととします。そして()()倒した者から勝ち抜きです……。ルールは以上のです」

 

 なんとなく雄英の入試を思い出すが、ロボと対人じゃ勝手が違う。

 それに説明からボールを投げて当てるような言い方をしているが、直接当てる方が効率がいいだろう。

 

「えー……じゃあ()()()ターゲットとボール配るんで、全員に行き渡ってから1分後にスタートします」

 

 皆が展開?と首を傾げると、説明会場の天井から光が差し込んできた。

 轟音と共に天井や壁が開いていき、試験会場が見えてくる。

 

「各々苦手な地形や好きな地形があると思います。自分を活かして頑張ってください」

 

 無駄に大掛かりな仕掛けで試験会場に移動した俺たちは周りの景色に圧倒される。

 U・S・Jのように様々な状況に合わせた地形が並ぶ巨大な試験会場が広がっている。

 

 公安の者がターゲットとボールを渡し始めたのを確認して俺は、皆に試験に向けて一言だけ伝えることにした。

 

「お前たち俺から一言だけ伝えることがある」

 

「鳳?」

 

「俺たちは既に【個性】と戦い方を知られている。だがそれは決してデメリットだけでは無い、これまでの訓練で俺たちは強くなった……カモがどちらか教えてやれ

 

 周りにも他校の者がいるので、具体的なことは言わないが伝わったと思う。

 

「ん?鳳くんはどこに行くの?」

 

「俺は一人で行動する。()()()()()()()()()()

 

「あ、ちょっと待て……行っちゃった」

 

 緑谷が俺を呼び止めるが、無視して水辺のあるエリアに移動する。

 緑谷のことだから何か策があるのだろう。

 うちのクラスは搦手が得意な奴が多く在籍している、クラス全員でかたまって動き、体育祭で手の内が割れたことで格好の的になった俺たちを狙う輩をまとめて拘束して、全員が合格できるだけの分を確保する……というものだと思う。

 

「……確かにいい策だが、()には合わないな」

 

 安牌な行動を王がするものかと、俺はクラスを離れ一人で試験開始を待つ。

 試験開始前から俺に敵意の混じった視線を感じていた。

 視線の先にいる生徒がこの水辺のエリア行くのが見えたのであえて誘いに乗る。

 

『4』

 

『3』

 

 まだ姿は見えないが、周りに100以上の人の気配を感じる。

 それで隠れているつもりなら、かくれんぼからやり直した方がいいと笑う。

 

『2』

 

『1』

 

 周りの気配が一斉に俺に近づいてくる。

 まだスタートしていないというのに先走りすぎだ。

 

『START!!』

 

 他校の生徒たちが、物陰から一斉に飛び出す。

 ボールをこちらに向け、俺を集団で潰そうとしているらしい。

 

「不快だ」

 

 この程度の数と実力で俺に挑戦しようとするなど、呆れて物が言えない。

 

 “炎鳥・襲擦捕離地(ヒート・オーストリッチ)

 

 俺の尾羽から爆炎が辺り一面に広がり生徒たちの足下を焼いていく。

 炎はすぐに通り過ぎ、火力もしっかりと調整したのでそこまで酷い火傷にはならないはずだが、咄嗟の出来事でボールから手を離してしまったようだ。

 

「俺が一体化だけに時間を使うわけがないだろう……行くぞフェニックス」

 

「「融合」」

 

 手から離れたボールが地面に落ちる前に、肩甲骨から生えた翼で風を起こし、飛び散った羽で回収する。翼を羽ばたかせ上空へ飛び受験者たちを見下ろすと、彼らの顔が恐怖と絶望で染まっていくのがわかる。

 

「先輩方、俺が1年だと侮ったか?体育祭で全て知った気になったか?これだけの数で挑めば勝てると思ったか?分からないようだから教えてやる……王を無礼(なめ)るなよ

 

 “炎鳥・鋭弓矢(ヒート・スワロー)

 

 羽を動かし、回収したボールを地面に向けて勢いよく叩きつける。

 地上から叫び声が聞こえるが知ったことか、寄って集って数の暴力で一人を潰そうとする輩に、ヒーローが務まるわけがない。

 他人に便乗してあわよくばを狙うなんて以ての外だ。俺を相手にするならワンチャン狙いでなく策を講じてから挑んで来いと俺は心の中で愚痴る。

 

『開始早々一人目の通過者が出ました……うぉ!?

 

『脱落者137名!!まだ始まったばかりだというのに一人で137人脱落させて通過した!!』

 

「くっそ……お前まだ1年だろ……俺ら今年取っとかないとまずいんだって」

 

「知るか」

 

「クソォ……」

 

 地面に降りると、脱落者の一人が文句を言ってくる。

 知らんと一蹴し、待合室に向かう。

 

「待ってるぞ」

 

 試験会場を一瞥しクラスメイトが通過することを信じてエールを送る。

 

 

 

 

 

鳳火鳥……一次試験突破




没カット

鳳「行くぞフェニックス」

鳳「「転身だァァッ!!」」

受験者A「うぉう」
受験者B「うぉう」
受験者C「うぉう」
受験者D「うぉう」

駄文です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。