キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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初投稿から毎日投稿をしていましたが、体調を崩してしまったのでしばらくは不定期更新に切り替えます。



第72話

「急いで皆を避難させろ!殿は俺が務める!」

 

 最終試験中、いきなり姿を現したギャングオルカ率いる敵集団に驚き、動けなくなった生徒たちに呼びかけ行動させる。

 この試験は敵による大規模破壊の傷病者を救出するというものだった。

 だからこそ、どこかのタイミングで仕掛けてくるだろうと予想はしていたが、敵役をトッププロがするとは思わなかった。

 

「皆!救護所周辺にギャングオルカ率いる敵集団が襲来!戦闘に自信のある者は手が空き次第至急こちらに向かってくれ!」

 

 救護所にいる傷病者を逃がすために、俺はギャングオルカたちの前に出る。

 インカムで敵の位置情報と凡その戦力を伝え戦闘態勢を取る。

 

「鳳くん!」

 

「雄英!俺も加勢する!」

 

「感謝する」

 

 救護所の方から緑谷と傑物学園の真動がすぐに加勢に来てくれた。

 

「ギャングオルカは俺に任せろ。俺の【個性】ならギャングオルカ相手に優位が取れる。二人は戦闘員の足止めを頼む」

 

「わかった」

 

「任せて!」

 

「敵の前で作戦会議か!」

 

「聞かれても困らんからな!」

 

 “炎鳥・襲擦捕離地”

 

 尾羽から炎を放ち、救護所を襲おうとする敵集団の足下を焼く。

 ギャングオルカは当然として、大半の戦闘員にも避けられてしまうが真動と緑谷が迎撃する時間は稼げた。

 

「お前の相手は俺だ!」

 

「貴様一人で殿が務まるとでも思ったか!!」

 

「お前程度、俺一人で充分だ!」

 

 “炎鳥・棍弩朧”

 

 “超音波アタック”

 

 回転を加えて威力を増した蹴りとギャングオルカの超音波が激突する。

 一体化を会得した後、轟たちと組手をした際に炎や雷を喰らってもあまりダメージがなかったことから判明したのだが、この状態の俺は【個性】由来の攻撃に対して耐性を得たらしく、ギャングオルカの超音波で身体が麻痺することもない。

 

「なるほど厄介だな」

 

「褒め言葉として受け取っておく」

 

 ギャングオルカと睨み合い互いに出方を伺う。“王の瞳”で周囲の状況を確認しながら増援を待つ。

 

「待っていても助けは来ないぞ!」

 

「さっきも言っただろう……お前の相手は俺一人で充分だとな!」

 

 “炎鳥・火刻苦”

 

「いつの間に!?」

 

 一体化したことで尾羽をより自由に扱うことが可能になり、炎でリーチを伸ばし地中に忍ばせると、ギャングオルカの真下から一気に飛び出させる。

 尾羽を螺旋状に伸ばしながら即席の檻を作り、ギャングオルカを完封する。

 

「敵確保!」

 

「そんなシャチョーが!?」

 

「シャチっぽいシャチョーは乾燥に滅法弱い!!」

 

「どこ見てるんだ!」

 

「お前たちの相手は俺たちだ!」

 

 ギャングオルカを炎の檻で封じ込めると、周りの戦闘員が慌ててこちらに攻撃しようと近づいてくる。

 しかし、緑谷と真動がそれを防ぎ次々と敵の戦力を削っていく。

 

「このまま大人しくしていろッ!?」

 

ゾワ

 

「お前!いいな!!」

 

 突然、真横から声が聞こえる。

 俺が反応するよりも早く、声の主は攻撃を仕掛けた。

 

「ぐッ!?」

 

BAM

 

 どういうわけか俺の感知を掻い潜り、いきなり現れた新手(ミルコ)の攻撃を咄嗟に一体化した腕で防御するが、あまりの威力に倒壊したビルが立ち並ぶエリアまで吹っ飛ばされる。

 この攻撃のせいで閉じ込めていたギャングオルカの拘束が解け自由になってしまう。

 

「ミルコ……何をしていた」

 

「骨のあるヤツ探してたんだよ」

 

「これは試験なんだぞ」

 

「知るかよ……私は強いヤツにしか興味ねぇよ」

 

「なら好きにしろ……」

 

「好きにするよ!」

 


 

「……ッ……防御しても……これほどの……威力か」

 

 吹き飛ばされた俺はビルに激突し、瓦礫に埋もれていた。

 意識外からの攻撃に咄嗟に防御したが、あまりの威力に吹き飛ばされてしまった。

 防御した腕は一体化したことでかなり頑丈になっているはずだが、皮膚がひび割れ血が流れている。

 

「幸い……ここは避難が完了していて助かった」

 

 瓦礫から起き上がると、傷を再生させ瞳で追撃を警戒する。

 一体化は俺の形態変化のいいとこどりをした技だが、その分体力の消耗が激しい。

 普段は限界ギリギリまで疲労感は無視が合理的と言い聞かせて、余裕を装っていたが、あまりにも強力なミルコの一撃で削られてしまった。

 

「見つけたぜ!ヒーロー!!」

 

 “月半月輪(ルナアーク)

 

 “炎鳥・黒爪”

 

 勢いよく振り下ろされた蹴りを一体化した両腕に炎の爪を纏わせて防御する。

 今度はしっかりと攻撃に合わせることが出来たが、それでも気を抜けばすぐに押し込まれるくらいには油断ができない。

 

「ギャングオルカに次いでミルコか……合格させる気はあるのか」

 

「ブツブツ言ってる暇あんのかよ!」

 

「ぐッ!?」

 

 現状、ミルコを相手にできる者がこの場に俺しかいないため、覚悟を決め戦闘を開始する。

 初撃でインカムを落としてしまったせいで通信ができず、増援が見込めないため何度目かのクソゲーが始まる。

 ミルコの蹴りは恐ろしく速く強い。一体化の耐性も異形型に分類されるミルコの【個性】とは相性が悪く、あまり役に立たない。

 

「隙さえ作れれば……まだ可能性は」

 

「なにかするつもりだな?させねぇよ!」

 

「強化された身体能力ほど恐ろしいものはないな!」

 

 俺はミルコの蹴りを捌きながら、戦闘で二次被害が起きない開けた場所に向かっている。

 しかし、既に俺の意図に気づいているミルコは攻撃の速度を上げると、強烈な蹴りで吹っ飛ばすと元の場所に戻され思うように動くことが出来ない。

 

「お前いいぞ!私の蹴りに合わせて腕を上手く使って受け流し(パーリング)てるな」

 

「お前に褒められるとは思ってなかった」

 

 このまま戦闘が続けば、間違いなく俺が先にガス欠になるだろう。

 この日に向けて体力は温存してはいたが、それも尽きかけている。

 この状況を打開できる方法はあるにはあるが、一息つく暇も無い今じゃ無理だ。

 せめて10秒稼げればいいが、ミルコ相手にそれも難しい。

 

「……あれは」

 

「よそ見なんてしてる場合か?隙だらけだぞ!」

 

 “炎鳥・鋭弓矢”

 

 瞳に一つ反応があり、俺は()()を信じることにした。

 腕の一体化を解き、翼を生やすと周りに散乱している瓦礫や地面に羽を飛ばした。

 羽が着弾し土煙と爆発でミルコの視覚と聴覚を奪うと、近くの瓦礫に身を隠す。

 

「雑魚羽根で私が止まるとでも思ったか!」

 

「喰らえやァ!ウサギ女ァ!!」

 

閃光弾(スタングレネード)

 

BOOOOM!!!

 

 土煙から飛び出してきたミルコに、こっちに来た爆豪が攻撃を喰らわせる。

 ミルコはさっきと比べ物にならない爆音と光をモロに受けて、動きが鈍くなった。

 

「ッ!?」

 

「よくやった爆豪」

 

「黙れや!エセキング!アホ面とクソ髪にいらんこと言いやがって!」

 

「アドバイスだよ」

 

「それがいらねぇつってんだよ!!頭悪いんか!?」

 

 流石のミルコも至近距離からの爆発には対応できなかったのか、爆豪の目潰しを喰らいこちらを見失っている。

 俺はミルコを倒すのはここしかないと爆豪に協力を持ちかける。

 

「……爆豪」

 

「ンだよ」

 

「10秒稼いでくれ」

 

「あ"!?10秒どころかぶっ倒したるわァ!」

 

 爆豪はそう言うと、まだ視覚が回復していないミルコに攻撃を仕掛けに飛び出した。

 

「フェニックス!俺たちもやるぞ!」

 

 胸に手を当てフェニックスに語りかける。

 訓練では試していなかった、全身の一体化をぶっつけ本番で行う。

 

「「融合!!」」

 

 心臓を中心に爆炎が全身を包み込み、肉体を変化させていく。

 全身の皮膚が黒くなり赤い羽根が体毛のように生え揃う。顔は(イーグル)と人が混ざった異形に変化し、腰から孔雀(ピーコック)のような羽根がマントのように生え、足にはコンドルを模したものに変わる。

 総じて俺の技のモチーフなった鳥の要素を取り入れた、鳥人のような姿になった俺は、全身から湧き出るエネルギーを一気に放出する。

 エネルギーは巨大な翼のように広がり霧散すると、俺はミルコに視線を向ける。

 

「覚悟はいいか?……俺たちが相手だ!」

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