キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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まだまだ先の話ですが、この作品のオリ主の反応集を書きたいと思っています。
詳しくは下記のURLから飛んでいだくか、私の活動報告を確認ください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=333460&uid=453376




第73話

「覚悟はいいか?……俺たちが相手だ!」

 

「フェニックス……行くぞ」

 

(この状態持って1分……いや50秒だ。早急にケリをつけるぞ)

 

「言われなくともそのつもりだ!」

 

 瓦礫の山から飛び出した俺は、腰マントのように尾羽をはためかせて、爆豪とミルコの間に着地する。

 俺が地面に触れた瞬間、エネルギーが放出され二人は戦闘を中断する。

 

「ッ!?」

 

「あ゙あ゙!?」

 

 ミルコは俺を見るやいなや全身から溢れるエネルギーを警戒して距離をとる。

 爆豪は自分の戦いに横槍を入れた俺に怒りを顕にした。

 

「悪いな爆豪……ここは俺にやらせてくれ」

 

「……クソが」

 

 爆豪はそう吐き捨てると、救護所のギャングオルカを倒しに飛んで行った。

 誤解されるが爆豪は馬鹿じゃない、ほんの僅かな時間で自分とミルコの力量を計り、今の俺の方が適任と判断したのだろう。

 

「行くぞミルコ!」

 

 俺はミルコに接近する。

 ミルコも俺がさっきよりも強くなったと感じ、速度を上げて迎え撃ってくる。

 

“炎鳥・棍弩朧”

 

 “満月乱蹴(ルナラッシュ)

 

 俺とミルコの技がぶつかり合い、衝撃が試験会場を揺らす。

 先程とは違い実力が拮抗し、互いの蹴りが激突すると、その威力に俺たちは何度も吹っ飛ばされるが、何度も接近して蹴り合う。

 

「お前どこまでいけるんだよ!」

 

「さぁな……自分の目で確かめろ!」

 

 それ以上ミルコは何も言わず蹴りを放ち続ける。

 俺もそれに合わせて攻撃を放つが、肉体から黒い煙が出始めた。

 何度も攻撃を放ち、ミルコの蹴りを受けた足にヒビが入り、血液が飛び散る。

 その隙を突くようにミルコは接近するが、炎を放ち牽制すると、翼を生やし上空へ飛ぶ。

 

「逃げんなよ!」

 

「王が逃げるわけがないだろう!受けてみよ!」

 

“炎鳥・鋭弓矢”

 

 ミルコの軽口に返すと尾羽も広げ三対の翼から一気に羽を降り注ぐ。

 

「そんな豆鉄砲当たらねぇよ!」

 

「ハナから当てるつもりなどない!」

 

 周りの被害を最小限に抑えるため速度と威力を調整した羽ではミルコにかすりもしなかったが、最初から当てるつもりで撃ったわけではない。

 大量の羽で開けた場所へとミルコを誘導することが出来た。

 

「今の俺なら()()をリスク無しで放てる!」

 

「なにか企んでんなァ!いいなァ見せてみろォ!」

 

 期末試験でオールマイトと戦った際に、限界を超えた炎を放った。あの時は肉体の耐性以上の炎で大火傷を負った。だが、今の俺なら……フェニックスと一体化した今ならあの時以上の火力をノーリスクで放つことができるかもしれない。

 俺は全身から炎を出すと、それを右足に送る。一体化した体は限界を迎えて次々に剥がれ落ち元の姿へと戻っていく。

 ついに一体化した肉体は翼と右足のみになったが、気にせず炎を送り続ける。

 

「今ここで限界を超えろ鳳火鳥!!俺は(ヒーロー)になる男だ!!!」

 

 ひび割れた足から爆炎が漏れだし、翼から送られてくる炎と混ざりその火力を上げていく。

 炎は赤から青……そして白へと色を変える。

 

「ミルコォ!!これが俺の全力だ!!!」

 

王覇炎鳥・棍弩朧(オーバーヒート・コンドル)

 

 期末では不完全で不格好な炎だったが、今は違う。

 白く輝く炎は俺が更に強くなったことを示すかのように試験会場を照らす。

 俺は空を蹴りミルコに向かって急降下し勢いを増していく。

 ミルコもそれを迎え撃つように力を溜め強烈な蹴りを放つ。

 

 俺たちの距離が徐々に縮まり激突する……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ことはなかった。

 

ビィ────ー!!!

 

 俺たちの蹴りがぶつかるその瞬間……アナウンスが会場内に響いた。

 

「はァ?」

 

「……ッ」

 

『えー只今をもちまして、配置された全てのHCUが危険区域より救助されました。まことに勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程……

 

終了となります!!!

 

「ふざけんなァ!!今いいところだったろうがァ!!」

 

 アナウンスを聞いたミルコはキレた。

 地団駄を踏み、最後の最後で決着がつかなかった勝負に腹を立てた。

 

「オイ!お前……私とこにインターンに来い!」

 

「インターン?」

 

「詳しいことは雄英が教えるだろ……これ私の連絡先だ。電話するから絶対に取れよ」

 

「……勝手だな」

 

「不完全燃焼なんだよ!この決着はインターンまで取っといてやる!」

 

 俺に連絡先が書かれた紙を押し付けると、ミルコはギャングオルカたちが破壊した壁の方に向かって行ってしまった。

 

『集計の後、この場で合否の発表を行います。怪我をされた方は医務室へ……他の方々は着替えてしばし待機でお願いします』

 

 アナウンスが終わると俺はその場に座り込んだ。

 一体化による消耗で動くことも面倒になってしまった。

 息を整えながら、体の怪我が再生したか確認することにした。

 

「……右足が特に酷いな」

 

 ミルコの蹴りを受け続けた右足から血が流れていた。普段ならすぐに再生するはずだが、炎が出ず一向に治る気配がない。

 

「フェニックス……どうなっている?」

 

 胸に手を当てフェニックスに今の状況を聞いてみるが、反応がない。まさかと思った俺は腕を翼に変えようと【個性】を使用する。

 

「【個性】が使えない……全身の一体化にはリスクがあるか……使い所は考えないとな」

 

 おそらく時間が経てば【個性】も元に戻ると考え、俺は医務室へと向かった。

 


 

 医務室で治療を受けた俺は制服に着替えると、先程まで試験会場だった場所で結果発表を待っていた。

 クラスメイトや他校の生徒もこの時間は落ち着かないようで、ソワソワしていたり不安になっていた。

 

「鳳は緊張してねーよな」

 

「当たり前だ……俺ができることを全力でやったんだ。結果がどうであれ緊張する理由にはならん」

 

「やっぱすげーわ。最終試験の前にここにいる全員に協力持ちかけるなんて、俺にはできねーよ」

 

「お前も爆豪のお目付け役ご苦労だったな。お前や上鳴と後は瀬呂くらいしか彼奴はまともに話を聞かないからな……そういう意味なら俺にはできないことだ」

 

 切島はそう言うが俺は最終試験での爆豪の言葉から、ちゃんと見張っていてくれたことに礼を言う。

 

『皆さん、長いことお疲れ様でした。これより結果発表を行いますが、その前に一言』

 

 試験会場に設置された舞台からヒーロー公安の目良が話し始める。

 

『採点方式についてです。我々ヒーロー公安委員会とHCUの皆さんによる二重の減点方式で、あなた方を見させてもらいました。つまり……危機的状況でどれだけ間違いのない行動をとれたかを審査しています。とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。今の言葉を踏まえた上でご確認ください』

 

 目良はそう言うと、モニターに視線を向けるよう手で誘導する。

 巨大モニターから合格者が一斉に映し出される。

 モニターに映し出された表を見ると95人が合格していることが分かる。

 

「流石に全員は無理だったか」

 

 100人中5人が不合格となった結果に俺はまだまだだと心の中で反省する。

 もっと上手くやれたのではないかと自分を責めるが、この結果は次に活かそうと、今回の試験での反省点をまとめておく。

 

「鳳!俺たち受かってたぞ」

 

「そうなのか」

 

「もっと喜べよ!」

 

「俺が落ちるなど万に一つ有り得ないからな」

 

「鳳ブレねぇ」

 

 近くにいたクラスメイトが俺の合否も含めて報告してくれたので、俺もモニターに視線を向ける。

 

「……少なくとも()()()は合格してるみたいだな」

 

「マジか!A組全員仮免合格だ!!」

 

 心配だった爆豪も名前が載っており、俺たちA組が全員合格した。その事実に皆は喜びはしゃいでいる。

 

『えー全員ご確認いただけましたでしょうか?続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されていますのでしっかりと目を通しておいて下さい』

 

 会場にいる生徒が結果を確認したのを見て、目良は次に進む。

 ヒーロー公安委員会の者が名前を呼び、プリントを渡していく。

 俺も名前を呼ばれプリントを受け取ると何が書かれてあるか確認する。

 

『ボーダーラインは50点減点方式で採点しております。どの行動が何点引かれた等、下記にズラーっと並んでます』

 

「なるほどな」

 

「鳳何点だった?」

 

「90だ」

 

「満点じゃないんだ」

 

「他のヒーローや傷病者に対する威圧的な態度が理由だな」

 

「あぁ……確かにウチらは慣れたけどやっぱり圧感じるよね」

 

「しかし、実績を積み信頼を獲得すればその態度は頼もしく見え希望を与えるとも書いてある。要は俺次第ということだ」

 

「「マジか!爆豪!」」

 

 耳郎と試験の結果に話していると、切島たちが笑い転げていた。

 爆豪は貰ったプリントを握りしめて怒りに震えていた。

 

「爆豪!51点ってギリッギリじゃねぇーか!」

 

「やっぱり言動がダメだったんだ!」

 

「俺たちに感謝しろよ!」

 

 切島と上鳴は笑いながら爆豪の点数と減点理由を皆に知らせる。

 俺は爆豪を見た後、耳郎の方へ視線を戻す。

 

「少なくとも俺の言動は彼奴よりはマシらしい」

 

「みたいだね」

 

『合格した皆さんはこれから緊急時に限りヒーローと同等の権限を行使できる立場になります。すなわち敵との戦闘、事件事故からの救助など……ヒーローの指示がなくとも君たちの判断で動けるようになります』

 

『しかし、それは君たちの行動一つ一つにより、大きな社会的責任が生じるという事でもあります。皆さんもご存知の通り、オールマイトとという偉大なヒーローが力尽きました。彼の存在は犯罪の抑制になる程大きなものでした。心のブレーキが消え去り増徴する者は、ここから必ず現れる。均衡が崩れ、世の中が大きく変化していく中、いずれ皆さん若者が社会の中心となっていきます』

 

『次は皆さんがヒーローとして、模範であり抑制できるような存在とならねばなりません。今回はあくまで()()ヒーロー活動認可資格免許。半人前程度に考え、各々の学舎で更なる精進に励んでいただきたい!!』

 

 目良の総評を聞き、卵からヒヨっ子になったことを実感し、これからに向けて気を引き締める。

 そして目良から最終試験に落ちた者たちに特別講習を受講し個別テストで結果を出すことで、仮免許を発行することが伝えられる。

 これには不合格になった者も喜んだ。

 


 

「これが仮免か」

 

 目良の総評の後、仮免許に使う写真を撮ったりと色々あったが、無事試験は終了し俺たちは仮免を手にした。

 

「……唯も無事合格したみたいだな」

 

 メッセージアプリに合格したことを報告すると、唯も合格したと教えてくれた。

 

「それにしても明日から二学期か」

 

「わかってはいたけど大変だよね」

 

 長かったようで短い夏休みは終わり、明日から始まる二学期に、俺は改めて夢に向かって進んでいくと意気込む。

 ミルコが言っていたインターンも気になるが、今は試験の疲れを癒し二学期に備えようと思う。

 

「やっとスタートに立った……か」

 

 もう一度、自分の仮免許に視線を向け微笑む。

 王様だなんだと言っているが、俺もまだまだ未熟だな。

 仮免許を懐に入れると帰りのバスに乗り雄英に戻るのだった。

 

 

 

 

 

「おい!後で表出ろ」

 

「テメェの【個性】の話だ」

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