キングオブキングな俺様のヒーローアカデミア   作:松田ゐふ

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第8話

「彼奴ら2人に勝つための策は既に用意してある」

 

「本当か!?」

 

「すごい!すごい!」

 

 試合開始前、俺様は尾白と葉隠に勝つための策を説明する。

 

「彼処の出方は予想できる。轟の氷結による範囲攻撃で俺様たちを行動不能にし核を回収する」

 

「でも鳳くんの炎で溶かせばよくない?」

 

「いや、葉隠さんそれは難しいんじゃないかな」

 

「なんで?」

 

「ここには核があるんだ。炎を使ったら爆発するかもしれない」

 

「そっか!」

 

「尾白の言う通りだ。俺様は核から離れていないと炎は使えない。後手に回れば俺様たちは不利になる」

 

「じゃどうするの?」

 

「簡単な話だ。俺様がスタートと同時に正面から仕掛ける。轟と障子が準備する隙を与えない」

 

「それが1番かな」

 

「鳳くん凄い!」

 

「そしてこの策の要は尾白、お前だ」

 

「お、俺!?」

 


 

 作戦通りにヒーローチームが動き出す前に奇襲をしかけた俺様は、羽による攻撃で轟たちを足止めしている。

 

「どうした?急がないと時間切れになるぞ」

 

「先手を打たれたか」

 

「どうする轟!」

 

「時間を稼ぐ!先に行け!」

 

「ッ!?あぁ、わかった!」

 

「敵の前で内緒話か、聞こえているぞ!」

 

 “火鳥・棍弩朧”

 

「させるかッ!!」

 

 羽による威嚇射撃の隙を突き、ヒーローチームはビル内に突入する。俺様は一直線に階段に走っていく障子に攻撃を仕掛けるが、すんでのところで轟が生成した氷壁に防がれた。

 

「聞こえているか尾白、葉隠!作戦通りそちらに障子が向かった頼むぞ!」

 

『了解』

 

『……』

 

 インカムで2人に通信し、手短に状況を伝える。

 

「……」

 

「俺様が直々に相手をしてやるんだ。()()で来い」

 

「言われなくてもそのつもりだ!」

 

 轟の氷塊が俺様を呑み込まんと迫るが、最小限に抑えた炎で消し飛ばす。

 

「やはり、この試合のルールではお前が1番厄介だ。誇っていいぞ、俺様にハンデありとはいえ互角に戦えるのだからな」

 

「煽らないと気がすまないのか」

 

「場は冷やすくせに、熱くなるのが早いんじゃないか?」

 

「チッ……うるせえ」

 

 “火鳥・棍弩朧”

 

 冷静を欠いた轟に蹴りを放つが、氷壁で防御する。接近戦は仕掛けない方がいいと判断し、距離をとる。

 

 “火鳥・鋭弓矢”

 

 羽による遠距離を氷を盾に防御する轟だったが、次の瞬間、氷壁を貫通した羽が直撃し後ろに吹き飛ばされる。

 

「いくら強力な力とはいえ【個性】は【個性】か。試合開始から何度も防御に氷を使っていたが限界はあるのだな」

 

 障子を逃がすために生成した氷壁に背を預ける轟を見ると、右半身に霜が降りていた。

 

「氷壁に阻まれ大幅に速度が落ちた羽を避けることも難しいか。……なぜその霜を溶かさんのだ?」

 

「あ”ぁ!!」

 

 どうやら地雷を踏んだらしい。事故のようなものだが利用するとしよう。

 

「個性把握テストで氷を溶かしていただろう。それを使って体を温めないんだ?最悪、低体温症で死に至るぞ」

 

「黙れ!お前に関係ない!」

 

「貴様が何を考えているかなど俺様には関係ない。使わんならそれでもいい」

 

「だが、俺様はその程度で超えることなど不可能と知れ」

 

 “火鳥・素腕(ヒート・スワン)

 

 左腕を翼に変え、手刀のように轟を切り裂く。切れ味はそこまでだが、熱した物を直に当てられたような苦しみを味わうことになるだろう。低体温症による身体能力の低下で体を上手く動かせない轟は、熱による痛みでろくに反撃できずその場に蹲る。

 

「あぁッ!!……まだ、まだだ……俺は、お前に勝つんだ!!!」

 

「ふむ……根性は認めてやるが何度やっても結果は同じだ。前を見ているようで何も見えていない、そんな貴様に勝ったところでなんの価値もない。王に挑むのならばそれに相応しい価値を示せ!」

 

「ふざけんなァ!!」

 

 怒りのままに、今いるフロアを潰すように氷塊を生成するが、俺様の炎で全て消し去る。

 氷を溶かした影響で発生した煙で視界が遮られるが、俺様には関係ない、意識を集中させ気配を察知する。

 

「今だ!葉隠!」

 

 煙が一瞬揺らいだのを俺様は見逃さなかった。一気に距離を詰め蹴りを放つ。葉隠を警戒し動きが止まった轟は避けることも守ることもできず、吹き飛ばされ壁に激突する。

 

「これ以上続けると、ビル内の温度で核に影響がでるかもしれん。半端な覚悟で俺様に挑んだことについては、こちらも騙し討ちをしたので不問とする。しばらく休め」

 

 轟にテープを巻き試合から脱落させる。階段を覆う氷壁を溶かし、障子の後を追った。

 


 

~「この策の要は尾白、お前だ!」~

 

「鳳にああ言われた時、驚いたけど今ならその意味が分かる」

 

 核を設置した部屋に続く廊下で俺は障子と戦っていた。鳳の作戦はこうだ。俺たちの中で轟の対処ができる鳳が先制攻撃を仕掛け2人を誘導し分断させ、この廊下で障子を迎え撃つというものだ。

 

「ここなら、その手数も活かせない!」

 

 この廊下は、他の所より狭く体が大きい障子では満足に戦うことが難しい場所だ。身長が高く核から近いこの場じゃ鳳は当然、力押しになったら突破される可能性がある葉隠さんは、この廊下の砦は務まらない。平均的な身長で力もある俺が適任だった。

 

「まずいな」

 

 障子が焦っているのは場所だけが原因じゃない。葉隠さんがどこにいるか把握できてないことも障子を焦らせる原因の1つだ。

 

『轟少年確保ー!』

 

「なんだと!?」

 

「そこだ!」

 

 轟の確保が伝えられ隙ができた。俺はすかさず尻尾で一撃を与える。体制を崩した障子に背後からテープが飛んできて体に巻きつく。

 

「イエーイ!作戦成功だね!」

 

 明るい声で勝ったことに喜ぶ葉隠さん、彼女のおかげで試合を有利に進められたと思う。

 

『障子少年確保!敵チームの勝利だ!』

 

 オールマイトから通信があり、俺たちはモニタールームに戻って行った。

 


 

「というわけで敵チームの勝利だったわけだが、MVPは誰だと思うかな?」

 

 モニタールームに戻った俺様たちは早速講評が始まった。

 

「鳳くんじゃない?作戦考えてくれたし轟くんも捕まえたし」

 

「俺様は2人がMVPにふさわしいと思うがな」

 

「え?なんで?」

 

「手数や体躯に差がある障子を場を利用し長時間足止めした尾白。自分の強みを理解し隙ができるまで居場所を悟られずここぞという時に動いた葉隠、2人をMVPに選んだ理由だ」

 

 葉隠が俺様をMVPと言うがそれを否定する。この試合、俺様は手を抜いたからな。

 

「やろうと思えば最初の一撃で終わらせていた。だがこれは実戦である前に訓練だ。俺様だけで終わってしまったらお前たち2人が戦闘の経験を得ることができなくなるのでな。役割を分担する作戦にしたんだ」

 

 気づいてなかったクラスメイトは驚くが、俺様は無視し話を続ける。

 

「経験のある無しが、勝敗を大きく分ける。成功体験も味わって欲しかったのもあるがな。……以上の理由で俺様はMVPにふさわしくない」

 

 話は終わったのでクラスメイトの中に戻る。

 

「鳳少年はああ言ったが、仲間を頼るというのも立派なことだ。次の試合も自分にできることできなないことをしっかり考えより良いものにするよう頑張ってくれ!」

 

 俺様たちの講評が終わり、次の試合が始まる。

 雄英高校最初の対人戦闘訓練は終了した。

劇場版を入れるかどうかアンケート取ります。

  • やってくれ必要だろう
  • 本編だけで大丈夫
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