異世界チートハーレム無双~クラス転移で1人だけ逸れた僕はチートスキル持ち。どんどん恋人が増えてハーレム王になったのでウハウハハーレムライフをエンジョイする。ついでに歌って踊って戦うアイドル目指します~   作:ランマ

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EP.14 別れ

《side:越魔蕾》

 

 

 

 小鬼之王(ゴブリンキング)を討伐して町に帰った後、色々と騒ぎになった。

 僕たちはギルド長に呼び出され、直接聴取された。

 Aランクの魔物が出現したというのは、領主に伝わる程のことらしい。

 まあ、町を滅ぼせる魔物だもんね。

 そりゃあ伝わるに決まっている。

 

 そして小鬼之王(ゴブリンキング)を討伐した僕達はちょっとした英雄扱い。

 Bランクに昇格したし、アリス達を除けばこの町での最高戦力……というかアリス達は今日でここを発つので僕達が最高戦力だ。

 

 ミリアちゃんは泣いて喜んでいたし、女将さんにもとても感謝され、これからは宿屋と食事処を無料で使わせてもらえることになった。

 おまけに女将さんから、女将さんではなくアリアと呼ぶように言われた。

 多分あれ惚れてるよね。

 メロメロとまでは行かないけど、仄かな恋心が芽生えてるっぽい。

 そんなアリアの様子を見てミリアちゃんはだいぶ複雑そうだった。

 まあ実の母親が自分の娘と同じくらいの年齢の子相手に乙女の顔してたら微妙そうな顔をするのも理解は出来る。

 ただ、義理の母親と幼馴染の母親に手を出してる僕には何も言えないや。

 

 ただ、1つ問題が発生した。

 僕のせいで。

 あの時、アリアに口移しで解毒薬(キュア・ポーション)を飲ませた時、僕の『偉大なる勝利の女神(ニケ)』が発動してしまったのだ。

 本来ならまだ使える筈のない『偽典・熾天の焔よ神威を示せ(アイテール・ピル・キオナス)』を暴走前提とはいえ強引に行使した事で、一時的に自身の力を制御できなくなっていたことに、『恐るべき魔性の小悪魔(マタ・ハリ)』による支配系の効果72倍が合わさった事が原因だろう。

 

 僕の眷属になったことでアリアはとても元気になった。

 身体能力でいえばBランク冒険者に匹敵するだろう。

 戦闘経験がない今のままでもCランク冒険者くらいはなれるんじゃなかろうか。

 技量こそないものの、強化された器用さで戦士の真似事くらいは出来るようになったらしいし。

 キスしただけでBランク級を量産出来るとか規格外にも程がある。

 

 そして初めての眷属を手に入れたことで眷属化の詳細も把握できた。

 1つ、眷属の永続強化。

 アリアがBランク冒険者級の身体能力を手に入れたことを考えるに、かなりの倍率で強化がかかっているだろう。

 なにせ72倍になってるからね。

 ついでに洗脳とか支配系の能力への完全耐性も手に入る。

 スキル名に神の名前が入っているお陰か、神の権能でも抗える程の耐性らしい。

 

 2つ、眷属の感情把握。

 相手が悲しんでるか喜んでるかくらいなら分かるようになった。

 まあ、正直な話必要ない能力ではある。

 だって眷属になるってことはキスとかそういうことをしたってことだし、そういうことをする関係の女性相手ならスキルがなくてもその程度の感情は読み取れるし。

 

 3つ、魔力供給。

 相互に魔力を供給できるようになった。

 供給というより、共有に近いかな。

 僕は魔力が多いから、魔力タンクとしても活躍できるようになるだろう。

 

 4つ、眷属の支配。

 僕は眷属に対して絶対的な命令権を持つ。

 基本的に拒否は出来ない。

 お願いとかその程度ならともかく、従わせようと思って言ったのなら、物理的に不可能でも命令通りの行動をさせれるらしい。

 僕からの命令を実行する為の行動に補正がかかるようだ。

 例で言えば、起きろと命令したら魔術で強制的に眠らせられても起きれるし、来いと命令すれば転移してでも来る。

 

 これらが眷属化の力だそうだ。

 普通に強い。

 発動条件が性的接触じゃなければもっと気軽に使えるんだけどね……。

 流石に彼女相手じゃないと使えないよ。

 

 そして今日。

 とうとうアリスとハーレンとお別れする日がやってきてしまった。

 

「寂しいなぁ……」

 

 永遠の別れじゃないとは言え、やっぱりお別れするのは寂しい。

 というかみんなにも1ヶ月も会えてないし。

 アイドルとしてチヤホヤされるのは楽しいけど、寂しさが埋まるわけじゃない。

 そろそろ本気で会いたくなってきた。

 僕の勘が絶対今はこの町を離れちゃダメって言ってるから会えないけど、本当に会いたい。

 

 とまあ、それは置いといてだ。

 あー別れたくない。

 

「アリスゥ……ハーレンンン……」

「ハハハ、甘えん坊だなライは」

「本当に可愛いわね」

 

 僕は2人に抱き着いて顔を埋めている。

 10分ほど2人に甘え続けた後、2人から離れた。

 

「そんなライにプレゼントだ」

「これは……?」

 

 水波模様の入った白銀の短剣と亀の甲羅のような亀裂模様が入った漆黒の短剣を見せられ、その内の黒い短剣の方を渡された。

 

「かつて無名の英雄が愛用したとされる双剣、そのレプリカだ。その片割れを渡すのが戦士の仕来りだからな」

「ありがとう! ハーレン!」

「ハーレン……」

 

 アリスがニヤニヤとハーレンの方を見た。

 ハーレンは顔を真っ赤にしてそっぽを向いている。

 

 一体どうしたんだろう。

 凄いもじもじしてるじゃん。

 これは多分……恋愛関係だろうか。

 

「どうしたの? ハーレン」

「いやっそのっ……それはだな……」

「その双剣は雌雄一対の夫婦剣なの。戦士が遠距離恋愛する時に恋人に贈るものよ」

「えっ、それってつまり……」

「ライの想像の通りよ。可愛いわよね」

 

 へぇ……。

 ハーレンが僕の事を……。

 ま、気づいてはいたんだけどね。

 出会ってまだ一ヶ月だし流石に早いかと思ってたけど……。

 ここまでされちゃったら応えるしかないよね。

 よくよく考えたらほぼ会話したことなかったヘレンともデートしてるし、まだ早いかなんて考える必要なんてなかったや。

 異世界だからってちょっと遠慮し過ぎてたかも。

 これからはいつもみたいにガツガツ、僕らしく行こう。

 

「ハーレン、ちょっとしゃがんでくれる?」

「あ、ああ。それはいいが、何をするつもりだ?」

「いいからいいから。目をつぶって」

 

 ハーレンは素直にしゃがみ、目をつぶる。

 僕はゆっくりと彼女に顔を寄せ、そっと唇を重ねた。

 体が熱を帯び、彼女と糸で繋がったような感覚がした。

 

「んっ!? この柔らかい感触……まさかっ!」

「僕も大好きだよ、ハーレン」

 

 そう耳元で囁くと、ハーレンは顔を朱色に染め上げた。

 トロンとした目でを僕を見る姿がたまらない。

 

 本当に可愛いなぁ。

 このまま貪り尽くしちゃいたいくらいだ。

 舌、入れていいかな?

 ダメ?

 

「私からはコレよ。手を出して」

 

 言われた通りに手を差し出すと人差し指に指輪を嵌められた。

 それは紅い宝石と黄色い宝石の嵌め込まれ、青みがかった銀色に輝いている。

 

「これは一人前になった弟子に送るものよ。本当は杖を送るのだけど……貴方の戦闘スタイル的に杖は邪魔だものね。まあ、性能は変わらないから安心していいわ。焔皇魔玉と雷皇魔玉を嵌め込んだ魔銀(ミスリル)の指輪。今の貴方の技量ならこれがあれば長文級(ロングキャスト)を使えるようになるわね」

 

 へぇ、これは凄いや。

 魔銀(ミスリル)の魔力伝導率の高さに、魔玉による魔力の増幅。

 そして指輪と魔玉にそれぞれ刻まれた術式による魔力制御及び術式構築の補助。

 どれをとっても一品級だ。

 特にこの2つの魔玉内部に何層にも渡って刻まれた術式。

 美しいとしか言いようがない。

 

「『解析(アナライズ)』が付与されてるから、貴方のスキルと相性がいいと思うわ」

 

 ああ、アレか。

 解析した魔術やスキルをストックする能力。

 解析系のスキルも魔術も持ってないから宝の持ち腐れ状態だったんだよね。

 

「これもハーレンみたいに何かあったり?」

「いえ? これはちゃんと弟子に送るものよ。残念ながらね。でも──」

 

 唇に柔らかな感触が。

 経験がないからかたどたどしくはあるが、とても熱の籠ってたキスだ。

 彼女とも、糸で繋がるような感覚を覚えた。

 

「──好きよ。とっても。たった一ヶ月だったけど、とても幸せだったわ。再会したら、私もライの恋人にしてもらいたいの」

「っ! もちろん! 僕も2人と出会えて幸せだったよ」

 

 2人に拾われて、弟子になって、とても楽しかった。

 

「さあ、ハーレン帰ってきて。最後までトリップしたままお別れするつもり?」

「はっ!」

「それと、1つ忠告よ」

 

 彼女は顔を引き締め、真剣な表情をした。

 

道化師(ピエロ)に気を付けなさい」

「奴らはライが戦った小鬼之王(ゴブリンキング)に関係している。そして恐らく、ライの感じた嫌な予感とやらにも」

 

 あー、まあアレが人為的なものであることには何となく気づいていた。

 森の奥の方にあったとはいえ、今まで誰もあの規模の集落に気づかなかったことがおかしかったからね。

 それにあれだけ大量の小鬼族(ゴブリン)が繁殖していたなら大量の人間が行方不明になっているはずだ。

 そうなっていないってことは誰かが魔力を分け与えていたということだろう。

 

「かなり手強いぞ。ともすれば私たちでも……」

 

 そんなに!?

 ……確かにあの小鬼之王(ゴブリンキング)に関係している相手ならそれほど強くてもおかしくないのかな。

 

「『狂遊の道化師(クレイジー・ピエロ)』のクラウンと『悲嘆の道化師(グリーフ・ピエロ)』のティア。奴らはそう名乗った」

「あの感じだと『享楽の道化師(プレジャー・ピエロ)』も関係してそうね。仲間か……あるいは変装か」

 

 うーん、めんどくさそうなことになってきたぞぅ。

 

「貴方はこれからどうするのかしら?」

 

 これから、か。

 それはもうこの1ヶ月で決めておいた。

 

「僕の目標は3つ。1つ、大魔王討伐。2つ、世界間を自由に行き来する方法の確立。3つ、世界最強になること」

「世界最強……大きく出たわね」

「だが、ライならば或いは……」

 

 1つ目は言うまでもない。

 大魔王を討伐しなければ元の世界に帰れない。

 討伐せずに対話でなんとかできるならそうしたいけど、話しを聞く限りそれは難しそうだ。

 

 2つ目も必須事項だ。

 大魔王を討伐し使命を果たせば僕達は元の世界に帰ることになる。

 元の世界にも恋人がいる以上、戻らないという選択肢はない。

 とはいえこの世界での恋人についてきてもらうわけにもいかない。

 この世界に家族を置いていくことになるからだ。

 まあ、元の世界に比べてこの世界じゃ出て行って2度と帰ってこないなんて珍しくないらしいけど、だからといって離れ離れにさせていいわけがない。

 

 だから魔術でもスキルでも魔道具でもなんでもいいから世界間を自由に渡る術が欲しい。

 勇者召喚が存在する以上、不可能ではないはずだ。

 可能性はゼロじゃない。

 ゼロじゃないなら問題ない。

 というか例え不可能でも可能にしてみせる。

 

 3つ目は僕の大切なものを護る為に必要なことだ。

 命の価値が低いこの世界で大切なものを護るには力がいる。

 圧倒的な力が。

 権力や財力も必要ないとは言わないけど、一番大切なのはやっぱり戦闘能力だろう。

 忠告されたピエロみたいな強者もいるみたいだし、力は必須だろう。

 搦手への対策もしないといけない。

 やることが盛り沢山だ。

 

「なら、一層頑張らなければな」

「ハハハ、僕は2人の弟子だよ?」

 

 ニッと口角をあげる。

 

「任せてよ。僕は一度決意したことは絶対曲げないからさ」

 





【挿絵表示】


【真名】戯溜(ギル)陽華(ヨウカ)
天職(クラス)遊び人(トリックスター)
【性別】女性
【身長/体重】166cm/47kg
【属性】混沌・善
【特技】裁縫、家事全般、変装
【趣味】手芸、ぬいぐるみ蒐集
【好きなもの】負けず嫌いな真面目系委員長
【嫌いなもの】人を馬鹿にする人間、人を見下す人間
【苦手なもの】異性からのボディタッチ
【備考】
馬鹿みたいな露出度の改造制服を着ているが見た目の派手さに反して身持ちが硬いDVヒモ彼氏扶養者系純情ギャル。
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