異世界チートハーレム無双~クラス転移で1人だけ逸れた僕はチートスキル持ち。どんどん恋人が増えてハーレム王になったのでウハウハハーレムライフをエンジョイする。ついでに歌って踊って戦うアイドル目指します~   作:ランマ

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EP.7 即堕ちデート

 翌日の夕暮れ、僕は街の中央に位置する、広場の噴水前に立っていた。

 噴水からは水が軽やかに流れ落ち、周囲に涼しげな音を響かせている。

 広場の石畳は夕陽に照らされ、温かなオレンジ色に染まっていた。

 僕は何時もの可愛らしい女装ではなく、シンプルな白いシャツとダークグリーンのズボンで、噴水の縁に腰掛けていた。

 

 街は、珍しく静かだった。

 市場の喧騒もどこか遠く、石畳の道には木漏れ日が揺れている。

 少しして、後ろから少し慌てた足音が聞こえてきた。

 

「ライ君! ごめんなさい! 遅れちゃった!」

 

 ヘレンさんが息を切らしながら広場に駆け込んできた。

 彼女はギルドの制服とは打って変わって、淡い緑のワンピースに薄手の白いカーディガンを羽織り、髪を軽く編み込んでいた。

 少し頬が赤いのは、走ってきたせいか、緊張のせいか。

 

「いいよいいよヘレンさん。僕も今来たところだから」

 

 僕は立ち上がり、いつもの眩しい笑顔で迎える。

 

「その服、とても似合ってるね。ギルドで見るより、柔らかい感じがするっていうか……」

「え、ほんと? ありがとう! ちょっと、普段こういう服着ないから、変じゃないかなって……」

 

 ヘレンさんは照れながらスカートの裾を軽く摘まみ、くるっと回ってみせた。

 その仕草はあまりに自然で、僕は思わず見とれてしまった。

 

「全然変じゃないよ! とっても素敵! ヘレンさんってギルドにいる時と全然雰囲気違うね。ドキドキしちゃうよ」

 

 僕はは少し頬をかきながら笑う。

 

「やだもう、ライ君ってほんと口上手いよね」

 

 ヘレンさんは顔を朱く染めた。

 

「ライ君って、こういう待ち合わせとかよくするの? 手慣れてるような気がして……」

「こっちに来てからは初めてかな。僕、とても遠くから来たんだけど、その時にみんなと逸れちゃったんだよね。アリスとハーレンに拾ってもらって、多分みんなが無事だろうってことは把握出来たから、こうして2人に修行をつけてもらいながら冒険者として活動を始めたってわけ」

「そうだったんだ……。ところで、みんなって言うのはどんな人なの?」

「僕の彼女たちと親友たちだよ。みんなとっても素敵なんだ」

「彼女……たち?」

「ああ、うん。僕、彼女が複数人いるんだ」

「そうなんだ……」

 

 やっぱりいい顔されないかな……。

 ハーレム許容派とはいえ、彼女いるのにデートしてるわけだからね。

 

「安心して、全員の同意があるから浮気じゃないから。みんな僕には勿体ないくらい素敵な子達なんだよ。きっと君とも仲良くなれると思うな」

 

 彼女同士でも百合百合するくらい仲がいいし。

 

「だから、僕が彼女持ちとか全然気にしなくていいんだよ? というかみんな歓迎してくれるだろうし、君は君の望むままにすればいい。僕はそれに全力で応えてあげるから」

 

 まるで誘惑するように、ヘレンさんの耳元で囁く。

 実際、僕の彼女たちのスタンス的には女の子を惚れさせたなら責任とって全員と付き合って幸せにしろって感じだからね。

 悪人とかじゃない限りは基本的に問題ない。

 むしろ受け入れなかったらみんなに怒られるんだよね。

 普通逆じゃない?

 

「さあ、この話はこのくらいにしておこうか。デートを楽しもう」

「デートって言っちゃうんだね」

「あれ? 違った?」

「ううん、デートだよね……えへへっ」

 

 可愛い、好き。

 そんな笑顔急にされたら破壊力が凄くて尊死してしまう。

 僕尊死の読み方いまだに分かってないんだよね。

 ソンシなのかトウトシなのかタットシなのか……。

 まあそれは置いといてだ。

 

「さあ、行きましょう? 私のお気に入りの喫茶店に」

「はい!」

 

 僕が元気よく返事をすると、彼女はクスっと笑った。

 その笑顔がとても可愛かった。

 

「ハーブティーがすごく美味しいのよね。それと、ベリーのタルトも甘酸っぱくて、疲れも吹き飛ぶわよ」

「ヘレンさんがそんなに言うなら、絶対美味しいよね楽しみだなぁ。よし、決まり! じゃあ、ヘレンさんの好きなベリータルト食べながら、もっと話そう。ギルドの話とか、ヘレンさんの好きなこととか……僕、ヘレンさんのこともっと知りたいな」

 

 僕はヘレンさんに手を差し出した。

 ヘレンさんは一瞬驚いたようにその手を見つめ、ゆっくりと自分の手を重ねた。

 僕たちは指を絡ませ、恋人つなぎをする。

 

「うん、ライ君のこと、もっと知りたいな」

 

 そう言った彼女の笑顔は、まるで向日葵のように可憐だった。

 

 噴水を後にし、僕はヘレンさんに街の裏路地にひっそりとある小さな喫茶店だへと連れて行かれた。

 木造の看板に「宵の花」と書かれている。

 

「ここが私のおすすめの喫茶店よ」

「へぇ……隠れ家って感じですね」

 

 テーブル席に向かい合って座ると、店主らしき老紳士が笑顔で出迎えてくれた。

 

「じゃあ私は、ハーブティーとベリータルトにしようかしら。ライ君は?」

「じゃあ僕も同じので」

「お揃いね」

 

 ヘレンさんは、頬を染めながらそう言った。

 

「落ち着いてておしゃれな雰囲気だね」

「静かで落ち着けるのよ。人があまり来ないから」

 

 僕たちはしばらく他愛もない話を続けた。

 ギルドでの出来事、ヘレンさんが受付嬢として見聞きした面白い冒険者の話、僕の交友関係。

 

「ライ君って可愛いよね。少し嫉妬しちゃうわ」

「男の子に言うことじゃないですよ、それ。まあ、僕は言われて嬉しいですけどね」

「女装してるくらいだものね」

 

 テーブルの上にはベリーのタルトとハーブティーが2つずつ運ばれてきて、2人で香りを楽しみながら会話が弾んだ。

 

「美味しいね、このハーブティー。香りもとてもいい」

「でしょう? お気に入りなの」

 

 ヘレンさんはハーブティーのカップを両手で包みながらそう言った。

 

「はい、あーん」

 

 ヘレンさんはタルトを一口サイズに切り、僕に差し出す。

 

「あーん。うん! 甘酸っぱくて美味しい! 食感もいいね」

 

 本当に美味しい。

 僕の彼女達の作る料理に匹敵するレベルだ。

 これはリピート決定だね。

 

「じゃあ今度は僕の番だね。はい、あーん」

「あ、あーん」

 

 そうして僕たちはお互いにあーんをしてタルトを食べた。

 

「ところで、よく僕をデートに誘おうと思ったね。冒険者登録の時とあの時だけしか会話してないのに」

「あー、そうね。私は、その、だいぶ面食いだから。失望しちゃったかしら?」

「全然? そういうのもアリだと思うよ、僕は」

 

 それで失望するようなら、最初からデートのお誘い受けてないしね。

 面食いであっても、善良な人間であることには代わりない。

 顔とか金だけが目的でそれがなくなったら終わるような関係は嫌だけど、ちゃんと内面とかも見るなら、仲良くなる切っ掛けとしては全然いいと思うよ。

 

「ねえ、またこうやって話したいんだけど、ヘレンさんはどう思う?」

 

 ヘレンさんはカップを持ったまま固まり、ゆっくり顔を上げた。

 

「……いいの?」

「ヘレンさん、僕と話してて楽しそうだったし、僕も楽しい。だから、また会いたいなって」

「うん、私もライ君ともっと話したい」

「よし、じゃあ次はもっとゆっくり時間取ろう! ヘレンさんの好きな場所、教えてよ」

 

 ライの明るい声に、ヘレンさんは照れながらも嬉しそうに頷いた。

 僕たちの会話は途切れることなく続いた。

 

「もうすっかり暗くなっちゃったね」

「そうだね。家まで送るよ」

「……ありがとう! フフフ、まさかデート終わりに男の子に家まで送ってもらうなんて、こんな日が来るなんて思ってなかったわ」

「えぇ? ヘレンさん、モテそうだけど」

「残念だけど、出会いなんて大半が冒険者だから近づいてくる男のほとんどが体目的の男ばっかりなのよね。平気でセクハラしてくるし、かと言って誠実な人はだいたい冒険者同士で付き合うし」

 

 あー、確かに冒険者って粗暴そうな人が多いもんね。

 僕も厭らしい視線向けられたし。

 それに、ギルドでしか出会わない受付嬢より、一緒に冒険して絆を紡いだ冒険者同士の方が恋人になりやすいっていうのは理解はできる。

 

「でも、みんな見る目がないなぁ。体以外にもたくさんいい所がある、こんな素敵な女性なのに」

「そう言ってくれて嬉しいわ。ますます君の事が好きになっちゃう」

 

 そうして会話しながら歩いて彼女の家にたどり着いた。

 

「今日はありがとう、本当に楽しいデートだったわ」

「僕も楽しかった。君に出会えてよかったよ。またね」

 

 そう言って手を振り、彼女が家の中に入るのを見て、僕も宿に帰った。





【挿絵表示】

【真名】ヘレン
【天職】商人(マーチャント)
【性別】女性
【身長/体重】172cm/49kg
【属性】秩序・善
【特技】クレーマー対処、人間観察
【趣味】自分磨き、アクセサリー蒐集
【好きなもの】顔、金、酒
【嫌いなもの】労働、残業、クレーマー
【苦手なもの】努力
【備考】
面食い玉の輿チョロインお姉さん。
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