貞操逆転世界~あそこの大きさだけで成り上がることができるかな?〜 作:漆黒闇男
「随分と変わった格好をしているな。異世界からの転生者といったところか。しかし、残念だったな。何の役にも立たない男は極刑に処す」
目の前の女性裁判官が無慈悲にも判決をくだす。何も悪いことはしていないのに、ただこれといった能力がないというだけで。なぜだ。なぜこんなことになってしまったのだ。こんな見知らぬ世界で、俺は死んでしまうのか。両脇にいた屈強な女性戦士が、俺の肩を押さえつける。もう逃げ出すことも叶わない。
「最後に言い残すことはないか?」
貞操逆転世界に転生してしまった俺は、今まさに役に立たない男として処分されようとしている。ああ、せめて一度でいいから女性という崇高な生き物を経験してみたかった。目の前にいる裁判官でもいい。何なら俺を押さえつけている女性戦士でもいい。たとえプロレスラーのような屈強な体つきをしていても、女性であるというだけで俺にとっては至高の存在なのだ。
はあ、唯一の自慢である息子を使用することなく死んでしまうのか。最後に言っておきたいことか。そうだな、何の特徴もないと思われて死んでいくのも悔しい。今まで恥ずかしくて誰にも言ったことはなかったけど、死ぬ前くらい言いたいことを言って死のう。
「俺のあそこはすごく大きいです」
その直後、周囲の温度が急に上昇した気がした。
凸凸凸
さて、そんな私は神社で『モテますように』とお願いして、目を開けたときには見知らぬ森に勃っていた。随分と若返った状態で。パニックになりそうな気持ちを抑えつつ辺りを観察し、出した答えは『これって異世界転移じゃね?』だった。おっと、言葉遣いまで若返ってるのか?
こんな状況ではあるが、ひょっとしたら神様がチートな能力をくれて、ウハウハのハーレム生活が送れるのではと思ったので、色々と試してみたのだが、ステータスは開かず、魔法も使えず、身体能力もごく普通だった。こんな状態で魔物にでも遭遇したら死んでしまう。そう思った俺は、とりあえずこの森を脱出しようと思い周辺を慎重に探索した。
(む、あれは街道か?)
元いた場所を中心に、円を描くように探索していると、遠くに街道のようなものを見つけた。急いで駆けつけてみると、それは間違いなく人が通る道のようになっていた。ほっと胸にある首をなで下ろし、足跡を観察する。そして、たくさんつま先が向いている方を目指して歩き始めた。
街道に沿ってしばらく歩いていると、程なくして前方に街のようなシルエットが見えてきた。よかった。野垂れ死ぬということはなさそうだ。だけど、この疲れ具合、体の痛みからして、期待していた体力のチートもなく、転生特典は若返りだけのようだ。まあ、四十歳の体のままだったらとっくに歩けなくなっていただろうから、若くなっただけでもありがたいが……
街が見えたので少し元気を取り戻して歩き続けていたのだが、辺りに障害物がほとんどないせいか、近くに見えた街は思いのほか遠かった。
ヘトヘトになりながらようやくたどり着いた街は、レンガを積み重ねたような外壁にぐるっと囲まれていた。
(外壁があるということは、敵がいるということか?)
そんなことを考えながら正門と思われる方と見てみると、二人の門番の姿が目に入った。日本では、いや地球ではまず見かけることなどない鎧に身を包み、長い槍を持った門番の姿。それを見て、やはり異世界に転移してきたのだと確信する。しかしここでちょっとした違和感を覚えた。
(あれ? あの門番……二人とも女性? それに随分と露出が多い鎧だ)
そう、正門を守っている門番は、体つきこそたくましいが二人とも女性だったのだ。
持ち物検査や身体検査があるのなら、女性がいるのは配慮が行き届いていると感じるところだが、二人とも両方女性というのは珍しいのではないだろうか。たまたま、男性の門番がいなかったのか、他に理由があるのかはわからないが。
それにしてもこの門番二人、背は高いし体格もいいけど、顔はかなり綺麗だな。丸出しになっているお腹は腹筋が六つに割れているが。コミュニケーション能力に難のある俺としては、いささか話しかけるのに勇気がいる。
十分ほど時間をかけて覚悟を決めてから、一つ深呼吸をして俺は門番の女性へと近づき話しかけた。
「すいません。ここは何という街でしょうか?」
「む!? 男だ! なぜここに男がいる? お前の主人はどこだ?」
身分を聞かれたら記憶喪失のふりをして、『森の中で気を失って倒れていた』って言おうとしてたのに、いきなり槍を突きつけられてよくわからないことを聞かれた。主人って何? 男だと何かまずいの?
「えっと、俺は一人ですが。何か問題でもありましたか?」
抵抗する気がないことを示すために、両手を挙げて答える俺。
「野生の男が現れた! 裁判になるぞ! 至急、裁判長のバスト様にお伝えしろ!」
俺はすぐに女性兵士に腕を取られ、拘束されてしまった。不覚にも裁判長の名前に気を取られすぎて、抵抗することすらできなかった。その間にもう片方の女性兵士が街の中へと走って行った。おそらく、巨乳のはずである裁判長に伝えにいくのだろう。
俺を拘束した女性兵士は、身動きの出来なくなった俺を簡単に肩に担ぎ平然と歩いてく。街の中心に向かっているようだが、屈強な女性兵士に担がれた俺は街の中でも注目の的になっているようだ。
しかし、ここで俺はまた違和感を覚えた。俺に好奇の視線を送ってくる住人が、全て女性だったのだ。
(もしかして俺は、女性ばかりの世界に転生してしまったのでは?)
今まさに裁判にかけられようとしているはずなのに、俺のテンションは急上昇している。
しかもだ。この女性兵士を筆頭に目に入る女性がみんな美形なのだ。美女ばかりの世界に突如現れた男。拘束はされているが、俺の期待を煽るには十分な環境だった。
アイドルにでもなったような気分で担がれている俺は、街の中心にある大きな建物へと連れて行かれた。まさに裁判所と呼ぶにふさわしい立派な造りをしている。
正面の大きな扉から入り、奥まで真っ直ぐ続く白塗りの廊下を担がれながら移動する俺。時折すれ違う人はみんな女性で、俺を見るなり奇異の視線をぶつけてくる。中には興味本位かおさわりしてこようとする者もいて、その度に俺を担いでいる女性に注意されていた。
まるで珍獣にでもなった気分だ。
思いのほか長い廊下の突き当たりには、重厚な扉が控えていた。いかにも重そうな扉だったが、女性兵士はいとも簡単に片手で押し開ける。
扉の向こうにあったのは、はまさに裁判が行なわれる部屋そのものだった。
「それでは、これから野生の男の裁判を始める」
俺の予想を遙かに上回る胸を持ったバスト裁判長が、手に持つ木槌を打ち鳴らした。この部屋には裁判長の他、裁判員らしき女性が四人、俺の両脇に女性兵士が一人ずついる。しかし、俺を弁護してくれそうな人は見当たらない。いったい俺はどうなってしまうのだろう。
「そこの男は主人もおらず、スキルが一つもないというのは事実か?」
証言台に無理矢理立たされた俺に向かって、バスト裁判長が一言声を発する。その度に、大きな胸が揺れている。こんな状況なのに、その胸に吸い寄せられて目が離せない。そんな俺を冷ややかな目で見つめる裁判員達。ここのいる女性は美形揃いだ。虫けらを見つめるような視線ですら興奮してしまう。
「はっ、主人がいないことは本人が認めております。その時点で拘束したため、スキルまでは未確認です」
俺を運んできた女性兵士がハキハキと答える。
「では、この場で確認しましょう。アレを持ってきなさい」
バスト裁判長が命令すると、裁判員の一人が立ち上がり手に持っていた水晶のようなものを女性兵士に渡した。その水晶を受け取った彼女は、俺の方へと近づいてきて拘束されている手を取った。たくましい体つきからは想像も出来ないほど、柔らかくてすべすべの手が俺の手を持ち上げる。
「はぅ」
母親以外の女性の手など触れたことが無い俺は、思わず変な声を出してしまった。この部屋にいる女性達が、例外なく苦虫を噛みつぶしたような顔をしているのが視界に入った。ドン引きされているようだ。
女性兵士は汚いものでも触るかのように俺の手を指先で持ち直し、水晶の上へと移動させた後、乱暴に落とした。
水晶は俺が触れた途端に輝きだし、中に文字が浮かぶ。女性兵士は俺の手に触れないように気をつけながら、すぐに水晶を抜き取りバスト裁判長の下へと持っていった。小走りで走る女性兵士の胸も中々大きいな。
「これは……本当に一つもスキルがありませんね。主人もいない、何の役にも立たない、よってこの野生の男は極刑とします。異議はありますか?」
水晶を確認したバスト裁判長が、俺の極刑を高らかに宣言した。いや、あります! 異議あります!
「異議があります! 俺は何も悪いことはしていません! それなのに極刑だなんておかしいでしょう?」
「お前の意見は聞いていない。私が聞いたのはそこにいる裁判員達にだ」
俺の異議を切り捨てて、裁判長が四人の裁判員をぐるっと見渡す。しかし、誰も異議を唱えるものはいないようだ。ちょっと待ってくれ、このままじゃ俺は死んでしまうのか。
「なぜです? なぜ男というだけでこんな仕打ちを受けなければならないのですか!?」
嫌だ。まだ死にたくない。せっかく女性ばかりの世界に転生したのに、息子を使わずになんて死ねない。俺は必死に食い下がる。だが、この場から逃げだそうにも、いつの間にか女性兵士二人に両肩をつかまれ身動きが取れなくなっていた。
「言っている意味がよくわからない。この国では、男は主人がいるか役に立つスキル持ちしかその存在は認められていない。その両方を持ち合わせていないお前が極刑になるのは、子どもでもわかる理屈だが?」
「いやいや、じゃあ奴隷になります。奴隷になりますから極刑は止めてください!」
「何の取り柄もないお前を奴隷にするものなどいるわけないだろう。顔がよければまだ可能性はあったかもしれないがな。それに、お前はこんな状況なのに私の胸ばかり見ているだろう。気持ち悪い」
バレていた!? バスト裁判長は俺がバストを盗み見していたことに気がついていたのか!?
「それみろ、何も言い返せないではないか。しょせん男はみな同じ。必要最低限の数さえそろっていれば問題ない」
ああ、もう何を言っても無駄だ。せっかく転生出来たと思っていたが、とんだ期待外れだった。どうやら俺はこの世界でも一度も息子を使うことなく死んでしまうようだ。
「よろしい、反論はないようだな。それにしても、改めてよく見ると、随分と変わった格好をしているな。異世界からの転生者といったところか。しかし、残念だったな。何の役にも立たない男は極刑に処す。最後に言い残すことはないか?」
俺の必死の抵抗も空しく、無慈悲な判決がくだされてしまった。もうここから挽回するのは無理だろう。全てを諦めた俺だったが、俯いた目に今まで一度も経験をさせてあげることができなかった息子が映った。
(そうだな。何の特徴もないと思われて死んでいくのは悔しい。今まで恥ずかしくて誰にも言ったことがなかったけど、死ぬ前くらい言いたいことを言って死のう)
そう考えた俺は、無意識のうちに言葉を発していた。
「俺のあそこはすごく大きいです」
その直後、周囲の温度が急に上昇した気がした。
俺の言葉に最初に反応したのはバスト裁判長だった。
「な、何だと? うぉっほん。もう一度、言ってもらえるかね?」
最後の言葉だったはずなのにもう一度要求された。先ほどは無意識に呟いていたみたいだから問題なかったが、改めて言うとなるとちょっと恥ずかしいな。そんなことを思ったが、よく見ると先ほどまで冷徹な仮面を被っていたはずの裁判長が、顔を上気させ、目を潤ませ、若干だが身を乗り出している。もしかしたら、判決になんらかの影響を与えられるのではないかと思い、意を決して先ほどと同じ言葉を口にした。
「俺のあそこはすごく大きいです」
裁判長が目をつぶり、天を仰いでいる。何かを考えているようだが、このチャンスに突き出された胸をよく観察しておこう。
裁判長が目をつぶっているのをいいことに、強調された胸をじっくり見ていた俺だったが、不意に肩に置かれている女性兵士達の手が急に温かくなっているのを感じた。何が起こっているのかと、バスト裁判長の胸に吸い寄せられている目を必死の思いで動かし、両隣の女性兵士を確認する。
すると女性兵士は二人とも息を荒くし、顔を赤らめ、唇が乾いているのか舌なめずりまでしている。何という刺激的な光景なのだ。思わず俺もごくりと喉を鳴らしながらつばを飲み込んでしまったではないか。
「うぉっほん。死ぬ前に話したいこともあるだろう。まず私の部屋に連れて行ってくれ。ごくり」
最後の最後に生き延びるチャンスが貰えたようだ。俺に話をする機会が与えられた。これで裁判長を説得することができれば、生き延びることができるかもしれない。この際、バスト裁判長の奴隷にしてもらってもいい。嫌むしろ、奴隷にして欲しい。
そんな邪な考えを持ちながら、俺は女性兵士に担ぎ上げられ法廷を後にした。
凸凸凸
俺は女性兵士に連れられて、質素ながら綺麗に整頓された部屋へと入っていった。女性兵士は真ん中にイスを置き、そこに俺を座らせた。手を後ろに回され、イスの背もたれを抱えるように拘束される。すぐにバスト裁判長が扉を開けて現れ、入れ替わりに女性兵士が出て行った。
バスト裁判長は扉に鍵をかけ、くるっとこちらに振り返る。徐に上着を脱ぎ、机の上に放り投げた。後ろにまとめていた髪をほどき、頭を振るとばさっと長い髪が波打つ。巨大な胸が白いブラウスを押し上げ、ボタンがはち切れそうになっている。
「さて、先ほどの言葉に嘘はないだろうな。もし、口からでまかせを言っているのなら、即刻刑を執行するからな」
食いついている。さっきの最後の言葉に裁判長が食いついてしまっている。ブラウスのボタンを上から順に開けながら、迫ってくる妖艶な美女。経験不足の俺はどうしていいのかわからずに硬くなってしまう。
すでに目の前には綺麗に整った顔がある。視線の先は俺の下半身。ああ、いい香りがする。白く綺麗な指が、俺のズボンのベルトにかかり、あっと言う間に抜き取られてしまった。下に目をやれば、巨大なマシュマロみたいな双丘が飛び込んでくる。
「うほ」
思わず変な声が出てしまったが、バスト裁判長は全く気にした様子はない。俺のズボンの裾をつかむと一気に引っ張り脱がされてしまった。
「ふふふ、ついにご対面だな」
裁判長が上唇を舐めながら、俺のパンツに手をかける。その手は迷いなく俺のパンツを引きずり下ろした。
「うほ!」
一応、確認しておく。今の変な声は俺じゃない。俺の息子を見たバスト裁判長の感想だ。
「き、期待以上だ……ごくり」
どうやら、俺の自慢の息子はバスト裁判長のお眼鏡にかなったようだ。最早、俺の顔なんぞ一切見ずにむき出しになった下半身を凝視している。
「こ、これが私の中に……入るのか? こ、壊れやしないだろうか?」
バスト裁判長は発する言葉とは裏腹に準備を進める。拘束されている俺はなすがままだ。動かせるのは息子のみ。すっかり準備が完了したバスト裁判長の姿に、俺の準備も完了する。
その後、裁判長の私室から長時間にわたり獣のような咆哮が響き渡っていた。
凸凸凸
「えーと、これはいったどうすれば?」
今俺の目の前には、生まれたままの姿でぴくぴく痙攣しているバスト裁判長がいる。声をかけて揺すってみたが、白目を剥いて起き上がる気配はない。大人への階段を上って天にも昇る気持ちを体験した俺だったが、時間が経つにつれ冷静になっていく。
仮にも俺は極刑を宣告された身だ。唯一の特徴のおかげで、すぐに刑を執行されることは免れたが、飽きられればすぐにでも処分されるかもしれない。もかして今が、最後の逃げ出すチャンスなのかもしれない。とっくに拘束を解かれている俺は、辺りに散らばった服を静かに集め、裁判長を起こさないように着る。ドアノブをそーっと回し、そっと開けた扉から顔を出して外の様子を確認した。
(うん、誰もいないようだ)
左右の様子を窺い、誰もいないことを確認した俺は忍び足で部屋を出た。来た道は覚えている。ただし、法廷を通るのはリスクが高そうだ。入り口の方向はわかっている。別の道を通ってそこに向かおう。
静かに歩き始める俺。突き当たりに到達し、曲がり角からそーっと頭を出したら目の前に六つに割れたパンが浮かんでいた。
ガシッ!
突如、視界が塞がれこめかみに衝撃が走る。
「あいたたたたたぁ!」
何が何だかわからないまま、ぐいっと頭を持ち上げられる。首が、首が抜けそうだ。
「ようやく終わったようだな。次は私の番だ。楽しませてくれよ」
視界を塞がれた俺の耳元に、女性兵士の甘いささやきが聞こえてきた。