貞操逆転世界~あそこの大きさだけで成り上がることができるかな?〜 作:漆黒闇男
廊下で女性兵士に捕まった俺は、ここに来たときのように軽々と担ぎ上げられ、裁判所の横の詰め所らしき建物へと連れて逝かれた。
ドアが乱暴に開けられ、俺は中へと放り込まれる。バランスを崩して顔から地面に落ちそうになったときに、中にいた人に優しく受け止められた。
(だ、誰だ? もう一人いたのか?)
俺を受け止めたのは、金色の髪を首元辺りで切りそろえたボーイッシュな美人の女性だった。この人は確か、俺を連れてきた女性と一緒に門番をしていた女性兵士のはずだ。
「この子が例のビックボーイね! 可愛い顔してあそこが大きいなんて……そのギャップに燃えるわね!」
明るく健康的な見た目なのに、なんて卑猥なことを口にしてるんだ。
「そうよ、サラ。バスト裁判長の野獣のような叫び声が聞こえてたからね。期待していいと思うよ」
俺を連れてきた女性兵士が、サラと呼ばれたボーイッシュ美女の質問に答える。
「ふふふ、楽しみだわ! レイラも顔が真っ赤じゃないの!」
「そりゃあ、私は経験が少ないからね。ちょっと緊張してるのよ」
俺を連れてきた方はレイラというのか。燃えるような真っ赤なソバージュヘアがまぶしい、凜々しい系の美人さんだ。今はその顔が髪の毛と同じくらい赤くなっている。
「何言ってるのよあんた。経験が少ないどころか、初めてじゃない」
「ちょっと!? 男の前でそんなこといわないでよ!? 舐められたら困るでしょ?」
なんと!? このレイラは初めてだと!?
「あんたわかってないわね。舐められたらほうが気持ちいいに決まってるでしょ」
だめだ。このサラは痴女に違いない。息をするように卑猥な単語が飛び出てくる。その度にレイラが恥ずかしそうに怒るのがたまらなく愛おしい。
「とにかく、約束通りちゃんと教えてよね」
「わかってるって。それじゃあ、早速、脱いでもらおうかな!」
俺は今の今まで神様なんて信じていなかったが、ここはあえて言わせてもらおう。『神様、ありがとう!』
ちょっと前まで女性にはまるで縁のない生活を送っていた俺が、一日に三人もの女性と経験出来る日が来るなんて。しかも、そのうち二人は同時にだ。転生したときはチートもないし、裁判で有罪になるし、絶望的だったけど、まさかこんなご褒美が待っているなんて想像すらしていなかった。
「それじゃあ、脱がすわよ。そっちを押さえてて」
「うん、わかった。ごくり」
サラの指示に従って、レイラが俺を背中から羽交い締めにする。サラの手が俺のズボンをつかみ一気に引っ張った。あまりの勢いにパンツまで脱げてしまう。
「「うほ!」」
一応、逝っておく。今の声は俺じゃない。俺の息子を目にした二人の声だ。
「サ、サラ、これって……」
「そ、想像以上だわ……」
二人の声が詰まる。思った以上にショックを受けているようだ。
「ま、まずはこの性剣エクスカリバーを覚醒させるわね。あんたも一緒にやるわよ。私がやるのを見て真似してみなさい」
「はい、師匠。頑張ります」
俺のエクスカリバーは先ほどの戦いで少々疲れていた。それをこの二人が覚醒させてくれるというのだ。今日は何という素晴らしい日なのだ。
二人の顔が俺のエクスカリバーに近づいていき……サラのレッスンが始まった。まずはサラが見本を見せ、レイラが必死に真似をする。時には一人ずつ、時には二人同時に、俺にとっての夢のようなひとときがあったという間に過ぎていった。もう一度言う、『ありがとう神様!』
「こ、これが覚醒後の性剣エクスカリバー……」
経験豊富なはずのサラが、覚醒後のエクスカリバーの姿に
「は、初めてがこれなの……」
レイラの初めての相手……高鳴る! 胸が高鳴ってしまう!
「それじゃあ、私から逝くね」
まずは経験豊富なサラからチャレンジするみたいだ。俺は、いつの間にか服を脱いでいたサラに、部屋の端にあったベッドの上に仰向けに寝かされた。そしてサラが上に乗ってくる。
「いやぁぁぁぁぁぁ、あ、あ、あ」
気を失った。叫び声を上げたかと思うと、数秒で気を失ってしまった。
「サラ!? どうしたのサラ!?」
気を失ったサラを見てパニックになったのか、レイラがサラの肩をつかんで揺さぶる。
「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
揺さぶられたことで目を覚まし、その振動でまた気絶した。それを三回ほど繰り返したところでサラは全く動かなくなってしまった。
ずるりとサラの体がベッドが落ち、床の上に転がった。そんなサラと俺のエクスカリバーを交互に見るレイラ。
「私だって、ヤル時はヤルは!」
やるの使い方が間違っているような気がしないではないが、俺には何の文句もないので素直に受け入れる。
レイラがサラの真似をして俺の上に乗ってきたのだが――
「おぐぅ!?」
気を失った。エクスカリバーの一撃で気を失った。
(ど、どうすればいいんだろう……)
とりあえず、裸の二人を並べてその姿をしばらく眺めながら脳裏に焼き付ける。ごちそうさまです。
それから、名残惜しくはあるが当初の予定を遂行すべく服を着た。
都合のいいことに、辺りはすでに暗くなっている。この闇に乗じて逃げだそう。だが、この街は男というだけで目立ってしまう。申し訳ないが、この詰め所にある食料を少々いただいて、街の外に出るとしよう。
(街道からあまり離れないようにしながら、次の街を目指せば何とかなるかもしれない)
そう考えた俺は、台所にあったパンや飲み物をいただいてから、夜の闇に紛れて街を抜け出した。
凸凸凸
「ふう、何とか街から出ることができたな」
俺は今、街道から少し離れたところにある森の中を歩いている。街道を見失わないように、且つ街道から見られないように気を遣いながら進む。
しばらく歩いていると、不思議なことに気がついた。二連戦した後なのに体が軽いということに。ここに来たときには少し歩いただけで疲れていたのに、今は全く疲れを感じていない。それに心なしか肌がつるつるになっている気がする。もちろん、若返ったからというのもあるのだろうが、それにしてもさっきまでこんなに綺麗な肌ではなかったはずだ。
もしかして、女性との経験を重ねると俺の身体能力は上がり、肌が綺麗になるとでもいうのだろうか。だとすれば、こんなに嬉しいことはない。いい思いをして強く美しくなれるなんて最高だろう。まあ、この先もこんなに都合のいい展開が待っているとは思えないが、強くなる可能性があるのはいいことだ。
初体験と身体能力の向上、この二つの素晴らしい出来事に俺の気分は浮かれていた。そう、近くに危険が迫っていることに気がつかないくらいに。
「そこの人間の男、動くな。動けばその脳天に矢が突き刺さるぞ」
その声は、突然頭上から聞こえてきた。
「だ、誰だ!?」
俺が慌てて上を見上げると、横に生えていた大きな木の上に緑色の装束を着た、それはもう絵画のように美しい女性が、こちらに向かって弓を構えているのが目に入った。
「お前、こんなところで何をしている? なぜ街道をあるかない? さてはお前、野良の男だな。殺すか」
緑色の装束を着た女性は、それこそ鈴の音が鳴るような綺麗な声でどぎついことを言い放った。
「ちょっと、ちょっと待ってください! 俺は何も悪いことはしていません! 殺さないでください!」
今にも殺されそうな俺は、必死に懇願した。敵意がないことをアピールするために両手も頑張ってあげている。いや、ここは全世界共通のDOGEZAを見せるときだな。俺は目にもとまらぬスピードで地面に頭をこすりつけた。
ザシュ!
その直後、俺の背後に弓が刺さる音がした。危ない!? 今俺が土下座をしていなかったら、この矢は頭を貫いていたぞ!?
「すまん。指が滑った」
うぉい!? まてまてーい! 絶対わざとだろ! 俺を殺す気で撃っただろ!? いくら美人だからって、いくら美人だからって、許すとは、許すとは……
「気にするな。当たらなかったから問題ない」
いや、許すでしょ。あんな美人に謝られたら誰だって許すでしょ。それにこの女性、よくよく見たら耳の先が尖っているぞ。俺は知っている。二次元の彼女たちには散々お世話になったから。この緑色の装束を着た女性は、エロフに違いない!
「ふむ。よく見れば首輪をしていない。随分と若いようだが、私の矢を躱したということは冒険者なのか?」
よし、狙って矢を避けたわけではないが、相手が勘違いしているならそれに乗っかってしまおう。
「よく気がついたな。俺はこう見えて名のある冒険者なのだ。何か困ったことがあるなら、相談に乗ってやらなくもないぞ」
「ほほう、我らの悩みを解決してくれると。丁度いい、長老が何か悩んでいる様子だったからな、そなたに手伝ってもらうとしよう。さあ、私達の村へと案内する。ついて来い」
しまったぁぁぁぁ!? つい、美人さんの前でかっこつけようとして、調子に乗ったことをいってしまった!? エロフっていったらあれだろう? 弓が上手で風魔法が得意で、精霊なんかも使役しちゃったりする戦闘民族だろ!? そんなやつらの悩みなんて、超絶強い魔物が現れて困っているとかに決まってる。そんな魔物を俺が倒せるわけがない。ついていくふりをして、逃げ出して……やる……ぞ……見える!? 俺には見える! 短いスカートで木の枝を飛び移っているエロフの白い三角の布が! あっ、くそ! 枝に隠れて見えなくなった! 待て! そのチラリズムに興奮するんだ! 待ちやがれ! 絶対逃がさないぞ!
凸凸凸
「よし、長老にお前のことを話してくるからここで大人しく待ってるんだぞ」
「……はい」
やられた。木の上のエロフの完璧な策略にはまってしまった。気がつけば俺は、エロフの村の中央にある大木の上に作られた家に連れてこられていた。正直、どうやって自分がここまで上って来れたのか覚えていないが、エロフのスカートの下の白い三角の布だけは覚えている。
そのエロフが目の前にある部屋へと入っていく。こんな高いところじゃ逃げ出すのはもう無理だ。終わった。超絶強い魔物に殺されるか、俺が冒険者じゃないことがバレてエロフに殺されるか、その二択しか存在しない。
「長老様。森の中で人間の冒険者を見つけました。若いですが、かなり名のある冒険者のようなので、長老様の悩みを解決出来るのではないかと思い、連れて参りました」
部屋の中から、長老へと話しかけるエロフの声が聞こえてくる。おいおい、そんなに持ち上げなくていいのに。頼むからハードルをあげないでくれ。
「シルフィか。お主、妾が悩んでいるとよくわかったのぅ。じゃが、妾の悩みは人間の冒険者ごときに解決できるものではない。せっかく連れてきてくれたのは嬉しいが、帰ってもらうのじゃ」
おお、いいぞ長老! まさかあんたが断ってくれるとは思ってもいなかった! これで俺は大腕を振って帰れるではないか!
「そうでしたか。確かに偉大なるエルフの長老の悩みを人間の男ごときが解決できるわけありませんでした。私の浅はかな考えをお許しください。この男は即刻村から出て行かせますので」
よしよし、これで凶悪な魔物と戦わなくて済んだな。なんて喜んでいたのだが――
「ちょぉぉぉっと待つのじゃ!? お主今、何と言った? 人間の
「はい、確かにそう言いました。私が連れてきた人間の冒険者は男ですので」
なにぃ!? なぜそこに食いつく!? この世界は女性の方が強いんだろう? 女性とわかってちょっと待てならわかるが、なんで男なら待てなのだ? はっ!? まさか、生け贄が必要だったとかなのか!?
「うぉっほん。せっかくお主が連れてきてくれたのじゃ。会わずに帰すのももったいない。妾の悩みを解決できるとは思わぬが、ちょっと話くらいしてやろう。ここに連れて参れ」
ぎゃぁぁぁぁ! 終わった。もう俺はここから抜け出せない。凶悪な魔物に殺されるか、エロフに殺されるか……どうせなら、美人のエロフに殺されたい。なんとかそうなるように話を持っていこう。
俺はシルフィと呼ばれたエロフに連れられ、長老の部屋へと入っていった。
「シルフィよ、お主は席を外すのじゃ」
「えっ!? それは危険です、長老様! こいつは人間の男です。何をするかわかりませんよ!?」
「大丈夫じゃ。お主は妾の強さを疑うのか?」
「……いえ、そういうわけではありません。わかりました。しかし、くれぐれもお気をつけください」
俺の存在を余所に、話がトントン拍子に進んでいく。その間、俺は長老とやらを観察していたのだが……いい! すごくいい! 長老というくらいだから、とんでもないおばあさんを想像していたのだが、この長老見た目はすごく若い。それこそ、シルフィと呼ばれた二十歳くらいのエロフよりよっぽど若く見える。それなのにこの言葉遣い。まずい、俺の中で別の扉が開かれそうだ。
シルフィが部屋を出て、長老と俺の二人っきりになる。
先ほどまでは、あれほど偉そうだった長老が無言になり、俺の方をチラチラと見てくる。それでいた、俺が目を合わすとぽっと顔を赤らめて目をそらすのだ。
(この若い見た目でこの反応、まるで男を知らない女子校の生徒みたいじゃないか!)
「俺の名前は短崎小。君の名前は?」
しまったぁぁぁ!? あまりにかわいらしいから、思わずかっこいい先輩の乗りで話しかけてしまった。
「わ、妾の名前はミルフィーユ・エル・クリスタルと申す。その、気軽にミルたんと呼んで欲しい」
えっ? 乗ってくれるのか? この俺のかっこいい先輩とかわいい後輩の設定に長老が乗ってくれるのか!?
「わかったよ、ミルたん。それで、君の悩みは何なんだい? 俺に話してごらん」
だめだ。俺の理性は悩みを聞いてはいけないと言っているのに、感情が言うことを聞かない。
「初対面で妾の悩みを打ち明けるのは少々恥ずかしいのじゃ。もっとショウのことを知りたい。教えてくれまいか?」
ドッキュゥゥゥン! 撃ち抜かれました。恥ずかしそうに上目遣いでお願いしてくる姿に、俺のハートは撃ち抜かれてしまいました。
「そうだな。冒険者として名高い俺だが、一番の特徴といえばあれだろう、あそこが大きいことだろう」
「…………」
やってしまった……
裁判の時と同じ乗りで言ってしまった。まずい、男のおの字も知らないような女の子に、いきなりあそこが大きいなんて口走ってしまった。引いている。絶対、ドン引きしている。なんてことを言ってしまったのだ俺は……
とんでもない発言をしてしまい、すごく後悔していた俺にミルたんは思いの外、優しい言葉をかけてくれた。
「お主、それは初対面の女に言うことではないぞ。エルフ生としての経験が豊富な妾だから許してやれるが、他のエルフだったらその場で矢を射られても文句は言えんぞ?」
「はい、すいません。これからは気をつけます」
よかった。この見た目だから忘れていたけど、仮にもこの方は長老だった。エロフは寿命が長いというから、このエルたんもこんなに若い姿だけど、かなり年をとっているに違いない。今回はそれに助けられたんだな。と思っていたら、次のミルたんの言葉に俺は耳を疑った。
「うぉっほん。わかればよろしい……それで、どのくらいなのじゃ?」
ええ!? 待って? どういうこと? この話は、エルたんが優しく諭して終わりじゃないの? 何で続くの?
「えっと、どのくらいとは?」
混乱した俺は思わずオウム返しに聞き返す。
「妾に二度も言わせるな! 恥ずかしいじゃろう! つまり、その……どのくらいの大きさかと聞いておる」
なにぃぃぃ!? ツンデレか!? これがツンデレなのか!? 全く経験がないからこれがツンデレだと断言出来ないのは悲しいが、このシチュエーションは萌えるぞ! 萌えるぞぉぉぉ!
「そうだな……ミルたんの二の腕よりは太くてたくましいかな」
「妾の……二の腕より……太くて……たくましい……そ、そんなものが、は、入るのか?」
おいおいおいおいおい!? は、入るのかってどこにですか? まさかまさかの展開ですか?
はっ!? もしかして長老の悩みって、男性経験が少ないことだったんですか!?
「こっちにおいで、優しくしてあげるから」
俺はこれまでの長老の態度から、自分の推測が当たっていると確信し、優しい言葉で誘ってみた。
「……よろしく頼むのじゃ」
俺は天にも昇る気持ちで、年上のかわいいいエルフの長老を抱きしめた。