貞操逆転世界~あそこの大きさだけで成り上がることができるかな?〜 作:漆黒闇男
俺は、ミルたんの少し装飾が多い緑の装束を優しく脱がそうと思ったのだが……
「何だこれ? 見たこともない結び目が!? くっ、こんなところで手間取るわけにはいかない! うぉぉぉぉぉ!」
俺は前世では見たこともないような、妙に複雑な帯の結び目を力任せに解いていく。よかった。身体能力が上がっていてよかった。
何とか固い結び目をほどいた俺は、するりと装束を床に落とした。あまりの抵抗のなさに、もしやと思って確認したが、やはりミルたんの胸はぺったんこの超絶スリム体型だった。
まてよ、俺は気付いてしまったぞ!? 見た目は年下、実際は年上、二つの属性を併せ持つミルたんはなんという至高の生き物なのだ!
「や、優しくするのじゃぞ」
くっ、あざとさが感じられない上目遣いの破壊力のすごさたるや。反射的にミルたんを抱きしめてしまった。
「こら! 優しくといってるじゃろ! ……悪い気はせんが」
何だこのかわいい生き物は!? こんな全男子の理想が詰まった生物が存在するなんて……神様ありがとう!
この子に俺のエクスカリバーを見て欲しい。そして、どんな反応をしてくれるのか見せて欲しい。そんな欲求を我慢できなくなった俺は、いったんミルたんから離れ、バッとズボンを降ろした。
「あひゃ!? 何じゃそれは!? 妾の腕どころじゃないだろう!? オーガじゃ、オーガの腕ほどあるのじゃ! 千八百年生きておるが、初めて見る大きさじゃ!」
ミルたんは、俺がズボンを脱いだ瞬間に恥ずかしそうに顔を手で覆った。しかしながら、開いた指の間からしっかりと俺のエクスカリバーを見つめている。
ん? ミルたんは今、何て言った? 千八百年!? 長寿の種族だと思ってはいたが、まさか千八百歳だったとは!? 見た目は年下の千八百歳、俺は再び新たな扉が開くのを感じた。
「無理じゃ、無理に決まっておる!」
「大丈夫、俺を信じて!」
怯えるミルたんを言葉巧みにリードして、突撃の準備を完了する。目をつぶって、これから来るであろう強烈な衝撃に備えるミルたん。その唇を塞いでから、俺は優しくし、それでいて力強く攻め立てた。
「うぐ、うぐぐぐぐ!」
何かに必死に耐えているように、くぐもったうめき声をあげるミルたん。無理じゃ無理じゃと言いつつ、千八百年の経験は伊達じゃない。しっかりとこの快感を味わっているようだった。
凸凸凸
「はあ、はあ、はあ、すごい、すごかったのじゃ……」
途中、何度か気を失いかけてはいたが、彼女は最後までヤリ遂げた。よく頑張ったで賞をあげたいくらいだ。
「お主、この村で暮らす気はないか?」
俺の腕を枕がわりに寝ているミルたんが、そんな嬉しい提案をしてくれた。しかし、俺にはこの村は小さすぎる。この世界に来て二つの扉を開放した俺にはわかる。この世界には、まだ見ぬ世界がたくさんあるはずだ。ここで飼い殺しにされるわけにはいかない。
「ミルたんはとても魅力的ではあるが、冒険者というものは、何者も縛りつけることはできないんだ」
俺の答えにしゅんとなるミルたん。なんてかわいいんだ。決意が揺らぎそうになる。
「そうか、それは残念じゃ。だがせめて、時々、できるなら頻繁に妾に会いに来てほしいのじゃ……」
目に涙を溜めながら、いじらしく訴えかけてくるミルたん。
「約束する。また会いにくるよ」
そんな約束、こちらからお願いしたいくらいだ。困った時には帰る場所があり、待ってくれている人がいる。なんて素晴らしい人生なのだ。俺は急展開を繰り返すこの素晴らしい人生に感謝しながら、目の前の愛おしい小さな生き物を抱きしめた。
凸凸凸
「行ってしまうのじゃな」
翌日、朝早くから起き出してエロフの村を後にすることにした。見送りは長老のミルたん一人だ。この村のエロフの女性達に俺の秘密がバレたら、しばらく村を出られなくなりそうだからこっそり旅立つことにしたのだ。ミルたんも俺がこの村の女性達に抱かれるのをよしとしなかったので、お互いの意見が一致した結果である。
「必ずまた会いにくるから」
小柄なミルたんに合わせるように、少し屈んでおでこにキスをする。ぽっと頬を赤らめるミルたん。うん、やっぱりかわいい。
「そうじゃ。お主の装備はとんでもなく貧弱なのじゃ。武器は持っていないし、防具はぺラペラのしわしわなのじゃ。妾の知り合いに腕のいい職人がいるから、そこで色々見繕ってもらうといいのじゃ。いくらお主の腕が立つといっても、装備くらいはきちんと整えた方がいいのじゃ」
そういえば、俺はまだこの世界に来た時の格好のままだった。ミルたんの言う通り、魔物がいるっぽいこの世界で生きていくためには、しっかりとした装備が必須だ。
せっかく紹介してもらえるというのだから、お言葉に甘えさせてもらおう。何せ、俺はこの世界のお金すら持ってないからね。
ミルたんの名前を出せばいいということなので、最後にまたお礼のキスをしてエロフの村を後にした。
凸凸凸
「それで、お前はいったい何なんだ?」
エロフの村を出て森の中を歩いているとすぐに、俺の後ろをふわふわと浮かびながらついてくる何者かに気がついた。
姿形は女の子のようだが、いかんせん体が薄い緑色の上に透けている。そんなものが宙に浮かびながらついてくるもんだから気になって仕方ない。
「くすくす!」
こうやって話しかけても、先ほどからくすくす笑ってばかり。森の中をダッシュで走ってみても、木の陰に隠れてみても、ぴったりと俺の後ろについてくる。
いい加減、怒鳴りつけてやろうかと思ったその時、ようやくそいつはこちらに話しかけてきた。
「あたしは風の精霊よ! あんたと契約するために来たの! さあ、あたしと契約しましょ!」
何だと? 風の精霊だと? なぜそんなものが突然現れたのだ? しかも、俺と契約したいなんて、いったい何が起こっている?
「ねえ、早くしてよ。焦らさないで!」
その言い方! 近くに人がいたら勘違いされそうだから止めなさい!
「なぜ突然現れたんだ?」
いきなり契約を迫られるという経験は、前世で嫌というほどしてきたからな。そう簡単には引っかからないぞ。
「そんなの決まってるじゃない。あんたが精霊魔法を使えるようになったからよ」
精霊魔法? そんなもの覚えた記憶はないが、ひょっとしてミルたんとの交りで俺の体に変化が起きたのか?
とりあえず、原因は後で考えるとしてこいつの確認をしなければ。
「それで、契約したらどうなるんだ?」
「あたしをいつでも呼び出せるようになるよ!」
うん、それが何の役に立つのかわからない。こんな体が透けてる女の子に何ができるというのだ?
「お前はふわふわ浮かぶ以外に、何かできることがあるのか?」
何かの役に立つのなら契約してやってもいいのだが。
「あたしは精霊だからね。風の魔法を使えるよ! こんな風にね、えい!
緑の幼女がかわいらしく呟くと、目の前に、突如巨大な竜巻が発生し、周辺の木々をなぎ倒し上空へと吹き飛ばした。
「な、何なんだいまのは!?」
思わず大きな声を出してしまった。
「だから風魔法だよ! 今はあんたが許可してくれたから、あんたの性欲を借りて使ったんだよ。そのせいで、とんでもない威力になっちゃったね! この変態どすけべが!」
ディスられた。こんな幼女に卑猥な言葉でディスられた。危うくまた新しい扉が開くところだった。いや、もうすでに半分くらい開いているかもしれない。
しかしだ、この言葉遣いの悪さはともかく、魔法が使えるのは大きい。これほど強力な魔法が使えるなら、用心棒としては最適じゃないか? それによくよく考えたら、この見た目でこの乱暴な言葉遣いはご褒美でしかない。そう考えると契約しない手はないな。
「わかった。お前と契約しよう、どうすればいい?」
「そうこなくっちゃ! まずはあたしの手を取って、あたしに名前をつけてちょうだい!」
名前! それが契約の条件なのか? 急に言われてもすぐにはいい名前なんて思いつかないぞ!?
「色が緑色だからみどり……捻りがないのでグリーン……グリーンからのエメラルドグリーン……長いからエメちゃん……よし、エマでいこう。お前の名前はエマだ!」
「エマ……うん、いいよ! 契約成立!」
よかった。最初はどうなることかと思ったけど、連想ゲームのように考えていったら上手くいった。気に入ってもらえたようで何よりだ。
そして、精霊と契約で繋がったおかげか、エマの考えていることが何となくわかるようになった。それは、向こうも同じようで、ある程度俺の考えが伝わるようだった。
「へぇ、短小はあそこがデカいのが自慢なんだね」
やめい! 俺の心を読むな! そして俺の名前を略すな! それに、あそこがデカいことを自慢したことはない! そんな姿でどぎつい言葉を使うな!
俺の心の叫びが伝わったのか、伝わっていないのか、とにかくエマはケラケラ笑いながら俺の後をついて来る。だが、たった一人で旅をするより精霊でも何でも一緒についてきてくれる存在はありがたい。エマのおかげで俺は、それほど寂しさを感じないで歩き続けることができた。
凸凸凸
「えーと、こいつはちょっとまずいのでは?」
エロフの村を出てから数時間は経っただろうか。今俺の目の前にこの世界の魔物が佇んでいる。上半身は裸の女性、下半身はクモ。そう、いわゆるアラクネと呼ばれる魔物だ。こいつはこの森でもかなり上位の存在だとミルたんが言っていたのを思い出す。今の俺では到底敵わないから、見かけたら全力で逃げるようにとアドバイスをもらっていた。しかし、俺はアラクネの女性部分に気を取られ近づきすぎてしまったのだ。だって、上半身は普通に美人のお姉さんなんだもん……
前略ミルたん様、どうやらすでに補足されていて逃げることは難しそうです。アドバイスを無駄にしてごめんなさい。
さて、そんな冗談はさておき、この場をどう切り抜けるか考える。武器はない、服はペラペラのしわしわ、襲われたらひとたまりもない。となれば、唯一の希望はエルの存在だ。ちらっと見た限り、眠そうに目をこすり、あくびまでしている。何という余裕。もしかして、エルに頼めば逃げ出すことくらいは可能なのではないだろうか。
「エル、君に決めた!」
「あんたなにいってるの? それにあんたアラクネに欲情してたでしょ。あたしはあんたの性欲を使って魔法を使うんだから、その辺りには敏感なんだよね。魔物に欲情するなんて短小はやっぱり変態!」
だめだ、この精霊は俺の言うことを素直に聞いてくれる性格ではないようだ。仕方ない、押してダメなら引いて見ろの精神だ。
「そんなこと言わずに頼むよエル。俺には君しかいないんだ」
「ええ、急にそんなこと言われても……あたしには決められて相手がいるしぃ……でも、今は短小がご主人様なわけでぇ……うん、いいわ! 助けてあげる!
ちょろいぜ。なんか気になる単語が出てきた気もするが、今この場を切り抜けることを考えればたいしたことではないはず。
エルが放った
「エルちゃんすごい! すばらしい! また魔物が現れたらお願いするね!」
「えへへ! もっと褒めて! 褒められるの大好き!」
大丈夫。この調子なら大丈夫なはず。だけど、この子を怒らせたらまずい。契約というくらいだから、主人である俺に害になるようなことはしないと思うけど、試してみる勇気はない。適度にご機嫌を取りつつ、魔物が出たら戦ってもらう。そんな関係を全力で維持する。そう決めた俺は、褒められてご機嫌なエルを連れてドワーフの住む洞窟を目指した。