継国の娘   作:毎日読書

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野生の脳筋

 色々言ったが、簡潔に言うと、俺は死にたくない。だからこそ、ゲーム好きで、運動嫌いな俺はそれでも鍛錬をしていた。とは言っても、ちゃんとした師はいなく、手本もないため、することは、身体能力の向上。とにかく、走って、筋トレして、木刀を振った。そして、鍛錬しているときには、呼吸を深くし、肺活量を鍛えた。とりあえず目指すは、原作でもあるように、呼吸のみで瓢箪を割ることだ。

 

 ***

 

 ちなみに、現在の継国家の状況はかなり悪かった。なにせ、家を支える大黒柱であった継国巌勝は行方知らず。継国縁壱もいないため、継国家の男は、俺の祖父と兄のみであった。下剋上も起こりうるこの危機的状況で、高齢の祖父は必死に家を支えた。そして、後継者である俺の兄の教育はかなり厳しいものであった。

 

 そんな現状で、俺はというと、かなり自由に過ごしていた。女であったため、家を継ぐことはできない。そして、こんな継国家と縁を結びたい家もないことから、政略結婚の打診もない。そのため、女の身で鍛錬に明け暮れようが、家族は俺に何も言わなかった。というか、口を出す暇もなかった。

 

 また、継国家の家族仲は悪かった。というか、ひどかった。なにしろ関わり合いが一切ない。祖父は当主としての仕事に忙殺されていた。祖母は亡くなっており、父と叔父は行方不明。母は夫がいなくなったことで、心が病んだ。兄は後継者となるための勉強に追われ、俺は鍛錬に夢中。なんともやばい家だが、俺には前世の家族がいたため、寂しくはなかった。兄には同情する。本当に長男じゃなくてよかった。

 

 ***

 

 そんなこんなで、俺は8歳まで継国家で鍛錬に没頭していた。運動嫌いではあったが、継国の肉体は優秀で、鍛えれば鍛えるほど強くなった。全集中の呼吸らしきものも取得し、瓢箪を割った。努力すれば、結果がすぐに出るこの体は素晴らしく、俺はこの人生を楽しんでいた。

 

 ちょうど8歳の誕生日の前日、俺は当主である祖父に呼び出された。こんなことは始めてであったので、少し緊張した。

 

 「明日の朝、寺に行き、出家しろ」

 

 祖父は端的に要件を伝えた。どうやら、家の利とならない俺はいらないようだ。しかし、俺はこのことを好機だと感じた。ただ身体能力を上げることにはすこし飽きてきていたし、なにより剣術の師が欲しくなった。だから、俺は一言

 

 「分かりました」

 

とだけ答えて、次の日の朝、継国家を出た。

 

 そこからは、縁壱と同じく寺には行かず、ただただ走った。

 

 鬼殺隊に入り、剣術と日輪刀を手に入れたかったが、伝手がない。割と途方に暮れながら、走った。藤の家紋の家にでも突撃しようかと考えながらも、ただ走った。

 

 そして、お腹がすいた。継国家は武家であったため、食事の心配はなかったが、家を出た今は違う。

 

 「俺は馬鹿だぁあぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!お腹がすいたよぉぉぉおおおおぉおおぉぉぉぉぉおお!!!」

 

と叫びながら走った。もはや俺は脳筋であった。鍛錬しすぎた・・・。

 

 ***

 

 脳筋となっていた俺はとりあえず山に入った。お腹がすいたら、狩りをすればいいと思ったからだ。

 そして、数日後

 

 「弱い、弱い、弱いぃぃいぃいい!!俺は最強無敵の山の王だぁああぁぁぁぁぁあああああ!!!」

 

俺は野生児、立派なGORIRAとなっていた。

 

 ***

 

 今まで、鍛錬で体を鍛えていたが、力の矛先となる相手がいなかった。しかし、山には多くの野生動物がおり、俺は腹がすいていた。だからこそ、俺は闘い、動物たちを食らった。

 始めての闘いは狼だった。しかも、群れからはぐれたのか、一匹だけだった。現代人であった俺は殺傷をできるのかと思っていたが、空腹の前ではなんてこともなかった。

 

 「肉を食わせろぉぉぉおおおぉぉぉぉおおおおお!!!」

 

 叫びとともに顔面を一発殴った。で、狼の顔面は陥没した。

 

 「えぇぇぇえええ・・・」

 

 さすがの俺も戸惑った。でも、どんなことも空腹の前ではどうでもいい。必死に火をつけて、焼いて食った。

 

 「うまい!うまい!うまい!」

 

 空腹は最高のスパイスであった。肉のうまみを改めて実感した俺は、狩人(脳筋)となり、山に住み着いた。

 

 




時期的に、継国巌勝は鬼化しているか、その直前で、主人公は止めることができないのでは?、と冷静になった今日この頃。

なんとかしますので、これからもよろしくお願いします。
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