現パロアークナイツ   作:Dr.ブシドー

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ワルファリン編

 俺の名前は擦 禿太(すれ はげた)、労働州学園(通称ロドス学園)に通う2年生だ、何故かクラスの奴らは俺をドクターと呼ぶ…理由はまるで分からないしもう慣れてしまったがまったく迷惑な話だ。

そして最近抜け毛に困っている俺は学校近くの神社に毎日お参りしている、若ハゲは嫌だ若ハゲは嫌だ若ハゲは嫌だ!

 

 そんな俺のいつもの放課後のルーティンに実は密かな楽しみがある、その神社にはよくヴァルポの可愛い女子が居るのだ。

 違う、断じて覗きとかそういう不埒な事はしていない…待てプラチナそれ以上近寄るなお前の話はしていない!

 

 今日もヴァルポ観察に向か…、フサフサ祈願の為にお参りに向かうとヴァルポの女の子の姿は無かった。

 落胆して気分は最悪ではあるがお参りという本来の目的は果たさないといけない、お賽銭箱に23円入れる、もちろんフサフサの意味を込めた金額だ。

 

「いや、それは普通に迷惑だろう…金融機関での両替もタダではないのだぞ?」

 

 そんな俺の耳にに呆れたような声が聞こえてきた、視線を向けた先には巫女服を着た少女が箒を片手に半目でこちらを見ている…何だこいつは顔が良いな。

 

「いやいや、神社の敷地内で勝手にコスプレしてる人に言われたくはないです」

 

 この神社に通い詰めている俺は知っている、こんな生意気そうなガ、巫女はいない…俺の情報網を無礼るなよ?

 箒を持っているという事は神社の敷地内で勝手に掃除でもしていたのかこいつは?しかもわざわざコスプレをして、どんな承認欲求だ!俺はお前が恐ろしいよ!だが顔は良い。

 

「こ、コスプレではないが?普段着だが?!」

 

 生意気そうなガ、少女は髪を揺らし半歩後退りながら明らかな動揺を見せる…バカめ、言い訳が雑過ぎる頬を染めるな!顔が良い。

 

「あ、そうですか」

 

 俺はこのガ、少女を改めて見る…見た感じ年下であるのは間違いない、銀髪というよりは真っ白なロングヘアに真っ赤な目…生意気そうな目つきは嫌いじゃない…こいつはサルカズか?

 俺は差別主義者じゃない、可愛いものは等しく愛してるタイプの人間だ…しかし、しかしだ。

 この不審者がいくら可愛いとしても関わり合いになるのは危険な匂いがする、明らかに普通ではない!それと顔が良い。

 

「それじゃあ…」

 

「ところで、お前…献血に興味はないか?」

 

 その場を立ち去ろうとした俺は袖を掴まれ引き止められる、いつの間にこんなに間合いを詰められた?不味い捕まった、乱暴な事をされてしまうのか?!エロ同人みたいに!!

 

「はい、無いです」

 

「まぁまぁ、話だけでも聞いて行け」

 

 絶対に嘘だ、先っちょだけとか言いながら全部入れてくるタイプだ俺には分かる、そのまま立ち去りたかったが掴まれた手が引き剥がせず押すも引くも出来ない。

 

「痛くはせん、な?話だけだから安心しろ…」

 

「話だけなら痛くなる訳ないだろ!やめ…うおっ?!力強っ?!離せコラ!」

 

 俺を引っ張って行こうとする手はまるで万力のように袖を掴んで離さない、このガキやたらと力が強い!いや、よく考えたら俺の周りに居る奴等も総じて腕力が強い…ひょっとして俺の力弱すぎ?!

 

「献血って事は…赤十字的なやつですか?」

 

「……いや、確かに献血は献血なのだが………」

 

 引きずられる俺は逃走の機会を伺いながら話しかけてみる、しかしすぐに返事が返ってこないどころか何だか要領を得ない…何だこのサルカズやっぱりやべぇ奴じゃんね!

 

「少し、ほんの少しだけお前の血を飲ませて欲しいだけだ…人助けだと思って……ダメか?」

 

 頬を染めるな顔が良い!引きずられながら俺は戦慄する、このサルカズは俺の血を吸いたいらしいが冗談ではない。

 しかし気が付けば俺達二人は建物の影に居た、周りからは見えないだろう…まさかこいつこの場で噛みついて来ようというのか?

 背後は建物の壁があり目の前には獲物を前にして興奮するサルカズ、死ぬ前にヴァルポの可愛い彼女が欲しかったよ…俺は観念して項垂れる、よく考えたら不審者とは言え美少女に噛まれるなら悪くない、俺の息子も少しだけふっくらしていた。

 

 その時「諦めないで!ドクター君!!」と叫ぶ声が聞こえた。

 

 顔を上げた俺の目に飛び込んできたのは、よく知る人物がサルカズの後方から駆けてきてそいつと向かい合う光景だった!ピンチの時に現れるとかヒーローかよ?ちゅき!!

 

「間に合ったようね…」

 

 通称ロドス学園園芸部部長のラナさんはそう呟くと右手をサルカズ向ける、まるでその腕自体が強力な武器であるかのように、何だよそれかっこいい痺れる憧れる、ちゅき、狙いを定めた彼女は「破ぁーーっ!!」と叫んだ

 するとラナさんの右手から青白い光弾が飛びだしサルカズを吹き飛ばした、錐揉み状態で植え込みに墜落する美少女。

 

「これで安心ね…」そう呟いて片手でタバコに火をつけるラナさん。

園芸部ってスゲェ…その時初めてそう思った。

 

「ラナさん、タバコはまずいですよ…でも、ちゅき」

 

「これは大丈夫なやつだから、それじゃあまた明日ねドクター君」

 

 ラナさんは不審者のサルカズを抱えて去っていく、俺はただその背中を見送る事しか出来なかった。

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