ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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ひよりさんとみんなとプールに行こう!
みんなでプールに来た


 ひよりさんとの同棲生活が始まって、早くも一週間ほどの時間が過ぎた。

 取り立ててトラブルらしいトラブルもなく、楽しく毎日を過ごしている僕たちは、本日クラスのみんなとバスに乗って二時間弱のところにある大型レジャー施設に遊びに来ている。

 

 大型の温水プールに温泉、宿泊用のホテルなんかも併設されているこのレジャー施設は、俗にいうスパリゾートというやつだ。

 夏休みに入る前からここに遊びに行く計画を立てていた僕たちは、無事にその当日を迎えたというわけである。

 

「くぁ~っ! やっぱたまのオフには遊ぶに限るよな~! 家で寝てるだけなんてもったいねえしさ!」

 

「あははっ、僕は家でごろごろして休みを終わらせちゃうタイプだから、遊佐くんのアクティブさが羨ましいよ」

 

 今回の計画を中心になってくれて進めてくれた遊佐くんと話をしつつ、僕たちは女の子たちを待っていた。

 夏休みらしく人で賑わうプールを眺めながら会話をする僕たちの横では、他の男子たちがキャッキャッと騒いでいる。

 

「うっひょ~っ! 水着の女の子がこんなにいるだなんて、ここはまさにパラダイスだな!」

 

「ああ、我が世の春が来た……!」

 

「今は夏だぞ。っていうか、そんな馬鹿なことしてんじゃねえよ」

 

 スケベ心丸出しで話をしている男子たちへと、遊佐くんがツッコミを入れる。

 僕も苦笑を浮かべる中、こちらへと振り返ったクラスメイトたちが若干声を潜めながらこんな話をし始めた。

 

「楽しみだよな、水着の女の子たち! ウチのクラスは地味にレベル高いから、もうワクワクが止まらねえよ!」

 

「スクール水着は思ってたより防御力が高くて乳揺れも見れなかったけど、今回は期待できるはず!!」

 

「……前々から思ってたけど、お前らって本当に欲望に正直だよな。モテない理由がよくわかるわ」

 

「ぐはっっ!」

 

 遊佐くんの切れ味鋭い一言に馬鹿話をしていたクラスメイトの大半が崩れ落ちた。

 息も絶え絶えになりながら立ち上がった彼らは、もはや欲望を隠そうともせずに話を続ける。

 

「いいじゃねえかよ! お前だって女子たちの水着姿、少しは楽しみにしてんだろ!?」

 

「そりゃあ、まあ……でも、お前たちみたいに下心丸出しで話したりはしねえよ」

 

「こういう話をする方が自然だし健全だろ!? 俺ら、思春期真っ盛りの男子高校生だぞ!?」

 

「水着の女子に惹かれて何が悪い!? デカいおっぱいが好きで何が悪い!?」

 

「普通に期待するだろうがよ! 鉢村とか、七瀬とかの水着姿、に、は――!?」

 

 ――と、そこまで話したところで、盛り上がっていた男子たちがしまったというような表情を浮かべた。

 遊佐くんも含めて、全員が揃ってこちらへと顔を向ける中、僕は笑顔で彼らへと言う。

 

「どうしたの? 話、続けなよ」

 

「い、いや、あの……尾上さん、笑顔が逆に怖いです……」

 

「そんな、敬語なんて止めていつも通りに尾上って呼んでよ」

 

「ごめんなさい! 許して! 俺が悪かったからその笑顔止めて!!」

 

 ……ちなみにではあるが、ひよりさんと話し合った上で僕たちが付き合っていることをクラスのみんなに報告していた。

 これには色々と理由があるのだが、一番の理由はそれを隠すことに限界を感じていたからだ。

 

 そもそも夏休み前にクラスのみんなと遊んだ時から、僕たちが仲がいいということはみんなに知られている。

 中には僕たちが付き合っているのではないかと疑っているクラスメイトもいたし、バレるのも時間の問題だった。

 

 だったらもう、堂々と認めてしまった方がいいに決まっている。中途半端に隠すより、僕たちは恋人だと公表してしまった方が何かと都合がいいはずだ。

 万が一にも江間が再びひよりさんに近付こうとしても、僕たちの関係を知っている人たちが彼をブロックしてくれるはず。

 元々は江間を刺激しないために隠そうとしていたわけだが、今の彼の状態を考えると隠していても知られても似たようなものだろう。

 

 僕としては、前々から公表してもいいと思っていたし……いい機会だと考え、仲のいいクラスメイトたちに話した、というわけだ。

 

 無論、今、僕たちが同居していることは秘密だし、ひよりさんが江間と付き合っていて、相手の浮気をきっかけに別れたことも今はまだ話していない。

 前者は絶対に秘密にするつもりだが、後者に関しては色々とデリケートな問題だし、おいそれと口外するわけにはいかないからだ。

 

 江間とひよりさんの過去を知っている人間は彼の暴走を間近で見たごく一部の人間に限られているわけで……その中の一人である遊佐くんが、表情を引きつらせながら僕に声をかけてくる。

 

「あの、尾上? その笑顔、普通に怖いぞ?」

 

「そう? 別に本当に怒ってるわけじゃないんだけどな……?」

 

「普段優しい奴が怒るとヤバいってよくいうじゃん? そもそも、お前って体もデカくて運動神経もいいわけだし、普通に威圧感あるぞ」

 

 なるほどな、と遊佐くんの言葉に頷く僕。

 僕としてはひよりさんにセクハラじみた真似をした場合は()()する必要があるだろうが、それ以外なら彼女が不快にならなければ別に怒ったりするつもりはない(怒らないとは言ってない)。

 

 でもまあ、確かに遊佐くんの言っていることも理解できるよなと考えていた僕の耳に、女子たちの声が響いてきた。

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