ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする 作:烏丸英
「……なあ、尾上。ちょっとぶっちゃけた質問してもいいか?」
「別にいいけど、どうしたの?」
「こういうプールに女の子と遊びに来た時ってさ、何をして遊ぶのが正解なんだ?」
「う~ん……僕もよくわからないけど、多分ああいうのが正解なんじゃないかな?」
少し泳いだり遊んだりした後、プールサイドで休憩を取っていた僕は、遊佐くんからそんな質問をされてクラスのみんなの方を指差した。
そこでは楽し気にビーチボールで遊んだり、大きめのマットをプールに浮かべてその上に乗って楽しむみんなの姿があって……それを見た遊佐くんは、難しい表情を浮かべながら言う。
「改めて考えてみたんだけどよ、俺ってプールを泳ぐ以外の方法で利用したことねえんだよな……遊びに来たはいいけど、どう遊ぶのが正解なんだ?」
「人それぞれじゃない? 泳ぐのを楽しむ人もいれば、ああやって遊ぶ人もいる。僕たちみたいにプールサイドでおしゃべりするのも、楽しみ方の一つっていえばそうかもしれないよ?」
「そうそう。私みたいに男子の体を見るのを楽しみにしてる人間もいるしね」
その言葉に驚いた僕たちが顔を上げれば、プールで遊んでいた鉢村さんがいつの間にやらこちらに近付いてきていた。
突如、話に参加してきた彼女は、僕たちの近くに立つと残念そうな表情を浮かべながらこう言葉を続ける。
「水泳の授業で見てたからそこまで期待してなかったけど、やっぱ物足りないな~……! もう少し鍛えておけよ、男子どもめ」
「な、なんか、期待に応えられなかったみたいで、申し訳ありません……」
「ああ、いいのいいの。二人に関しては十分合格点だからさ! こっちも水着姿を見せた甲斐があったってもんだよ」
普段は冷静というか、ダウナーな雰囲気を漂わせている鉢村さんだが、今日はなんだかテンションが高い。
ひよりさんもそうだが、プールと水着の解放感が気分を高揚させているのかなと考えたところで、そのひよりさんが話に割って入ってきた。
「こらっ、玲香! 人の彼氏をいやらしい目で見るな!」
「いや~、目の保養になるし、こればっかりはやめられないんし止まらないんだよね~……」
「そんなスナック菓子の宣伝文句みたいなこと言ったって許さないからね!?」
ずざーっ、と僕と鉢村さんの間に割り込むように話に入ってきたひよりさんがぷんすかと怒る。
ヤキモチを焼いているというか、そこまで本気ではないのだろうが親友を警戒しつつ、ふしゃ~っとネコのように威嚇する彼女の姿にクスッと笑みを浮かべた僕へと、今度は熊川さんが声をかけてきた。
「でもちょっと遊佐くんの気持ちもわかるかも。プールでどう遊ぶのかってマジでわかんないよね」
「あっ……! く、熊川さんもそう思うんだ? ふ、ふ~ん……!!」
好きな女の子が自分の意見に同意してくれたことや、話しかけてくれたことを地味に喜ぶ遊佐くんが妙なリアクションを見せる。
ちょっと挙動不審気味な彼のことを不審に思われないように、僕は軽く注意を逸らすように話に参加した。
「基本は泳いで遊ぶでいいんじゃないかな? でも、ここは色んな施設が合体してるしさ。そういうところで遊ぶのも楽しそうだよね」
「ああ、そういえばここって水着のまま入れる温泉とかもあるんだっけ?」
「えっ! いいじゃん、温泉! あとで入りに行こうよ!!」
「いいね! ひよりもこっそり私たちから離れて、雄介くんとしっぽり楽しんできちゃえば?」
「う~ん、なんか卑猥な言い方だなぁ……!!」
ここはプールをメインとした複合レジャー施設、中には水着のまま楽しめるアクティビティが揃っている。
このプールサイドから少し歩いたところにはフードコートもあるし、飲み物や食べ物を楽しむというのもプールでの遊び方の一つだろう。
「結局、楽しければなんでもいいのかもしれないな。プールでの遊び方なんてさ」
遊佐くんのその言葉に、僕たちが同意の頷きを見せる。
人に迷惑をかけなければ、ここでひと夏の楽しい思い出を作る方法なんてどんな形でもいいんだと……そう、僕たちが思う中、ひよりさんが大きく手を上げた。
「はいは~い! じゃあさ、折角プールに来たんだし、
「あれ? あれって何?」
「ほら! あれだよ、あれ!!」
そう言って、ひよりさんが上げた右手を動かしてとある一点を指差す。
揃ってそちらの方向へと顔を向けた僕たちが見たのは……大きな、とても大きなウォータースライダーだった。
ご報告です。
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本当にありがとうございます!これからも頑張っていきますので、続きを楽しんでくださいね!