ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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ラッキースケベ・ウォータースライダー(おっぱい編)

「ウォータースライダー……! 激しく流れる水流……! それに負けて流される水着……!」

 

「これがうわさのポロリもあるよ! ってやつか……? そのチャンスなのか!?」

 

「ちょっと男子~! 馬鹿なこと言ってんじゃないわよ~!」

 

「ホント、馬鹿ばっか……!」

 

「尾上、お前大丈夫か? なんか顔が死んでるけど……?」

 

「いや、大丈夫だよ。うん、大丈夫……!」

 

 それから数分後、僕たちはウォータースライダー乗り場にいた。

 

 クラスのみんながわいわいと楽しそうに騒ぐ中、絶叫マシンが苦手な僕はその類似品とも呼べるスライダーに恐怖している。

 でも、こんなに盛り上がっているところで僕だけ乗りたくないとは言えないし、覚悟を決めるしかないと僕が考えていたら、クラスの男子がこんなことを提案してきた。

 

「みんな! このスライダー、二人乗りできるんだって! 折角だし、男女でペアを組んで乗ろうぜ!!」

 

「へえ、いいじゃん! 面白そう!!」

 

 その提案はあっさりとみんなに受け入れられ、ペアを決めるための話し合いが始まった。

 しかし、僕の場合は既に相手が決まっているため、積極的に参加する必要はなさそうだ。

 

「雄介く~ん! 一緒に乗ろう!!」

 

「うん。よろしくね、ひよりさん……!」

 

 ニコニコと笑いながら声をかけてきたひよりさんに答える僕であったが、心の中で微妙に焦っている。

 以前のデートに続いて、今回もまた絶叫マシン(?)に乗って狼狽える恥ずかしい姿を彼女に見せたくないと考える中、ひよりさんが遊佐くんに声をかけた。

 

「じゃあ、遊佐くんは優希と一緒に滑ってね!」

 

「えっ? な、なんで……?」

 

「そりゃあさっき水着を褒めたんだしさ~! 色々と責任を取るってことで……ねっ?」

 

「いや、その理屈は意味がわからないんだけど……?」

 

 どうやらひよりさんも遊佐くんが熊川さんに好意を寄せていることを理解しているようだ。

 ノリと勢いで強引に二人をペアにするという力づくアシストを決める中、その話を聞いていたであろう熊川さんが笑みを浮かべながら話に参加してくる。

 

「おやおや~? 遊佐くんは私がペアじゃ不服なのかな~?」

 

「えっ!? い、いや、そんなことないって!」

 

「どうかな~? やっぱ他の男子たちみたく、ポロリとか後ろから抱き着かれるとか期待してるんじゃないの~? でも残念! そう簡単に水着は脱げないし、ここはボートに乗って滑るタイプのスライダーだから、抱き着かれる展開もありませ~ん!」

 

「ちっ……! 雄介くんに合法的に当ててんのよ! できるチャンスだったのに……!!」

 

「ひよりさん? 何を言ってるの?」

 

 女子二人のからかいに僕と遊佐はたじたじだ。

 だが、遊佐くんはこのチャンスをふいにしてなるものかと、熊川さんに向かって言う。

 

「お、俺は別に、そういうの期待してないから! 誤解しないでくれ!」

 

「わかってるって~! 遊佐くん、そういうキャラじゃないもんね! それでどうする? 私とペアでいい?」

 

「もっ、もちろんっ!!」

 

 熊川さんの問いかけに遊佐くんが二つ返事で答える。

 上手くいって良かったと思う僕であったが、背後に立つひよりさんが声をかけてきた。

 

「上手いこと二人をペアにできたね! あとは遊佐くんの頑張り次第だ!」

 

「そうだね。でも、遊佐くんなら大丈夫だよ」

 

「二人の今後にこうご期待! ……ってことで一旦その話は置いておいて。ふっふっふ~……! 雄介くんも残念だったね~! あたしと密着しながら滑れなくってさ~!」

 

 にや~っ、といたずらっぽい笑みを浮かべながらひよりさんが僕をからかう。

 楽し気に笑いながら胸を強調するようなポーズを取る彼女の姿に一瞬たじろいだ僕であったが、すぐさま立て直すとこう答えてみせる。

 

「べ、別に残念だなんて思ってないよ。事故防止のためだし、そんなことのためにひよりさんを危ない目に遭わせるつもりなんてないしさ」

 

 ここのウォータースライダーは結構長くて勢いも出る上にコースも曲がりくねっている。

 親子が遊ぶような短くて速度も出ない真っすぐなスライダーならいいのだろうが、ここを密着状態で滑るのは色々と危険だ。

 

 何かの拍子に抱き締めている相手と頭をぶつけてしまう可能性もあるし、うっかり肌や後頭部に爪や歯が食い込む可能性もある。

 だから、ある程度の距離を取れるサイズの浮き輪ボートに乗って、そのボートに設置されている取っ手に捉まった状態で滑ることになっていた。

 

 最初から密着して滑ることなどできないし、できたとしてもひよりさんを怪我させるかもしれないならやりたくないと僕が答えれば、彼女は嬉しそうに笑った後でこんなことを言ってくる。

 

「えへへ~! 嬉しいこと言ってくれるじゃ~ん! でもまあ、こんなにおっぱいの大きい彼女がいるんだから多少は背中に当たるおっぱいの感触とか、うっかりパイタッチに期待するのが健全な男子高校生らしいと思うよ! あと、ポロリとかさ!」

 

「うっ……!」

 

 そう言いながらぐぐっと胸を押し上げるように腕を組んだひよりさんが意味深な笑みを浮かべながら上目遣いで僕を見てきた。

 その妖しい雰囲気に圧された僕はごくりと息を飲むも、こみ上げる羞恥を堪えながら彼女へと言う。

 

「そっ、そういうことを人前で言っちゃダメだって! 恥ずかしいでしょ!!」

 

「は~い! わかりました~! ……二人きりでなら雄介くんも素直に楽しめるみたいだし、それはまた今度のお楽しみに取っておくよ! とりあえず、これはお試しね!」

 

「ぐふ……っ!?」

 

 そう言いながら僕の腕を取ったひよりさんが、それを軽く自分の胸に押し当てるように抱き締める。

 ふにゅん、という柔らかさと濡れた肌の湿っぽさ、その奥にある温かさを感じて呻いた僕をケタケタと笑いながら見つめた後、ひよりさんは皆と合流した。

 

 僕もまた、大胆な彼女の行為に心臓が爆発してしまうのではないかと思うくらいに動揺していたのだが……次々にスライダーを滑っていく友達の姿を見ているうちに、心臓の鼓動の意味が全く別のものに変わってしまう。

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