ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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夜の家族のちょっとえっちな会話

「あ~あ、夏休みもそろそろ終わりか~。雄介くんとの同居生活ももうおしまいになっちゃうね」

 

「そうだね。夏休みの間、ずっと一緒に過ごしてきたし……ひよりさんがいなくなるのはやっぱり少し寂しいな」

 

「あたしもだよ。この一か月間、毎日すごく楽しかったからさ。離れるのは悲しいよ」

 

 夕食を終えて二人で洗い物をしながら、カレンダ―を確認したひよりさんと僕は終わりが迫った夏休みと同居生活への感想を話し合っていた。

 吾郎さんからひよりさんを預かってもらいたいと言われてびっくりするところから始まり、水着を買いに行ったりクラスのみんなとプールに遊びに行ったり、家族で家で過ごしたり……と、本当に色んなことがあったと思う。

 

「同居生活らしいラッキースケベもようやく達成できたしね! まあ、部屋にあたしの下着がぶら下がってる時点で達成済みだって気もするけどさ」

 

「うぐっ……!」

 

 色々気持ちも落ち着いたおかげで理性の崩壊は食い止められたが、やっぱりその部分を突かれると思うところはある。

 少し前に見てしまったひよりさんの全裸が自然と脳内に浮かび上がり、色々デカかったなと改めて思ってしまう中、えへんと咳払いした彼女が言った。

 

「まあ、うん。これであたしは雄介くんに恥ずかしい姿を全部見られたって思えば怖いものはないね! そもそもスタートが浮気されてべこべこに凹んだ姿を見られたところからだったし、今さら感があるけどさ!」

 

「そ、それとこれとは話が別というか、恥ずかしいの意味が違うような……?」

 

 にししっ、と僕の言葉を受けたひよりさんが楽しそうに笑う。

 ほんのりと頬が染まっているところを見るに、彼女もやっぱり恥ずかしいとは思っているのだろう。

 

 こうしておどけたふりをするのもそういった恥ずかしさをごまかすためなのかもしれない。

 申し訳ないことをしてしまったなと改めて僕が思う中、どんっと横にお尻を振って僕の脚にぶつけたひよりさんが言う。

 

「見られた相手が好きな人だったからさ……恥ずかしかったけど、嫌じゃないよ。だから、悪いことをしただなんて思わないで。あたしはむしろ嬉しかったからさ!」

 

「嬉しかったって、そんな……!!」

 

 ひよりさんの言葉に今度は僕が顔を赤くする。

 彼女以上に顔を赤らめた僕が濡れた手で口元を押さえる中、ひよりさんはちょっと楽し気に笑うと再び口を開いた。

 

「っていうか、謝るならあたしの方じゃない? うっかりのせいで雄介くんをいっぱいいっぱいにしちゃったわけだしさ。健全な高校生男子にはつらかったでしょ?」

 

「……ぶっちゃけ、かなりしんどかったです。あと一歩で終わってました」

 

「ふふふ……っ! それでも我慢してくれたんだね。ありがと、雄介くん」

 

 理性がギリギリだったし、ひよりさんがあと一押ししてたら危なかったことも伝えた僕の前で、彼女がくすくすと笑う。

 そうした後で僕の手を取った彼女は、それを自分の頬に触れさせながら静かに言った。

 

「今回はできなかった……っていうか、敢えてしなかったけどさ。そういうことをする日が来たら……遠慮しないでね。今まで我慢させちゃった分、思いっきり手を出していいから。雄介くんのためなら、何でもしちゃうよ!」

 

「な、何でもって……! あ、あんまりそういうこと言うもんじゃないと思うけど……?」

 

「だってしょうがないじゃん、何でもしてあげたくなっちゃってるんだもん。いっぱい大事にしてくれて、幸せにしてくれた人にそういう形で求められたらさ……あたしだって、それ以上の愛で応えたくなって当然じゃない?」

 

 そう言いながら微笑んだひよりさんが、自分の頬に当てている僕の手を取る。

 そのまま、ゆっくりと僕の手を移動させた彼女は、赤く染まった顔を見せながら息を吐き、言った。

 

「まあ、とりあえずだけど……少しだけ、えっちなこともしておこっか?」

 

「うっ……!?」

 

 微笑んだひよりさんが自分の左胸に僕の手を押し当ててくる。

 むにゅん、という柔らかく重みのある感触が自分の手から伝わってくることに驚いて目を見開いた僕は、その奥からバクンバクンと早鐘を打っている彼女の心臓の鼓動も感じて小さく息を飲んだ。

 

(デっカッッ!? 柔らかっ!? 自分からしておいてすごい緊張してるひよりさんかわいい!!)

 

 初めてしっかりと手で触れた胸の感触だとか、恥ずかしさを押し殺し切れていないひよりさんのかわいさだとかに焼かれた僕の脳が、急激に理性を失っていく。

 このままだと完全に自分の理性が吹き飛んで、ここまできておきながら最後の最後で誓いを破ってしまう……! と僕の中にわずかに残っていた思考がそんな危険信号を鳴らしたその瞬間、玄関のチャイムが鳴った。

 

「か、母さんか……!! あ、危なかった……っ!!」

 

 時間を確認した僕は、そろそろ母が帰宅する頃だということに気が付いた。

 もしや、ひよりさんは全てを理解した上でこんな行動を取ったのでは……? と驚愕しながら彼女の方を向けば、いたずらっぽく笑ったひよりさんがそっと僕の手を解放しながら言う。

 

「あ~あ、二人きりの時間もおしまいか~! でもまあ、楽しかったし……()()()()()()()から、良しとしようかな!」

 

 色々と意味深な発言とその笑みを見つめた僕は思わず呻いてしまった。

 改めて思うのだが……部屋で悶々としていた時に考えていたように、僕の理性はひよりさんの行動次第で簡単に壊れたり修復されたりする。

 

 ジェットコースターのように目まぐるしく上下した理性を、完全にコントロールした上で現時点で出せる最大限の成果に辿り着いた彼女は、僕が思っている以上に僕のことを理解しているのかもしれない。

 そんなことを考えながら恥ずかしさで手を覆った僕は、その手がつい先ほどまでひよりさんの胸を揉んでいたことに気付き、さらなる羞恥に顔を赤く染めるのであった。

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