ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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僕とひよりさん、半分ずつでちょうどいい?

「……で、俺が生まれた……もとい、こういう形になったってわけね?」

 

「口を慎めよ、雅人。その発言、結構洒落になってないぞ」

 

「酔っ払った義姉さんにこれ幸いにと雄介が手を出してた可能性もあったわけだからね……いやまあ、そんなことしないとは思ってるけど」

 

「短期間に晩御飯でたこ焼きを連打しちゃったことは申し訳なく思ってるけど、言われ様が散々過ぎない?」

 

「いや~、あたしのせいで申し訳ない……」

 

 そうして時間は過ぎ、夜。僕たち一家はたこ焼き屋さんからお詫びでもらったたこ焼きたちを晩御飯として美味しくいただいていた。

 ひよりさんも酔いから覚め、少し恥ずかしそうな様子を見せている。

 一足先にお風呂に入ってパジャマにも着替えた彼女は、ぽりぽりと頬を掻きながら言う。

 

「まさかあそこまで自分がお酒に弱かっただなんて……びっくりだな~」

 

「仕方がないわよ。そういうことは大人になるまでわからないものだし、信頼できる相手が傍にいてくれてよかったと思いましょう」

 

「母さんの言う通りっすね。これが大学の歓迎会とかだったら、それこそ酔い潰されてお持ち帰り……なんて可能性もあったわけですし」

 

「急性アルコール中毒とかになってたらヤバかったけど、義姉さんも無事だったわけですしね。結果オーライってことで」

 

「あのたこ焼き屋さんにも今度挨拶しておこうかな? 今も心配してるだろうし、何事もありませんでしたって報告すれば気が楽になるかもだし」

 

 温め直したたこ焼きを頬張りつつ、ついでに作った焼きそばもぺろり。

 炭水化物に炭水化物を組み合わせたこのメニューはどうだと思う部分もあるが、夏祭りに遊びに行ったと思えばこんな感じの夕食になるだろう。

 

(いやまあ、季節は秋なんだけどね。夏祭りより文化祭の季節なんだけどね)

 

 というセルフツッコミを入れつつ食事を楽しんでいた僕は、撮影した写真とたこ焼きたちの味を思い返しながら口を開く。

 

「なんにせよ、今日で大分方向性は見えたよ。トッピングのバリエーションに関しても勉強できたし、あとは楽人たちと相談しつつ、実現可能なメニューを開発するだけだね」

 

「それは良かった。あたしのせいで一日無駄にさせちゃったかと思ったよ」

 

「安心して、ひよりさんと一緒に遊びに行けた時点で無駄になんてならないから」

 

「おう、超高速でイチャつきが来たぞ」

 

「もはや隠す気がなくなってるよな、雄介」

 

 ひよりさんへのフォローのつもりだったのだが、これも人によってはイチャついてるように見えるようだ。

 やっぱり僕ってバカップルの才能があるのかなと考える中、ひよりさんが言う。

 

「ちょっと気になったんだけど、雄介くんがお酒を飲んでたらどうなってたのかな? あたしみたいに酔っ払ってたと思う?」

 

「いや、それはないわね。なにせ私も亡くなったお父さんもお酒は激強だったから、子供たちもその酒豪の血を引いてるはずよ」

 

「う~ん……勇者の血統みたいなノリなのに中身が酒カスだとこんなにも残念な感じになるのか」

 

「嫌な血を引いてるな、俺たち」

 

「さっきの雄介じゃないけど、あなたたち母親に対して散々な言い様じゃない!? くそっ! ストレス発散のために! 酒! 飲まずにはいられないっ!!」

 

 そう嘆きながらぐびぐびと缶チューハイを飲んでいく母を見ると、確かにこの人の血を引いている僕が烏龍ハイを一気飲みしたくらいで酔っ払ったりはしなさそうだとも思える。

 そんなことを考えていると、ふむふむと頷いたひよりさんが何気ない感じでこう呟いた。

 

「なるほど……じゃあ、お酒に弱いあたしと強い雄介くんでちょうどいい感じか。あたしたちの子供はちょうど人並みくらいになる、かも……」

 

 そこまで言ったところで、自分が結構な爆弾発言をしていることに気付いたのだろう。

 ひよりさんは顔を赤くすると、自分の発言をごまかすようにたこ焼きを頬張る。

 

 僕も一瞬噴き出しそうになったが、それをどうにか堪えることに成功したのだが……しっかりと呟きを聞いていた母がツッコミを入れてきた。

 

「ひよりちゃん、流石に気が早いわよ。孫の顔を見たい気持ちはあるけど、もっとゆっくりで大丈夫だからね?」

 

「あ、いや、そういうつもりじゃなくって……!! うう~っ、まだお酒が残ってるのか~? 不用意な発言だった~……!」

 

 珍しく母の言葉に負けたひよりさんが恥ずかしそうに呻きながらテーブルに突っ伏す。

 ひよりさんとの子供……と想像を巡らせた僕も微妙な気恥ずかしさを覚えてしまって、それをごまかすために敢えて無言で食事を続けるのであった。

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