ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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みんな、でもいいけど、やっぱり二人きりだよね!

「……で、俺たちの晩飯がうどんになったってわけ」

 

「その謎ポーズ止めろ。あと、早く食べないとうどん伸びるぞ」

 

 ふんぞり返ってドヤ顔を浮かべながらどこかで見たようなポーズを取っている雅人へと、ツッコミを入れる。

 いそいそと自分の席に座る弟をため息混じりに見つめた僕は、続いてひよりさんと話している大我へと視線を向けた。

 

「どう? チャイナとミニスカポリス、どっちが好み?」

 

「う~ん……僅差でチャイナっすかね……?」

 

「オッケー! じゃあ、今度伝えておくね!!」

 

「さ、流石にそれは恥ずかしいんですけど……」

 

 多分、鉢村さんのコスプレ姿を見せられているであろう弟が若干引き攣った表情を浮かべながら言う。

 美味しいだけの話なんてこの世にはないんだぞと嵌められた大我に心の中で忠告しつつ、僕は二人にも声をかけた。

 

「ほら、ひよりさんと大我も早く座りなって」

 

「はいは~い!」

 

「いや、嬉しいけど……でもやっぱりちょいはずいもんなぁ……」

 

 元気に返事をするひよりさんと、ぶつぶつと何かを呟いている大我の反応は対照的だ。

 ちょっと面白いなと思いながら食事を取り始めた僕たちは、普段通りに会話に花を咲かせていく。

 

「おかわりしたい気分なんだけど、うどんも汁も余裕ある?」

 

「母さんの分も含めて、多めに作っておいたから大丈夫だよ。ただ、うどんは追加で茹でなきゃいけないけどさ」

 

「そこは自分でやるわ。大我もおかわりいるなら一緒に茹でるけど、どうする?」

 

「う~ん……これ食べてから考えるわ」

 

「ちょっと多めに作っておいて正解だったね。天ぷらとか、トッピングももう少し買ってくればよかった」

 

 カラオケで色々つまんだせいでお腹が膨れていた僕たちは、つるっと食べやすいうどんを晩ご飯にセレクトした。

 弟と母にはトッピング用の天ぷらを買って天ぷらうどんとして出しているのだが、量が足りなかったかもしれない。

 

 一応、うどん汁の中に肉や野菜も入っているから何もない素うどんにはならないはずだが……と心配する僕に対して、大我が声をかけてくる。

 

「そういえばだけど、義姉さんもコスプレしたんだよね? 感想、どうだった?」

 

「ん……? すごくかわいかったよ。まあ、あんまり他の人には見せたくなかったけどさ」

 

「独占欲出てるな~! いいことか? いいことだな。うん、いいことだ!」

 

「ふふふ……! うん、いいことだよ! あたしが言うんだから間違いない!」

 

 話題を全く別のものに変えた大我の質問に答えれば、雅人とひよりさんが笑いながらからかい半分にそう言ってきた。

 ニヤニヤ笑う二人からの視線を受けつつ、平然とうどんをすする僕へと、ひよりさんが続けて言う。

 

「そうだ! 雄介くん、明日暇? 何も予定ないんだったら、デート行こうよ!」

 

「もちろんいいよ。どこか行きたいところがあるの?」

 

「うん! いつものスイーツバイキングが秋の味覚フェアやってるし~! あと、モンキーコーデにも行きたい!」

 

「モンキ? なんで?」

 

 前半のスイーツバイキングには納得だが、どうして激安の王道と呼ばれるディスカウントストアにひよりさんが行きたがるのかがわからなかった僕がそう尋ねれば、彼女は笑みを浮かべながらこう答えてくれた。

 

「だって、あそこっていっぱいコスプレ衣装が売ってるでしょ? 今日はみんながいたから雄介くんも素直になれなかったんだろうけど……二人っきりなら、本当に見たいコスプレも遠慮なく教えてくれるよね?」

 

「うぐっ……!?」

 

 やや湿度を感じさせる笑みを浮かべたひよりさんが、甘い声で言う。

 そうしながら耳元に唇を寄せた彼女は、ふぅ……と息を吹きかけてから囁いてきた。

 

「雄介くんはあたしにどんなコスプレさせたい? お気に入りのブルマでもいいし、秋といえばやっぱりウサギさんだから、バニーガールでもいいよ? その代わり、ちゃんとかわいいって褒めてよね?」

 

「それは、まあ……もちろん、そうするつもりだけど……」

 

 脳を震わせるような甘い囁きにゾクゾクとした痺れを感じながら、僕はひよりさんに答える。

 でも流石にそんな恥ずかしい真似はできないなと思いつつも、同時に夏休みの時に水着の撮影会をやったんだったとも僕が考える中、対面に座る弟たちはうどんをすすりながらこんな会話を繰り広げていた。

 

「雅人、やっぱ俺もおかわりするわ。あと七味用意して」

 

「もうちょいしょっぱさとか辛さほしいよな。わかるわ~!」

 

 これはそう言われても仕方がないと苦笑を浮かべながら考えた僕は、こちらを見つめてくるひよりさんをチラ見してから一気にうどんの汁を飲み干す。

 みんなと一緒で遊ぶのは楽しいが、やっぱり二人きりで過ごす方がひよりさんも嬉しいみたいだと思いつつ、僕は明日のデートはどうするかと対策を考え始めるのであった。

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