ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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ひよりさんと僕とスポーツの秋(運動終了編)

「や、やっと縄跳びが終わった……もうへろへろ……」

 

「お疲れ様。でも運動はまだ続くから、そのつもりでいてね」

 

「いい笑顔で絶望的な報告をしないで……死ぬ……あたし、死んじゃう……」

 

 予定していた縄跳びの運動メニューを終えて家の中に入った僕たちは、次なるメニューをこなそうとしていた。

 ちなみにひよりさんは既に限界が近い(というより超えている)みたいだが、彼女のためにもここは心を鬼にして運動してもらおう。

 

「大丈夫だよ。次は筋トレだから、そんなに疲れたりしないからさ」

 

「地味にキツいやつじゃん……」

 

 ひよりさんは絶望的な表情を浮かべているが、こういう筋トレをダイエットのメニューに組み込むことで基礎代謝が上がり、痩せやすくなる効果があるらしい。

 という説明をした後、僕は彼女へと言う。

 

「今回はひよりさんもバテバテだし、軽いメニューでいくよ。慣れてきたら家で少しずつ負荷を上げた筋トレをしていくって感じにしよう」

 

「そうしてもらえると助かる……本当、死んじゃうから……」

 

 前にも言ったような気がするが、大事なのは『継続すること』だ。

 三日坊主にならないよう、同時に結果もはっきりと出るように、ダイエットメニューを調整することも僕の仕事の一つだろう。

 

 大切な彼女のためにもやってやるぞと気合いを入れ直した後、僕はひよりさんに休憩時間を作る意味も込めて、先に筋トレのお手本を見せる。

 

「じゃあ、まずは基本のプランクからやってみようか? これは簡単だから、身構えないで大丈夫だよ」

 

「はい……よろしくお願いします……」

 

 バテているひよりさんに声を掛けつつ、お手本を披露する。

 うつ伏せの状態から両肘を床に付け、肩からお腹、脚までを一直線に伸ばすようにしながら腹筋に力を入れ、その状態をキープ。

 両腕とつま先で体を支えることを意識しながら顔を上げた僕は、こちらを見つめるひよりさんへと言った。

 

「ざっとこんな感じかな。コツは体を一直線にすることと、腹筋に力を籠めることを意識することだよ」

 

「な、なるほど……ちなみにこれ、どのくらいキープすればいいの?」

 

「三十秒……って言いたいところだけど、最初は十秒から始めようか。ひよりさんもそのくらいならなんとかなるでしょ?」

 

「な、なんとかなる、かなぁ……? でも、やらなきゃだもんね……!!」

 

 といった感じで覚悟を決めたひよりさんへと、大我がトレーニングに使っているヨガマットを差し出す。

 それを敷いた後でうつ伏せになった彼女は、深呼吸をしてからプランクの体勢を取り始めた。

 

「ふっ、んっ……!!」

 

 僕のお手本を頼りに、同じ体勢を取ろうとするひよりさん。

 その途中で何かに気付いた彼女は、僕の方を向きながら言う。

 

「あの、雄介くん……胸が床についてるおかげで地味に楽ができてるんだけど、これってちゃんと効果があるのかな……?」

 

 彼女の言う通り、ひよりさんの立派なお胸はプランクの体勢をとっても床についたままで、彼女の体を軽く支える形になっているようだ。

 そのおかげで少し楽ができていると正直に言った彼女を見ながら、僕は言う。

 

「そっちは大丈夫だよ。大事なのは腹筋に力が入ってるかってことだからさ。だから、気になるのは胸よりお尻の方かな」

 

「ゆ、雄介くん……この状態で性癖の話をされても、今のあたしには反応する余裕がないよ……」

 

「違うから。気になるって、そういう意味じゃないからね?」

 

 言い方のせいで誤解させてしまったようだが、これは僕が尻フェチだとかそういう話ではない。

 プランクは体を一直線に伸ばした状態でいることが重要なのだが、ひよりさんは腹筋への負荷を避けるためか無意識のうちにお尻を浮かせた、横から見ると『へ』のように見える体勢を取ってしまっている。

 これだと正しく効果は発揮されないと、胸の方よりもこっちの方が問題だと彼女に伝えれば、半泣きにも近しい表情を浮かべながらひよりさんはこう言ってくれた。

 

「わ、わかったよ……お、お尻を落として、体を一直線に……くぅぅ……っ!!」

 

 ぐぐぐっ、と大きなお尻を落とし、体を一直線にするひよりさん。

 悩ましい声が漏れる中、一生懸命に正しい体勢を取った彼女は僕を見つめながら言う。

 

「ゆ、雄介くん……もしもまたあたしのお尻が浮き始めたら、押さえてくれると嬉しいかも……!!」

 

「さ、流石にそれは無理かな……色々と問題がありそうだし……」

 

「彼氏なんだから大丈夫だよ! あたしがお願いしてるんだし、もう浮いてきたら揉みまくるくらいの勢いで触っていいからさ!!」

 

「……思ったより元気だね。少し秒数伸ばそうか」

 

「雄介くんの悪魔! 鬼!! 尻フェチ!!」

 

 もしかしなくても余裕があるのかもしれないと思いつつそう言ってみれば、ひよりさんからの罵倒の言葉が返ってきた。

 割と元気なんだな~と思いつつ、彼女の大きなお尻が浮きそうになる度に注意しながら、僕はひよりさんの筋トレを監修し続ける。

 

 もちろん、床についている胸だとか、半ば突き出されるような形になっているお尻に意識が向きそうにはなったが……それを鉄の理性で抑え、どうにかトレーニングを続けていくのであった。

 

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